96 / 185
小さな友は嵐と共に
#3
しおりを挟む
シオ様とメル様はいくつかの道具をご覧になってから、夜が深くなる前にお帰りになりました。
それから入れ替わるように現在はビャンコ様がご来店されております。
その内来て下さると思っておりましたが、手紙を出したその日に来て下さるとは思っておりませんでした。
「魔獣か害獣って、入口のアレ?」
「はい。お客様からの指摘がありませんので、見えている方が限られているのかと思います」
「あぁ、アレ普通のカラスが術式のせいで魔獣化してるね」
「術式を解くのも良いのですが、出処を考えると対策がなされていると思いまして。それならカラスそのものをどうにか出来ないかと思い相談させて頂きました」
「たまにいるんよあぁいう魔獣。あのコどうしたの?」
「あれは師匠の置き土産です」
「……なるほど、それならオレも何とかしたいね」
ビャンコ様の顔が滅多に見ないほど険しくなります。
彼と師匠の接点は先日の庁舎での出来事くらいしかないと思いましたが、その時に何かあったのでしょうか。
「術式何が組まれてるか分かる?」
「隠匿、幻術、探知と追跡、転移の座標、通信系の何か、あと」
「どんだけあんの」
「術式で組めるものの大半があるように見えます」
「キーちゃんの千里眼でそこまで分かるなら、サチさんが見たら鼻血出しそうだね」
「そうかもしれませんね」
師匠は性格以外の大体のものに恵まれた方です。
性格のせいで人には恵まれない方とも言えますが。
「そんだけ組まれてたら、多分普通のカラスに戻すと死んじゃうんじゃないかな」
「そうなのですか?」
「多分ね。あと使い魔の署名どうなってるか分かる?」
「署名とはどのようなものですか?」
「術式盛られた魔獣だと飼い主……って言い方嫌いだけど、の署名がその獣にされてる事多いんよ」
「どうでしょうか、確認の仕方はありますか?」
「その感じならキーちゃんじゃ無さそうだね。てことはアイツか……」
ビャンコ様の表情が更に険しいものになります。
「魔獣って見つけたら話して生態と住処の確認して終わるんだけどね、場合によっては前にユメノに付けようとした植物付けたり連れてきたり」
「懐かしいですね」
「ただ元が普通のカラスだと意味ないんだよなぁ、術式何個か解くのも術士がアイツじゃあなぁ……」
「お返しすることはできませんか?」
「出来るけど、どうせ戻ってくんじゃない?」
「……仰る通りかと思います」
こういう時他の弟子の方に聞ければ良いのかもしれませんが、全く心当たりがありません。
「なんで置いてったか心当たりある?」
「多分、私をヴァローナの術士と考えて暗殺しに来るのが誰か知るためかと思います」
「えっ」
「例の手品師の正体を公然の秘密にしてる理由がそれだと聞きましたので」
「う、わぁ……」
あくまで推測ですが、一番確度が高いものかと思います。
「それで、どうしたいとかある?」
「カラスの術式を可能な限り解かずに私に干渉させないようにしたいです。一番良いのは、私とは無関係な謎のカラスになるのが好ましいです」
「え、そんな程度でいいの?」
「他に何かありましたか?」
「アイツに関係するものをオランディから除外する結界張るとか」
「それですと私もオランディから除外されるのでは?」
「あ、そうだわ。ごめん今のナシで」
規模が大きすぎます、それに師匠がそれを許すとは思えません。
「でもキーちゃんの言う条件なら簡単だよ、キーちゃんにカラスの代わりになる使い魔がいればいいと思うよ」
「それで上手くいくのですか?」
「普通なら微妙な方法だけど、カラスなら頭良いから自分の天敵になりそうなものに近寄らなくなると思うよ。それに暗殺者を知るのが目的なら『今後はその使い魔から情報飛ばすんで!』って手紙つけてアイツにカラスを返せると思うし」
「なるほど、確かに仰る通りかと思います」
確かにビャンコ様の言う通りならカラスに関する問題は解決しそうです。
それでもいくつか心配な点はあります。
「私が術士だと気付かれる事にはなりませんか?」
「遠くにいるように頼めば良いし、さっきの署名も本当は調べるの大変なんよ? オレはそのコに聞くだけて済むけど、本来は連れて回って『このコの飼い主誰ですかー』って聞かなきゃならんのよ」
そう言った後で「あ、あとであのコに聞いてみよ」と小さく独り言を言います。
「見ることが出来ないのですか?」
