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第二章 ギルド要請冒険者
#62 ようやく
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「すまないな。こんな面倒に付き合わせて」
やけに長く感じた議会を終え、ギルドに戻ったフェーリエ達にガストフは頭を下げた。
「頭を上げてください。結局ランクは上げてもらえましたし、もういいですよ」
「もう少しスムーズにいくと思ったんだが、思いの外頭が固い老害どもで……」
相当疲れているようだ。顔を上げたガストフには、疲弊の色が見えた。
「クエストの資料って、どういうことなんですか?」
「ああ、君たちがほとんど無償に近い状態で、どれだけ面倒なクエストをしてきたかをまとめたものだ。その町や村からの君たちの評価も書いてあるよ」
見てみるか?とガストフさんは綴られた紙束を差し出す。受け取り、目を通すと、訪れた町や村の名前が記されていた。
「あっ、ドルミートだ」
フェーリエよりの言葉に、ウルティムが反応して出てくる。
『本当だ。これはノヴァの言葉だね』
ウルティムは懐かしそうに目を細めた。そこには、『奇想天外な発想でしたが、おかげでドルミートは活性化しました。感謝しています』と書かれていた。奇想天外は酷くないだろうか。
「ルシオラ村のもありますね……あっ」
ユースに文を見せながら、フェーリエは見つけてしまう。忌々しかった村の名前を。
「……。え?」
眉をひそめながら読んだその文章は、思いがけない言葉で満ちていた。
「……『前時代的な差別により、村を救っていただいた冒険者の方には、大変不快な思いをさせてしまいました。詫びて済むことではありませんが、我々は深く感謝しております』?」
「ああ、リガート村か。今では少しずつだが魔法を受け入れているらしい。どういう心境の変化かはわからないが、いい傾向だな。その言葉は村長からだが、一人の少女を心配していたな」
わざわざギルドの人間が、馬を飛ばして評価を聞きに行ったのだという。ガストフは、一体何したんだか、とフェーリエを見る。
「ヒトの意識は、変わるものなんですね」
「そうだな」
どことなく嬉しそうなフェーリエの言葉に、ユースも優しい声で返してきた。
「本当は、君たちのランクを上げることは決定事項だったんだが……あのじいさん達は嫌みが趣味なだけだから気にしないでくれ」
あの時間は何だったのだろう。かなりの時間を拘束されてしまったが。
「嫌みが趣味とか、酷いヒト達ですね」
「ほんとに、そう思うよ」
毎回のようにあの老人達を相手しているガストフに、同情する。
「でも、私たちの為に、あのおじいさん達を相手してくれていたんですよね?ありがとうございます」
足を怪我してしまい、冒険者を引退したガストフは、少しでも冒険者の手助けがしたいと思って、事務仕事をしているらしい。あれよあれよとギルド長になったが、あの頑固爺達の相手が一番疲れるそうだ。
それでも尽力してくれた彼には、感謝しかない。
「何はともあれ、Bランクおめでとう。君たちの目標にはまだまだ遠いが、頑張ってくれ」
「もちろんです!」
元気よく返事をするフェーリエの隣で、ユースが軽く頷いた。
やけに長く感じた議会を終え、ギルドに戻ったフェーリエ達にガストフは頭を下げた。
「頭を上げてください。結局ランクは上げてもらえましたし、もういいですよ」
「もう少しスムーズにいくと思ったんだが、思いの外頭が固い老害どもで……」
相当疲れているようだ。顔を上げたガストフには、疲弊の色が見えた。
「クエストの資料って、どういうことなんですか?」
「ああ、君たちがほとんど無償に近い状態で、どれだけ面倒なクエストをしてきたかをまとめたものだ。その町や村からの君たちの評価も書いてあるよ」
見てみるか?とガストフさんは綴られた紙束を差し出す。受け取り、目を通すと、訪れた町や村の名前が記されていた。
「あっ、ドルミートだ」
フェーリエよりの言葉に、ウルティムが反応して出てくる。
『本当だ。これはノヴァの言葉だね』
ウルティムは懐かしそうに目を細めた。そこには、『奇想天外な発想でしたが、おかげでドルミートは活性化しました。感謝しています』と書かれていた。奇想天外は酷くないだろうか。
「ルシオラ村のもありますね……あっ」
ユースに文を見せながら、フェーリエは見つけてしまう。忌々しかった村の名前を。
「……。え?」
眉をひそめながら読んだその文章は、思いがけない言葉で満ちていた。
「……『前時代的な差別により、村を救っていただいた冒険者の方には、大変不快な思いをさせてしまいました。詫びて済むことではありませんが、我々は深く感謝しております』?」
「ああ、リガート村か。今では少しずつだが魔法を受け入れているらしい。どういう心境の変化かはわからないが、いい傾向だな。その言葉は村長からだが、一人の少女を心配していたな」
わざわざギルドの人間が、馬を飛ばして評価を聞きに行ったのだという。ガストフは、一体何したんだか、とフェーリエを見る。
「ヒトの意識は、変わるものなんですね」
「そうだな」
どことなく嬉しそうなフェーリエの言葉に、ユースも優しい声で返してきた。
「本当は、君たちのランクを上げることは決定事項だったんだが……あのじいさん達は嫌みが趣味なだけだから気にしないでくれ」
あの時間は何だったのだろう。かなりの時間を拘束されてしまったが。
「嫌みが趣味とか、酷いヒト達ですね」
「ほんとに、そう思うよ」
毎回のようにあの老人達を相手しているガストフに、同情する。
「でも、私たちの為に、あのおじいさん達を相手してくれていたんですよね?ありがとうございます」
足を怪我してしまい、冒険者を引退したガストフは、少しでも冒険者の手助けがしたいと思って、事務仕事をしているらしい。あれよあれよとギルド長になったが、あの頑固爺達の相手が一番疲れるそうだ。
それでも尽力してくれた彼には、感謝しかない。
「何はともあれ、Bランクおめでとう。君たちの目標にはまだまだ遠いが、頑張ってくれ」
「もちろんです!」
元気よく返事をするフェーリエの隣で、ユースが軽く頷いた。
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