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偽りの月光を映す川面
#4
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肌寒い季節になってきており、最近はコートを着ることも増えました。
コートに加えストールを巻くか悩みます。
先日メル様がルネ様に差し上げていた物に少し似ています。
彼女はあれを隠すことが出来たでしょうか、万が一にも取り上げられていたりなどしていなければ良いですが。
今日は薬草問屋の店主様に改めて相談に参りました。
バタフライピーの方針が見えた事、それと可能であれば忘年会の招待状をお送りして良いかの二つです。
実は招待状を作ろうと思い至った時、彼の名前を知らない事に気付きました。
直接お渡しすれば良いのでしょうけど、封筒に宛名がないのは問題があると思いました。
私は少しだけ港に気を向けつつ、薬草問屋のお店の中へ入りました。
今日は先客の方がいらっしゃるようです。
その方のお相手をしていた店主様が私に気付き、笑顔でこちらに小さく手を挙げます。
「あ、いらっしゃーい。ちょうど君の話してたんだよ」
「ご無沙汰しております、店主様」
私は店主様に軽く頭を下げます。
先客の方もこちらへ向き、私を足元から頭まで確認します。
そしてにこっと笑ってみせました。
「初めまして。君がこの調薬をした人、かな?」
そう言って手に持っていた薬を私に見せてきます。
確かに私が作った花のシロップです。
「はい、こちらのお店で購入した材料で作成致しました」
先客の彼は姿勢がよく、薬を差し出す様子にもどこか品があります。
先程見せた笑顔や言葉使いなど、人に好かれやすい仕草を心得ているように見えます。
彼は店主様の方へ向き直り、薬を渡しながら小さく耳打ちをします。
それに店主様は頷き、私の方を見て笑いかけて下さいます。
「キー君、この方はシアンさん。リュンヌの男爵の方ではあるんだけど、すごく気さくな方でね。薬草や調薬にとても深い知識をお持ちなんだよ」
男爵ということは、貴族の方でしょうか。
先程からの品のある立ち振る舞いに加え、簡素に見える装いに控えめなアクセサリーを身につけています。
少し長めの黒髪は毛先を青く染められているものの、手入れがされており絹のような艶やかなものです。
豪奢な装いではありませんが、身なりに気を使っているのが分かります。
今日も警戒はしておりましたが、このような形でかの帝国の貴族と接点を持つことになるとは考えておりませんでした。
「お初にお目にかかります、私はキーノス・カステロデオーロと申します」
「ご丁寧にありがとう、でも男爵なんてほとんど平民、かな。気楽に接してほしい」
「キー君は僕相手でもこうだから気にしないで」
「そうか、よろしくキーノスさん」
そう言って少しだけ姿勢を崩し、先程より自然な笑顔になります。
この様子だけ見るとただの良い人にも見えます。
「ここで話すのも良いけど、キー君用あって来たんでしょ? 薬の話もしたいし奥で話そう」
店主様のお誘いを受け、私と男爵様は彼に続いて店の奥へと進みました。
───────
ここでの会話が始まる前に薬草問屋の店主様から改めて自己紹介して頂き、ドゥイリオ様と呼ばせて頂くことになりました。
こちらに来てすぐに用事の一つは片付ける事ができました。
「クロモジの精油は本当に驚いたかな、香りも良いし喉にも効果があるし」
「それに喜んだのはシアンさんくらいだよ、お客さんのほとんどはデムーロ湖畔の花の催淫剤に反応するよ」
「興味がないわけじゃないけど、その辺ってリュンヌだと有象無象がよくあってウンザリしてて」
「はは、確かに。リュンヌで有名なのはアレだからね」
シアン様は本当に調薬に詳しいお方のようです。