「理解使いこなせてたらできるかもしれないけとまずいないし。血の契約なら署名なしだけど、獣側がだいたい嫌がるし」
「結構複雑なのですね」
「ま、オレはどれもやってないけどね。グリフォン達ともただ仲が良いだけだよ」
それが普通ではないから、諸外国で有名になっているのでしょう。
「カラスの天敵になるものの心当たりはありますか?」
「猛禽類か蜂だけど、猛禽類の方がオススメだよ」
正直蜂の方が私には良さそうに思いましたが、ビャンコ様が仰るならそうなのでしょう。
「では、魔獣で心当たりはありますか?」
「あるけど、この辺にはいないかも。アイツと同じように術式重ねて魔獣にしちゃう方が良いかもね」
私の都合で魔獣にしてしまうのは気が引けますので、可能であれば最初から魔獣の方が良いかと思いましたが。
こちらもビャンコ様のご様子ですとそれ程問題ではないように聞こえます。
「掛けられる方に負担にはならないのですか?」
「嫌がるコは滅多にいないし、むしろ喜ばれる事のが多いね」
先程血の契約は嫌がられると聞きましたが、術式を掛けるのは嫌がられないのですね。
この辺りの考え方は私にはよく分かりませんが、掛けられる側が同意してくださるなら問題ありません。
そうなると、どなたに掛けるべきかは少し悩みます。
「猛禽類なら……フクロウと鷹は避けたいですね」
「じゃあ鳶は?」
鷹の一種だったように記憶してますが、カズロ様の印象とは異なるので問題はなさそうです。
しかし鳶は広い空を翼を広げ飛ぶ姿がとても自由な印象です。
鳴き声も伸びやかな印象が強く、あまり拘束したくないと考えてしまいます。
「仮に術式を掛けたとして、どのくらい拘束させてしまうものなのですか?」
「内容次第だと思うよ。呼んだ時だけ来てねとか、普段は遠くにいて好きにしててねとか、なんとでもなるよ」
「なるほど」
そうなると近日中に鳶を探しに行くのが良さそうです。
簡単に見つかるものかは分かりませんが、魔獣化したカラスが常に私の周りにいる状況を変える方針が見えてきました。
それからビャンコ様はウラガーノをトックリから注ぎ、一口飲みます。
「……それでさ、手紙にあったミヌレって本当なの?」
ビャンコ様宛の手紙にカラス以外にハーロルトから聞いた貴族の名前を記載しました。
今日来てくださった理由はこちらが大きいかもしれません。
「その情報を得た師匠がすぐに帰国するくらいですから、間違いないと思います」
「どうしよう、オレもどっか逃げようかな……」
「一応メル様にもお話しようと考えております」
「そだね、術士ってバレないようにした方が良いよね」
「先日術士を探す手段の対抗策を見つけましたので、そちらも併せてお話しようかと」
「え、そんなのあるの?」
「ございますが、ビャンコ様は有名ですので意味がないかと思います」
「……それもそうだね、でも一応教えてよ」
「分かりました」
私はカウンターの下から例の宝石を取り出し、先日ハーロルトと話した内容をビャンコ様に告げます。
「へぇ、アイツ結構すごいんね」
「師匠が気に入るのが分かる気がしました」
「ちょっとその石貸して、オレも試してみたい」
「構いませんが、ここでですか?」
「魔力無くせば良いんでしょ? 使い切るからちょっと見ててよ」
「お断りします、お貸ししますので別の場所でやってください」
魔力を使い切るおつもりなのでしょうけど、彼の場合冗談では済まなそうなので外でやって貰いたいです。
「でも魔力に反応するかぁ、オランディで探すの大変だったろうなぁ。ちょっとアイツに同情するわ」
「そうなのですか?」
「オランディって精霊さん多いんよね。リュンヌはほとんどいないから問題なく使えるだろうけど、オランディならチカチカ光る程度にはずっと反応するんじゃない?」
「ここではそんな事ありませんでしたが」
「だってここ結界張ってるでしょ? そういうとこにはあんまいないの」
リモワに来てかなり経ちますが、まだ私は知らない事が多いのかもしれません。
もし今のビャンコ様の話が本当なら、ハーロルトの日記に嘘は無いのかもしれません。
「キーちゃん明後日空いてる?」
「はい、特に予定等ございません」
「じゃあ明後日鳶探しとコレの実験しに行こうよ、オレ休みだし」
「分かりました、明後日ですね」
「うん、この石預かっても良い?」
「構いません」
「あんがと」
明後日ならかの帝国の公爵が来るまでには間に合うかもしれません。
しかし、私に使い魔など大丈夫なのか疑問です。
試してはみますが、ビャンコ様にかなり頼る事になりそうです。
