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7章
(2)沼地を行く
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ドラゴン狩りの最前線から、中央都市の間に横たわる、巨大な湿地。古くからユピテルの湿地と呼ばれるそこは、紅葉を迎えてあちこちが赤く染まっていた。
ヨルドの里から中央都市までの距離は長い。狩人ならばおよそ一週間前後で辿り着けるが、商人の場合、ほぼ一週間以上かけて進まねばならないほどだ。そして、中央都市から南西に位置するテララギの里もまた、ほぼ同じ日数をかけなければ辿り着けない距離であった。
明け方にヨルドの里を発ってから、すでに半日が経過した。
一般的な守護狩人の歩みであれば、ちょうどユピテルの湿地に差し掛かる時間だ。しかし、ハインキーたちはすでに入り口を通り過ぎ、湿地の中心部にまで踏み入っていた。
かなりのハイペースで進んでいるが、ハインキーたちはこれでも遅い方であると自覚していた。予定では、あと一時間程度でユピテルの湿地を越えられるつもりだった。しかし今のペースでは倍の時間がかかるだろう。
部隊の進行が遅れるのは、大した問題ではない。クライヴやシュレイブ、まだ体力が戻っていない旧人類が部隊にいるのだから、この遅れも想定の範囲内だ。
とはいえ、遅れの一因となっている人物の容体が優れないのは、単純に心配だった。
「おーい。アンリ、生きてるか?」
「…………」
ハインキーは振り返りざま、本日何度目かの呼びかけを行った。が、やはり応えがない。アンリは白目を剥いたまま、黙々とハインキーたちの後をついてきていた。時折アンリの口端から漏れるうめき声は今にも死にそうで、不気味な歩き方と相まってゾンビのようだった。
アンリのすぐ後ろを歩いていたシュレイブは、呆れ半分、未知に対する恐怖半分で肩をすくめた。
「意識がないのに、なぜ平然と道なき道を突き進めるんだこいつは」
「バルド村の狩人だからじゃないのか?」
さも当然のようにクライヴが答えると、ミッサが片眉を持ち上げながら抗議的に言った。
「前から思ってたがクライヴ、あたしらのこと人外だと思ってないかい?」
「お前たちはもっと普通の基準を学んだほうがいい。このペースで湿地を抜けようだなんて狂っているぞ」
「速く抜けた方が安全じゃないか」
「速度を出すほど戦える体力も減るんだぞ? それを休憩もなしに、ほぼ走り続けて、ドラゴンの群れのど真ん中を突っ切るだと!? 狂っているにも程がある!」
徐々に怒りのボルテージを上げていくクライヴ。部隊の先頭にいたゼンは、歩調を緩めることなく心の底から首を傾げた。
「それだけ喋れるのなら無問題ではないか?」
「そういう問題ではない! 自分で言うのもなんだが、俺はカミケン様の護衛を任されるほどの上澄みだぞ!? その俺が、異常だと言っているんだ! 並の狩人じゃ追いかけるだけで精一杯なんだ! 常識を! 更新しろ!」
「──郷に入っては郷に従えって、リョーホ言ってたし」
と、シャルから思わぬ反撃を食らい、クライヴは神妙な面持ちで撃沈した。比較的まともな感性を持っているツクモは、非常識に振り回されるクライヴに同情してしまった。
すると、ツクモの隣にいた宇田芸が、心なしか目を輝かせながらこんなことを言い出した。
「でも、アンリさんの気力は確かに凄いですよね。テララギのサーバーに到着したら、こっそり身体データを覗いてみようかな」
「宇田芸さん。それはプライバシーの侵害というものでは?」
「えへへ、やっぱダメかぁ」
ツクモがツッコミを入れると、宇田芸は悪びれもせずに照れ笑いを浮かべた。すると、その後頭部へ無骨な手のチョップが振り下ろされる。
「あいた! 何するんですか武涛さん!」
「お前なら本気でやりかねない。今のうちに釘を刺しておこうと思った」
「ひっどい!」
宇田芸がぷりぷりと憤慨すれば、武涛は厳つい顔に薄らと笑みを浮かべた。
テララギへの選抜メンバーは、十人。
バルド村三竦みと、すっかり顔馴染みになったミヴァリアの狩人二名、アンリとシャル、ツクモの三人。最後に、鍵者の代わりとして選ばれた旧人類、宇田芸と武涛である。
