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湯煙は真実すら嘲笑う
#6
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「メルクリオは師匠がいないのに術式覚えたのか? すげー!」
「ジョーティ君こそ! まだ十歳なのにすごいね」
「へへっ、まだまだだけどな!」
ルスランの状態を簡単に説明し、お二人に安心していただいた後。
私が浴室を詳しく調べている間に、お二人は親しくなったように見えます。
メル様が理解を使っているのでしょう、ヴァローナの言葉のジョーティとオランディの言葉のメル様が普通に会話を交わしております。
「あ、キーノスさん! 何か分かりましたか?」
「何となく、何があったのかは分かりました」
私に気づいたメル様が声を掛けてきます。
手にしていたリンゴのコンポートをお酒が並ぶカウンターに置き、ルスランが寝ている方を確認します。
まだ起きませんね、まぁ仮死状態ではあるので仕方がないのかもしれませんが。
「あ、コレ!」
ジョーティがコンポートに手を伸ばします。
「ダメですよ」
ジョーティの手を掴んで止めながら言います。
「それがルスランの死因かと思いますので、触れないでください」
「え!?」
「ルスランの状態から考えてそのコンポートは強い酒で作られている上に、睡眠薬が使われているかと思います」
「美味しそうですけど、残念ですね」
ジョーティが嫌そうな顔をしながらコンポートから手を引きます。
「コレ、部屋のサービスだってルスランが言ってたんだよな。オレが受け取ったのにルスランが風呂場に持ってっちゃって食えなかったんだ」
「食べなくて良かったね、お酒入ってるならジョーティ君食べられないだろうし」
「見た目は美味そうなんだけどなぁ」
元は綺麗に盛り付けられていたように見えますから、届けられた時は食欲をそそるものだったのかと思います。
今は浴室の室温で温められていますし、食べるにしても一度冷やしてからの方が良いように思います。
「持ってきたのはどのような方でしたか?」
「制服着た若い男だったなぁ、でもガラノフじゃなかったぞ」
「調べたのですか?」
「一応、でもただのオランディの奴だった」
メル様が少し控えめな様子でこちらに問いかけてきます。
「その、ガラノフって人を探してるんですよね? それと関係あるんですか?」
「ガラノフ様は過去にルスランに睡眠薬を盛った事がありますので、何か関係があるかもしれません」
「えっ」
「ルスランが正直に話さないからって、それ調べるためにキーノスはヴァローナに来たんだよな」
メル様は私達の回答に少し驚いたご様子でしたが、少ししてからコンポートの方へ目をやります。
「これ、なんだか悪意がありますね……」
「悪意ですか?」
「僕そういうのならすぐ分かるんです。このコンポート、誰かのっていうより、なんか漠然としてるというか、上手く言えないんですけど」
コンポートを睨みつけながらメル様が仰います。
私が千里眼を使っても原材料くらいしか分かりません。
個人差もあるのでしょうけど、やはり理解は素晴らしい物に思えます。
そんな事を考えていると、メル様がパッと表情を明るくして仰います。
「僕分かっちゃいましたよ、犯人はそのガラノフさんですね!」
「そうなのですか?」
メル様は少し得意げな笑みを浮かべ、話を続けます。
ジョーティも興味があるのか、メル様の言葉を待っているようです。
「犯人はきっと客室係にこのコンポートをここに届けるように伝えて、ルスランさんが食べて気を失うのを狙ったんです」
「おぉ、それから?」
「ジョーティ君はお酒の強いお菓子は食べられないから、そこもきっと狙ってます!」
「だからオレが受け取っても何も言わなかったのか!」
「それからコンポートをルスランさんがお風呂にそれを持って行って、一口! ルスランさんはぐっすり眠っちゃいます!」
「うんうん」
「そこに犯人は忍び込んでルスランさんを……と思ってた時、僕達がこの部屋に来たんです! 今頃犯人はきっと困ってるはずです!」
「それなら、犯人の奴は部屋の外にいるんだな!」
水を差すようで申し訳ありませんが、気になる事があります。
「その場合部屋にはジョーティが居ることになりますが、そちらはどうなさるつもりだったのでしょうか?」