それから入れ替わるように現在はビャンコ様がご来店されております。
その内来て下さると思っておりましたが、手紙を出したその日に来て下さるとは思っておりませんでした。
「魔獣か害獣って、入口のアレ?」
「はい。お客様からの指摘がありませんので、見えている方が限られているのかと思います」
「あぁ、アレ普通のカラスが術式のせいで魔獣化してるね」
「術式を解くのも良いのですが、出処を考えると対策がなされていると思いまして。それならカラスそのものをどうにか出来ないかと思い相談させて頂きました」
「たまにいるんよあぁいう魔獣。あのコどうしたの?」
「あれは師匠の置き土産です」
「……なるほど、それならオレも何とかしたいね」
ビャンコ様の顔が滅多に見ないほど険しくなります。
彼と師匠の接点は先日の庁舎での出来事くらいしかないと思いましたが、その時に何かあったのでしょうか。
「術式何が組まれてるか分かる?」
「隠匿、幻術、探知と追跡、転移の座標、通信系の何か、あと」
「どんだけあんの」
「術式で組めるものの大半があるように見えます」
「キーちゃんの千里眼でそこまで分かるなら、サチさんが見たら鼻血出しそうだね」
「そうかもしれませんね」
師匠は性格以外の大体のものに恵まれた方です。
性格のせいで人には恵まれない方とも言えますが。
「そんだけ組まれてたら、多分普通のカラスに戻すと死んじゃうんじゃないかな」
「そうなのですか?」
「多分ね。あと使い魔の署名どうなってるか分かる?」
「署名とはどのようなものですか?」
「術式盛られた魔獣だと飼い主……って言い方嫌いだけど、の署名がその獣にされてる事多いんよ」
「どうでしょうか、確認の仕方はありますか?」
「その感じならキーちゃんじゃ無さそうだね。てことはアイツか……」
ビャンコ様の表情が更に険しいものになります。
「魔獣って見つけたら話して生態と住処の確認して終わるんだけどね、場合によっては前にユメノに付けようとした植物付けたり連れてきたり」
「懐かしいですね」
「ただ元が普通のカラスだと意味ないんだよなぁ、術式何個か解くのも術士がアイツじゃあなぁ……」
「お返しすることはできませんか?」
「出来るけど、どうせ戻ってくんじゃない?」
「……仰る通りかと思います」
こういう時他の弟子の方に聞ければ良いのかもしれませんが、全く心当たりがありません。
「なんで置いてったか心当たりある?」
「多分、私をヴァローナの術士と考えて暗殺しに来るのが誰か知るためかと思います」
「えっ」
「例の手品師の正体を公然の秘密にしてる理由がそれだと聞きましたので」
「う、わぁ……」
あくまで推測ですが、一番確度が高いものかと思います。
「それで、どうしたいとかある?」
「カラスの術式を可能な限り解かずに私に干渉させないようにしたいです。一番良いのは、私とは無関係な謎のカラスになるのが好ましいです」
「え、そんな程度でいいの?」
「他に何かありましたか?」
「アイツに関係するものをオランディから除外する結界張るとか」
「それですと私もオランディから除外されるのでは?」
「あ、そうだわ。ごめん今のナシで」
規模が大きすぎます、それに師匠がそれを許すとは思えません。
「でもキーちゃんの言う条件なら簡単だよ、キーちゃんにカラスの代わりになる使い魔がいればいいと思うよ」
「それで上手くいくのですか?」
「普通なら微妙な方法だけど、カラスなら頭良いから自分の天敵になりそうなものに近寄らなくなると思うよ。それに暗殺者を知るのが目的なら『今後はその使い魔から情報飛ばすんで!』って手紙つけてアイツにカラスを返せると思うし」
「なるほど、確かに仰る通りかと思います」
確かにビャンコ様の言う通りならカラスに関する問題は解決しそうです。
それでもいくつか心配な点はあります。
「私が術士だと気付かれる事にはなりませんか?」
「遠くにいるように頼めば良いし、さっきの署名も本当は調べるの大変なんよ? オレはそのコに聞くだけて済むけど、本来は連れて回って『このコの飼い主誰ですかー』って聞かなきゃならんのよ」
そう言った後で「あ、あとであのコに聞いてみよ」と小さく独り言を言います。
「見ることが出来ないのですか?」
「理解使いこなせてたらできるかもしれないけとまずいないし。血の契約なら署名なしだけど、獣側がだいたい嫌がるし」
「結構複雑なのですね」
「ま、オレはどれもやってないけどね。グリフォン達ともただ仲が良いだけだよ」
