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第四章 魔導王国
#100 魔導王国
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偉大なるガイア。それは、大地を器として膨大な生命エネルギーを放出する神を表す言葉だ。
生命エネルギーは魔力と言い換えられ、人々の生活になくてはならない存在となっていた。
魔力を元に動く仕掛け、魔道具や魔導具を人々は生み出した。自分たちの生活を豊かにするために。
そんな王国には、ただ一人の、稀有な存在が誕生する。それは、ガイアからの膨大な魔力を受け取り、自在に行使できる女性。何故女性であるかは終ぞ判明しなかったが、長い歴史の中で生まれた彼女達は『ガイアの愛し子』と呼ばれ、国を治めるようになった。それが、女王だ。
ガイアは大地に宿る。それは、底に行けば行くほど、ガイアに近くなるという意味でもあり、そうした考えの基、王国民は地下に住むものほど地位が高くなっていった。既に魔導具で生活は豊かになっている。地下で暮らすことは彼らにとって苦ではなかった。魔力を持たない奴隷には、ガイアから最も遠い地上を。『ガイアの愛し子』である女王には最底辺を。といったように、彼らは生活区域を区分した。
それぞれの都市には制限結界が張られ、決して下位のものが上位に刃向かえない仕組みとなっている。転移魔方陣は、二番目に位の高い白の住人がそれぞれの都市を管理するために設置したものだ。
魔力が多い魔法使いは、細胞の老化を抑え、老いることがない。それでも、魔力が尽きればいずれ死ぬ。
女王も、魔力はあるがいずれ死んだ。だからこそ、女王の世代交代は行われていた。
魔力が絶対の魔導王国。魔力がない者は生きる価値などない。
「つまり、階級制度が強くて、ガイアに愛されてる女王が絶対的存在ってことね」
CPU2の語りを聞いた後、フェーリエは確認のために言葉を発する。
『そう、そこにいる彼も、この国に生まれてたら奴隷は間違いないね』
「それで?どうしてそこまで徹底した国が、こうして滅びているの?」
フェーリエはCPU2に問いかける。建物も、物資も、全て残っている。だが、人は誰もいない。それは確かにわかっていることだ。ここまで来て、生き残りがいました、はあり得ないだろう。
『それは……この国の末路が気になるかい?』
「それは勿論。ここまで来て出し惜しみするの?」
『いや、そういうことではないよ。ただ、君は直接知った方が良いと思ったから』
「直接?」
CPU2は落ち着いた声でフェーリエに語りかける。確実に、フェーリエの意思を確認するように。
『そう。……実は、君の前にも、ここを訪れた子がいたんだ』
「えっ!?ここに!?」
『彼女は深淵で真実を知った。その上で、この文明を外には知らせなかったのだろう。もう、千五百年以上も前のことだから』
千五百年前。それは女神と魔神の戦いがあった時代ではないのだろうか。それほど前からこの国は滅び、そして見つけられても日の目を見ることはなかった。CPU2が指す彼女が、どういう意図でそうしたのか。フェーリエは固唾を飲んでCPU2の言葉を待った。
『もし、君にこの国の末路を知る覚悟があるのなら、深淵を見てくると良い。そこで君が何をしようと、咎める者はいないよ』
「……貴方は、咎めないの?」
『僕はただの案内人さ。深淵への魔方陣はこの奥にある。君も、ついて行くなら覚悟を決めてからにしてね』
最後はユースに向けての言葉。話の主体がフェーリエではあったが、ついて行くならば止めはしないようだ。
何も言わずにただ頷いた彼を連れて、CPU2が開いた扉をくぐる。
中央に鎮座する魔方陣に手を添え、魔力を込めると、フェーリエ達の意識は白く塗りつぶされていった。
生命エネルギーは魔力と言い換えられ、人々の生活になくてはならない存在となっていた。
魔力を元に動く仕掛け、魔道具や魔導具を人々は生み出した。自分たちの生活を豊かにするために。
そんな王国には、ただ一人の、稀有な存在が誕生する。それは、ガイアからの膨大な魔力を受け取り、自在に行使できる女性。何故女性であるかは終ぞ判明しなかったが、長い歴史の中で生まれた彼女達は『ガイアの愛し子』と呼ばれ、国を治めるようになった。それが、女王だ。
ガイアは大地に宿る。それは、底に行けば行くほど、ガイアに近くなるという意味でもあり、そうした考えの基、王国民は地下に住むものほど地位が高くなっていった。既に魔導具で生活は豊かになっている。地下で暮らすことは彼らにとって苦ではなかった。魔力を持たない奴隷には、ガイアから最も遠い地上を。『ガイアの愛し子』である女王には最底辺を。といったように、彼らは生活区域を区分した。
それぞれの都市には制限結界が張られ、決して下位のものが上位に刃向かえない仕組みとなっている。転移魔方陣は、二番目に位の高い白の住人がそれぞれの都市を管理するために設置したものだ。
魔力が多い魔法使いは、細胞の老化を抑え、老いることがない。それでも、魔力が尽きればいずれ死ぬ。
女王も、魔力はあるがいずれ死んだ。だからこそ、女王の世代交代は行われていた。
魔力が絶対の魔導王国。魔力がない者は生きる価値などない。
「つまり、階級制度が強くて、ガイアに愛されてる女王が絶対的存在ってことね」
CPU2の語りを聞いた後、フェーリエは確認のために言葉を発する。
『そう、そこにいる彼も、この国に生まれてたら奴隷は間違いないね』
「それで?どうしてそこまで徹底した国が、こうして滅びているの?」
フェーリエはCPU2に問いかける。建物も、物資も、全て残っている。だが、人は誰もいない。それは確かにわかっていることだ。ここまで来て、生き残りがいました、はあり得ないだろう。
『それは……この国の末路が気になるかい?』
「それは勿論。ここまで来て出し惜しみするの?」
『いや、そういうことではないよ。ただ、君は直接知った方が良いと思ったから』
「直接?」
CPU2は落ち着いた声でフェーリエに語りかける。確実に、フェーリエの意思を確認するように。
『そう。……実は、君の前にも、ここを訪れた子がいたんだ』
「えっ!?ここに!?」
『彼女は深淵で真実を知った。その上で、この文明を外には知らせなかったのだろう。もう、千五百年以上も前のことだから』
千五百年前。それは女神と魔神の戦いがあった時代ではないのだろうか。それほど前からこの国は滅び、そして見つけられても日の目を見ることはなかった。CPU2が指す彼女が、どういう意図でそうしたのか。フェーリエは固唾を飲んでCPU2の言葉を待った。
『もし、君にこの国の末路を知る覚悟があるのなら、深淵を見てくると良い。そこで君が何をしようと、咎める者はいないよ』
「……貴方は、咎めないの?」
『僕はただの案内人さ。深淵への魔方陣はこの奥にある。君も、ついて行くなら覚悟を決めてからにしてね』
最後はユースに向けての言葉。話の主体がフェーリエではあったが、ついて行くならば止めはしないようだ。
何も言わずにただ頷いた彼を連れて、CPU2が開いた扉をくぐる。
中央に鎮座する魔方陣に手を添え、魔力を込めると、フェーリエ達の意識は白く塗りつぶされていった。
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