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2 桃音の場合
10 桃音ちゃん見てるぅー?俺も見てるぅー
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「やぁん!! ああっやだぁっやだぁっ!!」
今までとは桁が違う声と共に、激しい水音が聞こえる。
必死に指を突き立てているんだろう。
夢ってこんなに短いんだな……。夢の中じゃ結構な時間が経っていると思うのに。
「まだっああんっイきたいのぉっイかせてぇ! もっとぉ!! ああっこれっ!!」
ガタンっと言う音で一瞬水音が止み、すぐに再開された。
「あはぁっんっイくっイイっイイっ」
ペン見つけたかな? 良かったね。イケないのってホントにツライもんね。わかるわかるー。
「あああああーーー!!!」
プシャッ、シャー……と潮を噴いたらしき音と叫び声が被った。おしっこだったらご愁傷さま。というか、保健室の近くに誰もいないでしょうね? これ聞かれてたら、私がここから出るとこは絶対に見られたくない。
よし、あとは……。
河野の呼吸が静かになるまで見計らい、そうっとベッドを抜け出る。
抜き足でドアに向かい、途中で派手に転んでやった。
河野のベッドがギシッと大きな音をたて、息を飲む声が聞こえた。
「ごっごめん! 桃音も気分悪くて休んでて!
なっ! 何も聞いてないから! お大事に河野さん!!」
バタバタと足音を響かせて保健室を出た。もちろん出る時はしっかり外を確認した。私があの叫び声を上げたと思われちゃたまんないもん。
河野には名前もしっかり言ってやったし、これで今後は静かになるだろう。
びしょ濡れであろうシーツを、河野がどうするかは知らない。
もし河野がバックレても、私のせいにはならないよう、わざわざトレーニングルームまで行って保健医に帰る旨をしっかり伝えたし、制服濡れてないアピールもばっちりした。
わざとプリーツ崩しておいて、目の前で恥ずかしそうに直したりとか。
「センセ、これで大丈夫ですかぁ?」
とかお尻ちょっとツンとさせて聞いちゃったり。おま、そこトレーニングルーム! 一面鏡張りなんだから自分で見ればいーでしょーがっ。
あああっ! 自分でしといてあざといっ、さすが特大猫かぶりの桃音ちゃんだよ! もーマジこのキャラ黒歴史……。
そこまで色々小細工した私だけど、もちろん「河野さん苦しそうだったんですぅ、桃音心配~」とか言ってないよ、さすがにね。何も聞いてないって彼女に約束もしたしね。そこは守るよ。
私は誰も居ない教室に戻ってバッグを取り、マンションに帰った。
そして部屋に入り制服も脱がないうちに、早速さっき見つけたスレを開く。
『芸能人って外されてんのかと思ってたけど来たなぁ』
『桃音ちゃんエッッッッッッッ』
『第一号は桃音ちゃんかー最高ー!すり切れるまでヌくぜー!』
『消えないうちにリアソ買っとこーっと』
『消えたってまた戻ってくるだろ、むしろ消えないんじゃね』
『桃音ちゃん超抜けるー変態すぎやべー!』
『今までで消えて戻ってこなかったやつっているの?』
『いないんじゃね?俺なら無理』
『ブサメンはお呼びじゃないんで』
『アホか夢の中じゃイケメンよ!』
『マ?想像力パネェな』
『騙されんな自分の顔は見れねぇ』
『ミラールームフェチという可能性も微レ存』
『リアソされるにはブサメンでも最低限のレベルは必要だから安心しろ』
『マジ鬼だなお前ら』
『おいお前らブサメンより今は桃音ちゃんだっつの』
『そうだった桃音ちゃんかわいーよーぺろぺろ』
『次も期待!おなしゃす桃音様!』
『いえーい桃音ちゃん見てるぅー?俺も見てるぅー』
『ぅキモ』
『キモさをよく表してるな』
・
・
・
・
・
何? これ? どういうこと?
本人だって前提でしゃべってない?
消えるって何?
もしかして盗撮って周知の事実なの――?