宇田芸は研大の次に菌糸保有量が多かったため、鍵者の代役として選抜メンバーに加わった一人だ。鍵者から受け継いだ菌糸能力の中で、特に『砂紋』の扱いに秀でている。戦闘は苦手なようだが、中位ドラゴンが相手ならば善戦できる、平均的な守護狩人レベルだ。
もう一人の旧人類である武涛は、旧世界で元軍人だったこともあり、バトルセンスはピカイチだった。『雷光』と『紅炎』で再現した小銃は高威力で、ヨルドの里では単独で上位ドラゴンの討伐を行っていたらしい。武涛は宇田芸と違って、純粋な戦闘員として選抜メンバーに推薦された男でもあった。
クライヴの言う通り、選抜メンバーは優秀な人間ばかりだ。逆に言えば、これほどのレベルでなければ、ユピテルの湿地を安全に抜けられないという裏付けでもあった。
ユピテルの湿地には、水辺を好むドラゴンばかりが棲みついている。比較的温厚なドラゴンも多く、人間が近づいても何もしてこない個体も珍しくない。ハインキーたちのすぐそばにも、赤く背の高い水草を食みながら、のっそり歩くドラゴンの群れがいた。
逆に、攻撃的なドラゴンは絶対に人間に見える位置にいない。沼や湖、小さな水たまりにまで身を潜め、文字通り伏竜に徹している。もし人間が隠れたドラゴンに気づかず水辺へ近づいてしまったなら、自分でも気付かぬ間に死を迎えるだろう。瞬きと比べ物にならない速度で捕食されるため、ベテランの守護狩人でも生還できる保証はない。
表面上は長閑でありながら、常に危険と隣り合わせなユピテルの湿地。そんな場所で、いつまでも気を失ったままのアンリを歩かせるのは、あまりにも危険だった。
「そろそろアンリを背負った方がいいんじゃないかい?」
ミッサが口にすると、クライヴが顰めっ面でシュレイブを振り返る。
「シュレイブ。お前が背負え」
「何故俺なのだ!?」
「アンリに一番近い。それとお前の能力なら戦線離脱も容易だ」
「それならシャル嬢だって!」
「シャル嬢はお前より強い。それと、ベアルドルフ様のご息女に雑用を押し付けるな」
「むぐぅ……!」
シュレイブは眉間に縦皺を刻みながら唇を噛み締めた。そして、恐る恐るアンリの元へと歩み寄る。
「さ、触るぞ、いいな!?」
シュレイブの手がアンリの右腕に触れる。
瞬間、パッとアンリが前後に足を広げ、滑らかにシュレイブを背負い投げた。
「おぎゃあああ!?」
悲鳴を上げながらシュレイブが宙を舞い、すぐ近くにあった水辺に背中から落ちる。ゴボゴボと水面が泡立った後、びっしょりと濡れたシュレイブが勢いよく飛び出してきた。
「やっぱこいつ意識あるって!」
「やはりバルド村の狩人は狂っているな」
「しみじみと言うんじゃないよクライヴ! お前のせいだぞ!」
顔の水を拭いながらシュレイブが文句を言う。その目の前を、白目を剥いたままのアンリが颯爽と横切っていった。
ハインキーはその様子を眺めながらミッサに笑いかけた。
「あれだけ動けるならまぁ、ほっといてもいいんじゃねぇか?」
「はは! いらぬお節介だったみたいだねぇ」
和やかな笑い声が広がった後、ふと、シャルが不思議そうな顔で辺りを見渡し始めた。
「なんか、変な音がするぞ?」
「音? 何も聞こえないぞ」
シュレイブが訝しげに答えると、今度は左側の茂みの中がにわかに騒がしくなった。
牧歌的に水草を食んでいた温厚なドラゴンたちも、ぴんと耳を立てて一斉に立ち止まる。しばらくすると、ドラゴンたちは何かに怯えるように反対方向へと逃げ出した。
「何か来るぞ」
ゼンが警戒を促すと同時に、武涛が『紅炎』を纏いながら前へ出る。
ざわり、と一際大きな葉擦れの音がした。深い茂みの奥から、無数の白い影が急速に膨れ上がっていく。
「なっ──!」
『ギャルルルルルル!』
姦しい声を上げて飛び出してきたのは、地を這う四つん這いのネフィリムたちであった。数え切れないほどのネフィリムが、壁と見紛うほどの密度でハインキーたちの元へ傾れ込んでくる。
「またこいつらか!」
武涛は苛立ちを吐き捨てると、溜め込んでいた『紅炎』を一気に放出した。前方が扇状に薙ぎ払われ、紅葉のような業火がネフィリムたちの道を阻む。
