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夏の幻影
海水浴1
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海水浴の前夜、僕は夢の中にいた。
これで何度目になるだろうか。
ドラゴンブレスのような重低音のため息。
バッタもんは愚痴をこぼす。
「俺も海に行きたいぜ。女子のナマ水着をこのナマ眼に焼き付けたいぜ」
聴かされる方としては堪ったものじゃない。
もう宥めのバリエーションも尽きたので適当に返す。
「俯瞰的な立場から見れるだろ。そうぼやくな。コーヒーが不味くなる」
リビングのソファーに座る僕は、コーヒーカップに口を着けて香りと味を楽しんだ。
「そうだけどよ、やっぱりナマは違う。クッソーーーッ、俺の声は現実世界の誰にも届かない。ならナマ眼を一字変えて超卑猥な単語に変換して連呼してやろうかな!」
馬鹿な事を言ってるなあと思いながらも無視する。
この話に付き合うと大怪我しそうなので話題を強引に変えた。
「この夏、もう一度みんなと海水浴に行けばいいだろ。多分、僕の人格は明日の海水浴へ行った後に消えて無くなる可能性が高い訳だから」
ふざけた態度だったバッタもんは真剣な眼差しを向けてきた。
「まだ夏休みは始まったばかりだぜ。急がずにゆっくりと人格の統合を勧めればいいじゃねえかよ」
「そうはいかないさ。母さんの心は病んでいるし、恵さんにいつまでも気を遣わせるわけにはいかないし、麗さんは僕に割く時間を練習にあてて欲しい」
「せっかちだなパチモン。もうちょっと気楽に夏休みをエンジョイしたらどうだ。あーあ、俺も夏休みをエンジョイしたい」
バッタもんが再びドラゴンブレスのようなため息を吐いた。
「恵みのビキニが見てえなあ」
何度も同じ愚痴を繰り返すバッタもん。
このままダラダラと会話してはいられない。
僕はバッタもんへ伝えたい事があった。
「消えてからだと挨拶が出来ないかもしれないから今の内に言っておく。短い間だったけど世話になったなバッタもん。お前との生活は悪くはなかった。母さんと亜希を頼んだぞ。僕の代わりに麗さんには謝ってくれ。それと恵さんとは仲良くやれよ。さようならバッタもん」
「そんなに生き急ぐことはねえだろ。でも……今までありがとな。パチもんがいなかったら、こうも早く記憶が戻ることはなかったと思うぜ。ありがとな。さようならパチもん」
「ああ、さようなら」
挨拶を済ませると急に意識が遠退いていった。
目を覚ますと見慣れた天井だった。
体を起こして部屋をぐるりと見渡す。
いつもと変わらない朝と僕の部屋。
いつもの日常がこんなにも愛おしく感じることは今までなかった。
* *
文芸部員だけで行くはずの海水浴は、計画の段階で様々な人に漏れ伝わり、参加人数が増えていった。
そのせいもあってミニバンをレンタルしての海水浴。
僕らを乗せたミニバンは峠のなだらかな下り坂を下っていた。
運転手は白井先生。
レトロなレイバンのサングラスをかけ、派手な赤いアロハシャツにベージュのハーフパンツ姿である。
小物はセカンドバック。
見た目と相まって筋者にしか見えない。
その白井先生に少しだけ不安要素があって、そわそわというか落ち着かない様子で助手席の母さんをチラチラと見ている。
運転の支障を来たさないように集中して欲しいのもだ。
助手席の母さんは白いTシャツと黒系のロングスカート。
シンプルなコーディネートだけど、魅力的に見えるのは母さんのポテンシャルの高さと言えた。
その魅力のせいで隣の運転手は既に魅了されている。
てか集中して前を見て運転しろ。
二列目の後部座席では亜希と鈴村光輝がバチバチとやり合っていた。
亜希は黒のノースリーブに、白を基調とした青い花柄らのガウチョパンツ、可愛いリボンが巻いてある中折りの麦わらハットをかぶっていた。
そんな可愛いコーデをしているのに機嫌が悪いから台無しである。
元凶は隣に座る鈴村のせいであった。
ゆったりとしたピンクのペールトーンのTシャツを着てゆったりとしたベージュのチノパンを履いていた。
鈴村は二列目のシート越しから三列目に座る僕に向かって不満をぶつけた。
「何で至恩が師匠と神山先輩の間に座る? くっつき過ぎだ離れろよ」
「今日くらいは我慢しなさいよ鈴村。お兄さんと恵さんと麗にとっては大切な一日なの。わかる?」
「亜希の言いたい事は理解できるけどよ、至恩を見ているとちょっとイラつくんだよ」
亜希は鈴村の頭へチョップした。
