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<フリーター帰省編②> ~消えた金貨を探せ~
第五十七話:フリーター、空を飛ぶ
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タナカ商会の倉庫の裏にまわる。
日当たりの悪い倉庫裏は、赤サビまみれのトラックや半壊した物置やらの特大ゴミの集積所。高い塀にも囲まれて、いかにも人が来なさそう。
姐さんヴァスケルは、誰もいないのを確認し、身体をボワっと白光させる。
スーツ姿のOL(注意:白シャツのボタンはふたつ外れている)から、黒い翼を持つ堕天使モードへの変化だ。
「ふうっ、人間界の格好は窮屈だねえ。あたいはこっちの方が全然楽チンだよ!」
布地が少ない、胸元が大きく開いた白いドレス姿でヴァスケルが言う。
褐色のふたつの山は、いまにも服からこぼれ落ちそう。
うーむ、とっても危険。
ヴァスケルが落ち着く姿は、俺にとっては心が乱れてしょうがない格好さ。
「準備はいいかい? あたいにしっかりつかまりな!」
「はい……よろしくお願いします」
背徳的な姿の姐さんヴァスケルに、真正面からおそるおそる抱きつく。
ふおお……柔らかい!
けどダメだ! こんな快楽を覚えたら人間おかしくなる!
ちょっとだけ理性が働いた俺は、思わず腕の力を緩めてしまう。
「なんだい!? そんなんじゃあ、空から落っこっちまうよ!」
ヴァスケルが自らの腕に力を込める。
グイッと押し付けられる豊満な肉体。
俺はふたつの山に挟まれた深い渓谷で身動きが取れなくなる。
到底、自力では脱出できそうにない。
俺、遭難しちゃったのかな?
ええ、そうなんですよ。
ヴァスケルは俺の脳内ひとり言に反応しない。
当たり前だな。はは。
◇◇◇
フィリピンに向かう空の旅は、堕天使モードの龍飛行。
強烈なGを受けて、俺はヴァスケルのグラマラスボディに一層強く密着する。
うひょー!
ここは天国ですかー?
肉体に溺れるってこういうことですかー?
いやいや違うよねーと軽い妄想に耽りながら、天高く昇って行く。
俺たちは高度数百メートルどころか、数千メートル上空まで一気に到達する。
雲は遥か下方に見える。
あまりにも急激に飛び上がったせいで、俺は本当に天国に近づいてしまう。
「パ○ラッシュ。寒いよ、もう疲れたよ……」
「あん!? リューキはなにを言ってんだい? あたいはヴァスケルだよ、パト〇ッシュってのはどこの女だい?」
堕天使モードのヴァスケルが、俺の妄言と会話する。
古の火龍といえども定番ネタには疎いようだ。
「ヴァスケル……耳がキーンとしてるし、息苦しいし、身体が凍りそうだよ」
「おや、リューキは人間界の格好のままだったねえ。一旦降りるから着替えな」
「え、着替えるの?」
「はあ!? いまさらなに言ってんだい! ジーナが用意した旅の衣装があるだろ? あれに着替えれば寒さも息苦しさもマシになるさ」
なんと! ジーナが用意してくれた衣装はそんな性能があったのか!
そういえば神器を研究しているエル姫は、ジーナのマントを褒めていたな。
女騎士エリカも、ジーナの衣装に様々な工夫が凝らされていると言っていた。
むむ、これは失態。
俺は早速着替えることにする。
◇◇◇
堕天使モードのヴァスケルが着陸したのは、箱根あたりの山の中。
角ばった黒岩がゴツゴツとする岩山の頂上だ。
……箱根の山なのに、駅伝ランナーはいないんだね。どこかにいるかもしれないけど、こんな切り立った岩場だからいないのかな? 山登りの神様だって、もう少しなだらかなところで練習しているだろうね。この近くにいるとしたらクライマーか? クライマーってスゴイよね! こんな垂直な崖を登っちゃうなんてさ! 俺なんか……
「リューキ! 早く着替えな!」
ヴァスケルに急かされる。
えろうすんません。
低体温低酸素状態で天国という名の新たな異世界に旅立ちそうになったんで、頭の体操をしていたんですよ。
そう、妄想モードの試運転です。
どうやら俺の頭は大丈夫そうです。
着替えも終わりましたし、そろそろ行きましょうか。
リスタートです。リフライです。
ゆったりサイズの茶色のマントで全身を包んだ俺は、ぷりんぷりんな堕天使モードのヴァスケルにしがみつく。
柔らかいとか、いい匂いとか、考えないようにする。
『煩悩退散!』
心の中で呪文のように唱えると、本当に邪な心が小さくなっていく気がした。
マジか!?
