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第二章 ギルド要請冒険者
#37 新たなクエスト
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「ルシオラ村、復興進んでるみたいですね」
フェーリエ達は、ギルドの酒場でルシオラ村からの手紙を読んでいた。
「あれからもう一ヶ月だからな」
一ヶ月前にキングが現れたルシオラ村は、今は国から派遣された人達とともに復興に励んでいる。初めはお礼の手紙だったが、今では一週間おきに復興状況を報告してくる。
最初は返信しようかと思ったが、返信はいらないとのことだったので、お言葉に甘えている。だが誠意は必要と言うもので、いつか訪れる約束をしている。
「一ヶ月……もう一ヶ月なんですよねぇ」
初めの一週間が濃厚だったせいか、その後の出来事はあまり覚えていない。印象に残らないのだ。だが、何もしていなかった訳ではない。本当に誰もしなさそうな、小さいクエストをチマチマと消化していたのだ。
しかし、未だにフェーリエ達のランクは変わらない。特例の要請冒険者としてクエストを受けているとは言え、フェーリエはもっと、冒険らしい冒険がしたかった。
「嘆いても仕方が無い。ギルド長を信じるほかないのが現状だ」
「そうなんですけどねぇ……」
机に突っ伏し、だらけるフェーリエと、手紙を元の封筒に戻すユースの元に、アンジェリカがやってきた。
「なぁに?だらけちゃって。新しいクエスト決まったよ?」
「アン~ちょっと人使い荒すぎない?」
同じアンジェリカでややこしい。そう思ったフェーリエは愛称でアンジェリカの名前を呼ばせて貰っている。
「荒くない荒くない。さぁ、次はドルミート町よ」
「ドルミート?」
聞いた事の無い町名に、フェーリエは眉を潜める。と言うか、町に行くのなんて珍しい。今まで村だったのに。
「王都から東に位置する町で、公路の近くにあるから交通便は良いはずなんだけど、なかなか人が寄りつかなくてね」
「何で?」
純粋にフェーリエが尋ねると、アンジェリカは苦笑いを浮かべながらこう答えた。
「村の半分以上の敷地がね……墓地、なのよ」
「と言うわけでして、お二方には幽霊退治をお願いしたいのです」
ドルミート町の町長である男性が、へこへことしながら話す。気弱そうだが、野心が透けて見えている。
「その幽霊はアンデット系の魔物なのでしょうか?」
ユースの尋ねに、男性はおどおどしながら答える。
「お恥ずかしい話なのですが、魔物の知恵が無く、判別がつかないのです。そういった事の調査もお願いできるとよろしいのですが……」
「分かりました。こちらで調査します。それでよろしいでしょうか」
そういったユースに、はい、はい、と何度も頷く男性。こういったタイプは苦手だ。そう思いながら、全く動かないルナをつれて町長の家を出た。
(一月の付き合いになるが、まさかこんな弱点があるとは……)
ユースは溜息をつく。その理由は至極簡単。いつもは頼りになる相棒の魔法使いは今、恐怖で全く使い物にならない状態なのだ。
フェーリエ達は、ギルドの酒場でルシオラ村からの手紙を読んでいた。
「あれからもう一ヶ月だからな」
一ヶ月前にキングが現れたルシオラ村は、今は国から派遣された人達とともに復興に励んでいる。初めはお礼の手紙だったが、今では一週間おきに復興状況を報告してくる。
最初は返信しようかと思ったが、返信はいらないとのことだったので、お言葉に甘えている。だが誠意は必要と言うもので、いつか訪れる約束をしている。
「一ヶ月……もう一ヶ月なんですよねぇ」
初めの一週間が濃厚だったせいか、その後の出来事はあまり覚えていない。印象に残らないのだ。だが、何もしていなかった訳ではない。本当に誰もしなさそうな、小さいクエストをチマチマと消化していたのだ。
しかし、未だにフェーリエ達のランクは変わらない。特例の要請冒険者としてクエストを受けているとは言え、フェーリエはもっと、冒険らしい冒険がしたかった。
「嘆いても仕方が無い。ギルド長を信じるほかないのが現状だ」
「そうなんですけどねぇ……」
机に突っ伏し、だらけるフェーリエと、手紙を元の封筒に戻すユースの元に、アンジェリカがやってきた。
「なぁに?だらけちゃって。新しいクエスト決まったよ?」
「アン~ちょっと人使い荒すぎない?」
同じアンジェリカでややこしい。そう思ったフェーリエは愛称でアンジェリカの名前を呼ばせて貰っている。
「荒くない荒くない。さぁ、次はドルミート町よ」
「ドルミート?」
聞いた事の無い町名に、フェーリエは眉を潜める。と言うか、町に行くのなんて珍しい。今まで村だったのに。
「王都から東に位置する町で、公路の近くにあるから交通便は良いはずなんだけど、なかなか人が寄りつかなくてね」
「何で?」
純粋にフェーリエが尋ねると、アンジェリカは苦笑いを浮かべながらこう答えた。
「村の半分以上の敷地がね……墓地、なのよ」
「と言うわけでして、お二方には幽霊退治をお願いしたいのです」
ドルミート町の町長である男性が、へこへことしながら話す。気弱そうだが、野心が透けて見えている。
「その幽霊はアンデット系の魔物なのでしょうか?」
ユースの尋ねに、男性はおどおどしながら答える。
「お恥ずかしい話なのですが、魔物の知恵が無く、判別がつかないのです。そういった事の調査もお願いできるとよろしいのですが……」
「分かりました。こちらで調査します。それでよろしいでしょうか」
そういったユースに、はい、はい、と何度も頷く男性。こういったタイプは苦手だ。そう思いながら、全く動かないルナをつれて町長の家を出た。
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