「馴れ馴れしく亜希の名前を呼ばないで」
「いやだってよ、今日は月島が三人もいるんだぜ。名前で呼ばなきゃ分かり難いだろ。それともお母さん、お兄さん、妹さんと呼べばいいのか?」
「それは絶対にやめて。なんか婚約者が挨拶に来た感じだから」
再び亜希は鈴村の頭へチョップした。
「痛い、止めろ亜希。助けてくれ至恩……いや、お兄さん」
鈴村から兄と呼ばれて不愉快だ。
頼る鈴村を無下にした。
「おーい亜希、そのアホを車外へ放り出せ」
「了解」
「待て待て。それは死んじゃうヤツだから。神山先輩助けて下さいよ」
恵さんの反応はない。
憂いのある表情で外の景色をぼんやりと眺めていた。
今日も大人の清楚系コーデだ。
白いブラウスと青いフィッシュテールスカートを着こなしていた。
並んで歩いたら姉弟に見られるかもしれない。
「神山先輩聞いてますか? 僕を助けて下さい」
鈴村は恵さんが返事をするまでしつこく話かけた。
これは流石にうざい。
耐えきれなくなった恵さんは小さな舌打ちをしていから冷たく言った。
「鈴村を車外へ放り出そう。オリンピック候補だから、たぶん大丈夫よ」
恵さんは冷たかった。
鈴村は慌てて麗さんに助けを求める。
「師匠、可愛い弟子に危機が迫ってます。助けて下さい」
麗さんは真顔で腕を組んでいた。
装いはシンプルな白のノースリーブにオリーブ色のハイウエストベイカーパンツを履いたボーイッシュスタイルである。
とても似合っていて綺麗でカッコいいと思った。
麗さんは少し考えてから答えた。
「トレーニングの一貫で車と鈴村をロープで繋いで走らせてみようか。上手く行けば百メートルを五秒台で走れるようになるかも。頑張ろうぜ鈴村」
真剣な眼差しで言っているので、本気なのか冗談なのかがわからない。
案外と素で言ってそうだから怖い。
鈴村は顔色を失った。
流石に弄りすぎたかなと感じた。
可哀想になってきたので助けてやる。
不本意だけど。
「おーい皆、むさ苦しい鈴村の面を見てる場合じゃないぞ。左側に見える青いものは何だと思う?」
皆一斉に左側の車窓の外へ視線を向けた。
いつの間にかに峠道から開けた道へ。
景色は一変していて、車の左側は空と海の青一色になっていた。
亜希は二列目と三列目に座る僕らに目配せをして「せーの」と音頭を取った。
「海だーーーっ!」
僕らのテンションは上がった。
これで何度目になるだろうか。
ドラゴンブレスのような重低音のため息。
バッタもんは愚痴をこぼす。
「俺も海に行きたいぜ。女子のナマ水着をこのナマ眼に焼き付けたいぜ」
聴かされる方としては堪ったものじゃない。
もう宥めのバリエーションも尽きたので適当に返す。
「俯瞰的な立場から見れるだろ。そうぼやくな。コーヒーが不味くなる」
リビングのソファーに座る僕は、コーヒーカップに口を着けて香りと味を楽しんだ。
「そうだけどよ、やっぱりナマは違う。クッソーーーッ、俺の声は現実世界の誰にも届かない。ならナマ眼を一字変えて超卑猥な単語に変換して連呼してやろうかな!」
馬鹿な事を言ってるなあと思いながらも無視する。
この話に付き合うと大怪我しそうなので話題を強引に変えた。
「この夏、もう一度みんなと海水浴に行けばいいだろ。多分、僕の人格は明日の海水浴へ行った後に消えて無くなる可能性が高い訳だから」
ふざけた態度だったバッタもんは真剣な眼差しを向けてきた。
「まだ夏休みは始まったばかりだぜ。急がずにゆっくりと人格の統合を勧めればいいじゃねえかよ」
「そうはいかないさ。母さんの心は病んでいるし、恵さんにいつまでも気を遣わせるわけにはいかないし、麗さんは僕に割く時間を練習にあてて欲しい」
「せっかちだなパチモン。もうちょっと気楽に夏休みをエンジョイしたらどうだ。あーあ、俺も夏休みをエンジョイしたい」
バッタもんが再びドラゴンブレスのようなため息を吐いた。
「恵みのビキニが見てえなあ」
何度も同じ愚痴を繰り返すバッタもん。
このままダラダラと会話してはいられない。
僕はバッタもんへ伝えたい事があった。
「消えてからだと挨拶が出来ないかもしれないから今の内に言っておく。短い間だったけど世話になったなバッタもん。お前との生活は悪くはなかった。母さんと亜希を頼んだぞ。僕の代わりに麗さんには謝ってくれ。それと恵さんとは仲良くやれよ。さようならバッタもん」
「そんなに生き急ぐことはねえだろ。でも……今までありがとな。パチもんがいなかったら、こうも早く記憶が戻ることはなかったと思うぜ。ありがとな。さようならパチもん」
