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第三章 追体験
怪しい男たち
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あまりにも深く考え込んでしまっていたから、少年は、暗がりの中、近づいてきた二人組に気づけなかった。黒いツインセットに身を包んだ、客にしては、シンプルな出で立ちの彼らは、明らかに不信な動きで、互いに目配せしあい、沙蘭を挟み込むようにして、両隣の座席へと腰掛ける。
近づく体温に、はっと目を開けた時には、沙蘭の口は大きな手で塞がれていた。視界をハンカチの白色が横切る。次いで目の前が真っ暗になった。目隠しをされてしまったのだ。
「こんな綺麗な子が、競りに出てないなんて、一体何の手違いだ?」
「わからん。だがそのおかげでひと稼ぎ出来そうだ」
くぐもった声に、沙蘭の熱は一気に冷めた。噛みついてやろうと口を動かすが、男は手のひらを少し浮かせて、攻撃をかわす。
「なかなかのじゃじゃ馬だな。精一杯暴れてやがる」
「これで逃げられると思ってるのが可愛いよな……見ろよ。この細っこい手……。けど、男だよな? ああ、ちゃんとついてるぜ」
さっきまで自身で撫でていたそこを、男がぐいと揉み上げた。
「……!」
「ここも見た目通り、可愛いもんだ。けど、どうした、これ、立ってるぜ。お前、乱暴なのが好きなのか?」
からかうように、男はぴたぴたと沙蘭の頬を叩く。
「拉致る前に、いっちょ可愛がってやるか」
男は姿勢を変え、沙蘭を抱きしめるように向き直った。
首をねじり、布越しに、きっと沙蘭は相手を睨み付ける。だが勿論相手が気づくわけもなく、シャツの裾から、ぬめった手が忍び込んできた。
「いい肌だぜ。吸いつくようだ」
もう、男の指は、乳首へと到達している。乳輪をなぞられ、尖端の小さな芽を掘り起こすように指の腹で刺激される。チャンスとばかりに、沙蘭は口を塞いでいる手のひらに歯を立てた。だが、結果は、少々の唾液で男の手を濡らしただけに終わってしまう。
「おっと、何かやってるね。おじさん、ぞくぞくしてくるなあ。ちょっと触るだけで許してあげようと思ってたのに、気が変わってしまったよ」
攻撃を受けた方の男は嬉しげに言い、やおら口を塞いでいた手を離した。
新鮮な空気が肺へと流れ込む。大声を上げようと息を吸い込んだ時、喉の奥に、熱い液体が流し込まれた。
「……な……」
突然の事に、むせそうになるが、その前にまた唇を手で塞がれる。沙蘭はごくりと液体を飲み干した。喉が焼けつくように熱くなる。
「効いてくるまで、ちょっとこうやって時間をつぶそうかね。お嬢ちゃん」
男は沙蘭を自分の膝の上に乗せ、耳元で囁いた。
薬が急激に、沙蘭の身体を熱くしていく。
「ん……っ」
口の旗から漏れる唾液が、男の手のひらの隙間をすり抜け首へと垂れた。もう一人の男は、一つ席をつめて横に座り、沙蘭のシャツのボタンを外していく。
「飲ませたのは、媚薬だ。きつい薬だから、すぐに効いてくる。あと数分したら、身体が疼いてたまらなくなるはずだ。お嬢ちゃんはおじさん達に歯向かったから、ちょっとだけ焦らさせてもらうけど、最後にはきっちりとはめてあげるから安心してね」
ボタンは全てはずされ、前立てが開けられる。肩からシャツを抜き取られ、沙蘭は弱々しい上半身を曝け出した。
「薬がまわったら、うんと気持よくしてあげる……だからもう少し待っててね……」
横の男の囁きが、どこか遠いところから聞こえているような気がする。頭の中が、くらくらと回り始め、沙蘭はぐったりと汗ばんだ背中を、男の胸に預けた。
薬が効き始め、脱力が始まれば゛男は少年の目隠しをとり、唇を塞いでいた手を外した。舞台では、まだ吟味が続いている。壇上までの距離は遠く、誰も沙蘭の窮状に気がついてはいない。
「どうだ? 身体が熱くて、たまらないだろう? 恥ずかしがる事なんかないぜ。年頃の子なら誰だってそんなもんだし、今から俺達が、ちゃんと満足させてやるからな」
耳の後ろ側に口をつけるようにして、男は囁く。
沙蘭は赤くなって俯いた。大声をあげさえすれば、助けを呼べるのに、身体が疼いて、その気になれない。
「承知だな。じゃあ、邪魔な服は全部脱がせてしまうぜ」
