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凍る道化の恋物語
#6
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五分程仮眠をとって少しだけ冴えた頭で、改めてビャンコ様から概要をお伺いしました。
彼も徹夜のようですね、それを考えたら少し哀れに思えてきます。
そして、色々悩んだ結果。
ビャンコ様の提示した条件にいくつか付け加えることで、代打になる事にしました。
「まず顔はあなたの術で隠すより、私の持つ仮面の方が良いでしょう。ハーブと指輪の扱いに失敗したら術が解けてしまう可能性がありますから」
「お、うん」
「イザッコにこの事を事前に伝えておいてください、仮面の件を彼に言えばすぐに分かると思いますから」
「りょーかい」
「余裕があれば指輪とハーブは使用前に軽く実験をしておいて下さい。私がそれらを全て使うと魔力はほとんど空になります」
「えっ、そんな強力なの?」
「ユメノ様やあなたには私ほど効かないと思いますが、どうなるのか保証しきれません」
一気に言い切ります。
仮眠を取ったとはいえ、やはり眠さの波がきています。
「では着替えたいので一度帰宅します」
「うぃーす、じゃあとりあえず部屋までグリフォンに頼んで送らせるわ」
「グリフォンですか?」
「うん、早いし楽だよ」
そんな気軽に国の聖獣を借りる訳にもいきません。
早急に帰宅したい気持ちですが、普通のパラッツォの上にグリフォンが降り立つのは目立ち過ぎるので勘弁していただきたいです。
「結構です、その代わり飴を三つ程ください」
「飴? キーちゃんから貰った奴?」
「はい、私のタバコより即効性がありますので」
「? とりあえずわかった」
ビャンコ様が首を捻りながらも飴を三つ手渡してくださいました。
私は飴を手の中で砕き、口の中に流し込みます。
その様子を見てビャンコ様が「わぁ」と小さく言い顔を顰めますが、この味が彼向けのものだというのを今度教える必要がありますね。
口の中の飴が溶けきらない内に、胸ポケットに刺していたペンを取り出して地面に陣を描きます。
大体の形が描けたところで、飴を全て飲み込みます。
「午後になる時刻に中庭に参ります」
「え? うん。本当にグリフォン良いの? てか何してんの?」
「お疲れ様です、では後ほど」
私は陣に左手をあて、練った魔力を一気に込めます。
私の意識が別の空間へ移動し、一瞬だけ体の重みから解放されたあと。
私は自身の体重と共に自室の寝室に移動しました。
緊急のために用意していた転送の陣です、こんな事に使うことになるとは思ってませんでした。
庁舎の会議室の方のは簡易版で、飴で無理やり上げた魔力で描いているので使用後は消えてなくなります。
さて……目の前にベッドがありますが、このまま寝ると夕方まで寝てしまいそうです。
シャワーを浴びてからどうするか考えましょう。
───────
朝は気にしませんでしたが、この時期の庁舎の中庭の花々は本当にきれいですね。
街中の花壇も素敵ですが、やはりここのは格別です。
あの後結局ギリギリまで眠りました。
それからクローゼットの奥にしまい込んでいたこの舞台衣装を着ました。
出来れば使いたくはない代物ですが、今回のビャンコ様からの依頼には丁度良いです。
ただ、赤い仮面がセットになるので目立ちます。
時折通りすがる職員の方からの視線はありますが、イザッコから説明を受けているのか騎士の方が不審人物として声をかけてくることはありません。
「えっと……キー、ノスさん?」
ぼんやりと中庭を眺めていたところに、ビャンコ様が遠慮がちに声をかけてきます。
私は顔を上げ彼と目を合わせます。
「その反応なら、私が誰かはバレなそうですね」
「……本当にそうなんですね、驚きました。ご案内しますのでついてきて貰えますか?」
連れられるまま、先程別れた会議室ではなく食堂へ連れていかれました。
以前カズロ様の話で聞いた壁で仕切られたテーブル席に案内していただきました。
ビャンコ様が中空に何か声を掛け、席の入口に何か幻術が掛けたようです。
それを察してか、ビャンコ様がいつもの口調で話し始めます。
「ちょっとさ、何それ? その格好どうしたの?」
「昼食を奢って下さると考えて良いですか?」
「あ、うん。カズロん知らないみたいだけど、ここでの食事局長以上ってタダになるんよ」
「……教えてあげてください」
私はため息をつきながら、テーブルにあったメニューを手に取り眺めます。
「てか……本当に別人すぎて久しぶりにニオイで調べたわ」
