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1章 レックスの道
33話 ミーア・ブランドル・レプラコーンの期待
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私は、妹のリーナちゃんが好き。だけど、リーナちゃんの方は私を好きじゃないみたい。それが分かっていたから、とても苦しんでいたの。
「リーナちゃんと仲良くしたい。だけど、難しいことは分かるわ。だって、私とリーナちゃんでは環境が違いすぎるもの」
陽姫と影姫。あまりにも酷い対比があったから。私は、光属性の魔法使い。主に王家に生まれる、特別な存在。
だけど、リーナちゃんはただの魔法使いだった。ただのとは言っても、五属性ではあったのだけれど。それでも、私より弱いのは事実だった。
というか、光属性がおかしいだけなんだけどね。大抵の魔法は、ただ魔力を放出するだけで防ぐことができるから。まあ、魔力量で負けたら、話は別なんだけど。
だけど、私とリーナちゃんの魔力量は同じくらいだった。それが、余計にふたりの差を大きく見せたみたい。基本的に、リーナちゃんに勝てる人間なんて、この国にも数えるほどしかいないと思うんだけど。
ハッキリと言ってしまえば、私は周囲の人間に失望していた。リーナちゃんの努力も、力も、全く認めない。そんな態度を取る人たちは、リーナちゃんの足元にも及ばないのに。
だけど、私が主張したところで、妹を気遣っているとしか思われないだろう。それが理解できていたし、リーナちゃんを傷つけるという事実はもっと分かっていたから。
結局、私はリーナちゃんに対して何もできなかった。本当は、抱きしめてあげたかった。頑張ったねって言ってあげたかった。だけど、私がそうしてしまえば、リーナちゃんは余計に苦しむだけ。そんなこと、考えるまでもなかった。
そんな日々が変わったのは、レックス君が王宮にやって来てから。彼は、どうやってか知らないけれど、リーナちゃんと話をすることに成功していた。
リーナちゃんは、基本的に他者に対して心を閉ざしていた。だから、ただ仲良くするだけでも、相当な難題だったはずなのに。
あまつさえ、私とリーナちゃんを繋ごうとまでしてくれた。五属性の魔法と、光属性の魔法。それらを、闇の魔力で混ぜ合わせることで。とても素敵な魔法で、私はレックス君が大好きになれそうだった。
「レックス君には、感謝しないとね。彼がいなくちゃ、リーナちゃんとは仲良くできなかった。それに、リーナちゃんを暗殺者から助けてくれたんだもの」
リーナちゃんを傷つけようとした暗殺者は、私のためなんて、ふざけたことを言っていた。とてもじゃないけど、許せなかった。私は、リーナちゃんとふたりで支え合っていきたかったのに。それを邪魔しようとしたんだから。
結局、私たち姉妹の関係は、レックス君がつないでくれたようなもの。だから、彼は私達の恩人だったわ。
「闇魔法使いは、悪人。そう言われているけれど。きっとレックス君は違うわよね。そう、信じたいわ」
歴史的な犯罪者は、大体が闇魔法使い。その事実があったから、闇の魔力を持つ人間は、警戒の目で見られていた。ただ、絶大な力を持っているというのも、正しい認識。
だから、歴代の王様は、闇魔法使いを厚遇していた。せめて、自国の敵にならないようにと。疫病神のような扱いなのかもしれない。
だけど、レックス君の行動は、私がイメージする闇魔法使いとは、大きくかけ離れたものだった。私達の仲を繋いでくれたことだけじゃない。リーナちゃんに笑顔を取り戻してくれた。メイドさんにも、慕われていた。彼の姉妹とも、とても仲良くしていた。
「もしかしたら、光と闇が混ざり合って、もっと素晴らしい未来になるのかも。魔法が混ざりあったんだから、私とレックス君だって」
男女として結ばれたい訳じゃなかったけれど、絶対に友達になりたかった。だって、きっと素敵な未来が待っているから。レックス君は、私達を大切にしてくれるはず。そう信じることができたわ。
ハッキリ言ってしまえば、リーナちゃんを軽んじていた人たちより、よほど信じることができた。レックス君は、リーナちゃんを信じてくれたから。それって、私を信じることよりも大きなこと。
「リーナちゃんも、レックス君となら仲良くできるはずだもの! みんなで一緒になるのは、きっと幸せよね!」
私とリーナちゃんとレックス君。その三人で友達になったら、きっと毎日が楽しいだろうな。そう思える。闇魔法使いが悪人なんて、知ったことじゃない。だって、リーナちゃんの恩人で、私にとっても恩人だから。
それに、レックス君は私達のことが大好きだと思うの。口では冷たい時もあるけれど、私達が仲良くしている姿を、嬉しそうに見ていたから。隠しているつもりで、隠れていない感情。それが分かったからこそ、私達はもっと仲良くなれるって信じることができたわ。
