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小さな友は嵐と共に
#10
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ユメノ様と特徴がよく似た貴族が現れた話を聞いてから数日。
私は特に変わりのない日々を過ごしております。
フィルマとリィに関しては、リィが私の影に潜むようになってからは喧嘩もなくなり平和そのものです。
フィルマはあれから窓の外でずっと待つようなことがなくなり、一日に一度だけ私に顔を見せに来ます。
リィは時折私が座って読書をしている時に出てきて膝に乗ることがあります。
大きな変わりはありませんが、今まで一人で過してきた生活には変化があったように思います。
ビャンコ様とはあれから会えておりませんので、まだ彼らと会話はできません。
お忙しいのでしょうし、ただでさえお世話になった手前催促するのは気が引けます。
私は最近返礼が出来ていない事が多いです。
殿下への手品もお返しになっているとは言い難いですし、他の方には日頃の感謝を言葉にすることもできておりません。
以前カーラ様へ渡したハンドクリームの様なものを何かお渡しできれば良いのですが、何が良いか悩むところです。
悩むと言えば、今日の新聞には気になる記事があります。
『リュンヌからの使節団の来訪日が決定!』
どうやら一週間後まで迫っているようですし、私はしばらく術の使用を控えようと思います。
ビャンコ様が石の回収をなさっているなら現状のままでも問題ありませんが、そうではなかった場合店の空調などにも大きく影響します。
最近は観光のお客様も減っていますし、今のうちに使っていなかった設備を試してみるのが良いかもしれません。
───────
「今日なんか店の雰囲気? 空気か? ちがくねぇか?」
「お気付きになりましたか?」
ご注文されたアツカンを受け取ってすぐにミケーノ様からご指摘をいただきました。
「なんか普通の店と同じ感じっつーか、説明しにくいけど」
「仰る通りです」
「ん? 何か変わったのか?」
「一時的に術の使用を止めている状態です、何か問題などございましたらお申し付け下さい」
調理場からくる薪の匂いでお気付きになられたのでしょう。
それにしても、最近ミケーノ様のご来店の頻度がいつもより高いように思います。
「止めた理由って何かあるのか?」
「大した理由ではありませんが、ご迷惑をお掛けするかもしれません」
店で術を使わないのは今日が初めてですが、本音を言うと少し楽です。
消費を抑えられるように工夫はしてましたが、それなりに削られていた事に気付きました。
私の回答が腑に落ちないのか、ミケーノ様が少し言いにくそうにしながら質問をなさいます。
「……最近何か悩みでもあんのか?」
「いえ、特には」
師匠とハーロルトは帰国しましたし、窓の外の喧嘩も解決しました。
近いうちに来るかの帝国に関しては一旦は出来る事はやっております。
悩みらしい物は、皆様にお礼を返しきれていない事かと思います。
ただ、これを相談してはお礼を返したい内容が増えるだけのように思えます。
「ミケーノ様には本当にいつもお世話になっております」
「いや、なんでそうなる」
「何かお礼が出来れば良いのですが、出来る事が思いつかず……今のところこれが一番の悩みかと思います」
「そんな事がか?」
「ただこれを相談しては結局またお世話になる事になりますので、相談内容としては不適切でしょう」
口に出してみると本当に悩ましい話です。
いっそお世話になった方のお会計は無料にしてしまうのが良い気もしますが、これを言ってもお断りされそうな気がします。
「うーん……いや、悩みがないならそれで良いんだけどよ」
「どうかなさいましたか?」
「いや、お前最近色々変だからどうしたのかと思ってよ」
「変、ですか?」
最近共に暮らしている彼らの影響でしょうか?