「精霊に聞けば早いのでは?」
「いやまぁ……だから、説明して欲しいんだけど! そんな格好できたの?」
「イザッコから聞いてませんか?」
「見た目の特徴だけは聞いたけどさ」
「とりあえず注文をしても良いですか?」
「決めるの早っ」
入口の幻術を解き、ビャンコ様がベルを鳴らします。
するとすぐに職員の方が来て下さり、注文を聞き去っていきました。
言葉使いや仕草も含め素晴らしい対応です、ユメノ様は何が不満だったのか理解に苦しみます。
昼食を食べ終わり、食後に紅茶を運んでいただきました。
この紅茶はサービスのようです、ビャンコ様が局長だからでしょう。
「で、そろそろ説明してくれるよね?」
「この服装ですか?」
「仮面ってか全部じゃん、なんかいつもと動きとかも違うし。誰よって思うわ」
「魅了の研究の副産物と、この服は変装としてはとても便利な物ですので」
「そんなのあったら、色々解決するんじゃないの?」
「この姿はこの姿で使い道があると言いますか、必要がなければ持ち出しません」
「なんか意味があるって事? あー……だからか」
「なんですか?」
「イザッコが『その手があったか!』って言い出してさ。何いきなり? って思ったんよ」
「……覚えてなかったのですね」
話を聞いた時イザッコが言い出さないのが不思議だったのですが、忘れてたのは呆れるしかありません。
「で! その、格好!」
「はい」
「黒髪! 黒スーツ! 赤い仮面!」
「そうですね」
「普段より目立ってるじゃん!」
「仮面に変化で違う顔を貼り付ければ、外を少し歩く分にはそこまで目立ちません」
「じゃあ普段から仮面付ければ良いじゃん」
「やろうとしてサチ様に止められました」
「なんで?」
「変化では表情を変えられないので普段から仮面を付けた人物と大差なく、違う方向で目立つと言われました」
「んー、じゃあ普段から幻術使うのは?」
「私はあなたと違って術を使い続けられる魔力量はありません。道具があれば話は違いますが」
「探すよ今度はちゃんと」
「ハナビの借りと合わせて今回の条件ですからね」
この装いも秘密裏に何かするには有用ですが、活用しにくいのでちょうど良いです。
「てか、今は化けてないよね?」
「はい」
「なんで?」
「仮面が分からないと私だとは分からなかったのではないですか?」
「あぁそっか、オレのためね」
本当の理由は別にありますが、話す必要はないでしょう。
イザッコとビャンコ様を今回の件は簡単に許すつもりはありません。
ビャンコ様には取引材料を、イザッコには少々痛手を負ってもらいます。
「外見の特徴以外に何も聞いてないのですか?」
「あの後すぐイザッコに言いに行って、すぐ後の騎士団の朝礼で見た目と不審者じゃないって説明聞いくらいよ」
「そうですか。ではここを出たあとは初対面として接してください」
「え? だってオレの替え玉でしょ? 知らない方が不自然じゃない?」
「一応対外的にはオランディにいる術士はあなただけのはずで、今の私も存在するはずありません」
「……そうだけどさ」
「私はたまたまオランディに訪れた手品師として紹介されるかと思います。ビャンコ様は同じ術士だからと迎え入れた、とかでしょうか」
「手品師?」
「マーゴ・フィオリトゥーラという名の手品師です。本来は私の術の師匠で、お貸ししている魔道具や今の言葉使いは彼のお陰です」
「えっ」
「彼は各地で当時の私のような術士の卵に手解きをしてこの変装一式を渡します。彼の弟子達がこの格好で術を使えば、彼の容姿は凄腕の術士として広範囲で知られることになります」
ビャンコ様が音を立てて椅子から立ち上がります。
「いや、何サラッと言ってんの? 超有名人じゃん!」
「そうですね。こういう時にはちょうど良いですが、出来れば使いたくはないと思ってます」
「じゃあ、色々ある有名な伝説って」
「私がやったものはないですよ、各地で弟子の方かご本人がやった事でしょうね」
「はぁ……」
ビャンコ様がため息をつきながら再び椅子に座ります。
「一応言っておきますが、本当に緊急の措置ですからね。流浪の手品師が都合よくいる訳がないことは理解してください」
「うん、そこは大丈夫。色々聞きたいけどそろそろ準備しないとね」
「そのようで」
「しかし、まさかあの有名手品師なら……知ってる人も多いんじゃない?」
「彼の特徴で一番有名な事をしなければ、結構皆さん気づかないですよ」
「あ、もしかしてやるの?」
「かなり目立ちますが仕方ないですからね。本当に今回の事は許すつもりはないですから、そこだけは勘違いなさらないで下さい」