これって賢者モード発動か?
もしかして魔法とかスキルとか使えるのかな?
俺は早速マントを【鑑定】してみた。
名前:ジーナがくれたマント
色 :茶色
サイズ:けっこう大きい
値段:プライスレス
性能:エッチな気持ちがおさまる気がする
違う! これは【鑑定】じゃない。単なる感想だ!
防御+10とか、火耐性【小】とか分かるかと期待したのに。
くっ、残念だ。
俺の心の中で繰り広げられた高揚と落胆に関係なく、堕天使モードの龍飛行が再開される。
高度が上がると寒さは増すが、ちょっとヒンヤリする程度におさまる。
息苦しさもほとんど感じないし、パトラッ〇ュも出てこなかった。
うむ、賢者にはなれなかったが、ジーナの衣装が高性能なのは理解した。
これはまさしくドラゴン・ライダーの必須アイテムだな。
まあ、俺はヴァスケルと抱きあう格好でぶら下がってるだけで、龍に乗っているわけじゃないけどさ。あはは。
ヴァスケルの肩越しに天を仰ぐ。
都会では見られない澄んだ青空に幻想的な印象を受ける。
真昼の白い月はいつもより近く感じる。
手を伸ばせば届きそう。
本気でお月様をつかめると考えたわけではないけど、俺は右手を上に向かって突き出してみた。
キィーーーーイィーーーーン!!
デッカイ物体が真上を通り過ぎて行く。
危ないじゃないか!
いやいや、すっかり忘れていましたよ。
人間界の空には龍はいないけど飛行機は飛んでいましたね。
「はん!? 人間界には生意気な鳥がいるもんだねえ。あたいにビビらずに向かってくるなんてさ! リューキ、あの白い鳥にドラゴン・ブレスをお見舞いしていいかい?」
「いや、見逃してやれ。ヴァスケルの方が強いのは、俺がよーく分かってるから」
「あんたがそう言うなら、やめとくよ」
堕天使モードのヴァスケルは素直に言うことを聞いてくれた。
てか、気に入らないからってポンポン飛行機を落とされてはかなわない。
あとで、よーく言って聞かせないとね。
見ると、眼下に広がるのは陸地から海に変わっていた。
俺は思わず「キレイだなあ!」と、子どものように素朴な感想を述べてしまう。
見渡す限りの大海原。
海上にポツンポツンと散らばる細長い棒は漁船やタンカーか。
海の男たちよ、今日もお仕事ご苦労様です。
「まったく、リューキは呑気だねえ。あたいはあんたのために、風の結界まで張って頑張ってるのにさ!」
「ん? 風の結界ってなんだ?」
「あん!? なんて言えばいいのかねえ。あたいの身体の周りに空気の膜を作って……あー、説明がメンドくさいねえ! つまり、こういうことさ!」
ヴァスケルが手を離す。
唐突にはじまる領主モードの俺飛行。
そう。俺はひとりで大空を舞っていた。
鳥だ! 飛行機だ! いや、俺だ!
違う。そういう話じゃない。
俺は単に落ちているだけだ。
俺の背中に翼は生えてない。
翼がないと飛ぶことはできない。
ねえ、ヴァスケルさん。知っていますよね?
俺には翼はないんですよ!
