殿堂入りした愛なのに

たっぷりチョコ

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最終話・一緒に

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 担任の教師に会いに行くと話はすでに伝わっていたようでスムーズにことが進んだ。
 
「来週にはもう鈴村がいないのかーー。寂しいじゃん。ていうか、この部屋にオレだけじゃん!」
 早々に机の整理をしながら荷造りをしているおれの横で有吉がベッドに寝転がりながらひとりツッコミをした。
「よかったじゃん。広く使えて」
「複雑。ていうか、マジで行くの? カナダ留学」
「うん。おじいちゃんにももうラインで伝えた。先生にも報告したし。でも急すぎだよね」
 苦笑いを浮かべるおれをじーっと真顔で見てくる有吉。
「カナダ留学って建前になるけど、実質中退になるのかな。そこがちょっとおれ的には残念。ちゃんとこの学校で卒業したかったな。というかそのつもりだったし」
「・・・。彼氏の三春には言ったの? 遠距離恋愛?」
 彼氏という単語に照れる。未だに慣れない。
「・・・まだ言ってないけど・・・別れる」
「え、なんで?!」
 意外だったのか、有吉が起き上がって詰め寄って来た。
「なんでって・・・いつちゃんと帰ってくるかわかんないし、向こうに行ったらきっとおれ、目の前のことでいっぱいになって三春くんのこと気にかけることできない。嫌な思いさせちゃうと思うんだ」
 はーーー、と有吉が大きい声をあげながらベッドに倒れ込む。
「鈴村は真面目だなーー。べつに迷惑かけてもいいじゃん。好きなんだし。つーか、そんなこと言ったら鉄の言動どうなんだよ」
 はは、と苦笑いで返すしかできない。
 むくっと起き上がる有吉が、
「まさか三春に言わないで行こうとか思ってる?!」
 するどい有吉の勘に一瞬手が止まる。考えていることが半分当たっていることがバレないように慌てて笑顔で首を横に振った。
「そんなことしないよ。ちゃんと話すよ。明日のお昼休みに言おうと思ってる」
「ならいーけど。鈴村って周りに気を遣うっていうか、肝心なところで自分の気持ち抑えるところあるから」
 見透かされてることにドキッとする。
 有吉ってちゃんとおれのこと見ててくれてるんだなってちょっと嬉しい気持ちになる。そんな有吉ともお別れかと思うと、一気に現実味が増して荷造りをする手が重くなる。

「でも、名誉教授とカナダかーー。いーなーオレも連れてって欲しい。ていうか、ついて行きたい!」
 あーーとまた有吉が大きい声を出しながらベッドに倒れむ。
 有吉が来たらもれなく鉄さんも付いてきそうだ。





 次の日、三春くんと一緒に昼休みを過ごした。
 有吉に堂々宣言したくせにカナダ留学のことをまったく話せず昼休みが終わり教室へ戻った。
 5時間目の授業中に猛反省して一緒に帰る放課後に伝えようと試みたけどそれも撃沈した。
 そんなことを何度も繰り返してるあいだにあっという間に日にちが過ぎ、土曜になった。
 電気もつけず相部屋の隅っこで丸くなっていると中に入って来た有吉がおれに気づいてめちゃくちゃびっくりする。
「鈴村、そこでなにやってんの?! ていうか、すっかり段ボールもなくなっていよいよマジでカナダ行くんだな」
 空っぽになったおれの机の横にスーツケースとリュック、残りの生活に必要な日用品を寂しそうに見つめる有吉。
「今日の朝、管理人さんに渡して送ってもらった」
「で、なんでそんな暗いの?」
 鉄さんの手伝いに行ってた有吉がベージュ色のつなぎ服を脱ぎながら聞いてくる。
 体育座りして壁に向き合ったまま、
「・・・三春くんにまだ伝えてなくて・・・」
「は?! まだ言ってないの、マジで?! どーすんだよ、出発月曜だろ?」
「・・・」
 有吉の一言にガクッと頭が落ちる。
「なんか全然言えなくて。三春くんがどんな顔するとかどんな反応するとか考えたら言葉が出てこなくて」
「マジでーー? 向こうの反応なんか気にせずバッと言えばいいんだって。顔見るの嫌だったらラインとかは?」
「・・・あれこれ考えちゃって指が動かない」
「重症だな」
「三春くんが気持ち伝えてくれた時もおれ、全然好きって言えなかったんだ。別れようとかカナダ行くなんてそんな自分勝手すぎる言い分言えるわけないよ!」
 溜まった嘆きを壁に向かって吐き出して膝を抱える。
「有吉はおれのこと相手に気を遣ってとか言ってたけど、違うんだよ。相手がどう思うかどう行動に出るか怖いんだ。三春くんに嫌われるのが怖い」
 動物園に行く約束を果てせない。そんなおれを三春くんがおれのことどう思うかーーー。
 おれが三春くんをフるなんて自意識過剰だ。おれが、三春くんにフラれる。
「ダサい奴で、ごめん」
 おれの弱音を有吉に聞かせて、きっとうんざりしてる。そう思うと、後ろにいる有吉の顔を見るのさえ怖い。

