ゲームキャスターさくら

てんつゆ

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私に投票してください! 生徒会長選挙バトル10

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 ともかくこれでちょっぴり有利になったので、少しでも上にいないと。

 私は落下する足場の上でジャンプして滞空時間を多く取る事で、少しでも長く足場に乗っている事が出来る「ぴょんぴょん作戦」を取る事にしました。

「ぴょ~ん。ぴょ~ん。っと」

 別に口に出して言う必要は特に無いのですが、私的にはジャンプのタイミングを取る為に必須だったりします。

 ――――――しばらくぴょんぴょん作戦を続けた結果、だいぶ最上段に留まる事が出来ましたが、流石にずっといるのは難しくて今乗っている足場が移動出来る最後の場所になってしまいました。

「ふぅ。これだけいれば、もうじゅうぶんですね」

 私は意を決して下へと降りると、走り回っている麗華さんの姿が見えました。
 …………というか、麗華さんが無駄に走り回っちゃったせいで足場がほとんど残ってません!?

「あら? 桜さんも足場を踏み外して落ちて来ましたの? 意外とおマヌケさんですこと」
「…………あの。私の場合は足場を踏み外したと言うより、足場が残ってない感じだったんですけど…………」
「そんなの些細な違いですわ! さあ第2ラウンドの開始よ!」
「第2ラウンドと言われても、麗華さんのせいですぐに終わっちゃいそうです」
「それは桜さんがすぐに落ちてこないから悪いんでしょうが!」
「ええっ!? 私のせいなんですか!?」

 なんか理不尽な言いがかりをつけられてしまいました。
 まあ今いる足場はもう駄目そうなので、あえて下に落ちた方がいいかもしれません。
 
 ――――私はなるべく真ん中の方に移動してから下の階層に落ちていくと、上から勝ち誇った麗華さんの声が聞こえてきました。

「おーっほっほっほ。第2ラウンドはわたくしの勝ちですわね!」
「だから第2ラウンドとか無いんですってば!」

 一足先に降りた私は、真ん中に飛び越えられないくらいの隙間が出来るようにパネルを落としてから場所を確保しました。

 それからすぐに「ぴょんぴょん作戦」をやってゆっくりと麗華さんが落ちてくるのを待つ事にします。

 ―――――そして数秒後。
 思ってるより少し早く麗華さんが落下して来ました。
 
「さあ第3ラウンドですわよ! …………って、あら? 桜さんの方には行けませんわね」
「必要以上に荒らすので、こっちに来れないようにしました」
「おーっほっほっほ。そんなにわたくしが怖いんですの?」
「…………まあ色んな意味で」

 麗華さんは走り回り、私はぴょんぴょんしている事で足場は圧倒的に私側の有利。

 ――――と、思っていたのですが、ここで事件が発生してしまいました。 

 もう大丈夫だろうと油断していたのか、その場ジャンプ……………つまり、ジャンプしてとなりのパネルではなく、落下して無くなってしまったその場所に留まるようなジャンプをしてしまった為、私は最下層へと落ちてしまったのです。


「あら? もう落ちてしまわれたの? これでわたくしの2連勝ですわね」

 着地してパネルがグラグラと揺れ始めたと思った瞬間、パネルが崩れ落ちて地の底へと落下して行きました。

 もうこの場所が最下層なので、ここで落ちたら敗北が決定してしまう為、ジャンプをする緊張感は上にある場所とは段違い。

 ただ、あまり緊張していては逆にミスをしてしまうので、心をしっかりと持たないと!

「こうなったら最後の手段です!」

 私は覚悟と決めて最下層を走り出しました。


 ―――――そしてしばらくして、上の層で走り回っていた麗華さんも乗ることが出来る足場が無くなり、最下層へと落ちてくるみたいです。


「では桜さん。最終ラウンドを始めますわよ!」
「別にいいですが、最終ラウンドはすぐに終わっちゃいますよ?」
「え? ――――ちょ、ちょっとこれはどうなってますの!?」

 
 そう。私は麗華さんが上から落ちてきそうな場所にあるパネルをあらかじめ全て落としておいたのでした。

 つまり最下層の足場が無いという事は――――――。

「い、いぃやぁああああああああ!」

 麗華さんはそのまま最下層より下まで落ちていき、姿が見えなくなった瞬間にジャッジから私の勝利がコールされました。

「勝者、風宮桜!」

 といった感じで最後の麗華さんをやっつけたら、ちょうど投票出来る時間も終わったみたいで、校内に下校を知らせるチャイムが鳴り響きました。
  
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