武涛が足止めをしている間に、ゼンは鎖鎌を広げながら高く飛び上がった。あまりにも唐突に現れた敵が、どこから現れたのか把握しようとしたのだ。
「……数が多い!」
ゼンの視界に映り込んだのは、湿地の水草を全て薙ぎ倒す真っ白な軍勢であった。地平を飲み込むほどの白い濁流が、水飛沫をあげ、仲間を踏み付けながら止まることなく進軍している。武涛が『紅炎』で足止めをしていなければ、この一帯も無事では済まなかっただろう。
だが、『紅炎』の足止めも長くは続かない。現にこの瞬間にも、ネフィリムたちが炎をもろともせずに突っ込んできていた。
「戦線を維持しながら下がれ! できるだけ戦わずやり過ごすのだ!」
ゼンが指示を飛ばすや、すぐに陣形が組み直される。宇田芸とツクモ、アンリを後方に据え、その前方を残りのメンバーで扇状にカバーする。向かってくるネフィリムの群れを受け流しながら、進行方向からじわじわと外れるための陣形だ。
ゼンは一度地上に着地すると、『幻惑』で偽物の炎を生み出し、ネフィリムたちの軌道を逸らしにかかった。その横ではミッサと武涛が、散弾銃と小銃でネフィリムを的確に撃ち殺していった。撃ち漏らした分はハインキーが即座に処理し、シャルとシュレイブ、クライヴが退路を切り開く。
「これだけ近づかれてもネフィリムの群れに全く気づけなかったとは、やはり俺も衰えたな」
舌打ちをしながら、武涛は小銃の引き金を引いた。対ドラゴンのために口径が広がったそれは、小銃とは思えぬ破壊力で『紅炎』の弾丸を打ち出した。
ダンダンダン! とショットガンとは異なる破裂音に合わせ、ネフィリムの頭部がスイカのように砕け散る。
遅れて、ミッサの『焔爆』の弾丸が、赤い軌跡を描きながら五体のネフィリムをまとめて貫通していった。武涛の正確な射撃と競うような、やや強引な銃撃だった。
ミッサは得意げに笑うと、武涛に向けて口を開いた。
「アンタが衰えたってより、ユピテルの湿地がこいつらの気配を消していたのさ」
「気配を消す?」
武涛が首を傾げる横で、ミッサは散弾銃を片手で弄んだ。
「この辺りは常に地面がぬかるんで、おまけに水草のせいで見通しが悪い。しかも、地面に詰まった砂がよく音を吸い込むんだ。ドラゴンにとっちゃ、奇襲しやすくて人気の狩場ってわけさ」
と、ミッサはつま先で砂をにじった。彼女が口にした通り、その砂はいくら踏んでも音がしなかった。よくよく耳を澄ませれば、ネフィリムの大群から聞こえる足音も明らかに少なすぎる。地響きですら微細にしか感じられず、まるで音声を消した動画のように現実との隔たりを感じた。
武涛は砂を指先で拾い、手のひらで強く握りしめた。
「なるほどな。旧世界と似た景色だと思って油断していたが、自然環境も随分と様変わりしたらしい」
言いながら、小銃から真っ赤なマズルフラッシュが焚かれる。ネフィリムの頭が再び弾け、澄んだ水辺を赤く濁らせた。
「退路確保!」
後方からシュレイブの合図が飛んだ。すぐに全員でアンリのいるところまで大きく後退し、群れの進軍をやり過ごす。
群れの中心から外れたことで、先ほどよりもネフィリムの襲撃が格段に減った。だが完全になくなったわけではなく、時々群れから逸れたネフィリムが、錯乱しながら襲いかかってくる。それらを適当にいなしながら、武涛は淡々と疑問を口にした。
「方角からして、中央都市から来ているな。こちらの動きがゴモリーにバレていたのか?」
「いいや、奴らの目的は……テララギだ」
ゼンがはっきりと告げると、部隊の間に緊張が走った。
先ほど空中に飛んだ時、ゼンは群れの出現方向と、彼らの向かう先を確認していた。およそ千を超えるネフィリムたちは、ほぼ一直線にテララギの里へ向かっていた。ゼンたちの現在地は、ちょうどネフィリムの進軍ルートと被っていたようだ。
ゴモリーは北方のみならず、テララギの里も潰すつもりらしい。このままネフィリムの群れを放置すれば、テララギの里がどうなるかは容易に想像できた。
しかし、たった十人で千を超える軍勢を止められるわけがない。
狩人たちの間で、正義と生存が揺れ動く。その逡巡が終わらぬうちに──。
ドドオッ!