「あばばばばばばぁああーーー!?」
自分の叫び声が風に持っていかれて聞こえない。
風圧で目も開けられない。
なるほど、風の結界っていうのはそういう意味か!
ヴァスケルの言わんとしたことをなんとなく理解した俺だったが、残された時間は少なかった……
こうして俺は太平洋の藻屑と消えてしまったとさ。
おしまい。
ではない!!
自由落下はバッドエンドを迎えることはなかった。
もちろん、俺を受け止めてくれたのはヴァスケルだ。
「ヴァ、ヴァ、ヴァスケル……俺……死ぬかと……」
ヴァスケルにお姫様抱っこされた俺は涙目になる。
鼻水くらい垂らしていたかもしれない。
けど、情けないとか格好悪いとか考える余裕はなかった。
本能的に感じ取った死の恐怖。
俺は無我夢中でヴァスケルの身体にしがみついてしまった。
「リューキ、ごめんよ! こんなに怖がるとは思わなかったんだよー!」
歯の根が合わない。
震えが止まらない。
錯乱状態の俺は、つい口走ってしまう。
「もう、二度と俺を離さないで!!」
いやいや、どこの乙女のセリフだよ。
滑稽な口説き文句のような言葉にヴァスケルは顔を赤らめてしまう。
両手を頬にあてて、モジモジしながら俺を見つめる。
そう。
ヴァスケルが手を離したせいで、俺はふたたび自由落下をはじめた。
「ヴァスケーーールゥーーー!!」
俺は叫ぶ。
助けを求める声は風に流されてしまう。自分でもよく聞こえない。
うむ、風の結界ってのが大事なのが再確認できた。
いや、やりたくてやったわけじゃないけどさ。
でもまあ、さすがヴァスケルは古龍の末裔だね。
なんでもできる。スバラしいよ。
とりあえずもう一回俺を助けてくれるかな?
ヴァスケルが慌てて飛んでくる。
あっさりと俺に追いつく。
にこやかな顔で俺をお姫様抱っこしてくれる。
考えようによっては、俺が龍に乗ってるってことだ。
けど、これでドラゴン・ライダーを名乗るのは格好悪いとちょっとだけ思った。
日当たりの悪い倉庫裏は、赤サビまみれのトラックや半壊した物置やらの特大ゴミの集積所。高い塀にも囲まれて、いかにも人が来なさそう。
姐さんヴァスケルは、誰もいないのを確認し、身体をボワっと白光させる。
スーツ姿のOL(注意:白シャツのボタンはふたつ外れている)から、黒い翼を持つ堕天使モードへの変化だ。
「ふうっ、人間界の格好は窮屈だねえ。あたいはこっちの方が全然楽チンだよ!」
布地が少ない、胸元が大きく開いた白いドレス姿でヴァスケルが言う。
褐色のふたつの山は、いまにも服からこぼれ落ちそう。
うーむ、とっても危険。
ヴァスケルが落ち着く姿は、俺にとっては心が乱れてしょうがない格好さ。
「準備はいいかい? あたいにしっかりつかまりな!」
「はい……よろしくお願いします」
背徳的な姿の姐さんヴァスケルに、真正面からおそるおそる抱きつく。
ふおお……柔らかい!
けどダメだ! こんな快楽を覚えたら人間おかしくなる!
ちょっとだけ理性が働いた俺は、思わず腕の力を緩めてしまう。
「なんだい!? そんなんじゃあ、空から落っこっちまうよ!」
ヴァスケルが自らの腕に力を込める。
グイッと押し付けられる豊満な肉体。
俺はふたつの山に挟まれた深い渓谷で身動きが取れなくなる。
到底、自力では脱出できそうにない。
俺、遭難しちゃったのかな?
ええ、そうなんですよ。
ヴァスケルは俺の脳内ひとり言に反応しない。
当たり前だな。はは。
◇◇◇
フィリピンに向かう空の旅は、堕天使モードの龍飛行。
強烈なGを受けて、俺はヴァスケルのグラマラスボディに一層強く密着する。
うひょー!
ここは天国ですかー?
