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第四章 魔導王国
#115 名付きの二人と扇動する男
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『お前達は役立たずだ。エテルニアが嫌がるから殺さないでいるものを……』
ガイアの機嫌は留まるところを知らず、下がり続けている。
(ほんとに暴君だなぁ。わがまま過ぎない?ほんと)
フェーリエはしかめっ面でガイアを睨んだ。始まりの神だとか、全ての力の源だとか言われているようだが、お付き合いしたくないタイプの性格である。
グラディミーレとエンティリーバは、黙ってガイアの圧力に耐えている。名を与えられていようと、彼らは人間。人の肩を持ちたいだろうに、今の状態は決して彼らにそれを許さない。
二人の様子にガイアは冷たく鼻を鳴らし、一段高い祭壇から二人を見下ろした。
『次にエテルニアに何かあれば、その時は分かっているな?』
問いかける形だが、決してはい以外の言葉を許していない。グラディミーレとエンティリーバは、恭しく頭を下げ
「「はい」」
と返事を絞り出した。
その返事を聞いたガイアは、スウッと姿を消した。恐らく、亜空間に消えたのだろう。ガイアだけの空間に。
「「はぁ……」」
ガイアが消えると、二人はガクッと項垂れ深いため息をついた。
「どうしろって言うんだ……俺たちに」
「どうしようもないよ。もう村人達は楽を覚えてしまった。これからも図々しく巫女様に懇願するさ」
エンティリーバの言葉にグラディミーレは、だよなぁ、と再びため息をついた。
「取り敢えず、巫女様の様子を伺いに行こう。マグヌム・ガイアは、力を回復するために暫く出てこないだろうし」
「そうだな。とは言え、巫女様に何かあれば飛んでくるんだろうな」
「当然そうだろうね。僕はあの執着が恐ろしいよ」
「俺もだ」
軽口を言い合いながら、二人は神殿の廊下を歩く。相当仲が良さそうだ。
(巫女様、あの子の事よね。前回こんな二人来たかしら?)
前回の記憶では、少女は村人に緊急だと呼び出されたが、それまで誰も部屋を訪れていない。
(……村人の方を見てみよう。顔は覚えてる)
自分は、一体何を知れば良いのだろう。分からない。分からないが、出来るだけの情報を集めよう。今フェーリエに出来るのはそれだけだ。
神殿を出てすぐ前に広がるのどかな村を、フェーリエは歩く。浮いていても良かったのだが、慣れない角度は気分が悪い。現在も、地に足ついて歩いているようで、実際は地面から数ミリ浮かんでいる。
「……すべきだ!」
「「「そうだそうだ!!!」」」
集会所だろうか。男達の叫び声がフェーリエの耳に届く。壁を通り抜けようと思ったが、扉が開けっ放しになっていたため、そこから中に入らせてもらった。壁の透過はあまりしたくない。
中に入ると、より声が鮮明に聞こえてくるようになった。
「マグヌム・ガイアの加護を!祝福を!愛を!全て我々から奪っているの誰だ!!!」
勇ましく演説するのはそこそこ若い男性。整っている眉を寄せ、険しい顔で聴衆に言葉を投げかけている。どことなく、グラディミーレに似ている。
それ以上に、フェーリエはこの男の顔に見覚えがあった。
(村人を扇動したのも、やっぱりこいつか)
フェーリエは顔をしかめて男を睨む。何を隠そうこの男は、少女を殺した男だったのだ。
ガイアの機嫌は留まるところを知らず、下がり続けている。
(ほんとに暴君だなぁ。わがまま過ぎない?ほんと)
フェーリエはしかめっ面でガイアを睨んだ。始まりの神だとか、全ての力の源だとか言われているようだが、お付き合いしたくないタイプの性格である。
グラディミーレとエンティリーバは、黙ってガイアの圧力に耐えている。名を与えられていようと、彼らは人間。人の肩を持ちたいだろうに、今の状態は決して彼らにそれを許さない。
二人の様子にガイアは冷たく鼻を鳴らし、一段高い祭壇から二人を見下ろした。
『次にエテルニアに何かあれば、その時は分かっているな?』
問いかける形だが、決してはい以外の言葉を許していない。グラディミーレとエンティリーバは、恭しく頭を下げ
「「はい」」
と返事を絞り出した。
その返事を聞いたガイアは、スウッと姿を消した。恐らく、亜空間に消えたのだろう。ガイアだけの空間に。
「「はぁ……」」
ガイアが消えると、二人はガクッと項垂れ深いため息をついた。
「どうしろって言うんだ……俺たちに」
「どうしようもないよ。もう村人達は楽を覚えてしまった。これからも図々しく巫女様に懇願するさ」
エンティリーバの言葉にグラディミーレは、だよなぁ、と再びため息をついた。
「取り敢えず、巫女様の様子を伺いに行こう。マグヌム・ガイアは、力を回復するために暫く出てこないだろうし」
「そうだな。とは言え、巫女様に何かあれば飛んでくるんだろうな」
「当然そうだろうね。僕はあの執着が恐ろしいよ」
「俺もだ」
軽口を言い合いながら、二人は神殿の廊下を歩く。相当仲が良さそうだ。
(巫女様、あの子の事よね。前回こんな二人来たかしら?)
前回の記憶では、少女は村人に緊急だと呼び出されたが、それまで誰も部屋を訪れていない。
(……村人の方を見てみよう。顔は覚えてる)
自分は、一体何を知れば良いのだろう。分からない。分からないが、出来るだけの情報を集めよう。今フェーリエに出来るのはそれだけだ。
神殿を出てすぐ前に広がるのどかな村を、フェーリエは歩く。浮いていても良かったのだが、慣れない角度は気分が悪い。現在も、地に足ついて歩いているようで、実際は地面から数ミリ浮かんでいる。
「……すべきだ!」
「「「そうだそうだ!!!」」」
集会所だろうか。男達の叫び声がフェーリエの耳に届く。壁を通り抜けようと思ったが、扉が開けっ放しになっていたため、そこから中に入らせてもらった。壁の透過はあまりしたくない。
中に入ると、より声が鮮明に聞こえてくるようになった。
「マグヌム・ガイアの加護を!祝福を!愛を!全て我々から奪っているの誰だ!!!」
勇ましく演説するのはそこそこ若い男性。整っている眉を寄せ、険しい顔で聴衆に言葉を投げかけている。どことなく、グラディミーレに似ている。
それ以上に、フェーリエはこの男の顔に見覚えがあった。
(村人を扇動したのも、やっぱりこいつか)
フェーリエは顔をしかめて男を睨む。何を隠そうこの男は、少女を殺した男だったのだ。
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