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16章 皇帝への道
569話 力を合わせて
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俺たちは帝都の中に転移して、戦いに向かう。戦える人間のほとんどが集まっており、どんな相手にでも勝てそうな気すらする。
今のところ、門の外部で戦いが起こっている様子。事前に兵士たちの拠点を作っておいた効果だな。外側に一般兵の多くが出ているので、ほぼ一直線に進むことができた。
そして、とても大きな建物が見えてくる。塀にぐるりと囲まれていて、厳粛な雰囲気を漂わせている。場所を考えれば、俺たちが攻め込むべき場所だ。
「よし、行くか。あれが、皇城だよな」
「……役割。私はここで引き付ける。城の中だと、火力が大きすぎる。五曜剣」
フィリスが城門のあたりに魔力の刃を飛ばし、一刀両断する。そのまま、周囲を吹き飛ばしていった。城には被害が出ていないものの、庭のあたりは見るも無惨な姿になっている。
城内からも敵が出てきて、もともと城外に居た敵も近寄ってくる。誰もが、フィリスの方に向かっていく。
「フィリス・アクエリアスだ! 絶対に皇城に向かわせるな!」
「十分に引き付けてくれよ! あとは俺たちに任せろ!」
フィリスは無表情で頷いて、また魔法を放っていた。その隙に、俺たちは城内へと駆け抜けていく。追撃が来るかと思って防御魔法を構えていたが、あっさり通された。
「フィリスに集中しろ! 他の雑兵は、無視して良い!」
フィリスの名前を知っていれば妥当な判断か。俺たちの情報は、伝わっていないようだ。まあ、非現実的すぎて信じられていないのだろう。あるいは、情報が上まで通っていないか。
現場から上司に伝わる段階でバカにされて握りつぶされるとか、ありそうな話だよな。
まあ、理由なんてどうでもいい。正面の扉を開いて、俺たちは中に入っていく。
「さて、おかげで楽に入れたが。まだまだ、敵はいそうだな」
「とりあえず、あたしが出るわ。何人か切り捨てれば、相手もやる気になるでしょ。迅雷剣!」
「なっ、はや……」
さっそくカミラが動いて、敵を切り裂いていく。目にも追えない速さであって、当然避けることも受けることもできない。
正直、下手をしたらカミラだけで全部終わるんじゃないかというくらいだ。とはいえ、カミラは俺のために隙を作ってくれる様子。なら、しっかりとその気持ちを受け取っておこう。
「メアリもやるの! 手加減、ちゃんと覚えたんだから! 凝縮岩竜巻!」
「な、なにが……。来るな……! ぎゃあああ!」
メアリは人くらいの大きさに竜巻と岩を押し固めて、一気に圧殺している。手加減というか、規模の調整を実現できたみたいだ。
この調子なら、メアリに壊された城に生き埋めになるということはない。安心して、任せられそうだな。
「無理はするなよ! 時間さえ稼いでくれれば、それで良いんだ!」
そのまま突き進んでいくと、廊下の先に騎士のような格好の男が立っていた。扉番とでも言うべきなのだろうか。
とにかく、そいつは剣を突きつけてくる。当たり前だが、臨戦態勢だな。
「ここが皇帝の庭だと知っての所業か! そのうぬぼれ、叩き潰してくれる!」
「ひとりなら、私がやろう。なに、五属性程度に遅れを取る私ではないさ」
エリナも剣を抜いて、敵に向けて近寄っていく。堂々と歩く姿には、圧倒的な風格すら感じた。まず負けないだろうなとすら思える。
敵は剣を持ったまま、鼻で笑っていた。
「獣人ごときが、強者ぶりおって!」
魔法が放たれるが、エリナはあっさりと切り裂く。その隙間をくぐり抜けて、敵に向けて剣を振り下ろす。一応、避けられたみたいだ。
「任せたぞ、エリナ! 絶対に勝ってくれよ!」
扉を蹴破り、次の場所へと進んでいく。今度は、中庭のような場所に出た。そこには、ふたりの騎士らしき男がいる。
なんというか、それぞれがそれぞれの持ち回りだけを担当しているようだ。あんまり、連携していないように思える。
「まったく、騒がしいものだ……。静かに眠れないではないか……」
「気取りおって。だが、陛下のお膝元を騒がせるのは看過できまい」
「だったら、永遠に寝かせて差し上げますわ。ねえ?」
「ふふっ、良いですね。騒がしいことに悩まずに済みますよ? ねえ、フェリシア様」
フェリシアとラナが、前に出ていく。軽口を叩く余裕まであるらしい。心強い限りだ。ふたりとも、杖を構える。
さて、ふたりが出るというのなら任せよう。今のところは、普通の五属性程度の魔力しか感じていない。まあ、なんとかなるはずだ。
「黙るのは、そちらの方だ……」