肉体に溺れるってこういうことですかー?
いやいや違うよねーと軽い妄想に耽りながら、天高く昇って行く。
俺たちは高度数百メートルどころか、数千メートル上空まで一気に到達する。
雲は遥か下方に見える。
あまりにも急激に飛び上がったせいで、俺は本当に天国に近づいてしまう。
「パ○ラッシュ。寒いよ、もう疲れたよ……」
「あん!? リューキはなにを言ってんだい? あたいはヴァスケルだよ、パト〇ッシュってのはどこの女だい?」
堕天使モードのヴァスケルが、俺の妄言と会話する。
古の火龍といえども定番ネタには疎いようだ。
「ヴァスケル……耳がキーンとしてるし、息苦しいし、身体が凍りそうだよ」
「おや、リューキは人間界の格好のままだったねえ。一旦降りるから着替えな」
「え、着替えるの?」
「はあ!? いまさらなに言ってんだい! ジーナが用意した旅の衣装があるだろ? あれに着替えれば寒さも息苦しさもマシになるさ」
なんと! ジーナが用意してくれた衣装はそんな性能があったのか!
そういえば神器を研究しているエル姫は、ジーナのマントを褒めていたな。
女騎士エリカも、ジーナの衣装に様々な工夫が凝らされていると言っていた。
むむ、これは失態。
俺は早速着替えることにする。
◇◇◇
堕天使モードのヴァスケルが着陸したのは、箱根あたりの山の中。
角ばった黒岩がゴツゴツとする岩山の頂上だ。
……箱根の山なのに、駅伝ランナーはいないんだね。どこかにいるかもしれないけど、こんな切り立った岩場だからいないのかな? 山登りの神様だって、もう少しなだらかなところで練習しているだろうね。この近くにいるとしたらクライマーか? クライマーってスゴイよね! こんな垂直な崖を登っちゃうなんてさ! 俺なんか……
「リューキ! 早く着替えな!」
ヴァスケルに急かされる。
えろうすんません。
低体温低酸素状態で天国という名の新たな異世界に旅立ちそうになったんで、頭の体操をしていたんですよ。
そう、妄想モードの試運転です。
どうやら俺の頭は大丈夫そうです。
着替えも終わりましたし、そろそろ行きましょうか。
リスタートです。リフライです。
ゆったりサイズの茶色のマントで全身を包んだ俺は、ぷりんぷりんな堕天使モードのヴァスケルにしがみつく。
柔らかいとか、いい匂いとか、考えないようにする。
『煩悩退散!』
心の中で呪文のように唱えると、本当に邪な心が小さくなっていく気がした。
マジか!?
これって賢者モード発動か?
もしかして魔法とかスキルとか使えるのかな?
俺は早速マントを【鑑定】してみた。
名前:ジーナがくれたマント
色 :茶色
サイズ:けっこう大きい
値段:プライスレス
性能:エッチな気持ちがおさまる気がする
違う! これは【鑑定】じゃない。単なる感想だ!
防御+10とか、火耐性【小】とか分かるかと期待したのに。
くっ、残念だ。
俺の心の中で繰り広げられた高揚と落胆に関係なく、堕天使モードの龍飛行が再開される。
高度が上がると寒さは増すが、ちょっとヒンヤリする程度におさまる。
息苦しさもほとんど感じないし、パトラッ〇ュも出てこなかった。
うむ、賢者にはなれなかったが、ジーナの衣装が高性能なのは理解した。
これはまさしくドラゴン・ライダーの必須アイテムだな。
まあ、俺はヴァスケルと抱きあう格好でぶら下がってるだけで、龍に乗っているわけじゃないけどさ。あはは。
ヴァスケルの肩越しに天を仰ぐ。
都会では見られない澄んだ青空に幻想的な印象を受ける。
真昼の白い月はいつもより近く感じる。
手を伸ばせば届きそう。
本気でお月様をつかめると考えたわけではないけど、俺は右手を上に向かって突き出してみた。
キィーーーーイィーーーーン!!
