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凍る道化の恋物語
#9
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「……まずいね、てかアホなのかな」
「黙っておくのも違うように思えまして」
「うーん、どうしたもんか」
中途半端な時刻に火をつけたタバコに気づいたビャンコ様が、日付が変わった頃ご来店なさいました。
狙って火をつけましたが、来てくださって良かったです。
予め用意していたメカブとジュンマイシュをお出しし、その後はずっとこの調子です。
「イザッコに言うべきなんだろうけど、微妙だね」
「私があちらの言葉が分かる事が伝わるのも避けたいです」
「いくら伝わらないってもそんな重要そうな事をまぁーペラペラと。アホなのかな」
「何かの罠でしょうか」
「その可能性も考えた方が良いかもね」
彼らがあちらの言語で零した内容はいくつかあります。
模擬戦に関しての詳細は替え玉の正体が分かってから正式に報告する事。
リモワの術士を探っていて、私が疑われた事。
異世界人を戻す方法に興味がある事。
シーラッハという人物がいる事………
「罠だとしたら情報がどう広まるかを見るんかね」
「ビャンコ様は尾行などの心配はありませんでしたか?」
「最近はずっと精霊さんにお願いしてるから大丈夫だよ。多分飴の追加また頼むと思う」
「飴は構いませんが……彼らは私とビャンコ様に面識があると考えているでしょうし、交流がある事は知られない方が良さそうですね」
「めんどくさいなぁホント。オレの猫ローブが可愛く思えるわ」
「色々誤魔化しながら話すのは疲れます……少しビャンコ様の努力を尊敬しました」
「嬉しくないわそんな尊敬」
私はただのバリスタだとしても色々知りすぎています。
しかし私自身は、あまり化かし合いは得意ではありません。
「罠という可能性を一度排除して、私が思うに彼らはケータ様への対抗策を得たいのではと思います」
「なんでよ」
「おそらく彼はユメノ様と同郷から来た異世界人かと思われます」
「え、そうなの?」
「骨格や肌の色の特徴がサチ様と同じで、術の事を魔法と言うのはユメノ様と共通しています」
「それだけ?」
「彼は術士の訓練してないようですが、高出力で行使することができていますし、術の特性を考えるとかなりの無駄遣いをしています。こちらもユメノ様と共通しています」
「あぁ、あの模擬戦ね。久々に鼻に結界張ったわ。言われると当てはまる条件多いね」
「術士に関して調べているはずの彼らが一番興味を示したのが、ユメノ様が消えた時の話です」
「あーつまり? 対抗策として術士探してたけど、そもそも消せる方法あるならそれが良いって感じかもって事ね」
ここでビャンコ様がハァッと短くため息をつきました。
「そんな対策ないとやばいそうな人と殿下で交換留学させるかね?」
「あまり考えたくない可能性ですね」
「最初からおかしいトコは多かったけどさ」
オチョコに残っていたウラガーノを飲み干し、今度は長いため息をつきます。
「じゃああの模擬戦とかやばいんじゃない? キーちゃん余裕で勝ってたじゃん」
「彼は術士としてはとても未熟でしたからね、ビャンコ様も何か対抗策はありますよね?」
「うーん、オレなら火か石使うか結界張るかな」
「今回の模擬戦で問題なのは、ケータ様に術士なら対抗できる事が証明されたことでしょう」
「あぁ、そうね。お付の兵士が物理的にちまちま破壊するのとは違うわな」
「ケータ様は脅迫の手段として使いにくくなるでしょうね」
「術士には術士で圧力をかけるためか。オレで試そうとしたら替え玉が出てきて、それでも問題なかった! てとこかね。あっちに術士いないの?」
