駄菓子屋継いだらロリハーレム

樋川カイト

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第八十六話

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「なんだか最近、みんなの様子がおかしいんだ」

 俺の質問に答えるように、優希はゆっくりと喋り始める。

「今までは普通に遊んでくれたのに、和也くんが急に『お前とはもう一緒に遊ばない』って言いだして……」

「その和也君ってのは、いじめっ子なのか?」

「ううん。みんなのリーダーみたいな子で、優しくていい子だよ。でも、なんだか最近ちょっと冷たいんだ」

 どうやらその和也君とやらの鶴の一声で、優希はみんなから仲間外れにされてしまったらしい。

「みんな、ボクのことを嫌いになっちゃったのかな? だから、もうボクと遊んでくれないのかな?」

「そんなことないって。きっと、なにか理由があるんだよ」

 今にも泣き出しそうな優希の頭を撫でて励ますと、まるで捨てられた子犬のような目で俺の顔を見つめてくる。



「ホント?」

「うん、たぶんね」

 力強く頷くと、優希の表情もいくらか明るいものになっていった。

 それでも、やっぱり少し悲しそうな雰囲気は残っているけれど。

「よしっ。それじゃあ、今日は俺と遊ぼう!」

「えっ!? 良いの?」

「あぁ。どうせ暇だったし、もし優希が嫌じゃなかったらだけど」

 どうかな、と尋ねるように笑いかけると、優希の顔には満面の笑みが浮かぶ。

「嫌なわけないよっ。じゃあ、なにして遊ぶっ?」

 さっきまでの悲しそうな雰囲気は何処へやら、すっかり元気を取り戻した優希はスックと立ち上がると俺に詰め寄ってくる。

「えっと、優希のやりたい遊びで良いよ」

 その勢いに思わずのけぞりながら、俺はそれだけ答えた。

 小学生と遊ぶなんて久しぶりだから、今どきの子になにが流行ってるか分からないし。

「なら、サッカーしよっ!」



 言うが早いか、優希は足元に置いていたサッカーボールを手に取って広場へと駆けていく。

「おにいさんっ、早く早くっ!」

「いま行くよ」

 その変わり身の早さに少しだけ苦笑を浮かべながら、俺も優希に続くように広場へと向かう。

「それっ!」

「うわっ!? やったなっ」

 俺が広場に辿り着く前にフライング気味に蹴り出されたサッカーボールを受け止めると、俺はそれを優希へと蹴り返す。

 そうやってしばらくボールを蹴り合いながら、徐々に元の活発さを取り戻していく優希を見ながらホッと安心する。

 こうやって今だけでも寂しさを忘れてくれるなら、俺の役割もたいしたもんだ。

 なんて一人納得していると、なんだか段々と雲行きが怪しくなってきた。

「なんだか雨が降りそうだな」

 そう思って空を見上げた瞬間、俺の顔に雨粒が当たる。



 それは一気に勢いを増していき、俺たちは雨宿りをする暇もなく大粒の雨に晒されてしまった。

「わわっ、降ってきた。どうしよう、お兄さん」

「とりあえず雨宿りしよう」

 俺の元まで駆け寄ってきた優希の手を引いて、俺たちは屋根のある場所まで走る。

「ほらっ、急いで」

「お兄さん、走るの早いよ!」

 そんなことを言い合いながら屋根の下に辿り着いた頃には、二人とも全身びしょ濡れになっていた。



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