地面をひっくり返したかのような爆音が轟く。そして、ネフィリムたちの先頭が絨毯のように波打ち、軍勢の中腹まで連鎖的にはじけ飛んだ。
「こ、今度はなんだ!?」
シュレイブが耳を塞ぎながら目を丸くする。見上げた先には、一番星のごとく煌めく赤い閃光があった。青空をかき消してしまいそうなほどの痛烈な赤が、甲高い音を響かせながら急速に膨らんでいく。
「あの赤い光……オラガイアで見たことあるし!」
シャルが飛び跳ねながら叫ぶや、赤い閃光が空中でジグザグに動いた。ネフィリムの群れのど真ん中へと狙いを定め、垂直に地面へと突進する。
ひゅん、と空間を吸い込むような音の後、不気味な静寂が舞い降りた。
その直後、地面がバウンドした。地上にいたネフィリムたちが、地雷を踏んだように空中へ打ち上げられる。群れの片隅にいたハインキーたちでさえ、赤い閃光から放たれた衝撃波で地面から引き剥がされそうになった。
「ぐ、お……!?」
衝撃で上顎が震える。押し寄せる砂埃に顔を背けつつ、ハインキーは『堅牢』を発動しながら歯を食いしばった。ハインキーたちを包むように展開された『堅牢』の障壁は、衝撃波だけでなく、吹き飛ばされるネフィリムたちも弾いていった。
衝撃が抜け切った後に、ハインキーは改めてネフィリムの群れを見やる。
地平を覆い尽くさんばかりだった白が、今やまばらに地面に転がるのみとなっていた。
赤い閃光の落下地点は、鮮血の湖に。その周辺にいたネフィリムたちも、空高くから墜落し、地表に赤い花を咲かせていた。
先ほどまでそこにあったネフィリムの群れは、たった数十秒の間に半壊していた。ハインキーたちですら退却を選んだ数の暴力が、たった一人の圧倒的な一撃で覆ったのだ。
「グレン!」
シャルが声を上げながら駆け出した。ハインキーたちも彼女に続き、赤い閃光の着地地点へと向かう。それと反するように、生き残ったネフィリムたちが蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
「討滅者はやはり化け物揃いだな……」
血の湖の上に佇む女性を見て、クライヴは皮肉げに呟いた。その声が聞こえたわけではないだろうが、湖の中心にいた女性がゆっくりとこちらを振り返る。
レオハニーとは別種の、ルビー色の鎧がよく似合う美女だった。赤錆色のショートヘアには桜のカチューシャが添えられ、凛とした顔立ちに愛らしさを与えている。彼女の手には、金と蒼の稲妻が刻まれた手甲剣が握られていた。
テララギの討滅者、グレンだ。
ふと、グレンのそばにテララギの狩人が駆け寄ってくる。何事か報告を聞いた後、グレンは簡潔に指示を出した。
「残党の処理は任せる」
「はっ!」
テララギの狩人は敬礼を取ると、素早くその場から立ち去った。それと入れ替わるように、シャルが両手を振りながら彼女へ駆け寄った。
「グレンー!」
グレンはぼんやりとした顔でシャルを見ると、今頃こちらの存在に気づいたように目を見開いた。
「貴方は……オラガイアにいた……!」
シャルはグレンの手前で立ち止まると、
「シャルたち、テララギに行く途中なの! また会えて嬉しいし!」
「テララギに? 機械仕掛けの門はもういいの?」
グレンがきょとんとしながらシャルと目線を合わせる。すると、宇田芸がそろりと手を上げた。
「あのぉ……話はテララギに着いてからにしませんか? もう私、お腹が空いて死にそうです」
「宇田芸……お前はほぼ歩いてるだけだったろう。太るぞ」
武涛が余計な一言を付け足した瞬間、宇田芸の踵が武涛のつま先にめり込んだ。
ヨルドの里から中央都市までの距離は長い。狩人ならばおよそ一週間前後で辿り着けるが、商人の場合、ほぼ一週間以上かけて進まねばならないほどだ。そして、中央都市から南西に位置するテララギの里もまた、ほぼ同じ日数をかけなければ辿り着けない距離であった。
明け方にヨルドの里を発ってから、すでに半日が経過した。