「そこまではなんとも。ケータ様対策かどうかも推論の域を出ません」
話をしていくにつれ、ぼんやりと概要が見えてきたように思えます。
「どうしようかね」
「シーラッハという人物が気になりますね」
「そうね、あとは探ってる情報が何か知る方法探しとくわ」
「当面は泳がせるのが得策でしょうか」
「実際結構警戒されてるんよね彼ら。多分ここに来るの情報収集もあると思うよ」
「常連の方ともお知り合いになりつつあるので、もう少し警戒したいですね」
「ここのお客さん、リモワ商人として優秀な人多いからねぇ。しかも店長が騎士団長と知り合いならマークされるよなぁ」
私も下手に目立つ事をしない方が良さそうですね。あとはお客様の会話に少し注意して……
考え込んでいた間に、ビャンコ様が天を仰ぎました。
「あぁーーこないだやっと色んな問題解決したのになぁーー」
「今更ですが、ビャンコ様が模擬戦に出ていたら演習場が大惨事でしたね」
「でしょお? あんな氷柱バシバシ飛ばされても避けらんねぇから壊すか結界張るしかないじゃん? 火か石なら流れ弾当たったらどっちか死ぬし、結界張ってたら動けんし。無理無理!」
「水蒸気爆発も起きそうですね」
「あれをヒラヒラ避けて最後は拍手でパーン! って消しちゃうとかおかしいでしょ」
「まともな術士なら足元に罠を仕掛けるでしょう」
「それでもなんとかしそうだよね」
「一応警戒して最初に演習場全体にごく弱い結界を仕掛けました、意味はなかったですが」
「あぁ、あの最初の自己紹介?」
「はい、普通ならあのタイミングでバラを手に出すのですよ」
それ以外にもいくつか準備はしてましたが、彼が未熟だったので何事もありませんでした。
「かっこよかったよマジ。普通にショーとして楽しかったし」
「師匠のお陰ですね。あの仮面は魔力通すと魅了が発現しますので、発言と仕草には多分に補正がかかってます」
「あー、だからあんだけしつこくバラ出したの?」
「師匠の趣味を兼ねてます。登場のカラスもそうですね」
「派手好きなんね……」
「私はまだ地味な方です。師匠はあれに加えて雷による光の明滅がつきますから」
稲光とカラスが舞い降り、登場と共に光る雷のバラが咲く……私にはとてもマネができません。
弟子の方次第で少しずつ違うようで、炎を扱う方もかなり派手だと聞いております。
「キーちゃんが指鳴らすのって師匠譲りなの?」
「はい。訓練時に散々怒られたので染み付いてしまいました」
「元はどんなんだったの?」
「足踏みです。貧乏譲りみたいだからやめろと言われました」
「はぁーなるほどねー」
「ビャンコ様は手を翳してますね」
「いや、すんごく恥ずかしいけど……本気の時は歌か口笛だよ」
「容姿にはよくお似合いですよ」
つくづく神話な人ですね、中身だけが残念です。
「あの留学生さ、キーちゃんとの試合のあとは結構大人しいっていうか」
「なんですか?」
「毒気抜かれた感じでボーッとしてる事多いらしいんだよ」
「ビャンコ様より弱そうな手品師に負けたからショックが大きかったのでしょう」
グリフォンの群れを率いる白い術士と、派手だが詐欺師めいた黒い術士……神に勝つつもりが詐欺師に負けたら悔しいでは済まないでしょう。
「いや逆でさ、すごい威力の術に負けた訳じゃないのがすごく新鮮? だったみたいで」
「新鮮ですか」
「うん。あの留学生の氷柱を逆に利用して勝ったようなもんじゃん」
「あれは私相手には完全に悪手です」
魔力で作った氷をそのまま残しておくなど、私に使ってくれと言っているようなものです。
それに彼は水を扱えるのにあの戦法は実に勿体ないです。
「あの留学生、一応『海上の流通を学ぶ』って名目で来てんじゃん。基礎はほとんど終わってんだってよ」
「それはまた優秀な方ですね」
「そ。彼術士関わんなきゃデキるコみたいなんだよね」
「地頭は良いのですね」