「謝んなよ」
 有吉が良い声できっぱり言った。
「なに考えてるかわかんない他人なんて怖いに決まってるだろ」
「っ・・・」
 思っていた反応と違ってつい振り返ると、有吉がつなぎ服を脱ぎ捨ててパンツ一丁でドヤ顔しながら立っていた。黒のボクサーパンツが映える。
「鈴村が気弱な奴だって今更だろ。それでも他人に気を遣う優しい奴だっていうのもオレは知ってる」
「あ・・・うん」
「別れを切り出すんだから相手の反応が怖いなんて普通だろ。しかも、好きな奴ならなおさら」
「わかったから下履いたら?」
「これからシャワー室行くからいいんだよ」
「その格好で行くの?」
「・・・さすがに反省文書かされるか」
「男子寮でも怒られるよ」
「汗ベトベトで気持ち悪いんだよなー」
「つなぎ服着たままシャワー室行けばよかったじゃん」
「今から着るのも気持ち悪いし、あー失敗した」
 そう言って話がそれたまま有吉が洗面用具一式を持ってドアを開け、
「まだ今日と明日残ってるんだし、気持ち切り替えてちゃんと伝えろ」
「・・・うん、頑張るよ」
 
 ひとりになった部屋でぷっと吹き出す。
 有吉のおかげで元気でた。心の底から友達になれてほんとよかったと思いつつ、有吉を思い出す時は多分さっきの姿が一番先に出てきそうだと思った。
 体育座りをやめてスマホを片手に勇気を振り絞って三春くんにラインした。けど、既読さえつかず、日曜の朝に返事がきたと思ったら今日は予定があると言って会うのを断られた。電話でもいいから話したいことがあると言っても未読のまま結局月曜の朝になっても返事はなかった。
 担任の教師とクラスメイトはすでに知ってるから、そこから三春くんに伝わったのかもしれない。
 避けられてるとしたら、おれが何も言わなかったことに三春くんは腹が立ったのかもしれないし、嫌気がさしたのかもしれない。

「おれ、また失敗したかも」
 月曜の朝、朝食を終えて荷造りを済ませ、管理人さんやクラスメイトのみんなにお別れをしたあと、寮の外でスーツケースと並んでお迎えの車を待ちながら呟く。
「三春がシカトしてる件? そんな心の狭い奴なんか忘れろって」
 一緒に待ってくれる有吉が励ましてくれる。
「嫌な別れ方しちゃったな。こんなことになるんだったらあれこれ考えずにちゃんと言えばよかった」
 うつむいたままじわりと涙が。
 後悔しても遅いってわかってるけど、言わずにはいられなくて。
 大好きな三春くんを傷つけたことが辛くて。ダサい自分が悔しくて。
「カナダ着いたら絶対ラインちょーだい。時間関係なく電話でもいいし」
「・・・うん、絶対する」
 ぐっと涙をこらえて、こんなダサいおれを見捨てない有吉に顔を上げてはにかんで見せた。
 有吉ともしばらくお別れなんだ。こんな女々しいままのおれでいちゃダメだ。
 これからは有吉も三春くんもいない場所に行くんだ。しっかりしろ、おれ。
 三春くんに嫌われても、おれはずっと三春くんだけを好きでいる。これはもう一生変わらない。
 おれの、心の支え。