一般的な守護狩人の歩みであれば、ちょうどユピテルの湿地に差し掛かる時間だ。しかし、ハインキーたちはすでに入り口を通り過ぎ、湿地の中心部にまで踏み入っていた。
かなりのハイペースで進んでいるが、ハインキーたちはこれでも遅い方であると自覚していた。予定では、あと一時間程度でユピテルの湿地を越えられるつもりだった。しかし今のペースでは倍の時間がかかるだろう。
部隊の進行が遅れるのは、大した問題ではない。クライヴやシュレイブ、まだ体力が戻っていない旧人類が部隊にいるのだから、この遅れも想定の範囲内だ。
とはいえ、遅れの一因となっている人物の容体が優れないのは、単純に心配だった。
「おーい。アンリ、生きてるか?」
「…………」
ハインキーは振り返りざま、本日何度目かの呼びかけを行った。が、やはり応えがない。アンリは白目を剥いたまま、黙々とハインキーたちの後をついてきていた。時折アンリの口端から漏れるうめき声は今にも死にそうで、不気味な歩き方と相まってゾンビのようだった。
アンリのすぐ後ろを歩いていたシュレイブは、呆れ半分、未知に対する恐怖半分で肩をすくめた。
「意識がないのに、なぜ平然と道なき道を突き進めるんだこいつは」
「バルド村の狩人だからじゃないのか?」
さも当然のようにクライヴが答えると、ミッサが片眉を持ち上げながら抗議的に言った。
「前から思ってたがクライヴ、あたしらのこと人外だと思ってないかい?」
「お前たちはもっと普通の基準を学んだほうがいい。このペースで湿地を抜けようだなんて狂っているぞ」
「速く抜けた方が安全じゃないか」
「速度を出すほど戦える体力も減るんだぞ? それを休憩もなしに、ほぼ走り続けて、ドラゴンの群れのど真ん中を突っ切るだと!? 狂っているにも程がある!」
徐々に怒りのボルテージを上げていくクライヴ。部隊の先頭にいたゼンは、歩調を緩めることなく心の底から首を傾げた。
「それだけ喋れるのなら無問題ではないか?」
「そういう問題ではない! 自分で言うのもなんだが、俺はカミケン様の護衛を任されるほどの上澄みだぞ!? その俺が、異常だと言っているんだ! 並の狩人じゃ追いかけるだけで精一杯なんだ! 常識を! 更新しろ!」
「──郷に入っては郷に従えって、リョーホ言ってたし」
と、シャルから思わぬ反撃を食らい、クライヴは神妙な面持ちで撃沈した。比較的まともな感性を持っているツクモは、非常識に振り回されるクライヴに同情してしまった。
すると、ツクモの隣にいた宇田芸が、心なしか目を輝かせながらこんなことを言い出した。
「でも、アンリさんの気力は確かに凄いですよね。テララギのサーバーに到着したら、こっそり身体データを覗いてみようかな」
「宇田芸さん。それはプライバシーの侵害というものでは?」
「えへへ、やっぱダメかぁ」
ツクモがツッコミを入れると、宇田芸は悪びれもせずに照れ笑いを浮かべた。すると、その後頭部へ無骨な手のチョップが振り下ろされる。
「あいた! 何するんですか武涛さん!」
「お前なら本気でやりかねない。今のうちに釘を刺しておこうと思った」
「ひっどい!」
宇田芸がぷりぷりと憤慨すれば、武涛は厳つい顔に薄らと笑みを浮かべた。
テララギへの選抜メンバーは、十人。
バルド村三竦みと、すっかり顔馴染みになったミヴァリアの狩人二名、アンリとシャル、ツクモの三人。最後に、鍵者の代わりとして選ばれた旧人類、宇田芸と武涛である。
宇田芸は研大の次に菌糸保有量が多かったため、鍵者の代役として選抜メンバーに加わった一人だ。鍵者から受け継いだ菌糸能力の中で、特に『砂紋』の扱いに秀でている。戦闘は苦手なようだが、中位ドラゴンが相手ならば善戦できる、平均的な守護狩人レベルだ。
