チートさんは平和主義者

月夜

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魔法学園編突入じゃぁぁあ!

17話 なんか……やっちまった……

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「ねえシーア、これって何?」
「これは宝石を入れるチョーカーだよ」
「へぇ~、すっごいね~」

…………これ、ギルドで貰った赤黒い宝石埋められる形。
丁度いい!
これつけよっと!

「これ買ってくる!」

そう言って、店員さんの所に行き買った。



「お姉ちゃん随分それを気に入ったね」
「ふふー、似合うでしょー?」
「……ま、まあね!」

あらあら、フロスト君が照れましたな。
実はと言うと、前世では私チョーカー好きだったんだー。
黒歴史という不良の時はいつも違うチョーカーを着けていた。
黒歴史が終わった時も着けてたよ。
それにしてもここ、お店いっぱいあるなー。
馬車も多いし、歩くのがメンドイ……

「そこのお嬢ちゃん達!ロナンはいかが?採れたての甘々だよ~!」

ロナン?
なんじゃそりゃ?
私は、声をかけてきたおばさんの露店にかけていき、ロナンって何?と聞いた。

「ロナンはねぇとっても甘い果物だよ~。美肌効果とか若い子達にはとってもオススメだよ。1個食べてみるかい?」

そう言いながら、おばさんは試食用のロナンを1切れくれた。

「いただきまーす」
「おや、良く出来てる子だね」

私はロナンを口に入れる。
……………………………………………美味っ!
なんだこの果汁たっぷりの甘い果物は?!
…ん?てかさ……これ……前世で言う、メロンだ……
メロン……おぉ!久しぶりメロン君!
よし!買おう!

「おばさん!ロナン全部下さい!」
「っ!は、はいよ。お金は……お嬢ちゃん、本当に払えるのかい?」
「うん」

えーっと、金額は……計算計算!
げっ!結構するじゃん……まぁいいか!
私はショルダーバックに入れていたお金を出す。

「っ!ぁ……えっと、入れるものはあ、あるのかい?」
「はい!」

私はショルダーバックを見せる。
これ、実はアイテムバックなんだ。
フロストやるぅ~。
てことで私は、チョーカーに着けているアイテムボックスになる宝石を武器とかに入れようかと悩んでいる。
おばさんは、めっちゃ驚いてるけどとりあえず、アイテムバックにロナンを詰め込む。
私もお手伝いをし、詰め込んでいく。
非常食にしよう!
果汁たっぷりだから水分補給にもいいんだよね。

「おばさんありがとう!」

そう言って、私はシーア達のところに戻る。

「随分たくさん買ったね」

フロストが言う。

「だって、美味しかったんだもん」
「デブになるよ」
「デブにならないし~、スレンダーですぅ~」

フロスト君、女性にデブは禁語です!
そうだ!武器を見るの忘れてた。
後、防具とか魔道具とか薬とか……
ついつい、食べ物ばかり買ってしまう自分が情けなく見える。
恥ずかしいのぉ。

「ねえ、今度は武器屋見に行こ!」
「うん、良いよ」

シーアが言う。
早速、私達はシーアオススメの冒険者専用のお店に行く。



「……デカいね」
「城よりはまだまだ結構小さいけどそれなりにでかいんじゃない?」

えっとね、例えるならショッピングモールだね。
うぅ、前世に戻りたい……
洋服見たい……

「ルミルーナ、武器見に行こっか!」
「うん!」

武器を見て気分転換にでもしよう。
前世に戻りたい……
お母さん……グスッ

「お姉ちゃん?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫」

そうして、私達はショッピングモールに入り武器専門コーナーに着いた。

「お、お、おおおおおおおお!!」

やばいやばい!スッゴぉぉぉおい!
大興奮!

「武器だぁぁぁぁぁぁぁぁあ!やったー!」
「お姉ちゃんはしゃぎすぎ……」
「ハハハ!武器好きの可愛いお嬢ちゃんがいるとは珍しいね」

カウンターの奥から店主らしき人が出てきた。
おお、でっぷり狸だ!
目が細い!
狸が人間化したそのままだ~。

「あの!このお店の最強の武器って何ですか?」

私はワクワクした目で見つめる。

「あぁ、あるよ。ちょいと待っててな」

狸おじさんは店の奥に行き、布に包まれた大きい何かを持ってきた。

「はい、これだよ。かつて、勇者と戦ったと言われる死神の大鎌だよ」
「……偽物じゃなくて?」
「そんなわけなかろう!これは、本物だよ」

うーむ、見極めたい……
でも、デザインは黒い大きな鎌で、鎖がついている。
青い薔薇が、刃のつけ部分についている。
切れ味は、首なんか簡単に切れそう。

「本物か見極めたいなら精霊を呼んでみればいいんじゃないか?でも、武器の精霊は相性が合うものじゃないと出てこないよ」

なるほどー……出してみよっかな?
でもどうやって出るんだろ?
クロアさん、ヘルプヘルプ!

『んなもん、武器に自分の魔力注げば出てくるんだよ!そんなことも知らないのか?』

はいはいどーもどーもお疲れしたー。
ということで私は、おじさんの持っていた大鎌を受け取る。
てかデカイなこれ、私より大きすぎるし重い。
あー、無理!
縦に持とう!
とりあえず、魔力魔力~。
注ぎまーす。
私は、少しずつ魔力を入れていく。
するとなんだか武器が白く光った。
眩しい!
皆は思わず目を瞑る。
……目を開けるとそこには死神の姿をした女の人がいた。
白銀の髪、赤い瞳、白い肌、顔に黒い模様、凛々しい顔つき、全身を覆い隠すような真っ黒のドレス、呪いを思わせるような黒い鎖のネックレスにイヤリング。
やべー、美女が現れた……

「汝に問う。我の力を求めるか?」

おお!喋った!
我の力?これって契約?
ふぁあ?What?
何が起きてどうしてこうなった?

「精霊が出てきた……お嬢ちゃん君はいったい……」

あわあわ、狸おじさんまで驚いてる。
お店にいた人まで、あんぐりしちゃってるよ。
え?どうするんこれ?
私分からない……
え、ええとですね……

「力は欲しいよ」
「ほう、何のために力を使いたいのだ?汝、貴様は何のために力を欲する?」
「…………ええとですね……平和に生きていきたいので、いじめられないようにとか?」
「ほう……フフッ……なるほど、我に求むのか。我の力は死をつかどり、魂を刈り取り冥界へ導き魂を裁く力……なるほど面白い。我はそのたの力になろう」

そして私の右の手首に青黒い光が宿る。
いやだから、眩しい!
目がぁ!目がぁ!
とつかの間、光が収まり目を開けると右の手首に黒い鎖……いや、右の中指に黒い指輪で青い宝石が輝いている。
そして、右の手首に黒い腕輪で青い薔薇な宝石などが飾られている。
そして、その二つを繋げているのが手の甲にある黒い鎖。
これって、契約完了?
いつでも呼び出しOKってこと?
……………………………………………あんらまぁー……やっちまった。

「……お嬢ちゃん、契約しちゃったの?」
「……うん。なんか……やっちゃった」
「……お金まけてあげるよ」
「なんか……ありがとうございますとごめんなさい」
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