私は目に痛みを覚えるまで、掲示板を貪り読んだ。
今までとは桁が違う声と共に、激しい水音が聞こえる。
必死に指を突き立てているんだろう。
夢ってこんなに短いんだな……。夢の中じゃ結構な時間が経っていると思うのに。
「まだっああんっイきたいのぉっイかせてぇ! もっとぉ!! ああっこれっ!!」
ガタンっと言う音で一瞬水音が止み、すぐに再開された。
「あはぁっんっイくっイイっイイっ」
ペン見つけたかな? 良かったね。イケないのってホントにツライもんね。わかるわかるー。
「あああああーーー!!!」
プシャッ、シャー……と潮を噴いたらしき音と叫び声が被った。おしっこだったらご愁傷さま。というか、保健室の近くに誰もいないでしょうね? これ聞かれてたら、私がここから出るとこは絶対に見られたくない。
よし、あとは……。
河野の呼吸が静かになるまで見計らい、そうっとベッドを抜け出る。
抜き足でドアに向かい、途中で派手に転んでやった。
河野のベッドがギシッと大きな音をたて、息を飲む声が聞こえた。
「ごっごめん! 桃音も気分悪くて休んでて!
なっ! 何も聞いてないから! お大事に河野さん!!」
バタバタと足音を響かせて保健室を出た。もちろん出る時はしっかり外を確認した。私があの叫び声を上げたと思われちゃたまんないもん。
河野には名前もしっかり言ってやったし、これで今後は静かになるだろう。
びしょ濡れであろうシーツを、河野がどうするかは知らない。
もし河野がバックレても、私のせいにはならないよう、わざわざトレーニングルームまで行って保健医に帰る旨をしっかり伝えたし、制服濡れてないアピールもばっちりした。
わざとプリーツ崩しておいて、目の前で恥ずかしそうに直したりとか。
「センセ、これで大丈夫ですかぁ?」
とかお尻ちょっとツンとさせて聞いちゃったり。おま、そこトレーニングルーム! 一面鏡張りなんだから自分で見ればいーでしょーがっ。
あああっ! 自分でしといてあざといっ、さすが特大猫かぶりの桃音ちゃんだよ! もーマジこのキャラ黒歴史……。
そこまで色々小細工した私だけど、もちろん「河野さん苦しそうだったんですぅ、桃音心配~」とか言ってないよ、さすがにね。何も聞いてないって彼女に約束もしたしね。そこは守るよ。
私は誰も居ない教室に戻ってバッグを取り、マンションに帰った。
そして部屋に入り制服も脱がないうちに、早速さっき見つけたスレを開く。
『芸能人って外されてんのかと思ってたけど来たなぁ』
『桃音ちゃんエッッッッッッッ』
『第一号は桃音ちゃんかー最高ー!すり切れるまでヌくぜー!』
『消えないうちにリアソ買っとこーっと』
『消えたってまた戻ってくるだろ、むしろ消えないんじゃね』
『桃音ちゃん超抜けるー変態すぎやべー!』
『今までで消えて戻ってこなかったやつっているの?』
『いないんじゃね?俺なら無理』
『ブサメンはお呼びじゃないんで』
『アホか夢の中じゃイケメンよ!』
『マ?想像力パネェな』
『騙されんな自分の顔は見れねぇ』
『ミラールームフェチという可能性も微レ存』
『リアソされるにはブサメンでも最低限のレベルは必要だから安心しろ』
『マジ鬼だなお前ら』
『おいお前らブサメンより今は桃音ちゃんだっつの』
『そうだった桃音ちゃんかわいーよーぺろぺろ』
『次も期待!おなしゃす桃音様!』
『いえーい桃音ちゃん見てるぅー?俺も見てるぅー』
『ぅキモ』
『キモさをよく表してるな』
・
・
・
・
・
何? これ? どういうこと?
本人だって前提でしゃべってない?
消えるって何?
もしかして盗撮って周知の事実なの――?
私は目に痛みを覚えるまで、掲示板を貪り読んだ。
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