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第9話 再会の森、揺れる心
しおりを挟む森の空気が、いつもと違う匂いを連れてきた。
湿った土と葉の香りに混ざって、硬い金属の匂い。
油と革と、焚き火の煙の残り香。
「……人間だ」
ピクシアが、ぴくりと羽根を震わせた。
エリシアは、境界の薄い石碑のそばで、背筋に冷たいものが走るのを感じる。
「こっちに、来てますか?」
「うん。わりとガチな人数」
ピクシアは、森の上空へひょいと飛び上がり、すぐ戻ってきた。
「騎士団っぽいのが十数人。
鎧カチャカチャいわせながら、“公爵令嬢の捜索だ”ってドヤってる」
「……やっぱり」
エリシアは、胸の中で小さくため息をついた。
噂が広がっていることは分かっていた。
精霊王が人間の娘に求婚した、という話。
“境界に触れた娘”がいる、という話。
そこに「かつてこの家にいた娘」という情報が重なれば――
アルディネス公爵家が動くのは、時間の問題だった。
(でも……こんなに早く)
心の準備なんて、まるでできていない。
「ルシアン」
エリシアは、そっと視線を上げた。
少し離れたところで、深い木の影にもたれかかるように立っていたルシアンが、こちらを見ている。
森の光が彼の髪に淡く反射して、銀と黒のグラデーションが揺れる。
「来たか」
のんびりした言い方なのに、瞳の奥には鋭い光が宿っていた。
「君の家の――いや、“君を捨てた家の”使者たちだな」
「……言い方が鋭いです」
「事実だからな」
さらっと返されて、何も言えない。
ルシアンは片手を軽く掲げた。
その動きに、森の空気がピンと張り詰める。
「私の加護は、すでにこの森の一帯に及んでいる。
だが、より強く――“視線を滑らせる結界”を張っておこう」
彼の指先から、透明な波紋のようなものが広がっていった。
目にはほとんど見えない。
けれど、エリシアの肌にははっきりと感じられる。
空気の層が、一枚増えたみたいな圧力。
周囲の気配が、少し遠ざかっていくような感覚。
「これで、普通の人間には君は見えない。
君の気配も、声も、“意識”から滑り落ちる」
「……そんなことまでできるんですね」
「境界を見ている王だからな。
ほんの少し、視線の焦点をずらしてやるだけだ」
言いながら、ルシアンはふと視線を森の奥へ向けた。
「ただ――」
その目が、わずかに細くなる。
「ひとり、引っかかる気配がいる」
「引っかかる……?」
「君の“色”を知っている人間だ」
胸が、どくん、と跳ねた。
ピクシアが、眉をひそめる。
「幼馴染、ってやつ?」
「え?」
「ひとりだけ、他の騎士たちと違う色してる。
後悔と未練と、“でも仕事だから”って自分に言い聞かせてる色」
ピクシアの視線が、森の奥の一点を射抜く。
やがて――鎧の音と足音が、近くまで迫ってきた。
◆ ◆ ◆
「この辺りだ。気配が……揺れている」
低い声が森に響いた。
木々の間から、何人もの騎士が姿を現す。
銀の鎧に、公爵家の紋章。
その中でも、ひとりだけ肩章の模様が違う男が、先頭に立っていた。
栗色の髪。
日に焼けた肌。
真面目そうな灰色の瞳。
エリシアは、その姿を見た瞬間、息を呑んだ。
「……ライナス」
名前が、自然に口からこぼれた。
幼馴染。
使用人の家の息子として屋敷に出入りしていて、いつも庭で剣の練習をしていた少年。
エリシアが魔力の訓練に挫折して落ち込んでいたとき、こっそりお菓子を差し入れてくれたこともある。
あの日までは。
婚約破棄の夜。
社交界の真ん中で公開処刑されたとき。
彼は、少し離れた場所で、何も言わずに立っていた。
視線が交わりそうになった瞬間、彼は――目を逸らした。
(……あれから、話してない)
ライナスは、周囲をしっかりと警戒しながら、森の空気を読むように深く息を吸った。
「この先は、魔物の出現率も高い。気を引き締めろ」
「ですが、ターゲットは“元公爵令嬢”ですよ?」
後ろの若い騎士が、わずかに軽口を叩く。
「森に置き去りにされたくらいですし、もうどこかで倒れてるんじゃ――」
「黙れ」
ライナスの声が、鋭く空気を裂いた。
彼の横顔は、怒りとも悲しみともつかない、複雑な影を落としている。
「……任務は、“生死を問わずエリシア様の所在を確認すること”だ」
エリシアの胸の奥が、きゅっと縮む。