もう一人の旧人類である武涛は、旧世界で元軍人だったこともあり、バトルセンスはピカイチだった。『雷光』と『紅炎』で再現した小銃は高威力で、ヨルドの里では単独で上位ドラゴンの討伐を行っていたらしい。武涛は宇田芸と違って、純粋な戦闘員として選抜メンバーに推薦された男でもあった。
クライヴの言う通り、選抜メンバーは優秀な人間ばかりだ。逆に言えば、これほどのレベルでなければ、ユピテルの湿地を安全に抜けられないという裏付けでもあった。
ユピテルの湿地には、水辺を好むドラゴンばかりが棲みついている。比較的温厚なドラゴンも多く、人間が近づいても何もしてこない個体も珍しくない。ハインキーたちのすぐそばにも、赤く背の高い水草を食みながら、のっそり歩くドラゴンの群れがいた。
逆に、攻撃的なドラゴンは絶対に人間に見える位置にいない。沼や湖、小さな水たまりにまで身を潜め、文字通り伏竜に徹している。もし人間が隠れたドラゴンに気づかず水辺へ近づいてしまったなら、自分でも気付かぬ間に死を迎えるだろう。瞬きと比べ物にならない速度で捕食されるため、ベテランの守護狩人でも生還できる保証はない。
表面上は長閑でありながら、常に危険と隣り合わせなユピテルの湿地。そんな場所で、いつまでも気を失ったままのアンリを歩かせるのは、あまりにも危険だった。
「そろそろアンリを背負った方がいいんじゃないかい?」
ミッサが口にすると、クライヴが顰めっ面でシュレイブを振り返る。
「シュレイブ。お前が背負え」
「何故俺なのだ!?」
「アンリに一番近い。それとお前の能力なら戦線離脱も容易だ」
「それならシャル嬢だって!」
「シャル嬢はお前より強い。それと、ベアルドルフ様のご息女に雑用を押し付けるな」
「むぐぅ……!」
シュレイブは眉間に縦皺を刻みながら唇を噛み締めた。そして、恐る恐るアンリの元へと歩み寄る。
「さ、触るぞ、いいな!?」
シュレイブの手がアンリの右腕に触れる。
瞬間、パッとアンリが前後に足を広げ、滑らかにシュレイブを背負い投げた。
「おぎゃあああ!?」
悲鳴を上げながらシュレイブが宙を舞い、すぐ近くにあった水辺に背中から落ちる。ゴボゴボと水面が泡立った後、びっしょりと濡れたシュレイブが勢いよく飛び出してきた。
「やっぱこいつ意識あるって!」
「やはりバルド村の狩人は狂っているな」
「しみじみと言うんじゃないよクライヴ! お前のせいだぞ!」
顔の水を拭いながらシュレイブが文句を言う。その目の前を、白目を剥いたままのアンリが颯爽と横切っていった。
ハインキーはその様子を眺めながらミッサに笑いかけた。
「あれだけ動けるならまぁ、ほっといてもいいんじゃねぇか?」
「はは! いらぬお節介だったみたいだねぇ」
和やかな笑い声が広がった後、ふと、シャルが不思議そうな顔で辺りを見渡し始めた。
「なんか、変な音がするぞ?」
「音? 何も聞こえないぞ」
シュレイブが訝しげに答えると、今度は左側の茂みの中がにわかに騒がしくなった。
牧歌的に水草を食んでいた温厚なドラゴンたちも、ぴんと耳を立てて一斉に立ち止まる。しばらくすると、ドラゴンたちは何かに怯えるように反対方向へと逃げ出した。
「何か来るぞ」
ゼンが警戒を促すと同時に、武涛が『紅炎』を纏いながら前へ出る。
ざわり、と一際大きな葉擦れの音がした。深い茂みの奥から、無数の白い影が急速に膨れ上がっていく。
「なっ──!」
『ギャルルルルルル!』
姦しい声を上げて飛び出してきたのは、地を這う四つん這いのネフィリムたちであった。数え切れないほどのネフィリムが、壁と見紛うほどの密度でハインキーたちの元へ傾れ込んでくる。
「またこいつらか!」
武涛は苛立ちを吐き捨てると、溜め込んでいた『紅炎』を一気に放出した。前方が扇状に薙ぎ払われ、紅葉のような業火がネフィリムたちの道を阻む。
武涛が足止めをしている間に、ゼンは鎖鎌を広げながら高く飛び上がった。あまりにも唐突に現れた敵が、どこから現れたのか把握しようとしたのだ。
「……数が多い!」
