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第四章 魔導王国
#121 助けの光
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「な、何を言っているのですか?ウェルブムさん……?」
「ですから『死んでほしい』のですよ。貴女の存在は我々に取って『邪魔』なのです」
部分部分強調して、ウェルブムは言霊を使う。少女には直ぐには効いていないようだが、言霊は積み重なっていくようだ。
「何故……?」
「何故、貴女はそれを聞くのですね。そう言った鈍さが、貴女が居てはいけない理由ですよ」
「鈍さ?」
少女は絶望に顔を歪めた。彼女は、村人達とは良好な関係を築けていたと思っていたのだろう。
自らの心を砕いてまで接していた村人に疎まれている。その言葉は、言霊でなくとも少女の胸に突き刺さった。
「私は……そこまで疎まれていたのですね……」
「ええ。ですから『死んでいただけますよね』?」
再度投げかけられた言霊に、少女は顔を俯かせた。
「『お返事を』」
俯く少女に、ウェルブムは強くしかし静かな言葉を綴った。
「……はい」
とうとう、少女はその言葉を口にしてしまった。ウェルブムは嬉しそうに笑いながら、背に隠していた剣を取り出す。
「ありがとう。では、どうぞ死んでください」
彼は狂喜を孕んだ笑顔で、少女の心臓を剣で深く貫いた。
少女の身体は地面に倒れる。それがやけにゆっくりに思えたフェーリエは、苦悶の表情を浮かべる少女と視線が絡んだ。
『あっ……』
フェーリエの声が小さく漏れたが、ここにその声を聞ける者はいない。
「し、死んだんですか?」
村人の一人が不安そうに口にする。
「まだ死んではいない。だが祝福の効果が切れるのは時間の問題だ。放っておけば死ぬさ」
ヒュー、ヒュー、と息を漏らす少女を見下し、ウェルブムは冷たく言い放った。
少女は胸に剣が刺さったまま、地面に横たわっている。こちらを向いている少女の目は、虚無に染まっている。死を望む目をしている。
フェーリエは居ても立ってもいられなかった。
『諦めないで!!』
フェーリエは血を流す少女に駆け寄ってその目を真っ直ぐ見つめた。
『お願い!あんな屑の男の言葉に負けないで!!ここが過去とか変えられないとかどうでも良いから!お願いだからこんな酷い終わりを見せないで!!!』
「……だ、れ?」
『っ!?』
フェーリエの願望の叫びに、少女がか細い声で答えた。
『わ、私の声が聞こえるの!?』
「……き、こえる」
『え、え、なんで!?さっきまで誰も聞こえてなかったのに……』
フェーリエはきょろきょろと辺りを見渡す。しかし、フェーリエの声に反応しているのは少女だけだった。ウェルブムは少女が死ぬのを今か今かと腕を組んで待っているだけで、少女のか細い声も聞こえていないようだ。
『どういうこと……?』
「あなたは……だ、れ?」
『あ、私はフェーリエ。えっと……』
自分のことをなんと説明するべきか悩んだフェーリエの手に、少女の手が伸びる。
まだ暖かい少女の手がフェーリエの手を触れたとき、フェーリエの胸元のネックレスが眩く輝いた。
『っ!?』
フェーリエと少女は白い光に包まれたが、周りの村人達にそれは見えていなかった。
「ですから『死んでほしい』のですよ。貴女の存在は我々に取って『邪魔』なのです」
部分部分強調して、ウェルブムは言霊を使う。少女には直ぐには効いていないようだが、言霊は積み重なっていくようだ。
「何故……?」
「何故、貴女はそれを聞くのですね。そう言った鈍さが、貴女が居てはいけない理由ですよ」
「鈍さ?」
少女は絶望に顔を歪めた。彼女は、村人達とは良好な関係を築けていたと思っていたのだろう。
自らの心を砕いてまで接していた村人に疎まれている。その言葉は、言霊でなくとも少女の胸に突き刺さった。
「私は……そこまで疎まれていたのですね……」
「ええ。ですから『死んでいただけますよね』?」
再度投げかけられた言霊に、少女は顔を俯かせた。
「『お返事を』」
俯く少女に、ウェルブムは強くしかし静かな言葉を綴った。
「……はい」
とうとう、少女はその言葉を口にしてしまった。ウェルブムは嬉しそうに笑いながら、背に隠していた剣を取り出す。
「ありがとう。では、どうぞ死んでください」
彼は狂喜を孕んだ笑顔で、少女の心臓を剣で深く貫いた。
少女の身体は地面に倒れる。それがやけにゆっくりに思えたフェーリエは、苦悶の表情を浮かべる少女と視線が絡んだ。
『あっ……』
フェーリエの声が小さく漏れたが、ここにその声を聞ける者はいない。
「し、死んだんですか?」
村人の一人が不安そうに口にする。
「まだ死んではいない。だが祝福の効果が切れるのは時間の問題だ。放っておけば死ぬさ」
ヒュー、ヒュー、と息を漏らす少女を見下し、ウェルブムは冷たく言い放った。
少女は胸に剣が刺さったまま、地面に横たわっている。こちらを向いている少女の目は、虚無に染まっている。死を望む目をしている。
フェーリエは居ても立ってもいられなかった。
『諦めないで!!』
フェーリエは血を流す少女に駆け寄ってその目を真っ直ぐ見つめた。
『お願い!あんな屑の男の言葉に負けないで!!ここが過去とか変えられないとかどうでも良いから!お願いだからこんな酷い終わりを見せないで!!!』
「……だ、れ?」
『っ!?』
フェーリエの願望の叫びに、少女がか細い声で答えた。
『わ、私の声が聞こえるの!?』
「……き、こえる」
『え、え、なんで!?さっきまで誰も聞こえてなかったのに……』
フェーリエはきょろきょろと辺りを見渡す。しかし、フェーリエの声に反応しているのは少女だけだった。ウェルブムは少女が死ぬのを今か今かと腕を組んで待っているだけで、少女のか細い声も聞こえていないようだ。
『どういうこと……?』
「あなたは……だ、れ?」
『あ、私はフェーリエ。えっと……』
自分のことをなんと説明するべきか悩んだフェーリエの手に、少女の手が伸びる。
まだ暖かい少女の手がフェーリエの手を触れたとき、フェーリエの胸元のネックレスが眩く輝いた。
『っ!?』
フェーリエと少女は白い光に包まれたが、周りの村人達にそれは見えていなかった。
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