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第七章 火竜討伐
#177 下された命令
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「そなたが、伝説の火竜か……」
誰もが口を開けない重厚感溢れるこの空間で、一番に口を開いたのは国王陛下だった。今までの重々しさとは違う、好奇心に満ちた少年のような声だった。
『ヒトの王よ。まずは、我の暴走によりヒトの子に迷惑を掛けたことを謝ろう。すまなかった』
アグニスが巨躯を揺らして頭を下げた。形だけではなく、心からそう思っていることが伝わってくる。
「頭に……直接声が!?」
兵士の誰かが呟いた。
アグニスの声は頭に直接響く。所謂、テレパシーだ。火山での時は少なからず縁の繋がっているフェーリエのみに聞こえていたが、意識がはっきりしていれば誰にでも声は届けられるようだ。
『だが、我が契約者の言葉を否定することは許さない。我は自らの意思で、契約者の手を取ったのだ』
「アグニス……」
契約を結んで数日。前々世のフェーリエをよくしていたとしても、フェーリエは別人だ。彼も、それは理解している。それでも信頼を寄せてくれている事にフェーリエは淡く微笑んだ。
「契約魔法では、契約者の意思を縛る事は出来ない。火竜がそう言うのであれば、その言葉を信じるほかあるまい」
「陛下、それではこの者の処分をどうなさるのですか?」
「……ユスティアとシャーロットを呼べ」
「はっ!お呼びして参ります」
陛下が命令した兵士が、謁見の間から出て行く。二人を呼んで、何の話をするのだろう。
『ふむ……ここは少々手狭だな』
(ここで手狭ならどの家も手狭よ)
口には出さず、心の中で呟く。確かにアグニスの巨躯のせいで圧迫感が凄い。
『どれ、少し姿を変えよう』
何でも無いように呟いたアグニスを見上げると、彼の姿は陽炎のように揺らぎ小さく萎んでいった。
『ポンッ』という小気味よい音と少しの煙と共に、小さく、そして可愛らしい生物が現れた。
「……ア、グニス?」
『我以外に誰がいる。我は好きに姿を変えることが出来るのだ』
口調は変わらないが、少々幼くなった彼の声は、ただただ可愛らしい。胸を張っているのだろうが、威厳はなく逆にマスコットのようなゆるふわさがある。ここで可愛いと言えば怒られそうだ。
掌サイズのアグニスはその翼で飛べるのか思うほど小さい翼をパタパタとはためかせ、フェーリエの肩に乗った。
その様子を見ていた周りのヒト達は、突然小さくなった火竜に目を丸くしている。
「陛下、シャーロットが参りました」
「陛下、ユスティアが参りました」
扉が開き、呼ばれた二人が現れた。お手本のような最敬礼を陛下に向け、フェーリエの隣まで歩き進む。
慌てて二人に礼を取ろうとしたフェーリエを、シャーロットが止めた。
「私たちには構いません。今は同罪としてここに居ますから」
「気にしなくて良い」
にこやかに微笑むシャーロットと、ぶっきらぼうだが気を遣ってくれているユスティア。軽く頭を下げて姿勢を元に戻す。
二人ともフェーリエの肩に乗るアグニスを見ているが、陛下の手前気軽に尋ねられないで居るようだ。
「そなた達に同じ罰を命じる」
陛下はアグニスを見たときに見せた好奇心を覆い隠し、支配者然とした威圧感でもってフェーリエ達に命令を下した。
それは罰で有り、決して拒否することは出来ないものだった。捉え方によっては、まだ良い方だと思える罰だったが。
誰もが口を開けない重厚感溢れるこの空間で、一番に口を開いたのは国王陛下だった。今までの重々しさとは違う、好奇心に満ちた少年のような声だった。
『ヒトの王よ。まずは、我の暴走によりヒトの子に迷惑を掛けたことを謝ろう。すまなかった』
アグニスが巨躯を揺らして頭を下げた。形だけではなく、心からそう思っていることが伝わってくる。
「頭に……直接声が!?」
兵士の誰かが呟いた。
アグニスの声は頭に直接響く。所謂、テレパシーだ。火山での時は少なからず縁の繋がっているフェーリエのみに聞こえていたが、意識がはっきりしていれば誰にでも声は届けられるようだ。
『だが、我が契約者の言葉を否定することは許さない。我は自らの意思で、契約者の手を取ったのだ』
「アグニス……」
契約を結んで数日。前々世のフェーリエをよくしていたとしても、フェーリエは別人だ。彼も、それは理解している。それでも信頼を寄せてくれている事にフェーリエは淡く微笑んだ。
「契約魔法では、契約者の意思を縛る事は出来ない。火竜がそう言うのであれば、その言葉を信じるほかあるまい」
「陛下、それではこの者の処分をどうなさるのですか?」
「……ユスティアとシャーロットを呼べ」
「はっ!お呼びして参ります」
陛下が命令した兵士が、謁見の間から出て行く。二人を呼んで、何の話をするのだろう。
『ふむ……ここは少々手狭だな』
(ここで手狭ならどの家も手狭よ)
口には出さず、心の中で呟く。確かにアグニスの巨躯のせいで圧迫感が凄い。
『どれ、少し姿を変えよう』
何でも無いように呟いたアグニスを見上げると、彼の姿は陽炎のように揺らぎ小さく萎んでいった。
『ポンッ』という小気味よい音と少しの煙と共に、小さく、そして可愛らしい生物が現れた。
「……ア、グニス?」
『我以外に誰がいる。我は好きに姿を変えることが出来るのだ』
口調は変わらないが、少々幼くなった彼の声は、ただただ可愛らしい。胸を張っているのだろうが、威厳はなく逆にマスコットのようなゆるふわさがある。ここで可愛いと言えば怒られそうだ。
掌サイズのアグニスはその翼で飛べるのか思うほど小さい翼をパタパタとはためかせ、フェーリエの肩に乗った。
その様子を見ていた周りのヒト達は、突然小さくなった火竜に目を丸くしている。
「陛下、シャーロットが参りました」
「陛下、ユスティアが参りました」
扉が開き、呼ばれた二人が現れた。お手本のような最敬礼を陛下に向け、フェーリエの隣まで歩き進む。
慌てて二人に礼を取ろうとしたフェーリエを、シャーロットが止めた。
「私たちには構いません。今は同罪としてここに居ますから」
「気にしなくて良い」
にこやかに微笑むシャーロットと、ぶっきらぼうだが気を遣ってくれているユスティア。軽く頭を下げて姿勢を元に戻す。
二人ともフェーリエの肩に乗るアグニスを見ているが、陛下の手前気軽に尋ねられないで居るようだ。
「そなた達に同じ罰を命じる」
陛下はアグニスを見たときに見せた好奇心を覆い隠し、支配者然とした威圧感でもってフェーリエ達に命令を下した。
それは罰で有り、決して拒否することは出来ないものだった。捉え方によっては、まだ良い方だと思える罰だったが。
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