ゼンの視界に映り込んだのは、湿地の水草を全て薙ぎ倒す真っ白な軍勢であった。地平を飲み込むほどの白い濁流が、水飛沫をあげ、仲間を踏み付けながら止まることなく進軍している。武涛が『紅炎』で足止めをしていなければ、この一帯も無事では済まなかっただろう。
だが、『紅炎』の足止めも長くは続かない。現にこの瞬間にも、ネフィリムたちが炎をもろともせずに突っ込んできていた。
「戦線を維持しながら下がれ! できるだけ戦わずやり過ごすのだ!」
ゼンが指示を飛ばすや、すぐに陣形が組み直される。宇田芸とツクモ、アンリを後方に据え、その前方を残りのメンバーで扇状にカバーする。向かってくるネフィリムの群れを受け流しながら、進行方向からじわじわと外れるための陣形だ。
ゼンは一度地上に着地すると、『幻惑』で偽物の炎を生み出し、ネフィリムたちの軌道を逸らしにかかった。その横ではミッサと武涛が、散弾銃と小銃でネフィリムを的確に撃ち殺していった。撃ち漏らした分はハインキーが即座に処理し、シャルとシュレイブ、クライヴが退路を切り開く。
「これだけ近づかれてもネフィリムの群れに全く気づけなかったとは、やはり俺も衰えたな」
舌打ちをしながら、武涛は小銃の引き金を引いた。対ドラゴンのために口径が広がったそれは、小銃とは思えぬ破壊力で『紅炎』の弾丸を打ち出した。
ダンダンダン! とショットガンとは異なる破裂音に合わせ、ネフィリムの頭部がスイカのように砕け散る。
遅れて、ミッサの『焔爆』の弾丸が、赤い軌跡を描きながら五体のネフィリムをまとめて貫通していった。武涛の正確な射撃と競うような、やや強引な銃撃だった。
ミッサは得意げに笑うと、武涛に向けて口を開いた。
「アンタが衰えたってより、ユピテルの湿地がこいつらの気配を消していたのさ」
「気配を消す?」
武涛が首を傾げる横で、ミッサは散弾銃を片手で弄んだ。
「この辺りは常に地面がぬかるんで、おまけに水草のせいで見通しが悪い。しかも、地面に詰まった砂がよく音を吸い込むんだ。ドラゴンにとっちゃ、奇襲しやすくて人気の狩場ってわけさ」
と、ミッサはつま先で砂をにじった。彼女が口にした通り、その砂はいくら踏んでも音がしなかった。よくよく耳を澄ませれば、ネフィリムの大群から聞こえる足音も明らかに少なすぎる。地響きですら微細にしか感じられず、まるで音声を消した動画のように現実との隔たりを感じた。
武涛は砂を指先で拾い、手のひらで強く握りしめた。
「なるほどな。旧世界と似た景色だと思って油断していたが、自然環境も随分と様変わりしたらしい」
言いながら、小銃から真っ赤なマズルフラッシュが焚かれる。ネフィリムの頭が再び弾け、澄んだ水辺を赤く濁らせた。
「退路確保!」
後方からシュレイブの合図が飛んだ。すぐに全員でアンリのいるところまで大きく後退し、群れの進軍をやり過ごす。
群れの中心から外れたことで、先ほどよりもネフィリムの襲撃が格段に減った。だが完全になくなったわけではなく、時々群れから逸れたネフィリムが、錯乱しながら襲いかかってくる。それらを適当にいなしながら、武涛は淡々と疑問を口にした。
「方角からして、中央都市から来ているな。こちらの動きがゴモリーにバレていたのか?」
「いいや、奴らの目的は……テララギだ」
ゼンがはっきりと告げると、部隊の間に緊張が走った。
先ほど空中に飛んだ時、ゼンは群れの出現方向と、彼らの向かう先を確認していた。およそ千を超えるネフィリムたちは、ほぼ一直線にテララギの里へ向かっていた。ゼンたちの現在地は、ちょうどネフィリムの進軍ルートと被っていたようだ。
ゴモリーは北方のみならず、テララギの里も潰すつもりらしい。このままネフィリムの群れを放置すれば、テララギの里がどうなるかは容易に想像できた。
しかし、たった十人で千を超える軍勢を止められるわけがない。
狩人たちの間で、正義と生存が揺れ動く。その逡巡が終わらぬうちに──。
ドドオッ!
