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バトロワ編 完
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「大体そんなに攻撃を耐えられるなら最初から桜が行けばよかったんじゃないの?」
「いえ。実はそう出来ない重大な事情があったので――――」
「…………事情って?」
「遠距離2人に突撃するのは少し怖いです……」
「私ならいいんかい!」
「最初から火の神殿に突撃した忍さんだったら、相手に突撃するのも好きなのかと思ったのですが――――」
「それとこれとは話がちがーーーう」
「っと。忍さん、そんな事より相手が来ます」
足音が少しづつ大きくなってきていて、相手チームが決着をつけようと私達に近付いて来ました。
相手チームは私達の少しだけ手前で立ち止まり、様子を伺っているようです。
「忍さんは私の後ろについて来てファイアーボールを相手に撃って牽制してください」
「りょーかい。けど、動きながらだと当てにくいと思うんだけどいいの?」
「はい。相手の矢を放つタイミングを少しでも遅らせてくれるだけでいいです。それに遠距離攻撃同士がぶつかったら相殺されるので運が良ければ何発か消えてくれると思います」
「うん。わかった」
本当にわかったのでしょうか。
一応念を押しておかないと。
「…………それと、絶対に後ろから私に当てないでくださいね?」
「わ、解ってるわよ!」
「あとマジックポイントに余裕があればファイアーウォールで壁をお願いします」
「了解。覚えとく」
「それでは……………行きます!」
「おー!」
私達は呼吸を合わせて相手に向かって一気に距離を詰めて行きました。
相手も予想していたようで先頭の私に向かって矢を放って来たのですが、最初の攻撃をなんとか盾で受け止めて矢を弾き返します。
「忍さん。この距離なら攻撃が届きます!」
「わかってるって! それっ、ファイアーボール!」
忍さんが私の後ろから相手の隠れている場所に向けて炎魔法を放つと、真っ赤が火の玉は真っ直ぐに相手に向かって飛んでいき、相手の隠れている瓦礫にぶつかった瞬間、バンッと音を立てて軽い爆発を起こして瓦礫に黒いこげ跡が残りました。
相手も負けじと矢で反撃してきましたが、なんとか盾で防御して距離を詰めます。
しかし、無理やり突撃しているせいでウッドシールドに次第に大きなヒビがはいってきました。
この感じだと後1、2回攻撃を受けたら壊れちゃうかも。
けど、後ろには忍さんがいるので私に出来る事は壊れないように祈る事だけ。
お願いっ、もってください!
――――しかし残念ながら私の願いは天には届かず、次の攻撃を受けた瞬間ガキンと音をたてて私の持っている盾は弾け飛んでしまいました。
「桜!?」
「大丈夫です。まだ体力には余裕があります」
ここまで来たら後はただひたすらに真っ直ぐに進むだけ。
殆ど被弾していないので、体力は十分なはず――――。
「ふっふ~。だったら、ここはこの忍さんにまっかせなさ~い!」
私の体力を心配した忍さんが突然立ち止まり、その場でくるりと回転してから火のロッドを掲げると足元に紅い魔法陣が出現しました。
そして出現した魔法陣の中に小さな火の粉が現れて、まるで踊っているかのようにメラメラと宙を舞い踊っています。
相手はそんな忍さんには目もくれず、まずは1人でも相手の人数を減らそうと私に狙いを合わせて弓を引き――――いっきに解き放ちました。
相手の放った矢が私の目の前まで到達した瞬間、詠唱を終えた忍さんが魔法を発動させます。
「出なさい! 何人の侵入を阻む真紅の防壁、ファイアーウォール!」
私に向かって放たれた矢は私に直撃する瞬間、突然現れた炎の壁によって阻まれ燃えながら消滅していきました。
――――よしっ、この距離だったらっ!
「桜!」
「理解ってます!」
私は走っている勢いにまかせて炎の壁をジャンプして飛び越えると、相手の1人の頭上まで飛び上がりそのまま空中で剣を構えて落下しながら斬りつけます。
「やあーーーーーーっ!」
「ぐはっ」
私は相手の1人を一撃でやっつけました。
「よくもやったな!」
「…………遅いです!」
そしてすかさずもう1人へと距離を詰めて相手が攻撃動作に入る前に連続斬りを繰り出してもう1人も一気にやっつけました。
「やったね、桜」
「はい。かなりギリギリでしたが、なんとかなりました」
「じゃあ次行く?」
「ちょっと待ってください。どうやらランダムイベントが発動するみたいです」
私達が勝利の余韻に浸っていると、突然ランダムイベントを知らせるアナウンスが流れて来たので物陰に隠れながら聞くことにします。
「1時間経過しました。ランダムイベント香川が発動。1時間以上プレイしているプレイヤーは全員敗北となります」
…………えっ!?
まさか例のイベントが本当に導入されてたなんて!?