「陛下の御為、覚悟めされい!」
さっそく、敵がそれぞれに魔法を放つ。フェリシアは炎の、ラナは水の壁で防ぐ。問題なく防げているみたいだし、安心して先に行けそうだ。
この調子で、どんどん突き進んでいかないとな。
「俺の背中は任せたぞ! 早く手伝ってくれると、楽でいいな!」
中庭を踏み越えていくと、今度は食堂みたいなところに出た。だが、平和に食事をするという雰囲気ではなさそうだ。剣呑な顔をした騎士たちが、またいる様子。
ふたりとも杖を抜いて、こちらに向けてくる。
「まさか、皇城にまで攻め込んでくるとは! 近衛として、ここは通さん! 合わせろ!」
「はいはい、分かりましたよ……」
「近衛騎士が相手となれば、わたくしめが出るべきでしょう」
「あたくしも、付き合いましてよ。さっさと終わらせて、レックスさんに追いつきましょう」
ハンナとルースが、前に出ていく。即座に敵は魔法を飛ばしていって、ハンナが魔力の剣を大量に壁として防ぐ。
ルースは敵を結界で包み込むが、爆発する前に内側から壊されていた。さすがに、ただ一撃で終わる程度の弱さではないらしい。仮にも近衛騎士ということか。
とはいえ、勝てないと感じるほどの魔力ではなかった。ふたりなら、どうにかするだろう。実際、ルースは優雅に微笑んだままだからな。
「王国ごときの近衛騎士に、帝国の近衛騎士が負けるものか!」
「そういう熱血は、良いんですけど……」
「近衛騎士なんて関係なく、お前たちの方が上に決まっているよな!」
また駆け出していくと、今度はとても大きな扉を守るふたりの男が居た。さっきまでとは違って、整った兵装をしていない。イメージ的には、傭兵が近いか。
そんなふたりは、俺たちの姿を見て武器を構える。通さないという気構えが見えるようだった。
「陛下のもとへは、行かせはせん。ここで、お前たちは終わる定めだ」
「我らが最後の砦。何人たりとも通さんとも」
「最後なら、遠慮なくやっちゃっていいよね。僕たちに任せてよ」
「うん。レックス君なら勝てるって、信じてるよ」
「ああ、絶対に勝つさ! お前たちも、負けるなよ!」
俺の言葉よりも早く、ジュリアは敵に突っ込んでいく。魔力を収束させた剣を振り下ろし、敵は飛び込んで避ける。
その動きの先に、ミュスカが闇の魔力で壁を貼っていた。俺の方には、近寄って来られないだろう。
「邪魔をするな! 我らが陛下の!」
「くっ、陛下……」
ジュリアとミュスカを背にして、俺は扉を開いていく。見えるのは、大きな玉座。そして、その玉座に座る若い男。帝国の皇帝が、頬杖をついて待ち構えていた。
今のところ、門の外部で戦いが起こっている様子。事前に兵士たちの拠点を作っておいた効果だな。外側に一般兵の多くが出ているので、ほぼ一直線に進むことができた。
そして、とても大きな建物が見えてくる。塀にぐるりと囲まれていて、厳粛な雰囲気を漂わせている。場所を考えれば、俺たちが攻め込むべき場所だ。
「よし、行くか。あれが、皇城だよな」
「……役割。私はここで引き付ける。城の中だと、火力が大きすぎる。五曜剣」
フィリスが城門のあたりに魔力の刃を飛ばし、一刀両断する。そのまま、周囲を吹き飛ばしていった。城には被害が出ていないものの、庭のあたりは見るも無惨な姿になっている。
城内からも敵が出てきて、もともと城外に居た敵も近寄ってくる。誰もが、フィリスの方に向かっていく。
「フィリス・アクエリアスだ! 絶対に皇城に向かわせるな!」
「十分に引き付けてくれよ! あとは俺たちに任せろ!」
フィリスは無表情で頷いて、また魔法を放っていた。その隙に、俺たちは城内へと駆け抜けていく。追撃が来るかと思って防御魔法を構えていたが、あっさり通された。
「フィリスに集中しろ! 他の雑兵は、無視して良い!」
フィリスの名前を知っていれば妥当な判断か。俺たちの情報は、伝わっていないようだ。まあ、非現実的すぎて信じられていないのだろう。あるいは、情報が上まで通っていないか。
現場から上司に伝わる段階でバカにされて握りつぶされるとか、ありそうな話だよな。
まあ、理由なんてどうでもいい。正面の扉を開いて、俺たちは中に入っていく。
「さて、おかげで楽に入れたが。まだまだ、敵はいそうだな」
「とりあえず、あたしが出るわ。何人か切り捨てれば、相手もやる気になるでしょ。迅雷剣!」
「なっ、はや……」
さっそくカミラが動いて、敵を切り裂いていく。目にも追えない速さであって、当然避けることも受けることもできない。
正直、下手をしたらカミラだけで全部終わるんじゃないかというくらいだ。とはいえ、カミラは俺のために隙を作ってくれる様子。なら、しっかりとその気持ちを受け取っておこう。