 待っていると、ごつい黒の4WD車がおれの目の前に停まった。
 助手席の窓が半分開いておじいちゃんがニカッと笑う。
「待たせたな、駆! さぁ乗った乗った!」
 運転席から降りてきた30代くらいの男の人が後部座席のドアを開けて誘導してくれる。
「せっかくだからお友達もどうぞ」
 そう言われ、これから普通に授業があるのに有吉は「じゃ、遠慮なく」と言っておれより先に車に乗った。
 3年とちょっと過ごした学校生活を名残惜しむ暇もなく車は走り空港へと向かう。
 有吉のことを紹介したあとおじいちゃんがニヤニヤしながら、
「駆、喜べ。同行者をひとり追加した」
「おれ以外にもうひとりカナダについてくるってこと?」
「そうだ。どこからかうわさを聞きつけたかは知らないがどうしても連れて行ってほしいと懇願された。一度は断ったんだがこれが全然諦めないからわしが根負けしたってわけだ。しかし、そうゆう奴ほど骨があるって思わないか?」
 面白いものを拾ったとばかりにニヤニヤ顔をいっそう増す。(悪い顔だ)
 肩をすくめるおれに有吉が同情するように顔だけで笑った。
「まぁ、仲良くやれよ」
「・・・わかった」
 誰かは知らないけど一緒に行動する相手ができるのはちょっと安心する。海外は初めてじゃないけど環境が違うところでやっていくのは身内がひとりいるとはいえおじいちゃんにべったりというわけにもいかないし、小さい頃とは違ってもう弱音なんか吐けない。でも、わがままを言えるなら三春くんがいい。
 有吉が横でボソッと「いーなー」と羨ましがる。
「鉄さんだったりして」
「まさか(笑)」
 お互い目を合わせながら苦笑いを浮かべるけど、鉄さんもうちのおじいちゃんを尊敬してるひとりだ。あながち当たってそうで有吉の顔が一瞬固まった。

 
 
 空港に着き、指定された場所へと向かう。
「プライベートジェット?! マジで!」
 ロビーを歩きながら有吉の声が響く。
 通行人にジロジロ見られおれは肩を縮ませる。
「そんな大きくない小型機程度だよ」
「いやいや普通小型機でも持ってませんから! 鈴村んちすげー」
 テンションが上がる有吉。余計に「いーなー!」を連発してくる。
「おれんちじゃなくておじいちゃんちがね」
 あまり話したくないとばかりに視線をそらすおれをすぐ察した有吉が「へー」と相づちをうったあとそれ以上深く追求するのをやめてくれた。
 搭乗口近くまで来るとおじいちゃんが待合席に座っているひとりに手招きをして呼び寄せる。
 車の中でおじいちゃんが言ってた同行者か。
 近寄ってくるその同行者はおれの前に立ってるおいじちゃんとちょうど被ってて姿が見えない。
「親を説得すると言ってたができたか?」
「はい! ばっちりです!」
 明るい声にイケメンな声だ。でもなんか聞いたことがあると記憶を探っていると、
「駆、おまえの友達なんだろ」
「え?」
 友達? と頭にはてなを浮かべているとおじいちゃんの横に並んだ三春くんが目の前に。

 !?!!!