ビャンコ様に釘を刺し、食堂を後にします。
噂の留学生相手に、手品をしなければなりませんから……
彼も徹夜のようですね、それを考えたら少し哀れに思えてきます。
そして、色々悩んだ結果。
ビャンコ様の提示した条件にいくつか付け加えることで、代打になる事にしました。
「まず顔はあなたの術で隠すより、私の持つ仮面の方が良いでしょう。ハーブと指輪の扱いに失敗したら術が解けてしまう可能性がありますから」
「お、うん」
「イザッコにこの事を事前に伝えておいてください、仮面の件を彼に言えばすぐに分かると思いますから」
「りょーかい」
「余裕があれば指輪とハーブは使用前に軽く実験をしておいて下さい。私がそれらを全て使うと魔力はほとんど空になります」
「えっ、そんな強力なの?」
「ユメノ様やあなたには私ほど効かないと思いますが、どうなるのか保証しきれません」
一気に言い切ります。
仮眠を取ったとはいえ、やはり眠さの波がきています。
「では着替えたいので一度帰宅します」
「うぃーす、じゃあとりあえず部屋までグリフォンに頼んで送らせるわ」
「グリフォンですか?」
「うん、早いし楽だよ」
そんな気軽に国の聖獣を借りる訳にもいきません。
早急に帰宅したい気持ちですが、普通のパラッツォの上にグリフォンが降り立つのは目立ち過ぎるので勘弁していただきたいです。
「結構です、その代わり飴を三つ程ください」
「飴? キーちゃんから貰った奴?」
「はい、私のタバコより即効性がありますので」
「? とりあえずわかった」
ビャンコ様が首を捻りながらも飴を三つ手渡してくださいました。
私は飴を手の中で砕き、口の中に流し込みます。
その様子を見てビャンコ様が「わぁ」と小さく言い顔を顰めますが、この味が彼向けのものだというのを今度教える必要がありますね。
口の中の飴が溶けきらない内に、胸ポケットに刺していたペンを取り出して地面に陣を描きます。
大体の形が描けたところで、飴を全て飲み込みます。
「午後になる時刻に中庭に参ります」
「え? うん。本当にグリフォン良いの? てか何してんの?」
「お疲れ様です、では後ほど」
私は陣に左手をあて、練った魔力を一気に込めます。
私の意識が別の空間へ移動し、一瞬だけ体の重みから解放されたあと。
私は自身の体重と共に自室の寝室に移動しました。
緊急のために用意していた転送の陣です、こんな事に使うことになるとは思ってませんでした。
庁舎の会議室の方のは簡易版で、飴で無理やり上げた魔力で描いているので使用後は消えてなくなります。
さて……目の前にベッドがありますが、このまま寝ると夕方まで寝てしまいそうです。
シャワーを浴びてからどうするか考えましょう。
───────
朝は気にしませんでしたが、この時期の庁舎の中庭の花々は本当にきれいですね。
街中の花壇も素敵ですが、やはりここのは格別です。
あの後結局ギリギリまで眠りました。
それからクローゼットの奥にしまい込んでいたこの舞台衣装を着ました。
出来れば使いたくはない代物ですが、今回のビャンコ様からの依頼には丁度良いです。
ただ、赤い仮面がセットになるので目立ちます。
時折通りすがる職員の方からの視線はありますが、イザッコから説明を受けているのか騎士の方が不審人物として声をかけてくることはありません。
「えっと……キー、ノスさん?」
ぼんやりと中庭を眺めていたところに、ビャンコ様が遠慮がちに声をかけてきます。
私は顔を上げ彼と目を合わせます。
「その反応なら、私が誰かはバレなそうですね」
「……本当にそうなんですね、驚きました。ご案内しますのでついてきて貰えますか?」
連れられるまま、先程別れた会議室ではなく食堂へ連れていかれました。
以前カズロ様の話で聞いた壁で仕切られたテーブル席に案内していただきました。
ビャンコ様が中空に何か声を掛け、席の入口に何か幻術が掛けたようです。
それを察してか、ビャンコ様がいつもの口調で話し始めます。
「ちょっとさ、何それ? その格好どうしたの?」
「昼食を奢って下さると考えて良いですか?」
「あ、うん。カズロん知らないみたいだけど、ここでの食事局長以上ってタダになるんよ」
「……教えてあげてください」
私はため息をつきながら、テーブルにあったメニューを手に取り眺めます。
「てか……本当に別人すぎて久しぶりにニオイで調べたわ」
「精霊に聞けば早いのでは?」
「いやまぁ……だから、説明して欲しいんだけど! そんな格好できたの?」
「イザッコから聞いてませんか?」
「見た目の特徴だけは聞いたけどさ」