「だからキーちゃんに見事に逆手に取られて負けたのが想像以上に応えてるんじゃない?」
「そうですか? 大きな氷柱しか出さないとはいえやりようはあったでしょう」
「あんね、普通あんなのヒラヒラ避けられないからね?」
「避ける先を誘導して、予め用意しておいた氷柱を背後から当てるなど戦略の立て方があるでしょう」
「今まで害獣ばっか相手にしてたんでしょ、策をしっかり立てて挑んでこられた経験がなかったんだよ」
確かにそうかもしれません。
私は魔獣に該当しますが、彼よりずっと人間らしい戦い方をしていたとは思います。
そう考えると、彼は永遠に私の正体は知らない方が良いでしょうね。
「でももしその仮説が本当なら、彼はビャンコ様の次に手品師はどこかと探し始めるのではないですか?」
「そこが不思議でね。試合のあとキーちゃんすぐ帰っちゃったけど、あのコ呆然としちゃってて。それが続いてる感じ」
「正体を推理してるのでは?」
「それは分からんけど、オレがサラマン君連れてっちゃった時とは全然反応違うよ」
「それなら今はもうビャンコ様に付きまとってはいないのですか?」
「うん、あの女兵士もいないよ。ほんっとーーにありがとうキーちゃん!!」
「それは何よりです」
最近はご来店の頻度も落ちてますからね。
お酒に強いとは言え、毎晩かなりの量を飲んでいらしたので心配はしておりました。
「とりあえずオレはオレで調べたりしてみるわ、キーちゃんの方も何かあったら連絡ちょうだいね」
「本日はありがとうございます、途方に暮れていたので助かりました」
「ははっ、それは嬉しいね! キーちゃんに頼られるなんて!」
「私はビャンコ様をいつも頼りにしてますよ」
「いやいや、まぁいいや。少しは気が晴れた?」
「はい。当面の方針も決まりました」
兵士達の話を聞いた直後の混乱は、ビャンコ様と会話することで解消されました。
誰かと話して安心を得る、私にはあまりなかった経験です。
彼には怒ることが多いですが、同じくらい助けられる事が多いのだと今更気付かされました。
「黙っておくのも違うように思えまして」
「うーん、どうしたもんか」
中途半端な時刻に火をつけたタバコに気づいたビャンコ様が、日付が変わった頃ご来店なさいました。
狙って火をつけましたが、来てくださって良かったです。
予め用意していたメカブとジュンマイシュをお出しし、その後はずっとこの調子です。
「イザッコに言うべきなんだろうけど、微妙だね」
「私があちらの言葉が分かる事が伝わるのも避けたいです」
「いくら伝わらないってもそんな重要そうな事をまぁーペラペラと。アホなのかな」
「何かの罠でしょうか」
「その可能性も考えた方が良いかもね」
彼らがあちらの言語で零した内容はいくつかあります。
模擬戦に関しての詳細は替え玉の正体が分かってから正式に報告する事。
リモワの術士を探っていて、私が疑われた事。
異世界人を戻す方法に興味がある事。
シーラッハという人物がいる事………
「罠だとしたら情報がどう広まるかを見るんかね」
「ビャンコ様は尾行などの心配はありませんでしたか?」
「最近はずっと精霊さんにお願いしてるから大丈夫だよ。多分飴の追加また頼むと思う」
「飴は構いませんが……彼らは私とビャンコ様に面識があると考えているでしょうし、交流がある事は知られない方が良さそうですね」
「めんどくさいなぁホント。オレの猫ローブが可愛く思えるわ」
「色々誤魔化しながら話すのは疲れます……少しビャンコ様の努力を尊敬しました」
「嬉しくないわそんな尊敬」
私はただのバリスタだとしても色々知りすぎています。
しかし私自身は、あまり化かし合いは得意ではありません。
「罠という可能性を一度排除して、私が思うに彼らはケータ様への対抗策を得たいのではと思います」
「なんでよ」