 びっくりしすぎて口を開けたまま固まる。
「な、なんで?!!」
「カナダ留学、一緒に頑張ろうぜ!」
 満面の笑みの三春くんにおれの頭が大混乱する。おじいちゃんはニヤニヤしたままだし、運転してくれたおじいちゃんの弟子?の松木さん(車の中で自己紹介してくれた)も知っていたという顔をしているし、さっきまで全然知らない態度をとっていた有吉までニヤニヤしてる。

「どういうこと?!」
 本気でテンパるおれにおじいちゃんが、
「なんだやっぱり駆がそそのかしたわけじゃなかったのか」
「ぅえ?! どういうこと??」
「友達だというからてっきり駆が話をもちかけたのかと思ったんだが」
「だから言ったじゃないですか! 駆くんは関係ないって。オレの単独行動です!」
「ならあっぱれだ」

 駆くん? あっぱれ? 全っ然ついていけないんだが!!!(なにげにおじいちゃんと仲良くなってるし!!)

 三春くんと談笑しているおじいちゃんのスマホが鳴り、「ちょっとはずす」と言って電話に出ながら離れて行った。松木さんもトイレに行くと言って離れた。
 おれと有吉、三春くんの3人だけになりなんともいえない空気が流れる。
 口を開いたのは有吉だ。
「オレが告げ口したんだ」
 肩をすくめる。
「言えずに悩んでただろ、鈴村。見てられなくてさ」
「オレも」
 と、三春くんが口を挟む。
「オレも、駆が何か言いたそうにしてるのわかってた。本当はあれこれ聞きたかったけどしんどうそうな顔してたから聞くに聞けなくて。そしたらちょうど有吉からライン来て・・・駆には悪いと思ったけど有吉から聞いたほうが逆にいいかなって」
 ふたりして目を合わせながら慎重に言葉を選んでいるみたいだ。おれが傷つかないように気を遣ってくれてるのがふたりの視線で伝わる。
「・・・べつに、怒ってないよ。ただ・・・話してないのに知ってるとか、おじいちゃんと仲良くなってるとか、カナダに行くことになってるとか・・・・っっ。今の状況にすごいびっくりしてるだけ」
「ごめん。驚かせたかったわけじゃなかったんだけど。話すにも時間なかったし、駆のおじいちゃん説得するのマジでギリギリだったし。実は学校にはまだ言ってないし」
「え、そうなの?! もしかして土日会えなかったりラインが未読だったのっておじいちゃんを説得してたから?」
「うん。ごめん、ライン見ることすらできなくて。感じ悪かったよね」
 ちょっとしゅんとする三春くん。
「嫌われたかと思った。感じ悪かったのはおれもだし。ごめんね、おれの口から言わなきゃいけなかったのに。でもおれ、おじいちゃんとの約束も守りたかったし、三春くんとも・・・本当は別れるなんて言いたくなかった」
 ずっと押さえつけていた気持ちを口にしたら思いのほか胸がいっぱいになって涙が。
 むぎゅっと唐突に三春くんが両手でおれの頬を包んだ。怒っているのか、ちょっと顔が怖い。
「駆は、オレのこと全然わかってない」
「・・・ごめ、ん」
「カナダ行くからって別れないし、言えなくても嫌うわけない。つーか、小学校の頃から駆の夢知ってるし。今の学校受験する時に心決めてるんだ。一生、駆についていくって」
「っっ!!」
「駆の夢手伝う。だから、一緒に頑張ろう」
「いいの?豪くんは、生き物よりスポーツとか医者の道だってあるのに」
「まだ言ってる。そーゆうところマジでオレのことわかってない」
 きゅっと軽く右頬をつままれる。
「いーーーの。オレにとって駆は空気なんだから。酸素がなきゃオレ、死んじゃうでしょ」
「・・・空気・・・」
 そういえば前にもそんなことを言ってたな。あれ、適当な言葉とかじゃなかったんだ・・・。
 それ以上は言わずに見つめてくる三春くんの瞳がなにか訴えているようで、急に「空気」という言葉に重みを感じる。
 三春くんなりの表現の例えだとすれば、それは「好き」以上のものかもしれない。
 三春くんの気持ちが嬉しすぎて泣きそうだ。(もう泣いてる)