「きっと一緒に……!」
「オレ、殺されるところだったのか!」
「きっと小さい子供なら簡単にって思ったはずです!」
気は引けますが、更に気になる点があります。
「今ここへ来ないのは、私とメル様がいるからですか?」
「はい!」
「ガラノフ様は薬物に精通していらっしゃいますので、ドアの外の隙間から催眠ガスを流し込めば事は済みそうですが」
「よその国でそんなことするかぁ?」
「似た事を今ルスランに対してしているかと思います」
私の言葉にジョーティが口をつぐんてしまいました。
「私の推測ですが、メル様と目的の部分以外は同じかと考えています」
「え! そうなんですか?」
「目的は殺害ではなく、足止めかと考えています」
「足止め~?」
「過去にルスランはガラノフ様に睡眠薬を盛られ、数時間職場を離れた事があります。前回の目的はルスランに恥をかかせる事で、今回も殺害までは考えていないのではないかと思います」
「えぇー、でもオッサンの家でルスラン燃やされたんだろ?」
「燃やされたの!?」
「いえ、あれは自作自演です」
なので今のこの状況も、ルスランは分かっててやったのではないかと思ってしまいます。
コンポートに関しては施設の職員に聞いた方が良さそうですが。
「でも、なんで足止めなんてするんですか?」
「ガラノフ様がオランディに来たのは、彼の副業の販路を広げるためではないかとルスランが言っていました」
「販路? 副業?」
ジョーティが首を傾げながら問います。
「ルスランはかなり目立ちます。ガラノフ様を探すため、彼が現れそうな場所に顔を出していたそうですから、ガラノフ様がルスランに気付いた可能性は高いと思います」
「うん、それで?」
「今日私がここに来たのは氷塩の店主様の情報によるもので、ガラノフ様が今夜サラマン温泉の施設で取引をなさるからです」
「じゃあ、その邪魔をさせないためにですか?」
「あくまで推測の域を出ませんが、私の持っている情報から考えるとこうなります」
私の推測を聞いて、ジョーティが不満げな様子で口を尖らせます。
「なんだソレ、オレもメルクリオも知らない話ばっかじゃねーか! ずるいぞ!」
「こんなに早く推理が進むとは考えておりませんでした、事前にお伝えできず申し訳ありません」
「知ってたらメルクリオだって同じこと言った! だからキーノスの負けだぞ!」
「そうですね。少ない情報から同じ推理に至ったのですから、メル様は素晴らしいと思います」
私の言葉にジョーティは勝ち誇ったように、メル様は何故か恥ずかしそうに顔を背けます。
お二人とも私の推論に異を唱える事もなく、内容自体には納得してくださったようです。
「とりあえずルスラン起こそうぜ、本人に話聞くのが一番早いだろ?」
「確かに。でも吸血鬼なんてどうやって起こすんですか?」
お二人がルスランの心配をするのは分かります。
ですが、私にはどうしても懸念が拭いきれません。
「その、言いにくいのですが」
「なんだよ?」
「起こしたところで正直に答えるかどうか、むしろ妨害されるのではないかと思うのですが」
「え、まさか! 睡眠薬飲まされたんだし、協力してくれますよ!」
「……いや、キーノスの言うことも分かる」
ジョーティも私が滞在している間手伝ってくれていましたから、私の考えが理解できるのかと思います。
「でもこのままは可哀想ですよ」
「うーん、あんまりオレはそう思わないんだよなぁ」
お二人の会話を聞きながら、メル様が長い間理解を使用していらっしゃったのに気付きます。
「メル様、理解はまだ使えそうですか?」
「それは大丈夫です、このままなら夜中までもちます!」
他国の言語の壁を簡単に乗り越えて会話なさっているのに、その持続力はかなりの物です。
それに以前魅了で変換された言葉も正しく理解されていた事を考えれば、ルスランが誤魔化したとしても通用しない可能性は高いです。
「ルスランを起こしましょう」
「え、良いのか? 面倒くさくなるだけじゃないか?」
「メル様がいらっしゃるなら大丈夫です」
「僕ですか?」
「はい。彼は都合の悪いことを煙に巻いて誤魔化す事が多いです、もし怪しい言動があったら容赦なく指摘してください」
メル様は困惑されているようですが、ルスランが目を覚ませば私達が言う理由も分かってくださると思います。
