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第八十五話
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「さて、散歩にでも行くか」
駄菓子屋が定休日な今日。
俺は現実逃避も兼ねて少し遠くの公園まで散歩に行くことにした。
どうせ家に居ても、エルナちゃんとのことをどうしようか悩むだけだ。
それに、今日は誰も訪ねてくる予定もないしな。
という訳で俺は、いつだったか杏里ちゃんと遊んだ公園にまでやって来ていた。
世間的にも休日だからか、親子連れや子供たちの姿が多い気がする。
そんな中で一人散歩をする俺は、ほんの少しだけ寂しさを感じていた。
「はぁ、これなら誰かを呼んだらよかったな」
さっきまでエルナちゃんとのことをどう伝えるか悩んでいた癖に、今ではもうみんなと会いたくなってしまっている。
なんとも身勝手な自分に苦笑を浮かべながら、俺は近くのベンチに腰かけて休むことにした。
「ふぅ……」
ベンチに座って一息ついた俺は、周りの人たちを眺める。
親子連れが楽しそうに子どもと遊んでいる姿や、友達同士でサッカーをしている様子など、見ているだけでなんだか心が和んでしまう。
それでも女の子が居るとついそっちに目が行ってしまうのは、ロリコンの悲しい性だろう。
とりあえず不審に思われないような程度で女の子を眺めていると、座っている俺の足元にサッカーボールが転がってきた。
「すいませーんっ!」
なんだか前にもこんなことがあったなと声のする方を見ると、あの時の男の子がこっちに向かって手を振っていた。
そしてその子は、タッタッタッと軽やかな足取りで俺の近くにまで駆け寄ってきた。
「これ、君の?」
「はい。って、この間の」
どうやら男の子の方も俺のことを憶えていたようで、不思議そうな表情を浮かべている。
「今日は、この前の子と一緒じゃないんですか?」
「え? あぁ、うん。今日は一人なんだ。……そう言う君こそ、今日は一人で遊んでるの?」
そう尋ねると、男の子はなんだか悲しそうな表情を浮かべながら俯いてしまった。
もしかしたら、触れてはいけないことだったのかもしれない。
「えっと、ごめんね」
「ううん、大丈夫です。今日はちょっと……」
それっきり、男の子は黙ってしまう。
「えっと、とりあえず座るかい?」
いつまでも向かい合って立っている訳にもいかず、俺はそう言って男の子を促す。
「はい……」
まだ元気のない男の子は、それでも俺に従ってベンチに座った。
そして、俺もその隣に座る。
「えっと、俺は杉原信吾って言うんだ。君の名前は?」
「中澤なかざわ優希ゆうきです」
「優希か。良い名前だね。それで、急に元気がなくなった理由を聞いても良いかな?」
いきなり確信に触れてみると、優希の身体がビクッと震える。
「話したくなかったら、別に構わないよ」
慌ててそう言うと、優希は小さく首を振って俺を見上げてきた。
「ううん、大丈夫。えっと、あのね……」
そうして優希は、俺の質問に訥々と答え始めた。
駄菓子屋が定休日な今日。
俺は現実逃避も兼ねて少し遠くの公園まで散歩に行くことにした。
どうせ家に居ても、エルナちゃんとのことをどうしようか悩むだけだ。
それに、今日は誰も訪ねてくる予定もないしな。
という訳で俺は、いつだったか杏里ちゃんと遊んだ公園にまでやって来ていた。
世間的にも休日だからか、親子連れや子供たちの姿が多い気がする。
そんな中で一人散歩をする俺は、ほんの少しだけ寂しさを感じていた。
「はぁ、これなら誰かを呼んだらよかったな」
さっきまでエルナちゃんとのことをどう伝えるか悩んでいた癖に、今ではもうみんなと会いたくなってしまっている。
なんとも身勝手な自分に苦笑を浮かべながら、俺は近くのベンチに腰かけて休むことにした。
「ふぅ……」
ベンチに座って一息ついた俺は、周りの人たちを眺める。
親子連れが楽しそうに子どもと遊んでいる姿や、友達同士でサッカーをしている様子など、見ているだけでなんだか心が和んでしまう。
それでも女の子が居るとついそっちに目が行ってしまうのは、ロリコンの悲しい性だろう。
とりあえず不審に思われないような程度で女の子を眺めていると、座っている俺の足元にサッカーボールが転がってきた。
「すいませーんっ!」
なんだか前にもこんなことがあったなと声のする方を見ると、あの時の男の子がこっちに向かって手を振っていた。
そしてその子は、タッタッタッと軽やかな足取りで俺の近くにまで駆け寄ってきた。
「これ、君の?」
「はい。って、この間の」
どうやら男の子の方も俺のことを憶えていたようで、不思議そうな表情を浮かべている。
「今日は、この前の子と一緒じゃないんですか?」
「え? あぁ、うん。今日は一人なんだ。……そう言う君こそ、今日は一人で遊んでるの?」
そう尋ねると、男の子はなんだか悲しそうな表情を浮かべながら俯いてしまった。
もしかしたら、触れてはいけないことだったのかもしれない。
「えっと、ごめんね」
「ううん、大丈夫です。今日はちょっと……」
それっきり、男の子は黙ってしまう。
「えっと、とりあえず座るかい?」
いつまでも向かい合って立っている訳にもいかず、俺はそう言って男の子を促す。
「はい……」
まだ元気のない男の子は、それでも俺に従ってベンチに座った。
そして、俺もその隣に座る。
「えっと、俺は杉原信吾って言うんだ。君の名前は?」
「中澤なかざわ優希ゆうきです」
「優希か。良い名前だね。それで、急に元気がなくなった理由を聞いても良いかな?」
いきなり確信に触れてみると、優希の身体がビクッと震える。
「話したくなかったら、別に構わないよ」
慌ててそう言うと、優希は小さく首を振って俺を見上げてきた。
「ううん、大丈夫。えっと、あのね……」
そうして優希は、俺の質問に訥々と答え始めた。
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