「ルトに敬語使わなかったり、いつの間にか留学生に好意的になってるし、貴族がいるのを気にする、今日は店で術を使わねぇし。変だと思うだろ」
「確かに言われてみるとそうかもしれませんね」
「お節介なのは分かってんだが、どうにも気になってな」
「私を気にかけてくださっていたのですか?」
「当たり前だろ、心配にもなるぞ」
最近ご来店の頻度が高かったのはそのせいだったのでしょうか。
本当にミケーノ様はお優しいです、こんな方と親しくできていることを本当に嬉しく思います。
「ご心配お掛けして申し訳ありません、ありがとうございます」
「それは良いけど、大丈夫なのか?」
「はい、ご迷惑でなければ理由をご説明させて頂ければと思いますが」
「嫌なら無理すんな、オレのお節介だし」
「いえ、ご心配頂いたのですから」
私は一息ついてから、問題がない範囲でお答えする事にしました。
どれも一応の解決はしてますし、かの帝国事情なども掻い摘んでご説明します。
「……ちょっと色々整理させてくれ」
「はい」
「留学してきた連中の話は、まぁ、分かった」
「はい」
「リュンヌって、そんなにヤバい国だったのかよ」
「はい。シオ様が先日仰っていたように、身分制度が徹底されていると言えます」
個人の扱いはオランディとは大きく違います。
その一番の特徴は家柄で決まる身分制度です。
その制度で職業が決まり、国内の平民以下の身分は肉体労働、その管理を貴族の身分の方がしております。
良い貴族の元で働ければ良い環境のようですが、そうではない場合は……あまり考えたくはありません。
「いや身分とかより術士の扱いが……」
「平たく言ってしまえば動力源か種馬です、まともな術士ならあの国に関わろうとはしません」
彼らは術士との間に産まれる子は術士の可能性が高いと信じており、男性の術士は貴族の女性からお誘いを受けることが多いです。
私とビャンコ様もその例に漏れず、師匠もあの様子なら経験があるのでしょう。
実際に術士の子は術士などということはなく、普通の家系から産まれることもあるので迷信も良いところです。
「術士って自分で言わないのが当たり前ってそこもあるのか?」
「ないとは言いませんが、嗜みの意味が大きいです。調べる方法はありますので、術士なら本気で探そうと思えば探せますし」
「なるほどな……」
冷めているであろうアツカンを少しだけ飲み、私の肩に目をやります。
「で、新しい同居人っていうのが……」
私の肩の上には、先程紹介させて頂きましたネコマタのリィがいます。
たまに私の首に頬ずりをしてきます、懐いてくれてはいるようです。
「衛生上は問題ありませんのでご安心下さい」
「いや、そんな心配はしてねぇけど」
「鳶のフィルマに関しては機会がある時に紹介させて下さい」
「あぁ、それはありがたいが」
ミケーノ様はまだリィを見ています。
リィは気にせず肩の上から降りようとしません。
「美人だな、その猫」
「私もそう思います」
このやり取りに喜んだのか、リィがミケーノ様の近くへと飛び跳ねて移動します。
そのままミケーノ様の手に頭をすりつけ、そこに腰を降ろしました。
「気に入られたようですね」
「まさかこの猫、人の言葉が分かるのか?」
「はい、あと敵意がないのが分かったのかと思います」
「そうか、懐かれるのは嬉しいな」
そう言って猫の首の辺りをくすぐります。
リィは嬉しそうに喉を鳴らし、されるがままになっています。
ミケーノ様は猫の扱いになれているようてす。
「まぁ、なんかあれば気にしないで相談しろよ?」
「その話ですと、何か今までのお礼で出来る事はありませんか?」
「お礼? オレに?」
「去年の忘年会、手品師疑惑の解消のお手伝い、マリネのレシピ、今のご心配など……挙げるとキリがありません」
「どれも別に気にすることねぇよ」
そう仰ると思っておりました。
こういう方なのでつい頼ってしまうのかと思います。
「まぁでも何かあるとしたら、今年も忘年会来てくれると嬉しいけどな」
「それではお礼にはなりません」
「そう言うんだよなぁ。じゃあこの店の調味料分けてくれ、それでどうだ?」
「その程度なら構いませんよ、ご希望のものはございますか?」
「あと忘年会も来てくれると嬉しいんだが」
「それですと、調味料の追加でいかがですか?」
「うーん、来てくれることがオレは嬉しいって話なんだがなぁ」
ミケーノ様が困ったように前髪をかきあげます。
