15 / 67
見知らぬ地下階
しおりを挟む
その日、中々仕事が片付かず、残業が深夜にまで及んでしまった。
同僚は既にみんな帰っていて、俺は最後に戸締りを確認してオフィスを後にした。
そして、消灯され薄暗いエレベーターホールで待っていると、程無くドアが開いた。
エレベーターの中には見知らぬ男が居た。
深夜と言う事を除けば、別に珍しい事じゃ無い。
オフィスはフロア毎に賃貸契約に成っている。
恐らく、他の会社の人なんだろう。
こんな遅くまで御苦労な事だ。
まあ、俺も人のこと言えた義理じゃ無いが……。
軽く会釈して乗り込む。
ん?
一階のボタンが点灯していない。
変だと思いつつも一階のボタンを押して、閉めるのボタンを押した。
階層表示が下に降りていく。
そして一階に着いた。
だが、おかしい……。
ドアが開かない。
慌てて開くボタンを連打するが、何も起こらない。
再びエレベータが動く感覚。
そして階層表示がB1へと変わった。
やっぱり、おかしい……。
このビルに地下なんて無かった筈だ。
実際、B1のボタンなんて存在しない。
エレベーターのドアが開く。
暗く長い廊下が続いている。
隣に立つ男がエレベーターを降り、暗く続く廊下の向こうへと消えていく。
もしかすると、普段地下は一般人は降りれない様に成っていて、あの男が、特別な操作をして地下に……?
まあ、ともかく、一階へ上がろうと、再び一階のボタンと閉めるボタンを連打。
だが、さっきと同様エレベーターは動かない。
扉も閉まらない。
已む無く呼び出しボタンを押してみたが、まったく反応も無い。
「仕方ない……」
と、諦めて階段を探そうとエレベータを降りようとしたその時。
「おじさんは降りない方が良いよ」
その声に驚いて振り向くと、子供が居た。
バカな!
さっきは居なかったはず。
そもそも、こんな時間に、こんなオフィスビルに子供なんか……不自然だろ。
そう俺がとまどっている隙に、声を掛ける間もなく、少年はエレベーターを降りて廊下の向こうの暗闇に消えていった。
そして、ふいにエレベータのドアが閉まり動き出す。
階層表示は1階に変わる。
今度は問題無くドアが開いた。
「いったい、さっきのは何だったんだ……」
翌日、出社すると、既に出勤していた上司が声を掛けて来た。
「なあ、昨日変な事は無かったか?」
その言葉に一瞬ドキッとしたが、昨日の出来事をどう説明したらいいか分からず、思わずその質問に、質問で返した。
「何か有ったんですか?」
「まあな……実は、深夜飛び降りが有ったみたいなんだ」
「え! このビルでですか?」
「いや、飛び降りが有ったのは、隣のタワーマンションからだったらしいんだが……、どうも風に煽られたかして、このビルの屋上に落ちたらしいんだ」
「そんな事が……気付きませんでした」
どうやら、昨日の出来事とは関係なさそうだな。
「何でも、父親が息子を抱えて飛び降りたらしい」
俺はその日以来、オフィスのエレベーターを使うのをやめた。
-------------------------------------------------------
動画のURLこちら:
https://youtu.be/dH0hejf8AA8
同僚は既にみんな帰っていて、俺は最後に戸締りを確認してオフィスを後にした。
そして、消灯され薄暗いエレベーターホールで待っていると、程無くドアが開いた。
エレベーターの中には見知らぬ男が居た。
深夜と言う事を除けば、別に珍しい事じゃ無い。
オフィスはフロア毎に賃貸契約に成っている。
恐らく、他の会社の人なんだろう。
こんな遅くまで御苦労な事だ。
まあ、俺も人のこと言えた義理じゃ無いが……。
軽く会釈して乗り込む。
ん?
一階のボタンが点灯していない。
変だと思いつつも一階のボタンを押して、閉めるのボタンを押した。
階層表示が下に降りていく。
そして一階に着いた。
だが、おかしい……。
ドアが開かない。
慌てて開くボタンを連打するが、何も起こらない。
再びエレベータが動く感覚。
そして階層表示がB1へと変わった。
やっぱり、おかしい……。
このビルに地下なんて無かった筈だ。
実際、B1のボタンなんて存在しない。
エレベーターのドアが開く。
暗く長い廊下が続いている。
隣に立つ男がエレベーターを降り、暗く続く廊下の向こうへと消えていく。
もしかすると、普段地下は一般人は降りれない様に成っていて、あの男が、特別な操作をして地下に……?
まあ、ともかく、一階へ上がろうと、再び一階のボタンと閉めるボタンを連打。
だが、さっきと同様エレベーターは動かない。
扉も閉まらない。
已む無く呼び出しボタンを押してみたが、まったく反応も無い。
「仕方ない……」
と、諦めて階段を探そうとエレベータを降りようとしたその時。
「おじさんは降りない方が良いよ」
その声に驚いて振り向くと、子供が居た。
バカな!
さっきは居なかったはず。
そもそも、こんな時間に、こんなオフィスビルに子供なんか……不自然だろ。
そう俺がとまどっている隙に、声を掛ける間もなく、少年はエレベーターを降りて廊下の向こうの暗闇に消えていった。
そして、ふいにエレベータのドアが閉まり動き出す。
階層表示は1階に変わる。
今度は問題無くドアが開いた。
「いったい、さっきのは何だったんだ……」
翌日、出社すると、既に出勤していた上司が声を掛けて来た。
「なあ、昨日変な事は無かったか?」
その言葉に一瞬ドキッとしたが、昨日の出来事をどう説明したらいいか分からず、思わずその質問に、質問で返した。
「何か有ったんですか?」
「まあな……実は、深夜飛び降りが有ったみたいなんだ」
「え! このビルでですか?」
「いや、飛び降りが有ったのは、隣のタワーマンションからだったらしいんだが……、どうも風に煽られたかして、このビルの屋上に落ちたらしいんだ」
「そんな事が……気付きませんでした」
どうやら、昨日の出来事とは関係なさそうだな。
「何でも、父親が息子を抱えて飛び降りたらしい」
俺はその日以来、オフィスのエレベーターを使うのをやめた。
-------------------------------------------------------
動画のURLこちら:
https://youtu.be/dH0hejf8AA8
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる