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夏の湖畔と惨劇の館
#6
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ビャンコ様が晩酌に参加してからしばらく、料理にも満足して今は各々好きなお酒を飲みながらババ抜きをしております。
私はトランプの遊びが比較的得意なためか、先程から勝ち続けています。
それが面白くないビャンコ様が私の動揺を誘おうとしています。
「キーちゃんは不意打ちと押しに弱いよ」
「人が良いですからね」
「それだけ聞くとビャンコさんが悪いヤツに聞こえるな」
私は隣のシオ様から手札を取ります。
スペードの七、手札が揃ったので場に出します。
「んな、術禁止でしょ?」
「使ってない」
「なんで揃うの?」
「揃うからだ」
不満そうなビャンコ様を無視してミケーノ様へ手札を向けます。
今度はミケーノ様が私から手札をとる番です。
「うーん……顔色読めねぇんだよなぁ」
「一枚はジョーカーだ」
「まじかよ」
ミケーノ様は勘が良いのですよね。
手札のジョーカーを引かせるには一筋縄ではいかなそうです。
「よく俺に聞くが、ミケーノさんは恋人はいるのか?」
「オレは一度離縁してるからな、しばらくいらねぇな」
「離縁?」
「嫁さんに浮気されて出てかれて、向かねぇんだろうなぁ……」
知らなかったとはいえ、失礼なことを聞いてしまったようです。
「すまない、辛いことを聞いた」
「気にすんな、今じゃ笑い話だからな」
私の差出した手札を見ながら、笑って手を鷹揚に振ります。
それから私の手札から一枚を取りました。
「お、揃った!」
ミケーノ様がペアでそろった手札を場に出します。
そのままメル様が引く順番になります。
「ミケーノの場合、離縁した後が大変でしたからね」
「何があったんですか?」
「嫁さんが売上持ってっちまってな、仕事増やすか悩んでた時いつもより客が来てくれて……あの時は助かったなぁ、本当に」
「女の人がたくさん通ったんですよ、私はダシによく使われました」
「シオとはその頃知り合ったんだよな」
「そうですね、私達も長い付き合いですね」
そう言えば、お二人は初めて店にご来店された時からお知り合いでしたね。
メル様はカードを引き、一度手札をシャッフルさせてからビャンコ様へカードを差し出します。
「はい、どうぞ!」
「んんー、これかな?」
カードの一枚に手を触れます。
「さぁ、どうでしょうか?」
メル様が得意げに笑って見せます。
ビャンコ様は少し迷った後で、手を触れたものの隣の手札を引きます。
どうやら揃わなかったようで、そのまま手札をシオ様へ向けます。
シオ様は横目で私をちらりと見てから、ビャンコ様のカードに注目します。
「そういえば、どうしてキーノスは寝室の部屋割りであなたとの同室を拒んだんですか?」
「そういやなんでだろ? お泊まり会した事あんのに」
「なるほど、知らないんですね」
シオ様が手札を引き、揃った手札を場に出します。
ビャンコ様に微笑みで答え、私の方へ手札を向けます。
「理由を聞いてもよいですか?」
そう言って私の方へ笑顔を向けます。
答えても良いのですが、また部屋割りで揉めるのは正直避けたいです。
「……ご想像にお任せします」
私は手札を引きます。
クラブの二です、揃ったので場に出します。
残る手札は一枚だけです。
「おい、なんでいきなり敬語になった?」
「どうぞ」
「待て待て、気になるぞ?」
「本人に聞けば良い」
ミケーノ様は困惑した表情で私の最後の手札のジョーカーを引きます。
私はこのゲームでは一抜けしましたが、夜中のババ抜きはもう少し続きそうです。
夜も深け、メル様、シオ様……と眠気を我慢出来なくなった方から順に離脱していきました。
残りの三人で食器類を片付け、場をお開きにすることにしました。
「ミケーノさん、さっきはすまなかった」
「離縁の話か?」
「それもだが、寝室の割り振りを代わってくれて」
「? 別にどっちでも俺はかまわねぇよ。じゃ、おやすみキーノス」
「……おやすみなさいませ。何かありましたら隣の寝室へいらしてください」
「……なんだよ急に。明日も敬語なしでな」
部屋割りは私、メル様、シオ様で三人部屋、ミケーノ様とビャンコ様が二人部屋です。
最初は私とビャンコ様が親しいから同室にする話もありましたがお断りしました。
先に寝てしまえば問題ないのですが、夜型の私には難しいかと思います。
ミケーノ様には申し訳ないですが、何事もない事をお祈りしておきます。
───────
二人部屋の二人はベッドに潜り込んだものの、二人ともまだ眠くないのかそのまま雑談をしている。
「ビャンコさんて寝相でも悪いのか? いやそんな事ねぇか……」
「あーさっきの? なんでだろうね」
「心当たりないのか?」
「あったら一階にしてもらうよう頼むよ」
「だよなぁ。前に店泊まった時何も無かったし、オレが寝てる間に何かあったのか?」
「あん時はオレが最初に寝てミケさん先に起きてたし、ホントなんだろうね」
ふと何かを思い出したのか、ビャンコが寝返りをうちミケーノの方へ向く。
「ところでさ、なんで年末にキーちゃん飲み会に誘ったの?」
「あーあれなぁ」
ミケーノが前髪をかきあげながら答える。
「リモワの飲食店ってなんかしら繋がりあるんだけどよ、モウカハナだけはそれがなくてな。別に誘ったのはあれが初めてじゃないぞ、前から声は掛けてた」
「じゃあたまたま?」
「そうなるかな、まぁ途中で帰りそうだから色々用意はしたけどな」
「……なるほどね」
ミケーノから視線を外し、何かを思案しているようだ。
「気になることならオレもあるぞ」
「なーに?」
「アイツ、なんでバリスタやってんだ? ……色々おかしいだろ」
「オレもそう思う」
「森入って少ししたら鳥じゃなくてイノシシ担いで帰ってくるとか、騎士団のが向いてんじゃねぇか?」
「だよねー」
「誘わないのか?」
「誘ってるよずーっと。前にリモワ出てきそうになってからはやめたけど」
最近また誘ったら久しぶりに本気で怒らせたのは黙っておく。
「色々あったんだな」
「あったねぇ、すんごく進歩したんよアレで」
「最近まで自分の話しなかったから、まぁ……」
「普通に誰かと話すだけでもすごいんよ、ホント」
「うーん……なんだかなぁ」
「あれよ? 自分が気持ち悪いっての、本気だからね」
「それはねーだろ」
「あるんだよねぇ。前に喫茶店に変装して入ったらすんごい笑顔で『この対応が良いんです、やっぱりこの顔が気持ち悪かったんですね』とか言うんよ?」
「いや、えー……」
「それから『見たくないほどでもないみたいだし』みたいな謎の結論出して少しずつ外に出るようになったっつーか」
「意味がわからん……」
ミケーノの様子を見て、ビャンコがクスクスと笑う。
「明日何する?」
「そうだなぁ、野外で焼肉でもするか」
「良いね、キーちゃんのイノシシあるし!」
「あとは、この辺ってなんか無いか? 遺跡とかそういう何か」
「寺院があるよ、エテルノ教の」
「悪くねぇな、朝にでも聞いてみるか」
ミケーノは布団に入り直す。
「ミケさんは優しいね」
「そうか? 普通だぞ」
「オレよりキーちゃんに構おうとする人初めて見たわ」
「なんかなぁ、アイツ知らねぇ間にいなくなりそうな気しねぇか?」
「……そうだね」
「やなんだよな、そういうの。オレ嫁にやられてるから」
「あー、実体験か」
「当然いると思ってた奴がいきなり居なくなるのって、結構くるぞ」
「……うん」
「単純に面白いからってのもあるけどな……寝るか、そろそろ」
「……そだね、おやすみミケさん」
このままなら元に戻るかもなぁ、などと思いながらビャンコが眠りに落ちる。
その一時間もしないうちにミケーノはキーノスの言葉の意味を理解して、隣の部屋に逃げ込む事になる。
───────
寝室のドアから、控えめではありますが緊急性を感じるノックが聞こえてきます。
ドアに一番近い位置にいたシオ様が目を覚ましてしまわれました。
私は口元に人差し指をあて、シオ様にそのままでいるようにお願いします。
サイドテーブルに置いていた灯りを手にドアへ歩み寄ります。
ドアを開けると、案の定青い顔をしたミケーノ様が立ってらっしゃいました。
「リビングに行くか?」
「……悪い」
「何かありました? リビングに行くなら私も一緒に行きますよ」
シオ様もベッドから降りドアの前までいらっしゃってます。
三人で一階のリビングへ向かい、スタンドライトを灯してからソファに腰掛けました。
少し落ち着いてから、ミケーノ様が話し始めました。
「ウトウトしてたらよ、隣からずっと何かと話してる声して……寝言かと思ったら段々『許さない』とか『どこだ、返せ』とか、ビャンコさんじゃない声で言い出して……」
「例の幽霊の声だろう」
「お前知ってたな……」
「前に見た」
「言えよ」
「必ず起きるわけではない」
「とりあえずビャンコさん起こしますか?」
「いやいい、寝れそうもないしここにいるわ」
「俺も夜型生活で寝れそうもないから付き合う」
「分かりました。では明日にもう一部屋の寝室の用意をしますので、ビャンコさんにはそちらを使って頂きましょう」
その後紅茶を入れ、三人で少し話しておりましたが。
気分が落ち着いたのか、ミケーノ様はソファで眠ってしまわれました。
シオ様はそれを確認してから寝室へ戻られ、私はそのままリビングで手記を読むことにしました。
外の空が白み始めて来た頃、私の元にも睡魔が訪れました。
ミケーノ様を起こさないように静かに寝室へ移動し、私もベッドで眠ることにしました。
皆様が起きてくるのはもう少し遅い時間でしょう。
眠りの浅い私なら同じくらいの時刻に目を覚ますだろうと考え、そのまま眠りに落ちていきました。
私はトランプの遊びが比較的得意なためか、先程から勝ち続けています。
それが面白くないビャンコ様が私の動揺を誘おうとしています。
「キーちゃんは不意打ちと押しに弱いよ」
「人が良いですからね」
「それだけ聞くとビャンコさんが悪いヤツに聞こえるな」
私は隣のシオ様から手札を取ります。
スペードの七、手札が揃ったので場に出します。
「んな、術禁止でしょ?」
「使ってない」
「なんで揃うの?」
「揃うからだ」
不満そうなビャンコ様を無視してミケーノ様へ手札を向けます。
今度はミケーノ様が私から手札をとる番です。
「うーん……顔色読めねぇんだよなぁ」
「一枚はジョーカーだ」
「まじかよ」
ミケーノ様は勘が良いのですよね。
手札のジョーカーを引かせるには一筋縄ではいかなそうです。
「よく俺に聞くが、ミケーノさんは恋人はいるのか?」
「オレは一度離縁してるからな、しばらくいらねぇな」
「離縁?」
「嫁さんに浮気されて出てかれて、向かねぇんだろうなぁ……」
知らなかったとはいえ、失礼なことを聞いてしまったようです。
「すまない、辛いことを聞いた」
「気にすんな、今じゃ笑い話だからな」
私の差出した手札を見ながら、笑って手を鷹揚に振ります。
それから私の手札から一枚を取りました。
「お、揃った!」
ミケーノ様がペアでそろった手札を場に出します。
そのままメル様が引く順番になります。
「ミケーノの場合、離縁した後が大変でしたからね」
「何があったんですか?」
「嫁さんが売上持ってっちまってな、仕事増やすか悩んでた時いつもより客が来てくれて……あの時は助かったなぁ、本当に」
「女の人がたくさん通ったんですよ、私はダシによく使われました」
「シオとはその頃知り合ったんだよな」
「そうですね、私達も長い付き合いですね」
そう言えば、お二人は初めて店にご来店された時からお知り合いでしたね。
メル様はカードを引き、一度手札をシャッフルさせてからビャンコ様へカードを差し出します。
「はい、どうぞ!」
「んんー、これかな?」
カードの一枚に手を触れます。
「さぁ、どうでしょうか?」
メル様が得意げに笑って見せます。
ビャンコ様は少し迷った後で、手を触れたものの隣の手札を引きます。
どうやら揃わなかったようで、そのまま手札をシオ様へ向けます。
シオ様は横目で私をちらりと見てから、ビャンコ様のカードに注目します。
「そういえば、どうしてキーノスは寝室の部屋割りであなたとの同室を拒んだんですか?」
「そういやなんでだろ? お泊まり会した事あんのに」
「なるほど、知らないんですね」
シオ様が手札を引き、揃った手札を場に出します。
ビャンコ様に微笑みで答え、私の方へ手札を向けます。
「理由を聞いてもよいですか?」
そう言って私の方へ笑顔を向けます。
答えても良いのですが、また部屋割りで揉めるのは正直避けたいです。
「……ご想像にお任せします」
私は手札を引きます。
クラブの二です、揃ったので場に出します。
残る手札は一枚だけです。
「おい、なんでいきなり敬語になった?」
「どうぞ」
「待て待て、気になるぞ?」
「本人に聞けば良い」
ミケーノ様は困惑した表情で私の最後の手札のジョーカーを引きます。
私はこのゲームでは一抜けしましたが、夜中のババ抜きはもう少し続きそうです。
夜も深け、メル様、シオ様……と眠気を我慢出来なくなった方から順に離脱していきました。
残りの三人で食器類を片付け、場をお開きにすることにしました。
「ミケーノさん、さっきはすまなかった」
「離縁の話か?」
「それもだが、寝室の割り振りを代わってくれて」
「? 別にどっちでも俺はかまわねぇよ。じゃ、おやすみキーノス」
「……おやすみなさいませ。何かありましたら隣の寝室へいらしてください」
「……なんだよ急に。明日も敬語なしでな」
部屋割りは私、メル様、シオ様で三人部屋、ミケーノ様とビャンコ様が二人部屋です。
最初は私とビャンコ様が親しいから同室にする話もありましたがお断りしました。
先に寝てしまえば問題ないのですが、夜型の私には難しいかと思います。
ミケーノ様には申し訳ないですが、何事もない事をお祈りしておきます。
───────
二人部屋の二人はベッドに潜り込んだものの、二人ともまだ眠くないのかそのまま雑談をしている。
「ビャンコさんて寝相でも悪いのか? いやそんな事ねぇか……」
「あーさっきの? なんでだろうね」
「心当たりないのか?」
「あったら一階にしてもらうよう頼むよ」
「だよなぁ。前に店泊まった時何も無かったし、オレが寝てる間に何かあったのか?」
「あん時はオレが最初に寝てミケさん先に起きてたし、ホントなんだろうね」
ふと何かを思い出したのか、ビャンコが寝返りをうちミケーノの方へ向く。
「ところでさ、なんで年末にキーちゃん飲み会に誘ったの?」
「あーあれなぁ」
ミケーノが前髪をかきあげながら答える。
「リモワの飲食店ってなんかしら繋がりあるんだけどよ、モウカハナだけはそれがなくてな。別に誘ったのはあれが初めてじゃないぞ、前から声は掛けてた」
「じゃあたまたま?」
「そうなるかな、まぁ途中で帰りそうだから色々用意はしたけどな」
「……なるほどね」
ミケーノから視線を外し、何かを思案しているようだ。
「気になることならオレもあるぞ」
「なーに?」
「アイツ、なんでバリスタやってんだ? ……色々おかしいだろ」
「オレもそう思う」
「森入って少ししたら鳥じゃなくてイノシシ担いで帰ってくるとか、騎士団のが向いてんじゃねぇか?」
「だよねー」
「誘わないのか?」
「誘ってるよずーっと。前にリモワ出てきそうになってからはやめたけど」
