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引っ越してきた隣人
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週末の夜遅く、アパートの隣の部屋に引っ越してきたと言う母子が尋ねて来た。
「二人暮らしなもので、何かとご迷惑をおかけするかもしれませんが、宜しくお願いします」
そう丁寧にあいさつをする彼女の目は虚ろで、焦点が定まっていない。
後ろにたたずむ、五歳ぐらいの男の子の表情は暗く、ずっとうつむいている。
何となく気味の悪い親子に、「こちらこそ」とだけ一言返す。
「つまらない物ですが」
彼女はそう言うと、持っていたコンビニの袋を私に手渡し、深々と頭を下げて帰って行った。
「引っ越しの挨拶にコンビニって……」
でもまあ、もらい物だしと、袋の中を覗き込むと激しい腐敗臭に襲われ、思わず顔をそむける。
「いったい何なの!」
ともう一度確認するとそれは、コンビニで売られてるイチゴのショートケーキが二つ。
でも、その表面はカビで覆われ、明らかに腐っていた。
賞味期限は二週間も前。
それも、片方には齧られた跡も……。
気分が悪く成って、すぐにゴミ箱に捨てた。
「絶対に、お隣には関わらないでおこう」そう心に決めた。
「なんで言う事を聞けないのよ!
あんたなんか産まなければ良かった!
なんで生まれて来たのよ!!」
翌日の深夜、隣から激しく罵倒する声が聞こえる。
うんざりする様なヒドイ言葉の羅列。
もうそれはしつけの範疇を超えていた。
しかも時折、パチンと叩く様な音も混じる。
そして、それは毎晩の様に続いた。
お隣が引っ越してきて二週間ほど経ったある日の深夜。
残業を終えてアパートに帰り着くと、隣の玄関の前に少年が立っていた。
コートを羽織っていても凍えるほど寒いのに、Tシャツ姿で剥き出しの手足には痣の跡。
関わらないでおこうと思っていたけど、さすがにその姿を見かねて、持っていた使い捨てカイロをそっと握らせて上げた。
そして次の日の朝、大家さんに電話を掛け、隣でヒドイ児童虐待が行われてる事、これから役所の方に通報しようと考えて居る事を一言断りを入れると、大家さんから意外な言葉が帰ってきた。
「え? いや、その部屋はまだ空き室のハズですよ。気のせいでは?」
さすがにその予期せぬ大家さんの回答に驚いて絶句したけれど、そんなはずは無いと、お隣が引っ越してきてからの二週間余りの事を説明した。
「そうですか。もし本当だとすると、不法占拠されている可能性が有りますね。すぐに其方に向かいます」
と、一応納得して、様子を見に来てくれることに成った。
小一時間程して、大家さんがたずねて来る。
そして一応、私も立ち会う事に成り、二人でお隣の玄関の前へ。
チャイムを鳴らしても一向に誰も出てこない。
已む無く大家さんが鍵を開け、中へと入る。
私は取り合えず外で待つことに。
「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
突然、大家さんの悲鳴。
口元を押さえ、えずきながら飛び出してきた。
私が何となく気になって、部屋を覗こうとすると、
「み、見ない方がいいですよ!」
と、止められた。
中で、二人が亡くなっていると。
程無く、大家さんが警察に通報。
私は事情徴収を受ける事に成った。
どうやら、女性は自ら首を吊り、子供には首を絞められた跡が有ったとのこと。
それで、この二週間余りの出来事を説明すると、制服姿の警官が首を傾げる。
「それはおかしいですね。御遺体の状況を見る限り、お二人が亡くなったのは、一月ほど前の筈なんですが……」
-------------------------------------------------------
動画のURLこちら:
https://youtu.be/qPrPjR6qsoA
「二人暮らしなもので、何かとご迷惑をおかけするかもしれませんが、宜しくお願いします」
そう丁寧にあいさつをする彼女の目は虚ろで、焦点が定まっていない。
後ろにたたずむ、五歳ぐらいの男の子の表情は暗く、ずっとうつむいている。
何となく気味の悪い親子に、「こちらこそ」とだけ一言返す。
「つまらない物ですが」
彼女はそう言うと、持っていたコンビニの袋を私に手渡し、深々と頭を下げて帰って行った。
「引っ越しの挨拶にコンビニって……」
でもまあ、もらい物だしと、袋の中を覗き込むと激しい腐敗臭に襲われ、思わず顔をそむける。
「いったい何なの!」
ともう一度確認するとそれは、コンビニで売られてるイチゴのショートケーキが二つ。
でも、その表面はカビで覆われ、明らかに腐っていた。
賞味期限は二週間も前。
それも、片方には齧られた跡も……。
気分が悪く成って、すぐにゴミ箱に捨てた。
「絶対に、お隣には関わらないでおこう」そう心に決めた。
「なんで言う事を聞けないのよ!
あんたなんか産まなければ良かった!
なんで生まれて来たのよ!!」
翌日の深夜、隣から激しく罵倒する声が聞こえる。
うんざりする様なヒドイ言葉の羅列。
もうそれはしつけの範疇を超えていた。
しかも時折、パチンと叩く様な音も混じる。
そして、それは毎晩の様に続いた。
お隣が引っ越してきて二週間ほど経ったある日の深夜。
残業を終えてアパートに帰り着くと、隣の玄関の前に少年が立っていた。
コートを羽織っていても凍えるほど寒いのに、Tシャツ姿で剥き出しの手足には痣の跡。
関わらないでおこうと思っていたけど、さすがにその姿を見かねて、持っていた使い捨てカイロをそっと握らせて上げた。
そして次の日の朝、大家さんに電話を掛け、隣でヒドイ児童虐待が行われてる事、これから役所の方に通報しようと考えて居る事を一言断りを入れると、大家さんから意外な言葉が帰ってきた。
「え? いや、その部屋はまだ空き室のハズですよ。気のせいでは?」
さすがにその予期せぬ大家さんの回答に驚いて絶句したけれど、そんなはずは無いと、お隣が引っ越してきてからの二週間余りの事を説明した。
「そうですか。もし本当だとすると、不法占拠されている可能性が有りますね。すぐに其方に向かいます」
と、一応納得して、様子を見に来てくれることに成った。
小一時間程して、大家さんがたずねて来る。
そして一応、私も立ち会う事に成り、二人でお隣の玄関の前へ。
チャイムを鳴らしても一向に誰も出てこない。
已む無く大家さんが鍵を開け、中へと入る。
私は取り合えず外で待つことに。
「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
突然、大家さんの悲鳴。
口元を押さえ、えずきながら飛び出してきた。
私が何となく気になって、部屋を覗こうとすると、
「み、見ない方がいいですよ!」
と、止められた。
中で、二人が亡くなっていると。
程無く、大家さんが警察に通報。
私は事情徴収を受ける事に成った。
どうやら、女性は自ら首を吊り、子供には首を絞められた跡が有ったとのこと。
それで、この二週間余りの出来事を説明すると、制服姿の警官が首を傾げる。
「それはおかしいですね。御遺体の状況を見る限り、お二人が亡くなったのは、一月ほど前の筈なんですが……」
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動画のURLこちら:
https://youtu.be/qPrPjR6qsoA
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