それが普通ではないから、諸外国で有名になっているのでしょう。
「カラスの天敵になるものの心当たりはありますか?」
「猛禽類か蜂だけど、猛禽類の方がオススメだよ」
正直蜂の方が私には良さそうに思いましたが、ビャンコ様が仰るならそうなのでしょう。
「では、魔獣で心当たりはありますか?」
「あるけど、この辺にはいないかも。アイツと同じように術式重ねて魔獣にしちゃう方が良いかもね」
私の都合で魔獣にしてしまうのは気が引けますので、可能であれば最初から魔獣の方が良いかと思いましたが。
こちらもビャンコ様のご様子ですとそれ程問題ではないように聞こえます。
「掛けられる方に負担にはならないのですか?」
「嫌がるコは滅多にいないし、むしろ喜ばれる事のが多いね」
先程血の契約は嫌がられると聞きましたが、術式を掛けるのは嫌がられないのですね。
この辺りの考え方は私にはよく分かりませんが、掛けられる側が同意してくださるなら問題ありません。
そうなると、どなたに掛けるべきかは少し悩みます。
「猛禽類なら……フクロウと鷹は避けたいですね」
「じゃあ鳶は?」
鷹の一種だったように記憶してますが、カズロ様の印象とは異なるので問題はなさそうです。
しかし鳶は広い空を翼を広げ飛ぶ姿がとても自由な印象です。
鳴き声も伸びやかな印象が強く、あまり拘束したくないと考えてしまいます。
「仮に術式を掛けたとして、どのくらい拘束させてしまうものなのですか?」
「内容次第だと思うよ。呼んだ時だけ来てねとか、普段は遠くにいて好きにしててねとか、なんとでもなるよ」
「なるほど」
そうなると近日中に鳶を探しに行くのが良さそうです。
簡単に見つかるものかは分かりませんが、魔獣化したカラスが常に私の周りにいる状況を変える方針が見えてきました。
それからビャンコ様はウラガーノをトックリから注ぎ、一口飲みます。
「……それでさ、手紙にあったミヌレって本当なの?」
ビャンコ様宛の手紙にカラス以外にハーロルトから聞いた貴族の名前を記載しました。
今日来てくださった理由はこちらが大きいかもしれません。
「その情報を得た師匠がすぐに帰国するくらいですから、間違いないと思います」
「どうしよう、オレもどっか逃げようかな……」
「一応メル様にもお話しようと考えております」
「そだね、術士ってバレないようにした方が良いよね」
「先日術士を探す手段の対抗策を見つけましたので、そちらも併せてお話しようかと」
「え、そんなのあるの?」
「ございますが、ビャンコ様は有名ですので意味がないかと思います」
「……それもそうだね、でも一応教えてよ」
「分かりました」
私はカウンターの下から例の宝石を取り出し、先日ハーロルトと話した内容をビャンコ様に告げます。
「へぇ、アイツ結構すごいんね」
「師匠が気に入るのが分かる気がしました」
「ちょっとその石貸して、オレも試してみたい」
「構いませんが、ここでですか?」
「魔力無くせば良いんでしょ? 使い切るからちょっと見ててよ」
「お断りします、お貸ししますので別の場所でやってください」
魔力を使い切るおつもりなのでしょうけど、彼の場合冗談では済まなそうなので外でやって貰いたいです。
「でも魔力に反応するかぁ、オランディで探すの大変だったろうなぁ。ちょっとアイツに同情するわ」
「そうなのですか?」
「オランディって精霊さん多いんよね。リュンヌはほとんどいないから問題なく使えるだろうけど、オランディならチカチカ光る程度にはずっと反応するんじゃない?」
「ここではそんな事ありませんでしたが」
「だってここ結界張ってるでしょ? そういうとこにはあんまいないの」
リモワに来てかなり経ちますが、まだ私は知らない事が多いのかもしれません。
もし今のビャンコ様の話が本当なら、ハーロルトの日記に嘘は無いのかもしれません。
「キーちゃん明後日空いてる?」
「はい、特に予定等ございません」
「じゃあ明後日鳶探しとコレの実験しに行こうよ、オレ休みだし」
「分かりました、明後日ですね」
「うん、この石預かっても良い?」
「構いません」
「あんがと」
明後日ならかの帝国の公爵が来るまでには間に合うかもしれません。
しかし、私に使い魔など大丈夫なのか疑問です。
試してはみますが、ビャンコ様にかなり頼る事になりそうです。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる