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第四章 魔導王国
#116 扇動
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「マグヌム・ガイアの加護を!祝福を!愛を!全て我々から奪っているの誰だ!!!」
男は叫ぶ。力強い言葉に、集まっていた聴衆は声を揃えて叫んだ。
「「「巫女だ!!!」」」
男は聴衆の言葉に強く頷き、言葉を続けた。
「その通りだ!巫女はマグヌム・ガイアの祝福を独占し、我々には代理と称して偽りの名を与えた!!直接神からあ授けられるべき名を!巫女が授けたのだ!!その意味が分かるか!!!」
問いかけている言葉だが、それは自分の主張を強調するために一度言葉を切るためだ。男は聴衆を見渡し、再び口を開いた。
「我々に力を与えないためだ!!名の授け方で扱える奇跡の強さは変わる。直接授けられた巫女と我々では、天と地ほど力に差が出る!反抗させないために、我々の力を削いだのだ!!」
聴衆は男の言葉を黙って聞いている。人を惹き付ける力を持っている。
「見ろ!我々はこれだけの奇跡しか使えない!しかし巫女はどうか!前の川の氾濫を、巫女はその奇跡で持て鎮めた!これが力の差だ!!」
男は左の手のひらに炎を灯した。赤く揺れる、燃焼があまり足りていない不安定な炎。
(奇跡って魔法の事だったんだ。成る程ね、ガイアから受け取る魔力の量が変わるんだ、名付けられ方で)
神から直接名前をもらった少女とあの二人がいる限り、彼らはこれ以上をガイアに望めない。
反抗したところで鎮圧されるからだ。では何故、無駄と分かりつつ今人々を焚付けているのだろうか。
明確に力の差を言葉にされ、聴衆は不安な顔をし始める。彼らも、無理であると思ったのだろう。少女を殺すことを。『巫女は殺すべきだ』と言う男の言葉に、熱く肯定を示していた声を、フェーリエは聞いた。
「だが恐れることはない!!巫女の特性は生を望むときのみ発動する!!永遠の命は絶つことが出来るのだ!!」
力強い断言の言葉に、聴衆の顔色は輝く。
「言葉は強い力を生む。我々が心から巫女の死を望めば、巫女は生を諦める!!そこで完全に巫女の命を絶つのだ!!さあ、武器を取れ!マグヌム・ガイアの愛を手に入れるために!!!」
拳を握り、男は聴衆に言葉を投げる。
(生を望む?そんな特性が……というか、言霊があるのはよく分かるけど、あの子が生を諦めるってなんで断言できるのよ。希望的観測過ぎない?さすがにこんな穴だらけの演説でついてくる人なんて……)
呆れ顔で男を眺めていたフェーリエは、次に聴衆達が取った行動でぎょっとした。
「「「うおぉぉぉぉ!!!」」」
聴衆は雄叫びを上げながら、壁に掛けてあった剣や槍、果ては斧や鉈を手に取り始めた。
(うっそぉ。あれでついて行くの!?馬鹿でしょ!!あの子殺したからってガイアに愛される分けないじゃない!むしろ逆効果よ!?)
フェーリエが驚いている間にも、聴衆はどんどん集会所から飛びだして行く。
その光景を見ながら、フェーリエは体感時間を数える。
(今で多分一時間ぐらい?後一時間もあるけど、どうやってあの子を殺すの!?分からない、分からないわ)
パニックでうまく動かない頭をぐるぐるさせ、フェーリエは一先ず聴衆を扇動した男を追いかけることにした。
男は叫ぶ。力強い言葉に、集まっていた聴衆は声を揃えて叫んだ。
「「「巫女だ!!!」」」
男は聴衆の言葉に強く頷き、言葉を続けた。
「その通りだ!巫女はマグヌム・ガイアの祝福を独占し、我々には代理と称して偽りの名を与えた!!直接神からあ授けられるべき名を!巫女が授けたのだ!!その意味が分かるか!!!」
問いかけている言葉だが、それは自分の主張を強調するために一度言葉を切るためだ。男は聴衆を見渡し、再び口を開いた。
「我々に力を与えないためだ!!名の授け方で扱える奇跡の強さは変わる。直接授けられた巫女と我々では、天と地ほど力に差が出る!反抗させないために、我々の力を削いだのだ!!」
聴衆は男の言葉を黙って聞いている。人を惹き付ける力を持っている。
「見ろ!我々はこれだけの奇跡しか使えない!しかし巫女はどうか!前の川の氾濫を、巫女はその奇跡で持て鎮めた!これが力の差だ!!」
男は左の手のひらに炎を灯した。赤く揺れる、燃焼があまり足りていない不安定な炎。
(奇跡って魔法の事だったんだ。成る程ね、ガイアから受け取る魔力の量が変わるんだ、名付けられ方で)
神から直接名前をもらった少女とあの二人がいる限り、彼らはこれ以上をガイアに望めない。
反抗したところで鎮圧されるからだ。では何故、無駄と分かりつつ今人々を焚付けているのだろうか。
明確に力の差を言葉にされ、聴衆は不安な顔をし始める。彼らも、無理であると思ったのだろう。少女を殺すことを。『巫女は殺すべきだ』と言う男の言葉に、熱く肯定を示していた声を、フェーリエは聞いた。
「だが恐れることはない!!巫女の特性は生を望むときのみ発動する!!永遠の命は絶つことが出来るのだ!!」
力強い断言の言葉に、聴衆の顔色は輝く。
「言葉は強い力を生む。我々が心から巫女の死を望めば、巫女は生を諦める!!そこで完全に巫女の命を絶つのだ!!さあ、武器を取れ!マグヌム・ガイアの愛を手に入れるために!!!」
拳を握り、男は聴衆に言葉を投げる。
(生を望む?そんな特性が……というか、言霊があるのはよく分かるけど、あの子が生を諦めるってなんで断言できるのよ。希望的観測過ぎない?さすがにこんな穴だらけの演説でついてくる人なんて……)
呆れ顔で男を眺めていたフェーリエは、次に聴衆達が取った行動でぎょっとした。
「「「うおぉぉぉぉ!!!」」」
聴衆は雄叫びを上げながら、壁に掛けてあった剣や槍、果ては斧や鉈を手に取り始めた。
(うっそぉ。あれでついて行くの!?馬鹿でしょ!!あの子殺したからってガイアに愛される分けないじゃない!むしろ逆効果よ!?)
フェーリエが驚いている間にも、聴衆はどんどん集会所から飛びだして行く。
その光景を見ながら、フェーリエは体感時間を数える。
(今で多分一時間ぐらい?後一時間もあるけど、どうやってあの子を殺すの!?分からない、分からないわ)
パニックでうまく動かない頭をぐるぐるさせ、フェーリエは一先ず聴衆を扇動した男を追いかけることにした。
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