クロモジの精油は、元々はサチ様の故郷で愛された香りに近いと聞いたので作ったものです。
「ここを見つけられた時は嬉しかったね。こっちに来て今までほとんど船から動けなくて、暇で暇で」
「宿とかはとってなかったの?」
「リモワの外に一家門住めような大使館を建てたって聞いてね。またミヌレの散財か貴族主義かな、それ知った上で男爵の俺が宿取ろうもんなら何言われるか」
「大使館? 別邸じゃなくて?」
ドゥイリオ様が当然の疑問を口になさいます。
こちらで噂になっているのは大使館ではなく大きな別邸が建設された事です。
「別邸? いやいや大使館だから調整が大変って聞いたよ? それでも随分早いとは思うけど」
「え、でも……キー君は知ってる? この話」
「お噂だけなら」
穏やかな様子で話していたシアン様ですが、別邸のお話になってからかなり顔色が悪くなっているようです。
「……その話詳しく教えてくれる、かな?」
それからドゥイリオ様が使節団が来るニュースがオランディで流れてから、最近まで停泊していた船の位置の話をなさいました。
使節団の話をしている時は特に変わった様子はありませんでしたが、リモワの外に別邸を建て始めた話になってから顔が青くなり、停泊していた位置のせいで困っている人が多かった話になった頃には両手で顔を覆って天を仰いでしまわれました。
「あー……色々、分かりました」
「あの、大丈夫?」
「いや、変とは思ってましたが、もっと疑うべきと、今心から反省してます、本当に、すみませんでした……」
「別に僕は困ってはなかったし、多分シアンさんのせいじゃないんでしょ?」
シアン様は両手を下ろしてこちらに向き直ります。
瞳の端に輝くものがあります。
目元の泣きぼくろと憂いを帯びたような顔立ちの影響か、少し瞳が潤んだだけですが悲壮感があります。
ドゥイリオ様が立ち上がりハンカチを持ってきて彼に渡しました。
シアン様はそれを受け取ると瞳の端の輝くものを拭いました。
「おかしいなと思ったのは、リモワに着いた時から……」
シアン様のお話はこうです。
今回の使節団結成後、すぐに公爵の指示で「大使館」の建設が始まったそうです。
理由は長期滞在の可能性の一点のみ、公爵の主導で建設部隊がオランディに派遣されたとの事。
それから建設が完了しそうだとの連絡を受け、長旅になるからと帝国でもかなり大きな商船に貴族一同乗り込んで行く事に。
そのまま王都に住む両陛下と殿下に挨拶をするためにリモワへ到着。
しかし、建設が途中だからとしばらくは船に……
「いや、よく考えて考えればと、ミヌレの人達がよくやる、浅い情報操作かな……って」
「えぇと? そうなると、どうなるの?」
「多分、別邸建ててから大使館って言い張ればオランディも許可するしかない、反対しそうな貴族にはそもそも言わない、無理やり連れてくれば良いから……かな」
「強引な、よく通ったねそれ」
「今のリュンヌはミヌレ家が一番強い立場にあるから、余程の理由がないと反対なんて出来ないよ」
立場を利用しやりたい事を押し通すのは強引な物だと思います。
それに土地はどのようにして確保出来たのでしょうか、シアン様の話を聞く限りではお金で解決させたように思えます。
「それで今の船上生活は、多分……オランディが滞在期間を限定させたんじゃない、かな」
「え? どういうこと?」
「大使館は認められなくて滞在は一週間に限定、一度お引き取りくださいとか言われた、のかな」
「それが君たちが船の上で生活してる理由?」
それは一週間以内に帰国するように言われたように見えますが、船の上で生活を続ける理由が分かりません。
「俺、来週大し……別邸に滞在する予定で。今いるミヌレ家とは交代、その一週間後にはピエール子爵と交代」
「交代?」
「多分、一週間ごとで屋敷に滞在する人員の入れ替えを繰り返して、既成事実作ろうとしてるのかな……変だなぁとは思ったけど、大使館じゃないなんて……」