「おそらく彼はユメノ様と同郷から来た異世界人かと思われます」
「え、そうなの?」
「骨格や肌の色の特徴がサチ様と同じで、術の事を魔法と言うのはユメノ様と共通しています」
「それだけ?」
「彼は術士の訓練してないようですが、高出力で行使することができていますし、術の特性を考えるとかなりの無駄遣いをしています。こちらもユメノ様と共通しています」
「あぁ、あの模擬戦ね。久々に鼻に結界張ったわ。言われると当てはまる条件多いね」
「術士に関して調べているはずの彼らが一番興味を示したのが、ユメノ様が消えた時の話です」
「あーつまり? 対抗策として術士探してたけど、そもそも消せる方法あるならそれが良いって感じかもって事ね」
ここでビャンコ様がハァッと短くため息をつきました。
「そんな対策ないとやばいそうな人と殿下で交換留学させるかね?」
「あまり考えたくない可能性ですね」
「最初からおかしいトコは多かったけどさ」
オチョコに残っていたウラガーノを飲み干し、今度は長いため息をつきます。
「じゃああの模擬戦とかやばいんじゃない? キーちゃん余裕で勝ってたじゃん」
「彼は術士としてはとても未熟でしたからね、ビャンコ様も何か対抗策はありますよね?」
「うーん、オレなら火か石使うか結界張るかな」
「今回の模擬戦で問題なのは、ケータ様に術士なら対抗できる事が証明されたことでしょう」
「あぁ、そうね。お付の兵士が物理的にちまちま破壊するのとは違うわな」
「ケータ様は脅迫の手段として使いにくくなるでしょうね」
「術士には術士で圧力をかけるためか。オレで試そうとしたら替え玉が出てきて、それでも問題なかった! てとこかね。あっちに術士いないの?」
「そこまではなんとも。ケータ様対策かどうかも推論の域を出ません」
話をしていくにつれ、ぼんやりと概要が見えてきたように思えます。
「どうしようかね」
「シーラッハという人物が気になりますね」
「そうね、あとは探ってる情報が何か知る方法探しとくわ」
「当面は泳がせるのが得策でしょうか」
「実際結構警戒されてるんよね彼ら。多分ここに来るの情報収集もあると思うよ」
「常連の方ともお知り合いになりつつあるので、もう少し警戒したいですね」
「ここのお客さん、リモワ商人として優秀な人多いからねぇ。しかも店長が騎士団長と知り合いならマークされるよなぁ」
私も下手に目立つ事をしない方が良さそうですね。あとはお客様の会話に少し注意して……
考え込んでいた間に、ビャンコ様が天を仰ぎました。
「あぁーーこないだやっと色んな問題解決したのになぁーー」
「今更ですが、ビャンコ様が模擬戦に出ていたら演習場が大惨事でしたね」
「でしょお? あんな氷柱バシバシ飛ばされても避けらんねぇから壊すか結界張るしかないじゃん? 火か石なら流れ弾当たったらどっちか死ぬし、結界張ってたら動けんし。無理無理!」
「水蒸気爆発も起きそうですね」
「あれをヒラヒラ避けて最後は拍手でパーン! って消しちゃうとかおかしいでしょ」
「まともな術士なら足元に罠を仕掛けるでしょう」
「それでもなんとかしそうだよね」
「一応警戒して最初に演習場全体にごく弱い結界を仕掛けました、意味はなかったですが」
「あぁ、あの最初の自己紹介?」
「はい、普通ならあのタイミングでバラを手に出すのですよ」
それ以外にもいくつか準備はしてましたが、彼が未熟だったので何事もありませんでした。
「かっこよかったよマジ。普通にショーとして楽しかったし」
「師匠のお陰ですね。あの仮面は魔力通すと魅了が発現しますので、発言と仕草には多分に補正がかかってます」
「あー、だからあんだけしつこくバラ出したの?」
「師匠の趣味を兼ねてます。登場のカラスもそうですね」
「派手好きなんね……」
「私はまだ地味な方です。師匠はあれに加えて雷による光の明滅がつきますから」