大人しくなった沙蘭に安心したのだろう。男達の口調が和らぐ。隣にいる男が、沙蘭のウエストのゴムに手をかけた。その行為そのものを楽しむかのように、ゆっくりと少年のズボンを下ろしていく。
沙蘭は従順に脱がされるにまかせた。足首からズボンを抜き取られる時、思わず腰を浮かせて協力してしまいそうになる。下着を取られ、何もかもが剥き出しになった。後ろの男は、太股を動かして、沙蘭の蕾を挑発する。
「おじさん……嫌……」
沙蘭は涙ぐんで訴えた。筋肉のかけらもない貧弱な胸が、激しく上下する。セックスを一度しか経験した事のない未成熟な身体に、男の与えた薬は刺激が強すぎだらしい。
「おっと、あんた、処女じゃないな」
後ろの男は、呟いた。
「あそこが、小刻みに収縮してる。男を誘ってるぜ。このお嬢ちゃんは」
「そんなわけないだろう。この施設内に、経験者は一人もいないはずだぜ」
「いや……たぶん間違いない」
男の指が、そろそろと下へと下りてきて、沙蘭の秘密の場所にそっとあてがわれる。
「ああ……や……」
理性は男の指を拒んでいるのに、媚薬で不自然に高められた肉体は、全く反対の反応を示してしまう。まだ何もされていないのに、柔らかく溶けかけた小穴が、指を取り込むように嫌らしく動いたのが、自分でもわかった。
「ここに、何度男の物を銜えこんだ?」
焦らすように、男は周辺の小皺をいじる。
「……ああ……おじさん……」
沙蘭は喘いだ。
「ちゃんと言わないと、してやらないぞ」
脅かされ、沙蘭ば
「一度だけ……」
か細い声で答える。
「たった一度のセックスで、こんなに熟れちまったのか。おい、お前もみてみろ」
「どれどれ」
もう片方の指が、先の男のそれをよけて、蕾をまさぐる。
「ああっ……ん」
「本当だ。すげ、嫌らしくひくついてやがる」
しばらく二人分の指は、楽しげに沙蘭のそこをうろついた。たまらない思いに、沙蘭は目尻に涙を浮かべ、目を閉じる。薬と、そして男達の精緻な指使いの刺激とで、もう、頭も身体もとろけてしまいそうだった。
「ほら、寝てんじゃねえよ。前を見てみろ」
男は、後部から手を伸ばして沙蘭の顎を摘まみ、舞台へと視線を向けさせた。
壇上には、ロープで両手を後ろ手に縛られた、さっきと違う少年がいて、やはり数人の男達に囲まれている。
「ほら、あそこにあるの、なんだかわかるか?」
男の指が乳首を摘む。こねられながら、沙蘭は言われる方向に目をやった。
「木馬だよ。お嬢ちゃん。大人用の、木馬だ」
男の説明に、沙蘭は大きく目を開く。
確かに壇上には懐かしいおもちゃが据えられていた。
近づく体温に、はっと目を開けた時には、沙蘭の口は大きな手で塞がれていた。視界をハンカチの白色が横切る。次いで目の前が真っ暗になった。目隠しをされてしまったのだ。
「こんな綺麗な子が、競りに出てないなんて、一体何の手違いだ?」
「わからん。だがそのおかげでひと稼ぎ出来そうだ」
くぐもった声に、沙蘭の熱は一気に冷めた。噛みついてやろうと口を動かすが、男は手のひらを少し浮かせて、攻撃をかわす。
「なかなかのじゃじゃ馬だな。精一杯暴れてやがる」
「これで逃げられると思ってるのが可愛いよな……見ろよ。この細っこい手……。けど、男だよな? ああ、ちゃんとついてるぜ」
さっきまで自身で撫でていたそこを、男がぐいと揉み上げた。
「……!」
「ここも見た目通り、可愛いもんだ。けど、どうした、これ、立ってるぜ。お前、乱暴なのが好きなのか?」
からかうように、男はぴたぴたと沙蘭の頬を叩く。
「拉致る前に、いっちょ可愛がってやるか」
男は姿勢を変え、沙蘭を抱きしめるように向き直った。
首をねじり、布越しに、きっと沙蘭は相手を睨み付ける。だが勿論相手が気づくわけもなく、シャツの裾から、ぬめった手が忍び込んできた。
「いい肌だぜ。吸いつくようだ」
もう、男の指は、乳首へと到達している。乳輪をなぞられ、尖端の小さな芽を掘り起こすように指の腹で刺激される。チャンスとばかりに、沙蘭は口を塞いでいる手のひらに歯を立てた。だが、結果は、少々の唾液で男の手を濡らしただけに終わってしまう。
「おっと、何かやってるね。おじさん、ぞくぞくしてくるなあ。ちょっと触るだけで許してあげようと思ってたのに、気が変わってしまったよ」
攻撃を受けた方の男は嬉しげに言い、やおら口を塞いでいた手を離した。
新鮮な空気が肺へと流れ込む。大声を上げようと息を吸い込んだ時、喉の奥に、熱い液体が流し込まれた。
