転生令嬢は覆面ズをゆく

唄宮 和泉

文字の大きさ
113 / 185
第四章 魔導王国

#111 作戦決定

しおりを挟む
「器にされてると仮定したとして、どうすれば良いの?追い出せばウルティムの自我に戻るの?」
 フェーリエは、アウラに詰め寄るを中身の相違に気付けば、後はどう対処するかだ。
『ウルティムの自我が残っていればそれが可能ですが……どう追い出すつもりなんですか?』
 フェーリエは少し思案し、一つの方法を口にする。
「本契約を結ぶ、かな?」
 ウルティム自身の真名を聞き出すことは困難だろうが、本契約を結べれば話は早い。
 魔神を追い出すことも出来るだろうし、もし無理でもある程度制御することが出来る。
『確かにそれが一番でしょうが……簡単にいくでしょうか』
「それについては任せて!精神に入り込む魔法は『Abyss』と繋がった時になんとなく掴んだわ。ウルティム自身の精神に干渉すれば、きっと大丈夫。出来れば、体力とか削ってくれてた方がそういった魔法は掛かりやすいんだけど……」
『足止めだけでなく体力も削れと?』
 ため息交じりにユースが呟く。呆れているようだ。
「出来れば、で大丈夫です。魔神を相手に戦うんですから、高望みはしてはいけませんよね」
『……善処はしよう。期待はするなよ』
「十分です。お願いしますね」
 呆れつつも手を貸してくれる優しいユースに、頭が上がらない。
 いつもは仮面に隠されていて見えずらいその目を見ていて、フェーリエはふと気づく。
「そういえば、仮面はどうしました?」
 獣姿のユースは、衣服の類いを身につけていなかった。彼のトレードマークである仮面も、勿論無い。
『獣化する際に外した。剣もだが……壊されていなかったらまだあの場にあるだろう』
 体が変化するというのに、そのままヒトの服を着ている訳がないだろう、とユースは言う。しかし、フェーリエが気にしているのはそこではなかった。
「つまり……獣化が解けると、その……は、裸、ってことですか?」
 フェーリエの言葉にユースは暫く沈黙し、やがて小さく呟いた。 
『そういうこと、だな』
 人前で獣化を使ったことがないから配慮が出来ていなかった、換えの服をどうしようか、とユースは服に関して盲点だったようだ。
 全てのことをかたづけた後のことを考えたフェーリエは、動揺した頭に考えを必死に巡らせる。
 やがて思い立ったフェーリエは、魔法袋から一つの布を取り出した。
 そして何故か入っている針と糸を取り出し、ユースを見る。
「服を作ってから戦いに行きましょう!!」
『いや、そんな時間は無いだろう』
「でもだめです!服が先です!」
『後で考えれば良いだろう。早く行動するべきだ』
「服が先ですぅ!!」
 服を作っておきたいフェーリエと、早く魔神達をどうにかしたいユースは、暫く押し問答を繰り返した。そもそも即席で服が作れるのかとユースに問われ、女子なめないで下さいとフェーリエは叫び返したりと、脱線した問答もあった。それを止めたのは、
『いい加減にして下さい!服はこれより上の地区で見つけられますから!!』
 と叫んだアウラの声だった。
 フェーリエとユースはぴたりと動きを止め、アウラを見る。そうか、その手があったのか、と。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

【完結済】悪役令嬢の妹様

ファンタジー
 星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。  そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。  ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。  やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。  ―――アイシアお姉様は私が守る!  最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する! ※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>  既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

処理中です...