……言葉が出ません。
そんな浅はかな作戦を他国を相手にやっているというのでしょうか。
ドゥイリオ様も呆れているのか、私と同じように言葉を失っているようです。
「船の位置も、あぁ……それは、うん……」
またしても両手で顔を覆って天を仰いでしまわれました。
「……到着した次の日から、市場で薬草探してる時の、冷ややかな目線」
小さな声でシアン様が呟きます。
「貴族とか、難しく思われてるのかな……じゃない、邪魔な位置に船停めやがって、ですね……」
大変落ち込んでいらしてる中申し訳ありませんが、おそらくその通りです。
「楽な服に変えたら目線は減ったけど……顔覚えてる人から話聞けなくて……今日になってやっと話してくれるお店で、こんな話を……」
「あぁ、ここ分かりにくいからね」
「もう嬉しくて嬉しくて……なのに、もう、貴族とか、やめたい……」
手を離し頭の角度を元に戻すと、ドゥイリオ様から借りたハンカチで目元を拭います。
随分と涙腺の緩い方のようです。
「心中はお察しするけど、船移動させたのってどうしてなの?」
「その、ちょっと今問題が起きてて」
「どんな問題?」
「俺たち貴族にはその証として渡される物があるんだけど、オランディに来てすぐなくしちゃって」
「えぇ、それ大丈夫なの?」
「それが貴族がみんな失くしたみたいで、今すごく揉めてるんだ。ミヌレ公爵夫人も失くしてるからすごく不思議で」
おそらく、例の石でしょう。
ビャンコ様が回収する作戦はどうやら成功していたようです。
「だから船の場所、変えたんだろうけど……あぁもう、本当恥ずかしいです……」
そう言って今度は両手を顔にあて俯いてしまわれました。
先日までの謎は解けましたが、新たに問題が出てきました。
今の話の通りなら、使節団の滞在期間はかなり長いものになりそうです。
こちらに来る前から後暗い動きをしていたのなら、どうやら何か裏があるように思えます。
おそらく、その大使館が目的でしょうね。
随分強引に事を進めたようですから、近いうちに新聞の記事に載るかもしれません。
コートに加えストールを巻くか悩みます。
先日メル様がルネ様に差し上げていた物に少し似ています。
彼女はあれを隠すことが出来たでしょうか、万が一にも取り上げられていたりなどしていなければ良いですが。
今日は薬草問屋の店主様に改めて相談に参りました。
バタフライピーの方針が見えた事、それと可能であれば忘年会の招待状をお送りして良いかの二つです。
実は招待状を作ろうと思い至った時、彼の名前を知らない事に気付きました。
直接お渡しすれば良いのでしょうけど、封筒に宛名がないのは問題があると思いました。
私は少しだけ港に気を向けつつ、薬草問屋のお店の中へ入りました。
今日は先客の方がいらっしゃるようです。
その方のお相手をしていた店主様が私に気付き、笑顔でこちらに小さく手を挙げます。
「あ、いらっしゃーい。ちょうど君の話してたんだよ」
「ご無沙汰しております、店主様」
私は店主様に軽く頭を下げます。
先客の方もこちらへ向き、私を足元から頭まで確認します。
そしてにこっと笑ってみせました。
「初めまして。君がこの調薬をした人、かな?」
そう言って手に持っていた薬を私に見せてきます。
確かに私が作った花のシロップです。
「はい、こちらのお店で購入した材料で作成致しました」
先客の彼は姿勢がよく、薬を差し出す様子にもどこか品があります。
先程見せた笑顔や言葉使いなど、人に好かれやすい仕草を心得ているように見えます。
彼は店主様の方へ向き直り、薬を渡しながら小さく耳打ちをします。
それに店主様は頷き、私の方を見て笑いかけて下さいます。
「キー君、この方はシアンさん。リュンヌの男爵の方ではあるんだけど、すごく気さくな方でね。薬草や調薬にとても深い知識をお持ちなんだよ」