デッカイ物体が真上を通り過ぎて行く。
危ないじゃないか!
いやいや、すっかり忘れていましたよ。
人間界の空には龍はいないけど飛行機は飛んでいましたね。
「はん!? 人間界には生意気な鳥がいるもんだねえ。あたいにビビらずに向かってくるなんてさ! リューキ、あの白い鳥にドラゴン・ブレスをお見舞いしていいかい?」
「いや、見逃してやれ。ヴァスケルの方が強いのは、俺がよーく分かってるから」
「あんたがそう言うなら、やめとくよ」
堕天使モードのヴァスケルは素直に言うことを聞いてくれた。
てか、気に入らないからってポンポン飛行機を落とされてはかなわない。
あとで、よーく言って聞かせないとね。
見ると、眼下に広がるのは陸地から海に変わっていた。
俺は思わず「キレイだなあ!」と、子どものように素朴な感想を述べてしまう。
見渡す限りの大海原。
海上にポツンポツンと散らばる細長い棒は漁船やタンカーか。
海の男たちよ、今日もお仕事ご苦労様です。
「まったく、リューキは呑気だねえ。あたいはあんたのために、風の結界まで張って頑張ってるのにさ!」
「ん? 風の結界ってなんだ?」
「あん!? なんて言えばいいのかねえ。あたいの身体の周りに空気の膜を作って……あー、説明がメンドくさいねえ! つまり、こういうことさ!」
ヴァスケルが手を離す。
唐突にはじまる領主モードの俺飛行。
そう。俺はひとりで大空を舞っていた。
鳥だ! 飛行機だ! いや、俺だ!
違う。そういう話じゃない。
俺は単に落ちているだけだ。
俺の背中に翼は生えてない。
翼がないと飛ぶことはできない。
ねえ、ヴァスケルさん。知っていますよね?
俺には翼はないんですよ!
「あばばばばばばぁああーーー!?」
自分の叫び声が風に持っていかれて聞こえない。
風圧で目も開けられない。
なるほど、風の結界っていうのはそういう意味か!
ヴァスケルの言わんとしたことをなんとなく理解した俺だったが、残された時間は少なかった……
こうして俺は太平洋の藻屑と消えてしまったとさ。
おしまい。
ではない!!
自由落下はバッドエンドを迎えることはなかった。
もちろん、俺を受け止めてくれたのはヴァスケルだ。
「ヴァ、ヴァ、ヴァスケル……俺……死ぬかと……」
ヴァスケルにお姫様抱っこされた俺は涙目になる。
鼻水くらい垂らしていたかもしれない。
けど、情けないとか格好悪いとか考える余裕はなかった。
本能的に感じ取った死の恐怖。
俺は無我夢中でヴァスケルの身体にしがみついてしまった。
「リューキ、ごめんよ! こんなに怖がるとは思わなかったんだよー!」
歯の根が合わない。
震えが止まらない。
錯乱状態の俺は、つい口走ってしまう。
「もう、二度と俺を離さないで!!」
いやいや、どこの乙女のセリフだよ。
滑稽な口説き文句のような言葉にヴァスケルは顔を赤らめてしまう。
両手を頬にあてて、モジモジしながら俺を見つめる。
そう。
ヴァスケルが手を離したせいで、俺はふたたび自由落下をはじめた。
「ヴァスケーーールゥーーー!!」
俺は叫ぶ。
助けを求める声は風に流されてしまう。自分でもよく聞こえない。
うむ、風の結界ってのが大事なのが再確認できた。
いや、やりたくてやったわけじゃないけどさ。
でもまあ、さすがヴァスケルは古龍の末裔だね。
なんでもできる。スバラしいよ。
とりあえずもう一回俺を助けてくれるかな?
ヴァスケルが慌てて飛んでくる。
あっさりと俺に追いつく。
にこやかな顔で俺をお姫様抱っこしてくれる。
考えようによっては、俺が龍に乗ってるってことだ。
けど、これでドラゴン・ライダーを名乗るのは格好悪いとちょっとだけ思った。
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