(“様”って……)
言い方ひとつに、微妙な距離がある。
騎士としての敬意。
それ以上でも、それ以下でもない響き。
それでも、完全に馬鹿にしているわけでもないことが伝わってきて、余計に苦しい。
「ライナス」
結界の内側で、小さく呟いてしまった。
当然、彼にその声は届かない――はずだった。
◆ ◆ ◆
「……っ」
ピクシアの羽根が、細かく震えた。
森に散らばっているのは、さっきからずっと嫌な気配だ。
“見つければ価値がある”
“精霊王の花嫁なら、利用できる”
“公爵家の立場を守らなければ”
そんな打算と欲望の色が、騎士たちの周りを薄く覆っている。
その中心にいるライナスの色だけは違う。
けれど、それでも“人間の世界の論理”から抜け出せていない迷いが浮き出ている。
ピクシアの胸が、きゅっと軋んだ。
(やだ……)
昔の記憶が、引きずり出される。
白い塔。
鉄の檻。
人間たちの笑い声。
『少しくらいなら、大丈夫だろう?』
『精霊なんて、感情の塊みたいなものだ』
『壊れたら、また捕まえればいい』
その言葉の中には、“迷い”さえ優しさに見えた人間もいた。
『ごめん……でも、命令なんだ』
そう言いながら、檻の鍵を閉めた手。
(“ごめん”って言えば、何でも許されると思ってる)
喉の奥に、熱い怒りと冷たい恐怖が同時に込み上げてくる。
ピクシアの周りに、光の粒がざわざわと集まった。
「ピクシア」
エリシアが、小さく呼びかける。
でも、遅かった。
ちいさな妖精から、感情の爆発がこぼれ落ちる。
「――っ!」
ぱちん。
空気が弾ける音。
次の瞬間、結界の内側から外へ向かって、細い光の筋がひゅっと漏れた。
光自体は弱い。
普通の人間には、ただの木漏れ日にしか見えない程度。
――普通なら。
「……今のは」
ライナスが、ぴたりと足を止めた。
周囲の騎士たちがきょろきょろと辺りを見回す。
「どうしました?」
「なにか……光が」
「木漏れ日じゃないですか?」
「違う。今のは――」
ライナスは、そっと目を閉じた。
息を吸う。
森の匂いを嗅ぐ。
空気の揺らぎを、細かく拾っていく。
胸の奥を、ごく微かにかすめていく感覚。
懐かしい香り。
優しくて臆病な色。
(これ……)
脳裏に、少女の笑顔が浮かぶ。
ドレスの裾を踏んで転んで、泣きそうになりながらも笑っていた令嬢。
魔力の訓練がうまくいかなくて、庭のベンチでこっそりため息をついていた姿。
『ライナス。剣、今日も頑張ってたね』
いつだって、自分のことより他人を褒める言葉から始める少女。
「……エリシア、様?」
思わず、名前が零れた。
騎士たちが、ぎょっとしたように彼を見る。
「どういう意味です? 見つかったのですか?」
「いや……今のは……」
ライナスは、自分でも信じられない、という顔をしている。
「ここに……エリシア様が?」
後悔と未練が、声に滲んでいた。
あの夜。
社交界の真ん中で婚約破棄が宣言されたとき。
エリシアがこちらを見た瞬間。
――目を逸らした。
あれが、いまだに喉に刺さっている。
(声をかけるべきだった。
あのとき、ひとりくらい“エリシア様は悪くありません”と言うべきだった)
ただの騎士見習いに過ぎない自分が、公爵家や王太子に逆らえるはずがない。
そう自分に言い聞かせた。
それでも、彼女のあの目を思い出すたびに、胸に黒いものが広がる。
「……ライナス」
同じ名前を、エリシアが結界の内側で呟いていた。
手は震えている。
でも、目をそらせない。
ルシアンが、彼女と騎士団を交互に見た。
「君が、分かるか」
「え?」
「あの騎士が、今ここにいるのは、“自分のため”か“君のため”か」
ルシアンの問いに、エリシアは息を詰めた。
ライナスの肩に乗っている色は、複雑だ。
任務としての義務。
罪悪感。
“もしまだ生きているなら”という祈り。
それと同じくらい、“仕事だから仕方がない”と自分を守る言い訳。
「……半分、わたしのためで」
エリシアは、正直に言葉にする。
「半分、自分のため、です」
“探した”という事実があれば、自分の心が軽くなるから。
見つけられなかったとしても、“努力はした”という言い訳が持てるから。
そんな計算が、色の端に滲んでいる。
「エリシア」
ルシアンの声は、責めるものではなかった。
「どうする?」
たったひとこと。
結界の外へ出るか。
出ないか。
昔の幼馴染に会いに行くか。
このまま、通り過ぎさせるか。
「姿を見せることもできる。
結界を解けば、彼はこちらを見るだろう」
ルシアンは淡々と言う。
「それとも、このまま“いない”ことにするか」
胸の奥が、ぎゅうっと絞られる。
会いたくない。
けど、会いたい。
謝ってほしい。
でも、謝る顔を見たくない。
矛盾した感情がせめぎ合って、呼吸が乱れる。
ピクシアが、肩の上で小さく囁いた。
「無理に決めなくていいよ」
「でも……」
「“会ってよかった”って思える準備ができてないなら、今会っても、たぶんまた傷増えるだけ」
その言葉が、胸に痛いほど突き刺さる。
(そうだ。今のわたし、まだ)
“変わってくれるかもしれない”と、どこかで期待している。
ライナスが、あの日のことを謝ってくれるかもしれない。
父や母が、後悔してくれているかもしれない。
ラティナが、「ごめんなさい」と泣いて抱きしめてくれるかもしれない。
そんな、甘すぎる幻想を、まだ捨てきれていない。
「……今のわたしを」
エリシアは、ぎゅっと拳を握った。
「まだ“言い訳にまみれた彼ら”に、見せたくないです」
言った瞬間、胸の奥で何かがきしんだ。
幼馴染に向けて――家族に向けてではなく、“彼ら”と呼んだ。
自分でも、距離を取ろうとしているのが分かる。
「今会ったら、きっとわたし、期待してしまいます」
震える声のまま続ける。
「“ちゃんと謝ってくれるかも”って。
“変わってくれてるかも”って」
その期待が、裏切られたら。
今度こそ、本当に心が折れてしまう気がした。
「だから……今は、嫌です」
弱い言い方だった。
でも、それが精一杯の“拒絶”だった。
ルシアンは、彼女の言葉をしばらく黙って受け止めていた。
やがて、静かに頷く。
「分かった」
彼は片手を再び掲げる。
結界の膜が、きゅっと厚みを増した。
「君が望む瞬間まで、私は君を隠そう」
その言葉には、約束の重さがあった。
「いつか、君が“見せたい”と思ったとき。
そのときに、私は結界を解く」
エリシアは、小さく「ありがとうございます」と呟いた。
外の世界では、ライナスがゆっくりと剣の柄に手を置いていた。
「……気のせい、か」
自分に言い聞かせるように笑う。
「ライナス?」
「いや……少し疲れているだけだろう」
笑いながらも、その笑みは痛々しい。
「行こう。
この先も捜索を続ける」
騎士たちは、森の奥へと歩き出した。
結界の内側から見るその背中は、驚くほど“遠かった”。
◆ ◆ ◆
その夜。
森に、静かな闇が降りる。
焚き火も灯さない小さな空間で、エリシアは膝を抱えて座っていた。
ピクシアが、彼女の肩にちょこんと腰掛けている。
「さっきから、ずっと黙ってる」
ピクシアが、ぽつりと言う。
「考えたいので……」
「考えた?」
エリシアは、しばらく口をつぐんでいた。
やがて、ぽつりと呟く。
「わたし、ずっと……」
声が震える。
「“変わってくれるかもしれない”って、期待してました」
ライナスの顔。
父の横顔。
母の微笑み。
ラティナの涙。
「追放するときも。
婚約破棄されたときも。
――門が閉まったあとも」
吐く息が白く揺れる。
「“本当は、わたしのこと大事に思ってた”って……どこかで信じたかったんです」
自分でも、あまりにも幼稚だと思う。
「わたしを捨てたのは、仕方なかったからで。
家のためで。
誰かを守るためで」
そういう“理由”を、自分のほうから必死に探していた。
「今日、ライナスを見て……分かりました」
胸の奥が、痛みでいっぱいになる。
「彼はきっと、悪い人じゃないです。
わたしのことも、どこかで心配してくれてた」
それは、色として見えた。
「でも――“謝らない理由”を、ずっと自分の中で育ててきたんだって」
身分。
立場。
職務。
責任。
それらを盾にすれば、“何もしなかった自分”を守れるから。
「それを責める権利が、わたしにあるのかも分からないけど……」
涙が頬を伝う。
「それでも、悲しかったです」
やっと言葉にできた。
心の底に溜まっていた泥水みたいな感情が、少しずつ外へ流れ出していく。
「家族も、きっと同じなんだと思います」
エリシアは、夜空を見上げた。
「“仕方なかった”って言葉で、自分を守ってる」
魔力がなかったから。
家のためだから。
王太子のためだから。
「でも、誰も“ごめんなさい”って言わないんです」
ぽろぽろと、涙が落ちる。
「わたしも、“ごめんなさい”って言ってほしいって、ずっと言えなかった」
そんなことを望む自分が、図々しい気がして。
“無能な自分が悪いんだ”って、逆に自分を責め続けて。
「……疲れました」
そこまで言ったところで、ぷつんと何かが切れた。
あとはもう、言葉にならなかった。
嗚咽が、勝手に喉の奥からこぼれる。
肩が震える。
鼻が詰まる。
きれいな泣き方なんて、全然できない。
顔はぐちゃぐちゃで、息も苦しい。
それでも、止まらない。
ピクシアは、その間ずっと何も言わなかった。
ただ、そっとエリシアの髪に手を置いていた。
人間の指とは違う、小さな、でも確かな手。
頭を撫でるというより、“ここにいるよ”と合図するみたいに、ぽん、ぽん、と軽く触れる。
エリシアは、その感覚に縋りつきながら、ひたすら泣いた。
雨の夜も泣いた。
婚約破棄のあとも泣いた。
でも、あのときの涙はどこか“見られたくない”と閉じ込めていた。
今は違う。
ピクシアがいる。
ルシアンも、少し離れたところで静かに目を閉じている。
誰かが“見ていてくれる”場所で、初めて、子どもみたいに泣いた。
どれくらい時間が経っただろう。
涙がようやく落ち着いてきた頃、ピクシアがぽつりと呟いた。
「……人間ってさ」
声は小さくて、優しかった。
「家族に“捨てられた”って分かってても、簡単に“家族じゃなかった”って切り捨てられないんだよね」
「……うん」
エリシアは、鼻をすすりながら頷く。
「それって、めんどくさいし、痛いし、たぶん損しかないんだけど」
ピクシアは、夜空の星を見上げた。
「そうやって“それでも家族だった”って思える人間、あたしは嫌いじゃない」
エリシアの胸が、じん、と熱くなる。
「ねえ、エリシア」
ピクシアが、そっと顔の近くまで降りてきた。
一瞬、何かを迷うように口をつぐんで――
それから、決心したみたいに言った。
「……あたしが家族になるよ」
「……え?」
間抜けな声が、また漏れる。
「だから、そんな顔しない」
ピクシアは、少しだけ頬を膨らませた。
「“家族に捨てられた”って、自分で自分を刺すみたいに何度も言わない。
これからは、“前の家族に捨てられたけど、新しい家族がいる”って言い方にして」
「……新しい、家族」
「そう。
世界のどこよりうるさくて、口が悪くて、でも境界のことは誰より分かってる、妖精家族」
あまりにも唐突で、エリシアは泣き笑いみたいな声を出した。
「家族なのに、そんな自己紹介なんですか……」
「うるさい。照れてんの、察して」
ピクシアは、ぷいっと横を向いた。
でも、その頬はうっすらと赤い。
「……嬉しいです」
エリシアは、素直に言った。
「ちゃんと神経図太くなってきたね、エリシア」
「褒めてるんですか、それ」
「七割くらいはね」
ちいさな笑いが、夜の森に溶ける。
少し離れた木陰で、ルシアンが静かに目を開けた。
結界越しにも聞こえる、少女の泣き声と、妖精の小さな声。
それらは、境界の膜を柔らかく震わせていた。
(泣き方を、少し覚えたな)
王は、誰にも聞こえない心の中で呟く。
感情を抑え込んだ涙は、境界を鋭く傷つける。
でも、自分の弱さを認めながら流す涙は、ひびをゆっくりと洗い流す。
エリシアの感情の色は、さっきより少しだけ透明度を取り戻していた。
◆ ◆ ◆
――その夜の明け方。
遠く、別の場所から、境界の悲鳴が響いた。
ルシアンは、はっきりとそれを感じて顔を上げる。
胸の奥で、何かがひび割れる音。
「……大規模な亀裂」
彼は目を細めた。
遠方の山脈に近い地域。
そこに築かれていた古い結界が、一気に崩壊した。
人間界では、突然起こった地割れと黒い霧が人々を襲い、
精霊界側では、闇の深層に封じていた存在が、少しだけ顔を覗かせる。
境界の揺らぎは、もはや局所的な異常ではなくなりつつあった。
「……急がねばならんな」
ルシアンは、眠りについたばかりのエリシアとピクシアの姿を一度だけ見て――
静かに、境界の向こうへと意識を飛ばした。
捨てられた令嬢の涙と、妖精の「家族になる」という言葉。
その小さな一歩が、どこまで世界を支えられるのか。
世界の揺らぎは、確実に次の段階へ進み始めていた。
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