男爵ということは、貴族の方でしょうか。
先程からの品のある立ち振る舞いに加え、簡素に見える装いに控えめなアクセサリーを身につけています。
少し長めの黒髪は毛先を青く染められているものの、手入れがされており絹のような艶やかなものです。
豪奢な装いではありませんが、身なりに気を使っているのが分かります。
今日も警戒はしておりましたが、このような形でかの帝国の貴族と接点を持つことになるとは考えておりませんでした。
「お初にお目にかかります、私はキーノス・カステロデオーロと申します」
「ご丁寧にありがとう、でも男爵なんてほとんど平民、かな。気楽に接してほしい」
「キー君は僕相手でもこうだから気にしないで」
「そうか、よろしくキーノスさん」
そう言って少しだけ姿勢を崩し、先程より自然な笑顔になります。
この様子だけ見るとただの良い人にも見えます。
「ここで話すのも良いけど、キー君用あって来たんでしょ? 薬の話もしたいし奥で話そう」
店主様のお誘いを受け、私と男爵様は彼に続いて店の奥へと進みました。
───────
ここでの会話が始まる前に薬草問屋の店主様から改めて自己紹介して頂き、ドゥイリオ様と呼ばせて頂くことになりました。
こちらに来てすぐに用事の一つは片付ける事ができました。
「クロモジの精油は本当に驚いたかな、香りも良いし喉にも効果があるし」
「それに喜んだのはシアンさんくらいだよ、お客さんのほとんどはデムーロ湖畔の花の催淫剤に反応するよ」
「興味がないわけじゃないけど、その辺ってリュンヌだと有象無象がよくあってウンザリしてて」
「はは、確かに。リュンヌで有名なのはアレだからね」
シアン様は本当に調薬に詳しいお方のようです。
クロモジの精油は、元々はサチ様の故郷で愛された香りに近いと聞いたので作ったものです。
「ここを見つけられた時は嬉しかったね。こっちに来て今までほとんど船から動けなくて、暇で暇で」
「宿とかはとってなかったの?」
「リモワの外に一家門住めような大使館を建てたって聞いてね。またミヌレの散財か貴族主義かな、それ知った上で男爵の俺が宿取ろうもんなら何言われるか」
「大使館? 別邸じゃなくて?」
ドゥイリオ様が当然の疑問を口になさいます。
こちらで噂になっているのは大使館ではなく大きな別邸が建設された事です。
「別邸? いやいや大使館だから調整が大変って聞いたよ? それでも随分早いとは思うけど」
「え、でも……キー君は知ってる? この話」
「お噂だけなら」
穏やかな様子で話していたシアン様ですが、別邸のお話になってからかなり顔色が悪くなっているようです。
「……その話詳しく教えてくれる、かな?」
それからドゥイリオ様が使節団が来るニュースがオランディで流れてから、最近まで停泊していた船の位置の話をなさいました。
使節団の話をしている時は特に変わった様子はありませんでしたが、リモワの外に別邸を建て始めた話になってから顔が青くなり、停泊していた位置のせいで困っている人が多かった話になった頃には両手で顔を覆って天を仰いでしまわれました。
「あー……色々、分かりました」
「あの、大丈夫?」
「いや、変とは思ってましたが、もっと疑うべきと、今心から反省してます、本当に、すみませんでした……」
「別に僕は困ってはなかったし、多分シアンさんのせいじゃないんでしょ?」
シアン様は両手を下ろしてこちらに向き直ります。
瞳の端に輝くものがあります。
目元の泣きぼくろと憂いを帯びたような顔立ちの影響か、少し瞳が潤んだだけですが悲壮感があります。
ドゥイリオ様が立ち上がりハンカチを持ってきて彼に渡しました。
シアン様はそれを受け取ると瞳の端の輝くものを拭いました。
「おかしいなと思ったのは、リモワに着いた時から……」
シアン様のお話はこうです。
今回の使節団結成後、すぐに公爵の指示で「大使館」の建設が始まったそうです。