「じゃあ調味料の追加は良いから、ジャンのためになんか料理作って来てくれ」
「それなら問題ありません、ご希望のメニューがあれば事前にご連絡頂けると幸いです」
「よし、今年も参加だな! しかも美人の猫もついてくるなら大歓迎だ!」
「リィは出しませんよ」
「いきなり出さなきゃ普通の猫で通るだろ?」
「猫を嫌う方がいらっしゃるかもしれませんし」
「ま、そんときはそんときはだな! カーラ辺りは喜びそうだし」
それからどういう調味料があるかの話をし、どの程度お分けするかの話が済んだあと、ミケーノ様はお帰りになりました。
リィは少し名残惜しそうにしておりましたが、またお会いする機会はあるかと思います。
ミケーノ様には、本当にいつもお世話になっております。
お礼に関しては真剣に考えた方が良さそうです。
まずは忘年会の料理は気合いを入れたいと思いました。
私は特に変わりのない日々を過ごしております。
フィルマとリィに関しては、リィが私の影に潜むようになってからは喧嘩もなくなり平和そのものです。
フィルマはあれから窓の外でずっと待つようなことがなくなり、一日に一度だけ私に顔を見せに来ます。
リィは時折私が座って読書をしている時に出てきて膝に乗ることがあります。
大きな変わりはありませんが、今まで一人で過してきた生活には変化があったように思います。
ビャンコ様とはあれから会えておりませんので、まだ彼らと会話はできません。
お忙しいのでしょうし、ただでさえお世話になった手前催促するのは気が引けます。
私は最近返礼が出来ていない事が多いです。
殿下への手品もお返しになっているとは言い難いですし、他の方には日頃の感謝を言葉にすることもできておりません。
以前カーラ様へ渡したハンドクリームの様なものを何かお渡しできれば良いのですが、何が良いか悩むところです。
悩むと言えば、今日の新聞には気になる記事があります。
『リュンヌからの使節団の来訪日が決定!』
どうやら一週間後まで迫っているようですし、私はしばらく術の使用を控えようと思います。
ビャンコ様が石の回収をなさっているなら現状のままでも問題ありませんが、そうではなかった場合店の空調などにも大きく影響します。
最近は観光のお客様も減っていますし、今のうちに使っていなかった設備を試してみるのが良いかもしれません。
───────
「今日なんか店の雰囲気? 空気か? ちがくねぇか?」
「お気付きになりましたか?」
ご注文されたアツカンを受け取ってすぐにミケーノ様からご指摘をいただきました。
「なんか普通の店と同じ感じっつーか、説明しにくいけど」
「仰る通りです」
「ん? 何か変わったのか?」
「一時的に術の使用を止めている状態です、何か問題などございましたらお申し付け下さい」
調理場からくる薪の匂いでお気付きになられたのでしょう。
それにしても、最近ミケーノ様のご来店の頻度がいつもより高いように思います。
「止めた理由って何かあるのか?」
「大した理由ではありませんが、ご迷惑をお掛けするかもしれません」
店で術を使わないのは今日が初めてですが、本音を言うと少し楽です。
消費を抑えられるように工夫はしてましたが、それなりに削られていた事に気付きました。
私の回答が腑に落ちないのか、ミケーノ様が少し言いにくそうにしながら質問をなさいます。
「……最近何か悩みでもあんのか?」
「いえ、特には」
師匠とハーロルトは帰国しましたし、窓の外の喧嘩も解決しました。
近いうちに来るかの帝国に関しては一旦は出来る事はやっております。
悩みらしい物は、皆様にお礼を返しきれていない事かと思います。
ただ、これを相談してはお礼を返したい内容が増えるだけのように思えます。
「ミケーノ様には本当にいつもお世話になっております」
「いや、なんでそうなる」
「何かお礼が出来れば良いのですが、出来る事が思いつかず……今のところこれが一番の悩みかと思います」
「そんな事がか?」
「ただこれを相談しては結局またお世話になる事になりますので、相談内容としては不適切でしょう」
口に出してみると本当に悩ましい話です。
いっそお世話になった方のお会計は無料にしてしまうのが良い気もしますが、これを言ってもお断りされそうな気がします。
「うーん……いや、悩みがないならそれで良いんだけどよ」
「どうかなさいましたか?」
「いや、お前最近色々変だからどうしたのかと思ってよ」
「変、ですか?」
最近共に暮らしている彼らの影響でしょうか?
