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<現代:魔猿とキジトラ猫>
見慣れた、天井
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「見慣れた、天井だわ」
丸いシーリングライトのある見慣れた天井。
居心地の良い七畳の洋室。
「うーーーん♪やったー!現代の世界で、お正月やり直すんだー♪」
どうしよっかなー♪冬休みだし♪お正月だし♪もう少しお布団でゴロゴロしよっかなー♪
それにしても……、大正の世界はホント大変だったよ。
何よ、14歳の女の子よ!
憲兵って何!?
魔技取締分隊て、どこの厨二の妄想ですか!
まあ、中二だけど。
それに、何よあの化け物!
まさか、これからもあんなのと戦うの!?
マジか……マジですか……ツッコミどころ満載なんですけど!
蘆屋小町と小野小町は魂は同じだけど、感じてる事に違いが有ったり、好きな物や、言葉遣いも違ったりする。
例えば、蘆屋小町は砂糖やミルクの入っていない紅茶が好き、でも小野小町は紅茶より砂糖とミルクがたっぷり入った珈琲が好き。
それに、小野小町は「何々ですわ」とか「宜しくてよ」とか、逆立ちしてもそんな言葉遣いは出来ない。
だけど今回の事で、決定的に違うのは死生観だとつくづく気付いたよ。
蘆屋小町は命の掛かった戦いを受け入れていたし、目の前でたくさんの警官や兵隊が傷つき死んでいるのを見ても動じなかった。
以前、考察したことがある。
その時に思い至ったのは、魂は同じでも、脳や肉体と言った物理的なものが違う以上、蘆屋小町と小野小町はあくまでも別人なのかも、と言うこと。
でも、やっぱり意識や記憶は共有しているから、別人という実感も無いんだけどね。
また何日かすれば、大正の世界に帰って、事件の続きを解決しなきゃいけない、多分、と言うか確信だけど、また命を懸けた戦いが有るんだろうな……気が重いよ。
でも、不思議と戻りたくないわけでも無いのよね、向こうの家族やお友達は大好きだし、特にミッチーはめちゃくちゃか可愛いのよね。
まあ、その為にも、現代の世界で、存分に食っちゃ寝して英気を養うんだ♪
「さて、そろそろ起きようかな、お腹空いたし。うーーーん」
もう一度背伸びをして、目を覚ます努力。
立ち上がろうと、ベッドの縁に座った時、ハラリと何かがベッドの下に。
「あれ、何かしら?」
十円札!?
なんで?十円札なんて小野小町、持ってたっけ?
拾い上げて裏を見ると、見覚えのある猫っぽい絵、って言うか、蘆屋小町が描いた魔法陣じゃん!
え?
じゃあ、もしかしてこれ、ウルタールってこと?
現代の世界に持ってきちゃったってことなの?
ビックリだわ。
こんな事今まで無かったんだけど……。
でもこれ、現代にあってもウルタールを呼び出せないしなー。
持って帰れるかなー?
まあ、取り合えず今度、眩暈がして予兆が有ったら、握って寝て試してみるか。
ん?
もしも、もしもだけど、大正と現代で持ち物を、自由に持ち運び出来るとしたら凄いんじゃね!?
そうだとすると……色々興味がわくよね♪
机の前に行って、置いてあるスマホを手に取って『十円札 価格』で検索。
「いや、売るわけじゃ無いよ、ホントに、でも興味はあるのよね……」
一応、本人にも了承を取ってみる。
「興味無い?自分のお値段♪」
猫を模した魔法陣が、何だか興味ありげに頷いている様に……何となく見える。
『買取価格:10000円』
「一万円かー」
今度は魔法陣が悲し気に見えてきた。
「ドンマイ!」
そういえば、二十円札も貰ったのよね。
あれは、いくらかしら?
『二十円札 価格』で検索。
『未使用品の買取価格:400000円~600000円』
「ろ、ろ、六十万円!!」
未使用品の値段だけど、大正の叔父様から貰ったのも確か、ピン札だったハズ……。
マジっすか。
今度こっちに戻ってくるときは、絶対持って来れるか試してみなきゃ!
そうなると……、バイオレンスでもなんでも、大正の世界に行くのが楽しみに成ってきたわ♪
「あれ!なんだこれ?」
何となく、机の上の鏡に目が行くと、手に持っている十円札の図柄がおかしい。
鏡に十円札を近づけてみると……。
一万円札だ。
それも現代の。
でも、肉眼で見ると確かに十円札なんだけど……なんで?。
猫っぽい魔法陣は鏡の中の一万円札にも描かれてる。
うーん、謎だ。
他の人はどう見えるのかな?
そうだ、試しにお母さんに見せて、どう見えるか聞いてみるとか。
でも、どういう風に聞けば良いのよ?
「十円札に見える?それとも一万円札に見える?」とか聞くの……?。
最近はあまり言われ無く成ってきたけど、前はこの体質のせいで、不思議ちゃん扱いだった。
また、変な事を聞いて、以前の不思議ちゃんに逆戻りって言うのは避けたいわ。
でも、この謎を解かないと、大正から二十円札を持ってきても、売れないかもだしなぁ……。
……決めた!六十万円GETする為に、ある程度のリスクを背負うのは仕方ないわ!
それじゃあ、リビングのお母さんの元へ!
丸いシーリングライトのある見慣れた天井。
居心地の良い七畳の洋室。
「うーーーん♪やったー!現代の世界で、お正月やり直すんだー♪」
どうしよっかなー♪冬休みだし♪お正月だし♪もう少しお布団でゴロゴロしよっかなー♪
それにしても……、大正の世界はホント大変だったよ。
何よ、14歳の女の子よ!
憲兵って何!?
魔技取締分隊て、どこの厨二の妄想ですか!
まあ、中二だけど。
それに、何よあの化け物!
まさか、これからもあんなのと戦うの!?
マジか……マジですか……ツッコミどころ満載なんですけど!
蘆屋小町と小野小町は魂は同じだけど、感じてる事に違いが有ったり、好きな物や、言葉遣いも違ったりする。
例えば、蘆屋小町は砂糖やミルクの入っていない紅茶が好き、でも小野小町は紅茶より砂糖とミルクがたっぷり入った珈琲が好き。
それに、小野小町は「何々ですわ」とか「宜しくてよ」とか、逆立ちしてもそんな言葉遣いは出来ない。
だけど今回の事で、決定的に違うのは死生観だとつくづく気付いたよ。
蘆屋小町は命の掛かった戦いを受け入れていたし、目の前でたくさんの警官や兵隊が傷つき死んでいるのを見ても動じなかった。
以前、考察したことがある。
その時に思い至ったのは、魂は同じでも、脳や肉体と言った物理的なものが違う以上、蘆屋小町と小野小町はあくまでも別人なのかも、と言うこと。
でも、やっぱり意識や記憶は共有しているから、別人という実感も無いんだけどね。
また何日かすれば、大正の世界に帰って、事件の続きを解決しなきゃいけない、多分、と言うか確信だけど、また命を懸けた戦いが有るんだろうな……気が重いよ。
でも、不思議と戻りたくないわけでも無いのよね、向こうの家族やお友達は大好きだし、特にミッチーはめちゃくちゃか可愛いのよね。
まあ、その為にも、現代の世界で、存分に食っちゃ寝して英気を養うんだ♪
「さて、そろそろ起きようかな、お腹空いたし。うーーーん」
もう一度背伸びをして、目を覚ます努力。
立ち上がろうと、ベッドの縁に座った時、ハラリと何かがベッドの下に。
「あれ、何かしら?」
十円札!?
なんで?十円札なんて小野小町、持ってたっけ?
拾い上げて裏を見ると、見覚えのある猫っぽい絵、って言うか、蘆屋小町が描いた魔法陣じゃん!
え?
じゃあ、もしかしてこれ、ウルタールってこと?
現代の世界に持ってきちゃったってことなの?
ビックリだわ。
こんな事今まで無かったんだけど……。
でもこれ、現代にあってもウルタールを呼び出せないしなー。
持って帰れるかなー?
まあ、取り合えず今度、眩暈がして予兆が有ったら、握って寝て試してみるか。
ん?
もしも、もしもだけど、大正と現代で持ち物を、自由に持ち運び出来るとしたら凄いんじゃね!?
そうだとすると……色々興味がわくよね♪
机の前に行って、置いてあるスマホを手に取って『十円札 価格』で検索。
「いや、売るわけじゃ無いよ、ホントに、でも興味はあるのよね……」
一応、本人にも了承を取ってみる。
「興味無い?自分のお値段♪」
猫を模した魔法陣が、何だか興味ありげに頷いている様に……何となく見える。
『買取価格:10000円』
「一万円かー」
今度は魔法陣が悲し気に見えてきた。
「ドンマイ!」
そういえば、二十円札も貰ったのよね。
あれは、いくらかしら?
『二十円札 価格』で検索。
『未使用品の買取価格:400000円~600000円』
「ろ、ろ、六十万円!!」
未使用品の値段だけど、大正の叔父様から貰ったのも確か、ピン札だったハズ……。
マジっすか。
今度こっちに戻ってくるときは、絶対持って来れるか試してみなきゃ!
そうなると……、バイオレンスでもなんでも、大正の世界に行くのが楽しみに成ってきたわ♪
「あれ!なんだこれ?」
何となく、机の上の鏡に目が行くと、手に持っている十円札の図柄がおかしい。
鏡に十円札を近づけてみると……。
一万円札だ。
それも現代の。
でも、肉眼で見ると確かに十円札なんだけど……なんで?。
猫っぽい魔法陣は鏡の中の一万円札にも描かれてる。
うーん、謎だ。
他の人はどう見えるのかな?
そうだ、試しにお母さんに見せて、どう見えるか聞いてみるとか。
でも、どういう風に聞けば良いのよ?
「十円札に見える?それとも一万円札に見える?」とか聞くの……?。
最近はあまり言われ無く成ってきたけど、前はこの体質のせいで、不思議ちゃん扱いだった。
また、変な事を聞いて、以前の不思議ちゃんに逆戻りって言うのは避けたいわ。
でも、この謎を解かないと、大正から二十円札を持ってきても、売れないかもだしなぁ……。
……決めた!六十万円GETする為に、ある程度のリスクを背負うのは仕方ないわ!
それじゃあ、リビングのお母さんの元へ!
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