「とりあえず注文をしても良いですか?」
「決めるの早っ」
入口の幻術を解き、ビャンコ様がベルを鳴らします。
するとすぐに職員の方が来て下さり、注文を聞き去っていきました。
言葉使いや仕草も含め素晴らしい対応です、ユメノ様は何が不満だったのか理解に苦しみます。
昼食を食べ終わり、食後に紅茶を運んでいただきました。
この紅茶はサービスのようです、ビャンコ様が局長だからでしょう。
「で、そろそろ説明してくれるよね?」
「この服装ですか?」
「仮面ってか全部じゃん、なんかいつもと動きとかも違うし。誰よって思うわ」
「魅了の研究の副産物と、この服は変装としてはとても便利な物ですので」
「そんなのあったら、色々解決するんじゃないの?」
「この姿はこの姿で使い道があると言いますか、必要がなければ持ち出しません」
「なんか意味があるって事? あー……だからか」
「なんですか?」
「イザッコが『その手があったか!』って言い出してさ。何いきなり? って思ったんよ」
「……覚えてなかったのですね」
話を聞いた時イザッコが言い出さないのが不思議だったのですが、忘れてたのは呆れるしかありません。
「で! その、格好!」
「はい」
「黒髪! 黒スーツ! 赤い仮面!」
「そうですね」
「普段より目立ってるじゃん!」
「仮面に変化で違う顔を貼り付ければ、外を少し歩く分にはそこまで目立ちません」
「じゃあ普段から仮面付ければ良いじゃん」
「やろうとしてサチ様に止められました」
「なんで?」
「変化では表情を変えられないので普段から仮面を付けた人物と大差なく、違う方向で目立つと言われました」
「んー、じゃあ普段から幻術使うのは?」
「私はあなたと違って術を使い続けられる魔力量はありません。道具があれば話は違いますが」
「探すよ今度はちゃんと」
「ハナビの借りと合わせて今回の条件ですからね」
この装いも秘密裏に何かするには有用ですが、活用しにくいのでちょうど良いです。
「てか、今は化けてないよね?」
「はい」
「なんで?」
「仮面が分からないと私だとは分からなかったのではないですか?」
「あぁそっか、オレのためね」
本当の理由は別にありますが、話す必要はないでしょう。
イザッコとビャンコ様を今回の件は簡単に許すつもりはありません。
ビャンコ様には取引材料を、イザッコには少々痛手を負ってもらいます。
「外見の特徴以外に何も聞いてないのですか?」
「あの後すぐイザッコに言いに行って、すぐ後の騎士団の朝礼で見た目と不審者じゃないって説明聞いくらいよ」
「そうですか。ではここを出たあとは初対面として接してください」
「え? だってオレの替え玉でしょ? 知らない方が不自然じゃない?」
「一応対外的にはオランディにいる術士はあなただけのはずで、今の私も存在するはずありません」
「……そうだけどさ」
「私はたまたまオランディに訪れた手品師として紹介されるかと思います。ビャンコ様は同じ術士だからと迎え入れた、とかでしょうか」
「手品師?」
「マーゴ・フィオリトゥーラという名の手品師です。本来は私の術の師匠で、お貸ししている魔道具や今の言葉使いは彼のお陰です」
「えっ」
「彼は各地で当時の私のような術士の卵に手解きをしてこの変装一式を渡します。彼の弟子達がこの格好で術を使えば、彼の容姿は凄腕の術士として広範囲で知られることになります」
ビャンコ様が音を立てて椅子から立ち上がります。
「いや、何サラッと言ってんの? 超有名人じゃん!」
「そうですね。こういう時にはちょうど良いですが、出来れば使いたくはないと思ってます」
「じゃあ、色々ある有名な伝説って」
「私がやったものはないですよ、各地で弟子の方かご本人がやった事でしょうね」
「はぁ……」
ビャンコ様がため息をつきながら再び椅子に座ります。
「一応言っておきますが、本当に緊急の措置ですからね。流浪の手品師が都合よくいる訳がないことは理解してください」
「うん、そこは大丈夫。色々聞きたいけどそろそろ準備しないとね」
「そのようで」
「しかし、まさかあの有名手品師なら……知ってる人も多いんじゃない?」
「彼の特徴で一番有名な事をしなければ、結構皆さん気づかないですよ」
「あ、もしかしてやるの?」
「かなり目立ちますが仕方ないですからね。本当に今回の事は許すつもりはないですから、そこだけは勘違いなさらないで下さい」
ビャンコ様に釘を刺し、食堂を後にします。
噂の留学生相手に、手品をしなければなりませんから……
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