稲光とカラスが舞い降り、登場と共に光る雷のバラが咲く……私にはとてもマネができません。
弟子の方次第で少しずつ違うようで、炎を扱う方もかなり派手だと聞いております。
「キーちゃんが指鳴らすのって師匠譲りなの?」
「はい。訓練時に散々怒られたので染み付いてしまいました」
「元はどんなんだったの?」
「足踏みです。貧乏譲りみたいだからやめろと言われました」
「はぁーなるほどねー」
「ビャンコ様は手を翳してますね」
「いや、すんごく恥ずかしいけど……本気の時は歌か口笛だよ」
「容姿にはよくお似合いですよ」
つくづく神話な人ですね、中身だけが残念です。
「あの留学生さ、キーちゃんとの試合のあとは結構大人しいっていうか」
「なんですか?」
「毒気抜かれた感じでボーッとしてる事多いらしいんだよ」
「ビャンコ様より弱そうな手品師に負けたからショックが大きかったのでしょう」
グリフォンの群れを率いる白い術士と、派手だが詐欺師めいた黒い術士……神に勝つつもりが詐欺師に負けたら悔しいでは済まないでしょう。
「いや逆でさ、すごい威力の術に負けた訳じゃないのがすごく新鮮? だったみたいで」
「新鮮ですか」
「うん。あの留学生の氷柱を逆に利用して勝ったようなもんじゃん」
「あれは私相手には完全に悪手です」
魔力で作った氷をそのまま残しておくなど、私に使ってくれと言っているようなものです。
それに彼は水を扱えるのにあの戦法は実に勿体ないです。
「あの留学生、一応『海上の流通を学ぶ』って名目で来てんじゃん。基礎はほとんど終わってんだってよ」
「それはまた優秀な方ですね」
「そ。彼術士関わんなきゃデキるコみたいなんだよね」
「地頭は良いのですね」
「だからキーちゃんに見事に逆手に取られて負けたのが想像以上に応えてるんじゃない?」
「そうですか? 大きな氷柱しか出さないとはいえやりようはあったでしょう」
「あんね、普通あんなのヒラヒラ避けられないからね?」
「避ける先を誘導して、予め用意しておいた氷柱を背後から当てるなど戦略の立て方があるでしょう」
「今まで害獣ばっか相手にしてたんでしょ、策をしっかり立てて挑んでこられた経験がなかったんだよ」
確かにそうかもしれません。
私は魔獣に該当しますが、彼よりずっと人間らしい戦い方をしていたとは思います。
そう考えると、彼は永遠に私の正体は知らない方が良いでしょうね。
「でももしその仮説が本当なら、彼はビャンコ様の次に手品師はどこかと探し始めるのではないですか?」
「そこが不思議でね。試合のあとキーちゃんすぐ帰っちゃったけど、あのコ呆然としちゃってて。それが続いてる感じ」
「正体を推理してるのでは?」
「それは分からんけど、オレがサラマン君連れてっちゃった時とは全然反応違うよ」
「それなら今はもうビャンコ様に付きまとってはいないのですか?」
「うん、あの女兵士もいないよ。ほんっとーーにありがとうキーちゃん!!」
「それは何よりです」
最近はご来店の頻度も落ちてますからね。
お酒に強いとは言え、毎晩かなりの量を飲んでいらしたので心配はしておりました。
「とりあえずオレはオレで調べたりしてみるわ、キーちゃんの方も何かあったら連絡ちょうだいね」
「本日はありがとうございます、途方に暮れていたので助かりました」
「ははっ、それは嬉しいね! キーちゃんに頼られるなんて!」
「私はビャンコ様をいつも頼りにしてますよ」
「いやいや、まぁいいや。少しは気が晴れた?」
「はい。当面の方針も決まりました」
兵士達の話を聞いた直後の混乱は、ビャンコ様と会話することで解消されました。
誰かと話して安心を得る、私にはあまりなかった経験です。
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