「だけど、邪魔する人がいるわ。レックス君に、罪を着せようとしている人」
お父様は、きっとブラック家の中に犯人がいると言っていたわ。私も同感。だからこそ、彼を守るためにも呼び寄せたの。
レックス君は、きっと優しいから。誰かを助けるために、全力を尽くせる人だから。そうじゃなかったら、私とリーナちゃんを助けてくれたりしなかったわ。
だからこそ、レックス君を罠にかけようとする人は邪魔なの。私達が求める未来を、妨害する人だから。それに、優しいレックス君を傷つけようとする人だから。
「私は、みんなで幸せになりたい。だけど、人を傷つけて喜ぶ人は、『みんな』なんかじゃないわ」
私の国は、みんなが幸せな国が良い。私も、リーナちゃんも、レックス君も。光属性も、五属性も、闇属性も。できれば、無属性も。
それだけじゃない。人間も、エルフも、獣人も。だって、レックス君が教えてくれたから。みんなで協力すれば、すごい力を発揮できるって。素敵な光景を見ることができるって。七属性を混ぜた魔法が、その証明だったわ。
だけど、みんなが繋がろうとすることを邪魔する人は、いらない。それだけは、絶対だと思うわ。
「だから、きっと追い出してあげる。私の、王族としての力を使ってでもね」
私たちが幸せになる未来を、妨害する人。そんなの、誰にだって必要ないもの。
「私とリーナちゃんの世界には、必要ない人だっている。それが分かったもの」
本当は、はじめから分かっていたこと。リーナちゃんをバカにする口で、私を褒めていた人たち。そんなの、どうしようもない人だって。だから、いらないんだって。
「でも、レックス君とはきっと手を取り合えるわ。だって、私達を結びつけてくれた人だもの!」
だからこそ、レックス君の力になってあげたい。私達を助けてくれた分、私だって恩返しをしたいから。きっと、彼は素直に感謝しないんだろうな。でも、そんな姿も可愛いと思うの。
「私とリーナちゃん、それにレックス君。きっと、フェリシアちゃんやカミラちゃん、メアリちゃんだって。みんなの輪を、もっともっと広げていきましょう!」
私達が協力すれば、とっても素敵なことができる。その輪が広がれば、きっとレプラコーン王国はもっと素晴らしい国になる。だから、みんなで手を取り合って、笑い合ってみせるの。
ねえ、レックス君。誰かと手を取り合うことの幸せは、あなたが教えてくれたんだよ。だから、あなたには、それ以上の幸せを返してあげるね。期待していてほしいな。
「リーナちゃんと仲良くしたい。だけど、難しいことは分かるわ。だって、私とリーナちゃんでは環境が違いすぎるもの」
陽姫と影姫。あまりにも酷い対比があったから。私は、光属性の魔法使い。主に王家に生まれる、特別な存在。
だけど、リーナちゃんはただの魔法使いだった。ただのとは言っても、五属性ではあったのだけれど。それでも、私より弱いのは事実だった。
というか、光属性がおかしいだけなんだけどね。大抵の魔法は、ただ魔力を放出するだけで防ぐことができるから。まあ、魔力量で負けたら、話は別なんだけど。
だけど、私とリーナちゃんの魔力量は同じくらいだった。それが、余計にふたりの差を大きく見せたみたい。基本的に、リーナちゃんに勝てる人間なんて、この国にも数えるほどしかいないと思うんだけど。
ハッキリと言ってしまえば、私は周囲の人間に失望していた。リーナちゃんの努力も、力も、全く認めない。そんな態度を取る人たちは、リーナちゃんの足元にも及ばないのに。
だけど、私が主張したところで、妹を気遣っているとしか思われないだろう。それが理解できていたし、リーナちゃんを傷つけるという事実はもっと分かっていたから。
結局、私はリーナちゃんに対して何もできなかった。本当は、抱きしめてあげたかった。頑張ったねって言ってあげたかった。だけど、私がそうしてしまえば、リーナちゃんは余計に苦しむだけ。そんなこと、考えるまでもなかった。
そんな日々が変わったのは、レックス君が王宮にやって来てから。彼は、どうやってか知らないけれど、リーナちゃんと話をすることに成功していた。
リーナちゃんは、基本的に他者に対して心を閉ざしていた。だから、ただ仲良くするだけでも、相当な難題だったはずなのに。
あまつさえ、私とリーナちゃんを繋ごうとまでしてくれた。五属性の魔法と、光属性の魔法。それらを、闇の魔力で混ぜ合わせることで。とても素敵な魔法で、私はレックス君が大好きになれそうだった。
「レックス君には、感謝しないとね。彼がいなくちゃ、リーナちゃんとは仲良くできなかった。それに、リーナちゃんを暗殺者から助けてくれたんだもの」