「ああ、さようなら」
挨拶を済ませると急に意識が遠退いていった。
目を覚ますと見慣れた天井だった。
体を起こして部屋をぐるりと見渡す。
いつもと変わらない朝と僕の部屋。
いつもの日常がこんなにも愛おしく感じることは今までなかった。
* *
文芸部員だけで行くはずの海水浴は、計画の段階で様々な人に漏れ伝わり、参加人数が増えていった。
そのせいもあってミニバンをレンタルしての海水浴。
僕らを乗せたミニバンは峠のなだらかな下り坂を下っていた。
運転手は白井先生。
レトロなレイバンのサングラスをかけ、派手な赤いアロハシャツにベージュのハーフパンツ姿である。
小物はセカンドバック。
見た目と相まって筋者にしか見えない。
その白井先生に少しだけ不安要素があって、そわそわというか落ち着かない様子で助手席の母さんをチラチラと見ている。
運転の支障を来たさないように集中して欲しいのもだ。
助手席の母さんは白いTシャツと黒系のロングスカート。
シンプルなコーディネートだけど、魅力的に見えるのは母さんのポテンシャルの高さと言えた。
その魅力のせいで隣の運転手は既に魅了されている。
てか集中して前を見て運転しろ。
二列目の後部座席では亜希と鈴村光輝がバチバチとやり合っていた。
亜希は黒のノースリーブに、白を基調とした青い花柄らのガウチョパンツ、可愛いリボンが巻いてある中折りの麦わらハットをかぶっていた。
そんな可愛いコーデをしているのに機嫌が悪いから台無しである。
元凶は隣に座る鈴村のせいであった。
ゆったりとしたピンクのペールトーンのTシャツを着てゆったりとしたベージュのチノパンを履いていた。
鈴村は二列目のシート越しから三列目に座る僕に向かって不満をぶつけた。
「何で至恩が師匠と神山先輩の間に座る? くっつき過ぎだ離れろよ」
「今日くらいは我慢しなさいよ鈴村。お兄さんと恵さんと麗にとっては大切な一日なの。わかる?」
「亜希の言いたい事は理解できるけどよ、至恩を見ているとちょっとイラつくんだよ」
亜希は鈴村の頭へチョップした。
「馴れ馴れしく亜希の名前を呼ばないで」
「いやだってよ、今日は月島が三人もいるんだぜ。名前で呼ばなきゃ分かり難いだろ。それともお母さん、お兄さん、妹さんと呼べばいいのか?」
「それは絶対にやめて。なんか婚約者が挨拶に来た感じだから」
再び亜希は鈴村の頭へチョップした。
「痛い、止めろ亜希。助けてくれ至恩……いや、お兄さん」
鈴村から兄と呼ばれて不愉快だ。
頼る鈴村を無下にした。
「おーい亜希、そのアホを車外へ放り出せ」
「了解」
「待て待て。それは死んじゃうヤツだから。神山先輩助けて下さいよ」
恵さんの反応はない。
憂いのある表情で外の景色をぼんやりと眺めていた。
今日も大人の清楚系コーデだ。
白いブラウスと青いフィッシュテールスカートを着こなしていた。
並んで歩いたら姉弟に見られるかもしれない。
「神山先輩聞いてますか? 僕を助けて下さい」
鈴村は恵さんが返事をするまでしつこく話かけた。
これは流石にうざい。
耐えきれなくなった恵さんは小さな舌打ちをしていから冷たく言った。
「鈴村を車外へ放り出そう。オリンピック候補だから、たぶん大丈夫よ」
恵さんは冷たかった。
鈴村は慌てて麗さんに助けを求める。
「師匠、可愛い弟子に危機が迫ってます。助けて下さい」
麗さんは真顔で腕を組んでいた。
装いはシンプルな白のノースリーブにオリーブ色のハイウエストベイカーパンツを履いたボーイッシュスタイルである。
とても似合っていて綺麗でカッコいいと思った。
麗さんは少し考えてから答えた。
「トレーニングの一貫で車と鈴村をロープで繋いで走らせてみようか。上手く行けば百メートルを五秒台で走れるようになるかも。頑張ろうぜ鈴村」
真剣な眼差しで言っているので、本気なのか冗談なのかがわからない。
案外と素で言ってそうだから怖い。
鈴村は顔色を失った。
流石に弄りすぎたかなと感じた。
可哀想になってきたので助けてやる。
不本意だけど。
「おーい皆、むさ苦しい鈴村の面を見てる場合じゃないぞ。左側に見える青いものは何だと思う?」
皆一斉に左側の車窓の外へ視線を向けた。
いつの間にかに峠道から開けた道へ。
景色は一変していて、車の左側は空と海の青一色になっていた。
亜希は二列目と三列目に座る僕らに目配せをして「せーの」と音頭を取った。
「海だーーーっ!」
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