とりあえず死んだ振りをしているこの男を生き返らせましょう。
彼は私の血が好きなようですから、コップに分けて無理にでも飲ませれば目を覚ますのではないかと思います。
「ジョーティ君こそ! まだ十歳なのにすごいね」
「へへっ、まだまだだけどな!」
ルスランの状態を簡単に説明し、お二人に安心していただいた後。
私が浴室を詳しく調べている間に、お二人は親しくなったように見えます。
メル様が理解を使っているのでしょう、ヴァローナの言葉のジョーティとオランディの言葉のメル様が普通に会話を交わしております。
「あ、キーノスさん! 何か分かりましたか?」
「何となく、何があったのかは分かりました」
私に気づいたメル様が声を掛けてきます。
手にしていたリンゴのコンポートをお酒が並ぶカウンターに置き、ルスランが寝ている方を確認します。
まだ起きませんね、まぁ仮死状態ではあるので仕方がないのかもしれませんが。
「あ、コレ!」
ジョーティがコンポートに手を伸ばします。
「ダメですよ」
ジョーティの手を掴んで止めながら言います。
「それがルスランの死因かと思いますので、触れないでください」
「え!?」
「ルスランの状態から考えてそのコンポートは強い酒で作られている上に、睡眠薬が使われているかと思います」
「美味しそうですけど、残念ですね」
ジョーティが嫌そうな顔をしながらコンポートから手を引きます。
「コレ、部屋のサービスだってルスランが言ってたんだよな。オレが受け取ったのにルスランが風呂場に持ってっちゃって食えなかったんだ」
「食べなくて良かったね、お酒入ってるならジョーティ君食べられないだろうし」
「見た目は美味そうなんだけどなぁ」
元は綺麗に盛り付けられていたように見えますから、届けられた時は食欲をそそるものだったのかと思います。
今は浴室の室温で温められていますし、食べるにしても一度冷やしてからの方が良いように思います。
「持ってきたのはどのような方でしたか?」
「制服着た若い男だったなぁ、でもガラノフじゃなかったぞ」
「調べたのですか?」
「一応、でもただのオランディの奴だった」
メル様が少し控えめな様子でこちらに問いかけてきます。
「その、ガラノフって人を探してるんですよね? それと関係あるんですか?」
「ガラノフ様は過去にルスランに睡眠薬を盛った事がありますので、何か関係があるかもしれません」
「えっ」
「ルスランが正直に話さないからって、それ調べるためにキーノスはヴァローナに来たんだよな」
メル様は私達の回答に少し驚いたご様子でしたが、少ししてからコンポートの方へ目をやります。
「これ、なんだか悪意がありますね……」
「悪意ですか?」
「僕そういうのならすぐ分かるんです。このコンポート、誰かのっていうより、なんか漠然としてるというか、上手く言えないんですけど」
コンポートを睨みつけながらメル様が仰います。
私が千里眼を使っても原材料くらいしか分かりません。
個人差もあるのでしょうけど、やはり理解は素晴らしい物に思えます。
そんな事を考えていると、メル様がパッと表情を明るくして仰います。
「僕分かっちゃいましたよ、犯人はそのガラノフさんですね!」
「そうなのですか?」
メル様は少し得意げな笑みを浮かべ、話を続けます。
ジョーティも興味があるのか、メル様の言葉を待っているようです。
「犯人はきっと客室係にこのコンポートをここに届けるように伝えて、ルスランさんが食べて気を失うのを狙ったんです」
「おぉ、それから?」
「ジョーティ君はお酒の強いお菓子は食べられないから、そこもきっと狙ってます!」
「だからオレが受け取っても何も言わなかったのか!」
「それからコンポートをルスランさんがお風呂にそれを持って行って、一口! ルスランさんはぐっすり眠っちゃいます!」
「うんうん」
「そこに犯人は忍び込んでルスランさんを……と思ってた時、僕達がこの部屋に来たんです! 今頃犯人はきっと困ってるはずです!」
「それなら、犯人の奴は部屋の外にいるんだな!」
水を差すようで申し訳ありませんが、気になる事があります。
「その場合部屋にはジョーティが居ることになりますが、そちらはどうなさるつもりだったのでしょうか?」
「きっと一緒に……!」
「オレ、殺されるところだったのか!」