 さっきからニヤニヤしながら見てる有吉に気づいて慌てて三春くんから距離をとる。
「オレはふたりがうまくいってくれれば安心」
「有吉ーーー。良い奴っ」
「だろ~。友達思いだろ?」
「そういえばカナダに行くのに1週間もなかったのにパスポート大丈夫だったの?」
 おれの素朴な疑問に三春くんが勝ち誇った顔でブイサインした。
「留学なんて推測範囲内ってね! こうゆうこともあろうかと高校入学前にとった」
「な、なるほど」
 呆気にとられてるおれの横で有吉が、
「いやいや怖いって。どこまで追いかけていくつもりだよ、おまえ」
「決まってんじゃん、駆が行くところどこまでも!」
 すがすがしい笑顔をする三春くんだけど、さすがにおれもちょっと引いた。
 
 電話から戻ってきたおじいちゃんが「搭乗口へ行くぞ」の一言でその時がきたとばかりに有吉がちょっと寂しそうな顔で手を振る。
「じゃぁ、元気でな。マジでラインか電話して」
「絶対するよ」
 おれも寂しくなってつい引っ込んだ涙がじわりと。
「オレも、鉄と一緒に獣医目指して頑張るから、鈴村も三春と頑張れ。今よりもラブラブになって帰ってこないと許さないからな!」
 偉そうに言う有吉に苦笑いが出る。
「うん、わかった。もう美徳論には頼らない。好きなことに全力でいく」
「いいじゃん。でもオレ、鈴村の殿堂なんたら、嫌いじゃないぜ」
「有吉、本当に良い奴」
「だろ~」
「なんの話?」
 ちょっとふてくされ顔の三春くんがおれに寄りかかりながら話に割り込んできた。
「鈴村の親友として言う、鈴村のこと頼むぞ」
「・・・一番の親友はオレだけどね」
 ニコッと笑顔なのに三春くんの目が笑ってない。
 有吉もケンカを買うように笑顔で怒りのオーラを・・・。
「いつまでそこにいるんだ! 早くしろ」
 すでに搭乗口の前にいるおじいちゃんに大きい声で怒られてしまった。
 3人で微妙な顔をしつつ、気持ちを切り替えてサッと有吉にハグする。
「有吉も元気でね」
「おう」
 
 手を振ってくれる有吉に背を向けてスーツケースを引きながら三春くんと並んで歩き出す。
 慣れない全寮学校の生活でやっとできた親友の有吉。いろいろと思い出が浮かんできて涙で景色がぼやける。その時、おれの右手を優しく握るあったかい手が。
 ふぃに顔を上げると優しい表情をしてる三春くんと目が合う。
 寂しい気持ちよりもドキドキが増す。
 これからは三春くんと、ずっと一緒だ。
 ハッピーオーラが出かかったところでハッとする。
 まだ好きって言ってない! 
 勢いで言いかけてぐっとこらえる。
 さすがにここじゃまずい。いや、小声ならいける? と思うけど搭乗口についてしまいすぐ近くにおじいちゃんと松木さんがいる。
 深呼吸をして気持ちを切り替えることに。
 向こうに着いたら絶対言う!!
 自分に気合を入れてひとりメラメラオーラを出していると三春くんが耳元で、
「なんか顔に力入ってるけど緊張してる?」
 顔が怖いってことか? ちょっと反省して気合を緩める。おれも三春くんの耳元で、
「向こうに着いたら言いたいことがあるんだ」
「言いたいこと?」
 言うんだ。
 三春くんに負けないくらいの、おれの重い愛を。


 


 おわり。







*あとがき*
 ここまで読んでくださりありがとうございました。
 いいね、もありがとうございました。励みになっております!
 なんとか完結できて本当によかったです。
 初期設定では三春くんサイドを本編に入れる予定でしたがバランスがうまくいかず断念しました。
 できれば番外編とかで三春くんサイドを書きたいなと思っています。
 これからですが、連載作品はしばらくお休みします。
 書く時間が安定しないので、次回は読み切り物を書いていこうと思っています。
 またご縁ありましたら読んで頂けるとありがたいです。
 

 たっぷりチョコ

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