理由は長期滞在の可能性の一点のみ、公爵の主導で建設部隊がオランディに派遣されたとの事。
それから建設が完了しそうだとの連絡を受け、長旅になるからと帝国でもかなり大きな商船に貴族一同乗り込んで行く事に。
そのまま王都に住む両陛下と殿下に挨拶をするためにリモワへ到着。
しかし、建設が途中だからとしばらくは船に……
「いや、よく考えて考えればと、ミヌレの人達がよくやる、浅い情報操作かな……って」
「えぇと? そうなると、どうなるの?」
「多分、別邸建ててから大使館って言い張ればオランディも許可するしかない、反対しそうな貴族にはそもそも言わない、無理やり連れてくれば良いから……かな」
「強引な、よく通ったねそれ」
「今のリュンヌはミヌレ家が一番強い立場にあるから、余程の理由がないと反対なんて出来ないよ」
立場を利用しやりたい事を押し通すのは強引な物だと思います。
それに土地はどのようにして確保出来たのでしょうか、シアン様の話を聞く限りではお金で解決させたように思えます。
「それで今の船上生活は、多分……オランディが滞在期間を限定させたんじゃない、かな」
「え? どういうこと?」
「大使館は認められなくて滞在は一週間に限定、一度お引き取りくださいとか言われた、のかな」
「それが君たちが船の上で生活してる理由?」
それは一週間以内に帰国するように言われたように見えますが、船の上で生活を続ける理由が分かりません。
「俺、来週大し……別邸に滞在する予定で。今いるミヌレ家とは交代、その一週間後にはピエール子爵と交代」
「交代?」
「多分、一週間ごとで屋敷に滞在する人員の入れ替えを繰り返して、既成事実作ろうとしてるのかな……変だなぁとは思ったけど、大使館じゃないなんて……」
……言葉が出ません。
そんな浅はかな作戦を他国を相手にやっているというのでしょうか。
ドゥイリオ様も呆れているのか、私と同じように言葉を失っているようです。
「船の位置も、あぁ……それは、うん……」
またしても両手で顔を覆って天を仰いでしまわれました。
「……到着した次の日から、市場で薬草探してる時の、冷ややかな目線」
小さな声でシアン様が呟きます。
「貴族とか、難しく思われてるのかな……じゃない、邪魔な位置に船停めやがって、ですね……」
大変落ち込んでいらしてる中申し訳ありませんが、おそらくその通りです。
「楽な服に変えたら目線は減ったけど……顔覚えてる人から話聞けなくて……今日になってやっと話してくれるお店で、こんな話を……」
「あぁ、ここ分かりにくいからね」
「もう嬉しくて嬉しくて……なのに、もう、貴族とか、やめたい……」
手を離し頭の角度を元に戻すと、ドゥイリオ様から借りたハンカチで目元を拭います。
随分と涙腺の緩い方のようです。
「心中はお察しするけど、船移動させたのってどうしてなの?」
「その、ちょっと今問題が起きてて」
「どんな問題?」
「俺たち貴族にはその証として渡される物があるんだけど、オランディに来てすぐなくしちゃって」
「えぇ、それ大丈夫なの?」
「それが貴族がみんな失くしたみたいで、今すごく揉めてるんだ。ミヌレ公爵夫人も失くしてるからすごく不思議で」
おそらく、例の石でしょう。
ビャンコ様が回収する作戦はどうやら成功していたようです。
「だから船の場所、変えたんだろうけど……あぁもう、本当恥ずかしいです……」
そう言って今度は両手を顔にあて俯いてしまわれました。
先日までの謎は解けましたが、新たに問題が出てきました。
今の話の通りなら、使節団の滞在期間はかなり長いものになりそうです。
こちらに来る前から後暗い動きをしていたのなら、どうやら何か裏があるように思えます。
おそらく、その大使館が目的でしょうね。
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