リーナちゃんを傷つけようとした暗殺者は、私のためなんて、ふざけたことを言っていた。とてもじゃないけど、許せなかった。私は、リーナちゃんとふたりで支え合っていきたかったのに。それを邪魔しようとしたんだから。
結局、私たち姉妹の関係は、レックス君がつないでくれたようなもの。だから、彼は私達の恩人だったわ。
「闇魔法使いは、悪人。そう言われているけれど。きっとレックス君は違うわよね。そう、信じたいわ」
歴史的な犯罪者は、大体が闇魔法使い。その事実があったから、闇の魔力を持つ人間は、警戒の目で見られていた。ただ、絶大な力を持っているというのも、正しい認識。
だから、歴代の王様は、闇魔法使いを厚遇していた。せめて、自国の敵にならないようにと。疫病神のような扱いなのかもしれない。
だけど、レックス君の行動は、私がイメージする闇魔法使いとは、大きくかけ離れたものだった。私達の仲を繋いでくれたことだけじゃない。リーナちゃんに笑顔を取り戻してくれた。メイドさんにも、慕われていた。彼の姉妹とも、とても仲良くしていた。
「もしかしたら、光と闇が混ざり合って、もっと素晴らしい未来になるのかも。魔法が混ざりあったんだから、私とレックス君だって」
男女として結ばれたい訳じゃなかったけれど、絶対に友達になりたかった。だって、きっと素敵な未来が待っているから。レックス君は、私達を大切にしてくれるはず。そう信じることができたわ。
ハッキリ言ってしまえば、リーナちゃんを軽んじていた人たちより、よほど信じることができた。レックス君は、リーナちゃんを信じてくれたから。それって、私を信じることよりも大きなこと。
「リーナちゃんも、レックス君となら仲良くできるはずだもの! みんなで一緒になるのは、きっと幸せよね!」
私とリーナちゃんとレックス君。その三人で友達になったら、きっと毎日が楽しいだろうな。そう思える。闇魔法使いが悪人なんて、知ったことじゃない。だって、リーナちゃんの恩人で、私にとっても恩人だから。
それに、レックス君は私達のことが大好きだと思うの。口では冷たい時もあるけれど、私達が仲良くしている姿を、嬉しそうに見ていたから。隠しているつもりで、隠れていない感情。それが分かったからこそ、私達はもっと仲良くなれるって信じることができたわ。
「だけど、邪魔する人がいるわ。レックス君に、罪を着せようとしている人」
お父様は、きっとブラック家の中に犯人がいると言っていたわ。私も同感。だからこそ、彼を守るためにも呼び寄せたの。
レックス君は、きっと優しいから。誰かを助けるために、全力を尽くせる人だから。そうじゃなかったら、私とリーナちゃんを助けてくれたりしなかったわ。
だからこそ、レックス君を罠にかけようとする人は邪魔なの。私達が求める未来を、妨害する人だから。それに、優しいレックス君を傷つけようとする人だから。
「私は、みんなで幸せになりたい。だけど、人を傷つけて喜ぶ人は、『みんな』なんかじゃないわ」
私の国は、みんなが幸せな国が良い。私も、リーナちゃんも、レックス君も。光属性も、五属性も、闇属性も。できれば、無属性も。
それだけじゃない。人間も、エルフも、獣人も。だって、レックス君が教えてくれたから。みんなで協力すれば、すごい力を発揮できるって。素敵な光景を見ることができるって。七属性を混ぜた魔法が、その証明だったわ。
だけど、みんなが繋がろうとすることを邪魔する人は、いらない。それだけは、絶対だと思うわ。
「だから、きっと追い出してあげる。私の、王族としての力を使ってでもね」
私たちが幸せになる未来を、妨害する人。そんなの、誰にだって必要ないもの。
「私とリーナちゃんの世界には、必要ない人だっている。それが分かったもの」
本当は、はじめから分かっていたこと。リーナちゃんをバカにする口で、私を褒めていた人たち。そんなの、どうしようもない人だって。だから、いらないんだって。
「でも、レックス君とはきっと手を取り合えるわ。だって、私達を結びつけてくれた人だもの!」
だからこそ、レックス君の力になってあげたい。私達を助けてくれた分、私だって恩返しをしたいから。きっと、彼は素直に感謝しないんだろうな。でも、そんな姿も可愛いと思うの。
「私とリーナちゃん、それにレックス君。きっと、フェリシアちゃんやカミラちゃん、メアリちゃんだって。みんなの輪を、もっともっと広げていきましょう!」
私達が協力すれば、とっても素敵なことができる。その輪が広がれば、きっとレプラコーン王国はもっと素晴らしい国になる。だから、みんなで手を取り合って、笑い合ってみせるの。
ねえ、レックス君。誰かと手を取り合うことの幸せは、あなたが教えてくれたんだよ。だから、あなたには、それ以上の幸せを返してあげるね。期待していてほしいな。
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