「……な……」
突然の事に、むせそうになるが、その前にまた唇を手で塞がれる。沙蘭はごくりと液体を飲み干した。喉が焼けつくように熱くなる。
「効いてくるまで、ちょっとこうやって時間をつぶそうかね。お嬢ちゃん」
男は沙蘭を自分の膝の上に乗せ、耳元で囁いた。
薬が急激に、沙蘭の身体を熱くしていく。
「ん……っ」
口の旗から漏れる唾液が、男の手のひらの隙間をすり抜け首へと垂れた。もう一人の男は、一つ席をつめて横に座り、沙蘭のシャツのボタンを外していく。
「飲ませたのは、媚薬だ。きつい薬だから、すぐに効いてくる。あと数分したら、身体が疼いてたまらなくなるはずだ。お嬢ちゃんはおじさん達に歯向かったから、ちょっとだけ焦らさせてもらうけど、最後にはきっちりとはめてあげるから安心してね」
ボタンは全てはずされ、前立てが開けられる。肩からシャツを抜き取られ、沙蘭は弱々しい上半身を曝け出した。
「薬がまわったら、うんと気持よくしてあげる……だからもう少し待っててね……」
横の男の囁きが、どこか遠いところから聞こえているような気がする。頭の中が、くらくらと回り始め、沙蘭はぐったりと汗ばんだ背中を、男の胸に預けた。
薬が効き始め、脱力が始まれば゛男は少年の目隠しをとり、唇を塞いでいた手を外した。舞台では、まだ吟味が続いている。壇上までの距離は遠く、誰も沙蘭の窮状に気がついてはいない。
「どうだ? 身体が熱くて、たまらないだろう? 恥ずかしがる事なんかないぜ。年頃の子なら誰だってそんなもんだし、今から俺達が、ちゃんと満足させてやるからな」
耳の後ろ側に口をつけるようにして、男は囁く。
沙蘭は赤くなって俯いた。大声をあげさえすれば、助けを呼べるのに、身体が疼いて、その気になれない。
「承知だな。じゃあ、邪魔な服は全部脱がせてしまうぜ」
大人しくなった沙蘭に安心したのだろう。男達の口調が和らぐ。隣にいる男が、沙蘭のウエストのゴムに手をかけた。その行為そのものを楽しむかのように、ゆっくりと少年のズボンを下ろしていく。
沙蘭は従順に脱がされるにまかせた。足首からズボンを抜き取られる時、思わず腰を浮かせて協力してしまいそうになる。下着を取られ、何もかもが剥き出しになった。後ろの男は、太股を動かして、沙蘭の蕾を挑発する。
「おじさん……嫌……」
沙蘭は涙ぐんで訴えた。筋肉のかけらもない貧弱な胸が、激しく上下する。セックスを一度しか経験した事のない未成熟な身体に、男の与えた薬は刺激が強すぎだらしい。
「おっと、あんた、処女じゃないな」
後ろの男は、呟いた。
「あそこが、小刻みに収縮してる。男を誘ってるぜ。このお嬢ちゃんは」
「そんなわけないだろう。この施設内に、経験者は一人もいないはずだぜ」
「いや……たぶん間違いない」
男の指が、そろそろと下へと下りてきて、沙蘭の秘密の場所にそっとあてがわれる。
「ああ……や……」
理性は男の指を拒んでいるのに、媚薬で不自然に高められた肉体は、全く反対の反応を示してしまう。まだ何もされていないのに、柔らかく溶けかけた小穴が、指を取り込むように嫌らしく動いたのが、自分でもわかった。
「ここに、何度男の物を銜えこんだ?」
焦らすように、男は周辺の小皺をいじる。
「……ああ……おじさん……」
沙蘭は喘いだ。
「ちゃんと言わないと、してやらないぞ」
脅かされ、沙蘭ば
「一度だけ……」
か細い声で答える。
「たった一度のセックスで、こんなに熟れちまったのか。おい、お前もみてみろ」
「どれどれ」
もう片方の指が、先の男のそれをよけて、蕾をまさぐる。
「ああっ……ん」
「本当だ。すげ、嫌らしくひくついてやがる」
しばらく二人分の指は、楽しげに沙蘭のそこをうろついた。たまらない思いに、沙蘭は目尻に涙を浮かべ、目を閉じる。薬と、そして男達の精緻な指使いの刺激とで、もう、頭も身体もとろけてしまいそうだった。
「ほら、寝てんじゃねえよ。前を見てみろ」
男は、後部から手を伸ばして沙蘭の顎を摘まみ、舞台へと視線を向けさせた。
壇上には、ロープで両手を後ろ手に縛られた、さっきと違う少年がいて、やはり数人の男達に囲まれている。
「ほら、あそこにあるの、なんだかわかるか?」
男の指が乳首を摘む。こねられながら、沙蘭は言われる方向に目をやった。
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