「メアリもやるの! 手加減、ちゃんと覚えたんだから! 凝縮岩竜巻!」
「な、なにが……。来るな……! ぎゃあああ!」
メアリは人くらいの大きさに竜巻と岩を押し固めて、一気に圧殺している。手加減というか、規模の調整を実現できたみたいだ。
この調子なら、メアリに壊された城に生き埋めになるということはない。安心して、任せられそうだな。
「無理はするなよ! 時間さえ稼いでくれれば、それで良いんだ!」
そのまま突き進んでいくと、廊下の先に騎士のような格好の男が立っていた。扉番とでも言うべきなのだろうか。
とにかく、そいつは剣を突きつけてくる。当たり前だが、臨戦態勢だな。
「ここが皇帝の庭だと知っての所業か! そのうぬぼれ、叩き潰してくれる!」
「ひとりなら、私がやろう。なに、五属性程度に遅れを取る私ではないさ」
エリナも剣を抜いて、敵に向けて近寄っていく。堂々と歩く姿には、圧倒的な風格すら感じた。まず負けないだろうなとすら思える。
敵は剣を持ったまま、鼻で笑っていた。
「獣人ごときが、強者ぶりおって!」
魔法が放たれるが、エリナはあっさりと切り裂く。その隙間をくぐり抜けて、敵に向けて剣を振り下ろす。一応、避けられたみたいだ。
「任せたぞ、エリナ! 絶対に勝ってくれよ!」
扉を蹴破り、次の場所へと進んでいく。今度は、中庭のような場所に出た。そこには、ふたりの騎士らしき男がいる。
なんというか、それぞれがそれぞれの持ち回りだけを担当しているようだ。あんまり、連携していないように思える。
「まったく、騒がしいものだ……。静かに眠れないではないか……」
「気取りおって。だが、陛下のお膝元を騒がせるのは看過できまい」
「だったら、永遠に寝かせて差し上げますわ。ねえ?」
「ふふっ、良いですね。騒がしいことに悩まずに済みますよ? ねえ、フェリシア様」
フェリシアとラナが、前に出ていく。軽口を叩く余裕まであるらしい。心強い限りだ。ふたりとも、杖を構える。
さて、ふたりが出るというのなら任せよう。今のところは、普通の五属性程度の魔力しか感じていない。まあ、なんとかなるはずだ。
「黙るのは、そちらの方だ……」
「陛下の御為、覚悟めされい!」
さっそく、敵がそれぞれに魔法を放つ。フェリシアは炎の、ラナは水の壁で防ぐ。問題なく防げているみたいだし、安心して先に行けそうだ。
この調子で、どんどん突き進んでいかないとな。
「俺の背中は任せたぞ! 早く手伝ってくれると、楽でいいな!」
中庭を踏み越えていくと、今度は食堂みたいなところに出た。だが、平和に食事をするという雰囲気ではなさそうだ。剣呑な顔をした騎士たちが、またいる様子。
ふたりとも杖を抜いて、こちらに向けてくる。
「まさか、皇城にまで攻め込んでくるとは! 近衛として、ここは通さん! 合わせろ!」
「はいはい、分かりましたよ……」
「近衛騎士が相手となれば、わたくしめが出るべきでしょう」
「あたくしも、付き合いましてよ。さっさと終わらせて、レックスさんに追いつきましょう」
ハンナとルースが、前に出ていく。即座に敵は魔法を飛ばしていって、ハンナが魔力の剣を大量に壁として防ぐ。
ルースは敵を結界で包み込むが、爆発する前に内側から壊されていた。さすがに、ただ一撃で終わる程度の弱さではないらしい。仮にも近衛騎士ということか。
とはいえ、勝てないと感じるほどの魔力ではなかった。ふたりなら、どうにかするだろう。実際、ルースは優雅に微笑んだままだからな。
「王国ごときの近衛騎士に、帝国の近衛騎士が負けるものか!」
「そういう熱血は、良いんですけど……」
「近衛騎士なんて関係なく、お前たちの方が上に決まっているよな!」
また駆け出していくと、今度はとても大きな扉を守るふたりの男が居た。さっきまでとは違って、整った兵装をしていない。イメージ的には、傭兵が近いか。
そんなふたりは、俺たちの姿を見て武器を構える。通さないという気構えが見えるようだった。
「陛下のもとへは、行かせはせん。ここで、お前たちは終わる定めだ」
「我らが最後の砦。何人たりとも通さんとも」
「最後なら、遠慮なくやっちゃっていいよね。僕たちに任せてよ」
「うん。レックス君なら勝てるって、信じてるよ」
「ああ、絶対に勝つさ! お前たちも、負けるなよ!」
俺の言葉よりも早く、ジュリアは敵に突っ込んでいく。魔力を収束させた剣を振り下ろし、敵は飛び込んで避ける。
その動きの先に、ミュスカが闇の魔力で壁を貼っていた。俺の方には、近寄って来られないだろう。
「邪魔をするな! 我らが陛下の!」
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