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第6話:旅立ちの約束
しおりを挟む朝の光は、城の割れ目に柔らかく差し込み、埃の粒を金の粉みたいに舞い上がらせていた。
魔導炉は低く喉を鳴らし、壁の刻印は睡りから醒めた鳥の目のように瞬いている。
私は荷を点検しながら、胸の奥で小さな太鼓を叩いていた。――行く。外へ。ノアと一緒に。
「水、二本。干し肉、四束。黒パン、三つ。縫い針、糸……」
指先で確かめ、声で数え、記憶に縫い付ける。王宮で覚えた“正しい荷造り”は、豪奢で役に立たなかったけれど、ここで覚えた“生きるための段取り”は、石の床に吸いつくように手に馴染んだ。
「お前、昨夜ほとんど眠っていないな」
ノアが背後から言う。
黒い鎧の肩に朝の光が薄くかかり、影が床に長く伸びた。
私は振り返り、肩を竦める。
「眠ってたよ。浅瀬で浮いてるくらいには」
「沈むよりはいい」
「うん。でも、今日は沈まない。沈んだら、引き上げてね」
「引き上げる」
即答。
言葉が短剣みたいにまっすぐで、鞘に戻る気配もない。
私は笑い、それから真面目に頷いた。
「ノア。わたし、決めたの。――この世界の真実を、見に行きたい。エルディアがどういう約束でできているのか、わたしがどこから落ちてきたのか、そしてあなたが“昔から迷子を拾う役目だ”って言った意味を、知りたい」
ノアは視線をわずかに斜めに流し、城の天井の穴から見える空の色を確かめる。
彼の沈黙は否定ではない。測量だ。言葉と決意の重さを量り、橋を渡れるかどうか検分している。
「危険だ」
「知ってる。迷子を食べる森も、嘘を吐く街も、祈りを燃料にする教団も、どこかにあるでしょう?」
「全部ある」
「だよね」
「それでも行くか」
「行く」
「理由は」
「ここが――家だって分かったから。家があるなら、帰るために出かけられる」
ノアの瞳が、ほんの少しだけやわらいだ。
彼は近づき、私の肩を一度叩く。金属越しの軽い打音。
「帰るまでが旅だ」
「学者みたいなこと言う」
「学ぶ者は道にいる」
胸の太鼓が、勢いを増した。怖さは消えない。けれど、怖さには手綱がついた。私はその手綱を握り、息の節をひとつ分数える。
「出よう」
*
城門と呼ぶには頼りない石のアーチを抜けると、朝の風が真正面から頬を撫でた。
森の匂いは夜より薄い。土は柔らかく、露は碧い。遠くで鳥が一羽、準備運動みたいに短く鳴いた。
そこで彼は、それを呼んだ。
「来い、ヴァル」
地面のルーンが淡く光り、影の縁から“馬”が現れた。
馬と言っても、骨格は細く、鬣は風でできているみたいに透け、蹄が踏むたびに地面の圧が歌う。
毛並みは夜の色。首筋に沿って、古い文字が微光を散らした。
「……これが、魔導馬」
「ヴァルサリア。短くヴァル。戦場で息が合う相棒だ」
ヴァルは鼻先を寄せ、私の手の甲の匂いを嗅いだ。吐息がひんやりして、少し甘い。
私はそっとその額に触れる。熱は穏やかで、規則正しい脈が指先に伝わる。生きている。魔法も、生き物だ。
「乗れるか」
「乗れなかったら、乗る練習する」
「落ちたら、拾う」
「拾うの、得意だもんね」
鞍は、騎士用と旅人用の中間。私は裾を結わえ、帯を締め直し、片足を鐙にかけた。
ノアが腰を支え、ぐっと持ち上げる。
世界が半歩、高くなる。景色の語彙が増える。
風の筋が見える。地面の起伏が賢くなる。
そして何より――背後から彼が乗ると、背中に、確かな温度があった。
「落ちるな」
「落ちない……たぶん」
「たぶんをやめろ」
「努力する」
ノアの腕が、私の腰の前で簡潔に回る。支えるためだけの距離。余計な温度のない、必要十分の近さ。
それでも、布越しに伝わる呼吸のリズムは、私の胸を穏やかにくすぐった。
「行くぞ」
蹄が、地面の節を打つ。
ヴァルは滑るように走りだした。
風が頬を切るのではなく、頬を洗う。森の匂い、湿った葉、苔、遠い水場。
背中に、ノアの重さ。体重は軽く、支えは重い。