「きっと小さい子供なら簡単にって思ったはずです!」
気は引けますが、更に気になる点があります。
「今ここへ来ないのは、私とメル様がいるからですか?」
「はい!」
「ガラノフ様は薬物に精通していらっしゃいますので、ドアの外の隙間から催眠ガスを流し込めば事は済みそうですが」
「よその国でそんなことするかぁ?」
「似た事を今ルスランに対してしているかと思います」
私の言葉にジョーティが口をつぐんてしまいました。
「私の推測ですが、メル様と目的の部分以外は同じかと考えています」
「え! そうなんですか?」
「目的は殺害ではなく、足止めかと考えています」
「足止め~?」
「過去にルスランはガラノフ様に睡眠薬を盛られ、数時間職場を離れた事があります。前回の目的はルスランに恥をかかせる事で、今回も殺害までは考えていないのではないかと思います」
「えぇー、でもオッサンの家でルスラン燃やされたんだろ?」
「燃やされたの!?」
「いえ、あれは自作自演です」
なので今のこの状況も、ルスランは分かっててやったのではないかと思ってしまいます。
コンポートに関しては施設の職員に聞いた方が良さそうですが。
「でも、なんで足止めなんてするんですか?」
「ガラノフ様がオランディに来たのは、彼の副業の販路を広げるためではないかとルスランが言っていました」
「販路? 副業?」
ジョーティが首を傾げながら問います。
「ルスランはかなり目立ちます。ガラノフ様を探すため、彼が現れそうな場所に顔を出していたそうですから、ガラノフ様がルスランに気付いた可能性は高いと思います」
「うん、それで?」
「今日私がここに来たのは氷塩の店主様の情報によるもので、ガラノフ様が今夜サラマン温泉の施設で取引をなさるからです」
「じゃあ、その邪魔をさせないためにですか?」
「あくまで推測の域を出ませんが、私の持っている情報から考えるとこうなります」
私の推測を聞いて、ジョーティが不満げな様子で口を尖らせます。
「なんだソレ、オレもメルクリオも知らない話ばっかじゃねーか! ずるいぞ!」
「こんなに早く推理が進むとは考えておりませんでした、事前にお伝えできず申し訳ありません」
「知ってたらメルクリオだって同じこと言った! だからキーノスの負けだぞ!」
「そうですね。少ない情報から同じ推理に至ったのですから、メル様は素晴らしいと思います」
私の言葉にジョーティは勝ち誇ったように、メル様は何故か恥ずかしそうに顔を背けます。
お二人とも私の推論に異を唱える事もなく、内容自体には納得してくださったようです。
「とりあえずルスラン起こそうぜ、本人に話聞くのが一番早いだろ?」
「確かに。でも吸血鬼なんてどうやって起こすんですか?」
お二人がルスランの心配をするのは分かります。
ですが、私にはどうしても懸念が拭いきれません。
「その、言いにくいのですが」
「なんだよ?」
「起こしたところで正直に答えるかどうか、むしろ妨害されるのではないかと思うのですが」
「え、まさか! 睡眠薬飲まされたんだし、協力してくれますよ!」
「……いや、キーノスの言うことも分かる」
ジョーティも私が滞在している間手伝ってくれていましたから、私の考えが理解できるのかと思います。
「でもこのままは可哀想ですよ」
「うーん、あんまりオレはそう思わないんだよなぁ」
お二人の会話を聞きながら、メル様が長い間理解を使用していらっしゃったのに気付きます。
「メル様、理解はまだ使えそうですか?」
「それは大丈夫です、このままなら夜中までもちます!」
他国の言語の壁を簡単に乗り越えて会話なさっているのに、その持続力はかなりの物です。
それに以前魅了で変換された言葉も正しく理解されていた事を考えれば、ルスランが誤魔化したとしても通用しない可能性は高いです。
「ルスランを起こしましょう」
「え、良いのか? 面倒くさくなるだけじゃないか?」
「メル様がいらっしゃるなら大丈夫です」
「僕ですか?」
「はい。彼は都合の悪いことを煙に巻いて誤魔化す事が多いです、もし怪しい言動があったら容赦なく指摘してください」
メル様は困惑されているようですが、ルスランが目を覚ませば私達が言う理由も分かってくださると思います。
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