「さ、桜。ランダムイベント香川って何が起きるの!?」
「ランダムイベント香川…………それは」
「――――それは?」
「1時間以上遊んでるプレイヤーを強制的にゲームから退場させる恐ろしいイベントなんです!」
「ええっ!? なにそれ!?」
「…………なにそれと言われても。最近になって偉い人の1人にゲームを1時間以上プレイさせるなって人が現れて…………それでこのイベントがゴリ押しで導入されてしまって…………」
直後、私達の体は空に吸い込まれるように浮かんで行き。
「きゃっ。なにこれ!?」
「忍さん。どうやら今回のゲームはここまでみたいです…………」
「ええ~っ!? まだ全然途中じゃん!?」
ある程度の場所まで浮かび上がった後、私達は強制的にログアウトされ現実へと戻って行きました。
やっぱりこのゲーム、大丈夫じゃ無いのかもしれません…………。
「いえ。実はそう出来ない重大な事情があったので――――」
「…………事情って?」
「遠距離2人に突撃するのは少し怖いです……」
「私ならいいんかい!」
「最初から火の神殿に突撃した忍さんだったら、相手に突撃するのも好きなのかと思ったのですが――――」
「それとこれとは話がちがーーーう」
「っと。忍さん、そんな事より相手が来ます」
足音が少しづつ大きくなってきていて、相手チームが決着をつけようと私達に近付いて来ました。
相手チームは私達の少しだけ手前で立ち止まり、様子を伺っているようです。
「忍さんは私の後ろについて来てファイアーボールを相手に撃って牽制してください」
「りょーかい。けど、動きながらだと当てにくいと思うんだけどいいの?」
「はい。相手の矢を放つタイミングを少しでも遅らせてくれるだけでいいです。それに遠距離攻撃同士がぶつかったら相殺されるので運が良ければ何発か消えてくれると思います」
「うん。わかった」
本当にわかったのでしょうか。
一応念を押しておかないと。
「…………それと、絶対に後ろから私に当てないでくださいね?」
「わ、解ってるわよ!」
「あとマジックポイントに余裕があればファイアーウォールで壁をお願いします」
「了解。覚えとく」
「それでは……………行きます!」
「おー!」
私達は呼吸を合わせて相手に向かって一気に距離を詰めて行きました。
相手も予想していたようで先頭の私に向かって矢を放って来たのですが、最初の攻撃をなんとか盾で受け止めて矢を弾き返します。
「忍さん。この距離なら攻撃が届きます!」
「わかってるって! それっ、ファイアーボール!」
忍さんが私の後ろから相手の隠れている場所に向けて炎魔法を放つと、真っ赤が火の玉は真っ直ぐに相手に向かって飛んでいき、相手の隠れている瓦礫にぶつかった瞬間、バンッと音を立てて軽い爆発を起こして瓦礫に黒いこげ跡が残りました。
相手も負けじと矢で反撃してきましたが、なんとか盾で防御して距離を詰めます。
しかし、無理やり突撃しているせいでウッドシールドに次第に大きなヒビがはいってきました。
この感じだと後1、2回攻撃を受けたら壊れちゃうかも。
けど、後ろには忍さんがいるので私に出来る事は壊れないように祈る事だけ。
お願いっ、もってください!
――――しかし残念ながら私の願いは天には届かず、次の攻撃を受けた瞬間ガキンと音をたてて私の持っている盾は弾け飛んでしまいました。
「桜!?」
「大丈夫です。まだ体力には余裕があります」
ここまで来たら後はただひたすらに真っ直ぐに進むだけ。
殆ど被弾していないので、体力は十分なはず――――。
「ふっふ~。だったら、ここはこの忍さんにまっかせなさ~い!」
私の体力を心配した忍さんが突然立ち止まり、その場でくるりと回転してから火のロッドを掲げると足元に紅い魔法陣が出現しました。
そして出現した魔法陣の中に小さな火の粉が現れて、まるで踊っているかのようにメラメラと宙を舞い踊っています。
相手はそんな忍さんには目もくれず、まずは1人でも相手の人数を減らそうと私に狙いを合わせて弓を引き――――いっきに解き放ちました。
相手の放った矢が私の目の前まで到達した瞬間、詠唱を終えた忍さんが魔法を発動させます。
「出なさい! 何人の侵入を阻む真紅の防壁、ファイアーウォール!」
私に向かって放たれた矢は私に直撃する瞬間、突然現れた炎の壁によって阻まれ燃えながら消滅していきました。
――――よしっ、この距離だったらっ!
「桜!」
「理解ってます!」
私は走っている勢いにまかせて炎の壁をジャンプして飛び越えると、相手の1人の頭上まで飛び上がりそのまま空中で剣を構えて落下しながら斬りつけます。
「やあーーーーーーっ!」
「ぐはっ」
私は相手の1人を一撃でやっつけました。
「よくもやったな!」
「…………遅いです!」
そしてすかさずもう1人へと距離を詰めて相手が攻撃動作に入る前に連続斬りを繰り出してもう1人も一気にやっつけました。
「やったね、桜」
「はい。かなりギリギリでしたが、なんとかなりました」
「じゃあ次行く?」
「ちょっと待ってください。どうやらランダムイベントが発動するみたいです」
私達が勝利の余韻に浸っていると、突然ランダムイベントを知らせるアナウンスが流れて来たので物陰に隠れながら聞くことにします。
「1時間経過しました。ランダムイベント香川が発動。1時間以上プレイしているプレイヤーは全員敗北となります」
…………えっ!?
まさか例のイベントが本当に導入されてたなんて!?
「さ、桜。ランダムイベント香川って何が起きるの!?」
「ランダムイベント香川…………それは」
「――――それは?」
「1時間以上遊んでるプレイヤーを強制的にゲームから退場させる恐ろしいイベントなんです!」
「ええっ!? なにそれ!?」
「…………なにそれと言われても。最近になって偉い人の1人にゲームを1時間以上プレイさせるなって人が現れて…………それでこのイベントがゴリ押しで導入されてしまって…………」
直後、私達の体は空に吸い込まれるように浮かんで行き。
「きゃっ。なにこれ!?」
「忍さん。どうやら今回のゲームはここまでみたいです…………」
「ええ~っ!? まだ全然途中じゃん!?」
ある程度の場所まで浮かび上がった後、私達は強制的にログアウトされ現実へと戻って行きました。
やっぱりこのゲーム、大丈夫じゃ無いのかもしれません…………。
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