私は肩越しに空を見上げ、星の針が一本だけ昼に残っているのを見つけた。
「ねえ、ノア。旅って、どこからが旅?」
「帰る場所を背にした時から」
「じゃあ、もう、旅だね」
「ああ」
ヴァルの首筋のルーンが、刻むように明滅する。
ノアの手は、手綱より先に風を読んでいた。
右から湿った匂い。左から硬い匂い。前方に、苔を踏みすぎた獣の道。
彼は僅かに脚を入れ、ヴァルは素直に角度を変える。
そのなめらかな意志のやりとりを、私は背中で受け取るだけで嬉しくなった。推しが生きて、いま呼吸と速度で会話しているのを、身体で共有しているのだから。
「怖いか」
「少し。でも、楽しいが勝ってる」
「比率は」
「怖い四、楽しい六」
「適切だ」
「適切って便利な言葉」
「旅では便利な言葉を持つといい。『適切』『後で』『いずれ』『引き返す』」
「最後が重要そう」
「重要だ」
街道に出ると、視界が開けた。
地平線は淡く、空を支える竪琴の弦みたいに緊張している。
ところどころに立つ道標は、苔と風と、旅人の手で磨かれ、同じ言葉を何度も言い直しているような顔をしていた。
「最初の目標は、どこ?」
「メルヴァ。魔法都市。お前の目で見るべき文字が多い」
「うん……行きたい。図書塔、ぜったいある」
「ある。静かで、埃っぽく、危険だ」
「危険?」
「知ることは危険だ。だが、知らないことはもっと危険だ」
風が少し強くなり、私は無意識に身を低くする。
ノアの腕が支えを強める。力は最小限。けれど、その最小限が、私の重心を戻してくれる。
「ノア」
「ん」
「約束して」
「何を」
「わたしが怖くて動けなくなったら、無理にでも引っ張って。わたしが泣きそうになったら、泣かせて。わたしが笑い忘れたら、あなたが半分笑って」
沈黙が、ほんの呼吸ひとつ分。
「引っ張る。泣かせる。半分笑う」
「ありがとう。――わたしも約束する」
「聞こう」
「あなたが傷ついたら、泣く。守るために泣く。あなたが帰る道を忘れたら、名を呼ぶ。ノア、ノア、って。あなたが笑えない夜は、歌う。息の節を揃える歌」
「……聞いた」
背中が、微かに緩む。
彼の無言の肯定は、手紙の余白に書かれた鉛筆の線に似ている。はっきり読めるわけじゃないのに、確かにそこに意味がある。
道は森から丘へ、丘から緩やかな谷へと続いた。
途中、行商の一団とすれ違う。荷車を引く獣は角が二つ、背に丸い甲羅を持ち、歩調は遅いけれど粘り強い。
男が帽子をあげた。
「良い風だな、騎士さん。お連れの嬢ちゃん、初旅かい」
私は頬を赤くして頷き、ノアは短く「初めてだ」と返す。
「なら、歌を一つ」
男は低く喉を鳴らし、簡単な節を刻んで進んでいった。
旅は、知らない人の歌で少しだけ軽くなる。
昼を少し過ぎた頃、ヴァルの歩みを落とし、小さな川辺で休むことにした。
水は透明で、石は丸く、川底の砂が日向の色をしている。
私は靴を脱ぎ、足首まで浸した。冷たさが足から頭まで駆け上がり、余計な考えが溶けていく。
「気持ちいい」
「長居はするな。水は奪う前に礼を言え」
「水に礼?」
「生き延びる言い訳が増える」
「詩人みたい」
「事実だ」
私は両手で水を掬い、胸の前で小さく頭を下げる。
「ありがとう」
水面がふるりと震え、光が砕ける。
ノアはヴァルの首を撫で、魔導の紋に指を滑らせて、疲労の節を一つ飛ばす。
「ヴァルもありがとう」
ヴァルは鼻を鳴らし、私の肩に軽く額を押し付けてきた。
心臓が“ここにいる”と答える。私は笑う。
昼食は、黒パンと干し肉と、森で摘んだ酸っぱい実。
噛むたび、旅の味がする。歯が仕事をし、顎が未来を噛み砕く。
ノアは食べるリズムを崩さない。私の水筒の蓋が緩んでいるのを無言で締め直す。
――こういうところが、好きだ。口に出さず、胸の内でだけ告白して、私は空を見上げる。
「ねえ、ノア」
「ん」
「“昔から迷子を拾う役目”って、いつから?」
彼は少しだけ考える間を置き、河原の石をひとつ拾って指先で転がした。
「俺が俺になる前から」
「難しい言い方」
