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第二章 ギルド要請冒険者
#12 期待の新人
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「キング倒したら、ランクも早く上がりませんかねぇ」
王都を出たフェーリエは、魔法でユースと共に飛んでいた。目的の場所まで、早く着ける優れものの魔法だ。しかも追い風を感じないよう、結界も張っている。
「……可能性はあるんじゃないか?」
初めは魔法で飛ぶことに驚いていたものの、早くも慣れたようで、返事が返ってきた。
(メタキンみたいに経験値はくれないだろうけど……)
某ゲームを思い出しながら、フェーリエは飛ぶ。逃げないどころか群れを率いているのだ。倒しがいはある。
「お、あれじゃないですか?」
「……大きい……なっ!?」
言葉の途中で、ユースは声を詰まらせた。フェーリエが急停止し、地面に着地させたせいだろう。
(まぁ、私も慣れるまでジェットコースター感覚だったけど……)
慣れない感覚に未だ立ち上がれていない剣士を横目に、フェーリエは目の前の魔物の群れを見つめる。
「うっわぁ……多いな」
クエストで討伐すべき数は20匹。しかし、目の前に居るのはざっとその5倍だ。
「農夫さんが泣いてた意味が分かったなぁ」
いくら低ランクの魔物でも、これだけ居ると恐ろしいと感じるだろう。塵も積もれば山となる……。
「さて、ショックは抜けました?剣士さん」
「……ああ、済まない。始めよう」
思った以上に立ち直りが早い剣士に満足げな笑みを向け、フェーリエは魔法の準備をする。
「最初にまわりの雑魚吹き飛ばすので、その後はキングの相手お願いします」
「了解した」
フェーリエは、手先にイメージを込める。爆発魔法、某ゲーム風に言うならば『イオ○ズン』だ。
「いきます」
かけ声と共に魔法を放つ。詠唱?そんなの必要ありません。恥ずかしいじゃないか。
近くの冒険者を集めたアンジェリカは、急いで二人の後を追った。
「……ぁ……」
そんなアンジェリカが見たのは、壮絶な光景だった。
百匹を超えるウルフが黒焦げになり、倒れている。
弱いがその素材は汎用性が高く、多く持ち込まれるウルフ。しかし、これほど多くのウルフは見たことがない。
驚いて声が出せないアンジェリカに、伸び伸びと声を掛ける少女がいた。
「あっ!アンジェリカじゃない。どう?凄いでしょ?」
「ルナ……あなた達……」
目の前の少女は傷一つ負っていなかった。後ろで剣を鞘に収める剣士も同じだ。
ウルフの方を見れば、その中央には通常のウルフより遙かに大きいキングが、まわりと同じく黒焦げで倒れていた。
(Cランクのキングを……Eランクの、しかも二人で!?)
キングは冒険者を集って討伐するのが基本だ。何せ群れる。気を抜けば高ランクでも危険性がある。
(……これは……本当に期待以上の新人ね……)
この後のギルドは大騒ぎになるだろう。その事に頭を痛くしながらも、アンジェリカはこぼれる笑みを我慢しなかった。
王都を出たフェーリエは、魔法でユースと共に飛んでいた。目的の場所まで、早く着ける優れものの魔法だ。しかも追い風を感じないよう、結界も張っている。
「……可能性はあるんじゃないか?」
初めは魔法で飛ぶことに驚いていたものの、早くも慣れたようで、返事が返ってきた。
(メタキンみたいに経験値はくれないだろうけど……)
某ゲームを思い出しながら、フェーリエは飛ぶ。逃げないどころか群れを率いているのだ。倒しがいはある。
「お、あれじゃないですか?」
「……大きい……なっ!?」
言葉の途中で、ユースは声を詰まらせた。フェーリエが急停止し、地面に着地させたせいだろう。
(まぁ、私も慣れるまでジェットコースター感覚だったけど……)
慣れない感覚に未だ立ち上がれていない剣士を横目に、フェーリエは目の前の魔物の群れを見つめる。
「うっわぁ……多いな」
クエストで討伐すべき数は20匹。しかし、目の前に居るのはざっとその5倍だ。
「農夫さんが泣いてた意味が分かったなぁ」
いくら低ランクの魔物でも、これだけ居ると恐ろしいと感じるだろう。塵も積もれば山となる……。
「さて、ショックは抜けました?剣士さん」
「……ああ、済まない。始めよう」
思った以上に立ち直りが早い剣士に満足げな笑みを向け、フェーリエは魔法の準備をする。
「最初にまわりの雑魚吹き飛ばすので、その後はキングの相手お願いします」
「了解した」
フェーリエは、手先にイメージを込める。爆発魔法、某ゲーム風に言うならば『イオ○ズン』だ。
「いきます」
かけ声と共に魔法を放つ。詠唱?そんなの必要ありません。恥ずかしいじゃないか。
近くの冒険者を集めたアンジェリカは、急いで二人の後を追った。
「……ぁ……」
そんなアンジェリカが見たのは、壮絶な光景だった。
百匹を超えるウルフが黒焦げになり、倒れている。
弱いがその素材は汎用性が高く、多く持ち込まれるウルフ。しかし、これほど多くのウルフは見たことがない。
驚いて声が出せないアンジェリカに、伸び伸びと声を掛ける少女がいた。
「あっ!アンジェリカじゃない。どう?凄いでしょ?」
「ルナ……あなた達……」
目の前の少女は傷一つ負っていなかった。後ろで剣を鞘に収める剣士も同じだ。
ウルフの方を見れば、その中央には通常のウルフより遙かに大きいキングが、まわりと同じく黒焦げで倒れていた。
(Cランクのキングを……Eランクの、しかも二人で!?)
キングは冒険者を集って討伐するのが基本だ。何せ群れる。気を抜けば高ランクでも危険性がある。
(……これは……本当に期待以上の新人ね……)
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