地面をひっくり返したかのような爆音が轟く。そして、ネフィリムたちの先頭が絨毯のように波打ち、軍勢の中腹まで連鎖的にはじけ飛んだ。
「こ、今度はなんだ!?」
シュレイブが耳を塞ぎながら目を丸くする。見上げた先には、一番星のごとく煌めく赤い閃光があった。青空をかき消してしまいそうなほどの痛烈な赤が、甲高い音を響かせながら急速に膨らんでいく。
「あの赤い光……オラガイアで見たことあるし!」
シャルが飛び跳ねながら叫ぶや、赤い閃光が空中でジグザグに動いた。ネフィリムの群れのど真ん中へと狙いを定め、垂直に地面へと突進する。
ひゅん、と空間を吸い込むような音の後、不気味な静寂が舞い降りた。
その直後、地面がバウンドした。地上にいたネフィリムたちが、地雷を踏んだように空中へ打ち上げられる。群れの片隅にいたハインキーたちでさえ、赤い閃光から放たれた衝撃波で地面から引き剥がされそうになった。
「ぐ、お……!?」
衝撃で上顎が震える。押し寄せる砂埃に顔を背けつつ、ハインキーは『堅牢』を発動しながら歯を食いしばった。ハインキーたちを包むように展開された『堅牢』の障壁は、衝撃波だけでなく、吹き飛ばされるネフィリムたちも弾いていった。
衝撃が抜け切った後に、ハインキーは改めてネフィリムの群れを見やる。
地平を覆い尽くさんばかりだった白が、今やまばらに地面に転がるのみとなっていた。
赤い閃光の落下地点は、鮮血の湖に。その周辺にいたネフィリムたちも、空高くから墜落し、地表に赤い花を咲かせていた。
先ほどまでそこにあったネフィリムの群れは、たった数十秒の間に半壊していた。ハインキーたちですら退却を選んだ数の暴力が、たった一人の圧倒的な一撃で覆ったのだ。
「グレン!」
シャルが声を上げながら駆け出した。ハインキーたちも彼女に続き、赤い閃光の着地地点へと向かう。それと反するように、生き残ったネフィリムたちが蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
「討滅者はやはり化け物揃いだな……」
血の湖の上に佇む女性を見て、クライヴは皮肉げに呟いた。その声が聞こえたわけではないだろうが、湖の中心にいた女性がゆっくりとこちらを振り返る。
レオハニーとは別種の、ルビー色の鎧がよく似合う美女だった。赤錆色のショートヘアには桜のカチューシャが添えられ、凛とした顔立ちに愛らしさを与えている。彼女の手には、金と蒼の稲妻が刻まれた手甲剣が握られていた。
テララギの討滅者、グレンだ。
ふと、グレンのそばにテララギの狩人が駆け寄ってくる。何事か報告を聞いた後、グレンは簡潔に指示を出した。
「残党の処理は任せる」
「はっ!」
テララギの狩人は敬礼を取ると、素早くその場から立ち去った。それと入れ替わるように、シャルが両手を振りながら彼女へ駆け寄った。
「グレンー!」
グレンはぼんやりとした顔でシャルを見ると、今頃こちらの存在に気づいたように目を見開いた。
「貴方は……オラガイアにいた……!」
シャルはグレンの手前で立ち止まると、
「シャルたち、テララギに行く途中なの! また会えて嬉しいし!」
「テララギに? 機械仕掛けの門はもういいの?」
グレンがきょとんとしながらシャルと目線を合わせる。すると、宇田芸がそろりと手を上げた。
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