最近また誘ったら久しぶりに本気で怒らせたのは黙っておく。
「色々あったんだな」
「あったねぇ、すんごく進歩したんよアレで」
「最近まで自分の話しなかったから、まぁ……」
「普通に誰かと話すだけでもすごいんよ、ホント」
「うーん……なんだかなぁ」
「あれよ? 自分が気持ち悪いっての、本気だからね」
「それはねーだろ」
「あるんだよねぇ。前に喫茶店に変装して入ったらすんごい笑顔で『この対応が良いんです、やっぱりこの顔が気持ち悪かったんですね』とか言うんよ?」
「いや、えー……」
「それから『見たくないほどでもないみたいだし』みたいな謎の結論出して少しずつ外に出るようになったっつーか」
「意味がわからん……」
ミケーノの様子を見て、ビャンコがクスクスと笑う。
「明日何する?」
「そうだなぁ、野外で焼肉でもするか」
「良いね、キーちゃんのイノシシあるし!」
「あとは、この辺ってなんか無いか? 遺跡とかそういう何か」
「寺院があるよ、エテルノ教の」
「悪くねぇな、朝にでも聞いてみるか」
ミケーノは布団に入り直す。
「ミケさんは優しいね」
「そうか? 普通だぞ」
「オレよりキーちゃんに構おうとする人初めて見たわ」
「なんかなぁ、アイツ知らねぇ間にいなくなりそうな気しねぇか?」
「……そうだね」
「やなんだよな、そういうの。オレ嫁にやられてるから」
「あー、実体験か」
「当然いると思ってた奴がいきなり居なくなるのって、結構くるぞ」
「……うん」
「単純に面白いからってのもあるけどな……寝るか、そろそろ」
「……そだね、おやすみミケさん」
このままなら元に戻るかもなぁ、などと思いながらビャンコが眠りに落ちる。
その一時間もしないうちにミケーノはキーノスの言葉の意味を理解して、隣の部屋に逃げ込む事になる。
───────
寝室のドアから、控えめではありますが緊急性を感じるノックが聞こえてきます。
ドアに一番近い位置にいたシオ様が目を覚ましてしまわれました。
私は口元に人差し指をあて、シオ様にそのままでいるようにお願いします。
サイドテーブルに置いていた灯りを手にドアへ歩み寄ります。
ドアを開けると、案の定青い顔をしたミケーノ様が立ってらっしゃいました。
「リビングに行くか?」
「……悪い」
「何かありました? リビングに行くなら私も一緒に行きますよ」
シオ様もベッドから降りドアの前までいらっしゃってます。
三人で一階のリビングへ向かい、スタンドライトを灯してからソファに腰掛けました。
少し落ち着いてから、ミケーノ様が話し始めました。
「ウトウトしてたらよ、隣からずっと何かと話してる声して……寝言かと思ったら段々『許さない』とか『どこだ、返せ』とか、ビャンコさんじゃない声で言い出して……」
「例の幽霊の声だろう」
「お前知ってたな……」
「前に見た」
「言えよ」
「必ず起きるわけではない」
「とりあえずビャンコさん起こしますか?」
「いやいい、寝れそうもないしここにいるわ」
「俺も夜型生活で寝れそうもないから付き合う」
「分かりました。では明日にもう一部屋の寝室の用意をしますので、ビャンコさんにはそちらを使って頂きましょう」
その後紅茶を入れ、三人で少し話しておりましたが。
気分が落ち着いたのか、ミケーノ様はソファで眠ってしまわれました。
シオ様はそれを確認してから寝室へ戻られ、私はそのままリビングで手記を読むことにしました。
外の空が白み始めて来た頃、私の元にも睡魔が訪れました。
ミケーノ様を起こさないように静かに寝室へ移動し、私もベッドで眠ることにしました。
皆様が起きてくるのはもう少し遅い時間でしょう。
眠りの浅い私なら同じくらいの時刻に目を覚ますだろうと考え、そのまま眠りに落ちていきました。
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