「ルトに敬語使わなかったり、いつの間にか留学生に好意的になってるし、貴族がいるのを気にする、今日は店で術を使わねぇし。変だと思うだろ」
「確かに言われてみるとそうかもしれませんね」
「お節介なのは分かってんだが、どうにも気になってな」
「私を気にかけてくださっていたのですか?」
「当たり前だろ、心配にもなるぞ」
最近ご来店の頻度が高かったのはそのせいだったのでしょうか。
本当にミケーノ様はお優しいです、こんな方と親しくできていることを本当に嬉しく思います。
「ご心配お掛けして申し訳ありません、ありがとうございます」
「それは良いけど、大丈夫なのか?」
「はい、ご迷惑でなければ理由をご説明させて頂ければと思いますが」
「嫌なら無理すんな、オレのお節介だし」
「いえ、ご心配頂いたのですから」
私は一息ついてから、問題がない範囲でお答えする事にしました。
どれも一応の解決はしてますし、かの帝国事情なども掻い摘んでご説明します。
「……ちょっと色々整理させてくれ」
「はい」
「留学してきた連中の話は、まぁ、分かった」
「はい」
「リュンヌって、そんなにヤバい国だったのかよ」
「はい。シオ様が先日仰っていたように、身分制度が徹底されていると言えます」
個人の扱いはオランディとは大きく違います。
その一番の特徴は家柄で決まる身分制度です。
その制度で職業が決まり、国内の平民以下の身分は肉体労働、その管理を貴族の身分の方がしております。
良い貴族の元で働ければ良い環境のようですが、そうではない場合は……あまり考えたくはありません。
「いや身分とかより術士の扱いが……」
「平たく言ってしまえば動力源か種馬です、まともな術士ならあの国に関わろうとはしません」
彼らは術士との間に産まれる子は術士の可能性が高いと信じており、男性の術士は貴族の女性からお誘いを受けることが多いです。
私とビャンコ様もその例に漏れず、師匠もあの様子なら経験があるのでしょう。
実際に術士の子は術士などということはなく、普通の家系から産まれることもあるので迷信も良いところです。
「術士って自分で言わないのが当たり前ってそこもあるのか?」
「ないとは言いませんが、嗜みの意味が大きいです。調べる方法はありますので、術士なら本気で探そうと思えば探せますし」
「なるほどな……」
冷めているであろうアツカンを少しだけ飲み、私の肩に目をやります。
「で、新しい同居人っていうのが……」
私の肩の上には、先程紹介させて頂きましたネコマタのリィがいます。
たまに私の首に頬ずりをしてきます、懐いてくれてはいるようです。
「衛生上は問題ありませんのでご安心下さい」
「いや、そんな心配はしてねぇけど」
「鳶のフィルマに関しては機会がある時に紹介させて下さい」
「あぁ、それはありがたいが」
ミケーノ様はまだリィを見ています。
リィは気にせず肩の上から降りようとしません。
「美人だな、その猫」
「私もそう思います」
このやり取りに喜んだのか、リィがミケーノ様の近くへと飛び跳ねて移動します。
そのままミケーノ様の手に頭をすりつけ、そこに腰を降ろしました。
「気に入られたようですね」
「まさかこの猫、人の言葉が分かるのか?」
「はい、あと敵意がないのが分かったのかと思います」
「そうか、懐かれるのは嬉しいな」
そう言って猫の首の辺りをくすぐります。
リィは嬉しそうに喉を鳴らし、されるがままになっています。
ミケーノ様は猫の扱いになれているようてす。
「まぁ、なんかあれば気にしないで相談しろよ?」
「その話ですと、何か今までのお礼で出来る事はありませんか?」
「お礼? オレに?」
「去年の忘年会、手品師疑惑の解消のお手伝い、マリネのレシピ、今のご心配など……挙げるとキリがありません」
「どれも別に気にすることねぇよ」
そう仰ると思っておりました。
こういう方なのでつい頼ってしまうのかと思います。
「まぁでも何かあるとしたら、今年も忘年会来てくれると嬉しいけどな」
「それではお礼にはなりません」
「そう言うんだよなぁ。じゃあこの店の調味料分けてくれ、それでどうだ?」
「その程度なら構いませんよ、ご希望のものはございますか?」
「あと忘年会も来てくれると嬉しいんだが」
「それですと、調味料の追加でいかがですか?」
「うーん、来てくれることがオレは嬉しいって話なんだがなぁ」
ミケーノ様が困ったように前髪をかきあげます。
「じゃあ調味料の追加は良いから、ジャンのためになんか料理作って来てくれ」
「それなら問題ありません、ご希望のメニューがあれば事前にご連絡頂けると幸いです」
「よし、今年も参加だな! しかも美人の猫もついてくるなら大歓迎だ!」
「リィは出しませんよ」
「いきなり出さなきゃ普通の猫で通るだろ?」
「猫を嫌う方がいらっしゃるかもしれませんし」
「ま、そんときはそんときはだな! カーラ辺りは喜びそうだし」
それからどういう調味料があるかの話をし、どの程度お分けするかの話が済んだあと、ミケーノ様はお帰りになりました。
リィは少し名残惜しそうにしておりましたが、またお会いする機会はあるかと思います。
ミケーノ様には、本当にいつもお世話になっております。
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