「いずれ、話す」
「うん。いずれ、でいい。――わたし、待てる」
待つ約束は、信じる約束だ。
私は石をひとつ拾い、川に投げた。輪が広がり、岸辺の草がそれを数える。
風が変わる。午後の気配。
私たちは再びヴァルに跨り、川を背にした。
*
午後の道は、緩やかな上りだった。
遠くに丘の背骨が連なり、その向こうに街の輪郭――塔の尖りが針のように見える。メルヴァだ。
陽は傾き、影は長く伸び、風は昼に比べて甘い匂いを含む。
「夕暮れ前には、外縁の宿営地に入れる」
「メルヴァの手前に?」
「城壁の外にも人は住む。商い、祈り、そして噂を売る」
「噂も売り物なんだ」
「この世界では特に高い」
しばらく沈黙。
私は背中越しに、ノアの呼吸の節を数える。吸って、止めて、吐く。
それに合わせて、自分の呼吸を整える。
気づくと、胸の太鼓は静まって、かわりに小さな鈴が鳴っていた。――安心の音。旅の途中で少しだけ鳴る、希少な音。
「リシェル」
「なに」
「俺からも一つ、約束」
「うん」
「お前の“帰りたい”と“進みたい”が喧嘩したら、俺に預けろ。片方を押さえ、片方を進める。交互にだ」
「そんな器用なこと、できる?」
「できるまでやる」
「ずるい。そういうところ、好き」
言ってしまってから、頬が熱くなる。
背中の彼が、ほんの少しだけ笑った気配がした。声ではなく、肩甲骨の角度で分かる笑い。
風が、私の耳を撫でる。甘い匂いが強くなる。メルヴァの市場の前触れだ。糖蜜とスパイス、焼いた穀物の匂い。
胸が、きゅっとなった。懐かしいような、初めてのような。
「ノア」
「ん」
「あなたと外へ出て、よかった」
「まだ外だ。これからだ」
「うん。――これからを、あなたと歩く」
ヴァルが最後の丘を越えた。
夕陽が、街の塔を細く縁取る。
外縁の宿営地には、幕が張られ、焚き火が低く燃え、行き交う声が重なって、夜の支度の合唱を始めていた。
私たちはヴァルを降り、馬丁に一夜の世話を頼む。ルーンに触れた手が確かで、ノアが短く頷く。
「宿、取る」
「うん」
小さな宿の木の扉は、擦り傷で経歴が書いてあるみたいだった。
中は暖かく、空気にはスープと麦酒と、誰かの歌の残り香が漂う。
私は一歩、二歩と進み、振り返る。
ノアはいつも通りの顔で、しかし、私の視線に気づくとほんの少しだけ顎を下げた。――大丈夫だ。いる。ここに。
部屋に入ると、窓から西の色が差し込んでいた。
荷を置き、深く息を吸う。
旅の一日目の重さが、肩から少しずつ離れていく。
「ノア」
「なんだ」
「今日の約束、確認するね」
「言え」
「“帰りが遅れても、必ずただいまって言う”。“わたしは必ずおかえりって言う”。“怖くなったら引っ張る。泣きたくなったら泣かせる。笑い忘れたら半分笑う”。“帰りたいと進みたいが喧嘩したら、交互に面倒を見る”。――そして」
私は一歩近づき、手のひらを差し出す。
「“この世界の真実を、一緒に見に行く”。それが、今日の旅立ちの約束」
ノアは迷わず手甲を外し、素手で私の掌に触れた。
硬い。温かい。生きている。
「約束だ」
窓の外で、最初の星が点いた。
風が遠くの布を揺らし、どこかで鈴が鳴る。
私は胸の内側で、朝から鳴り続けた太鼓にそっと布をかけた。――もう、十分だよ。今夜は鈴でいい。
背中の温度を思い出し、風の匂いを思い出し、ヴァルの蹄の節を思い出す。
旅は始まった。
涙と笑顔のあいだで覚えた呼吸で、私はこの世界の真実に触れに行く。
ただ一つ確かなのは、帰る場所の灯りと、隣を歩く影の温度だ。
「おやすみ、ノア」
「眠れ。浅くてもいい。起こす」
「うん。――ただいまの予行練習、してもいい?」
「聞こう」
「ただいま」
「おかえり」
短い台詞が、初めての宿の壁にやわらかく沁みていった。
その響きは、明日も明後日も、そしていつか本当に帰る日のために、私たちの夜に小さな印を残した。
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