泣き虫王女、異世界で推し騎士に拾われて人生チート化しました

タマ マコト

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第11話:黒衣の使者

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朝の輪郭がまだ固まりきらないうちに、メルヴァの空気はひそやかな緊張で湿っていた。
昨夜取り付けた共鳴器はまっすぐ息をしている。街路灯の心拍は整い、噴水は背伸びに成功し、屋台は釜の蓋を持ち上げて湯気の白旗を振る。
けれど、その整った呼吸の背後で、別の呼吸が重なっていた。――観測する側の、乾いた息だ。

「見られてる」

私は呟き、肩のティグが二股の尻尾を折りたたむのを感じた。ふにゃ、と低く鳴いて、宿の屋根から道の影へ視線を誘導する。

そこに、黒。
朝の光を吸い潰すような外套に、袖口きわの銀糸が針の形を縫い取っている。胸元には、涙の雫を斜めに貫く小さな徽章。
――哭星監理会。教団。
昨夜遠巻きに見ていただけの彼らが、今度は距離を詰め、まっすぐにこちらの名を呼んだ。

「リシェル=……いや、記録上は伏せ名だったな。灯りの姫」
口角だけが笑う声は、蜂蜜を冷やしたみたいに硬い。
「王国は歓喜している。水も灯も戻った。だが、同時に恐れる。君は“世界を壊す鍵”だと」

その言葉は噂で聞いていたはずなのに、直に浴びると体の奥で金属音がした。
壊す鍵。私は小さく息を飲み、ノアの袖を指先でつまむ。彼の呼吸が一拍だけ深くなり、すぐに整う。

「鍵は扉があって初めて鍵だよ」
私は返す。声は思ったより出た。
「扉のつくりを知らないのに、鍵だけを叩くのは、ずいぶん安直」

「扉の向こうを見た者ほど、鍵を管理したがる」
男は肩をすくめ、次の言葉で空気の温度を下げた。
「我々は管理する。導の針に触れる権利も、哭星の雫を扱う手順も。――そのために、同行を」
言葉のすべてが「お前ではない誰かのために」と言っている。

「断る」
ノアの声が乾いた地面に短い雨を落とすみたいに落ちた。
彼は一歩、前に出る。その足音に、私の背骨は素直に呼吸の節を合わせる。
が、次の瞬間――空気の底で、きしむ音がした。

低い、金属の擦過音。
教団の男が懐から取り出した小さな円盤に、針と涙のルーンが浮き、その中心で細い赤い光が点滅を始めている。
そのリズムに、ノアの呼吸が――わずかに、同期した。

「ノア……?」

名前を呼んだ声は自分でも分かるくらい軽く揺れた。
彼の視線が硬くなる。灰色の瞳は色を失い、輪郭線だけが際立つ。
鎧の奥で、小さな機構が起動する音。
手首の筋が細く締まり、剣の柄へ指が触れ、抜かれる前に刃の角度と行先が計算されていく、あの、いやな静けさ。

――封印命令。
“危険兆候の中心に位置する要素を排除せよ”。
それは命令であって、感情ではない。
命令は彼の中で、祈りと同じ場所に収納されている。だから強い。だから冷たい。

「危険判定、更新」
彼は呟いた。自分にだけ聞こえる小声で。
「周辺負荷:低。扇動リスク:中。対象保護優先。……対象=カバー。この場での切離――不可。次順位――」

刃が半分、鞘を離れた。
私はそこで、初めて、強く息を吸った。
泣きたい。泣けば楽だ。泣けば世界は少し柔らかくなる。
でも、今は違う。私が泣くのは、守るためだ。
守るべきは――彼だ。

「ノア」
私は前へ出た。彼の横へではなく、真正面へ。刃の道筋に身体を差し込む。
「ただいま」

鋼と声の間に、ほんの小さな間。
ノアの瞳が、縫い目ほどの揺れで軋む。
「おかえり」
かすれた返事。出た。まだ繋がる。
教団の円盤が、今度はリズムを速める。
ノアのこめかみに、青白い符が薄く浮いた。
数式が顔の上に並び、私の輪郭を測る。距離、速度、質量。
――顔が意味を失う、その一歩手前。

「彼女は世界を壊す鍵だ」
男の声が周囲の音を切り裂く。
「鍵は所有されねばならない。失われれば、世界は“ずれる”。許されない“ずれ”が起きる」
私は声のする方を見ない。見たら押し返したくなる。押し返せば、ノアの刃は迷う。迷えば、封印は深く沈む。

「ねえ、鍵の話は、鍵屋さんとしよう」
私は言う。できるだけ平坦に。
「あなた達は鍵屋じゃない。監視屋さん」
男の片唇が上がる。「口が達者だ。だが、足りないのは従順だ」
円盤がさらに明滅する。
ノアの剣が――抜かれた。
空が薄く裂け、光を飲む黒の刃が、私と男の間に線を描く。
ただし、線は地面に落ちた。私の足元、踵と石畳の間、髪の毛一本の距離で停止する。

「最適化、失敗」
彼が初めて、命令に対して否定の語を使った。
灰色の瞳の奥で、何かが押し返されている。
封印の向こうから、誰か――彼自身が拳で扉を叩く音。

私はさらに一歩、近づいた。
剣の縁に髪が触れ、ひやりとした鋼の気持ちが伝わる。
「ノア。危険だと判断した時、あなたはわたしを斬らねばならない。――そう教えられたんでしょ」
答えは要らない。彼の肩の張り具合が返事だ。
「でも、あなたの“教わらなかったこと”の方が、今は大事。教わらなかったこと――自分で選ぶ、ってこと」

「選択は、揺らぎだ」
ノアの声が深いところから滲む。「揺らぎは、守りを弱くする」
「違う。揺らぎは、守りを“人のかたち”にする」
私は左手で彼の剣に触れないように軌道を外しながら、右手を静かに持ち上げ、彼の頬に触れた。
鎧の縁から覗く皮膚は、冷たい空気にさらされて薄い熱を持っている。
その熱は、人間の温度と同じ。改めて、同じ。

「顔を見て。数字の前に、顔を」
「……リシェル」
呼ばれた名前の響きは、刃よりも切れ味があった。
教団の男が苛立ったように舌打ちをし、円盤に別の符を叩き込む。
空気が変わる。
封印は、彼の意志だけでは止められない深度に潜ろうとする。
ノアの瞳に、薄い亀裂のような光。
彼は私を見ている。見ているのに、“意味”が水に溶けかけている。

「ノア、戻ってきて」
私は繰り返す。「ただいま」
「……おかえり」
二音の後ろで、彼の膝がわずかに揺れた。
封印の命令が、彼の筋肉から力を奪い、別の力を流し込む。
剣先が、ほんの僅か、上を向く。
教団の男はそこで満足げに顎を引いた。

「よろしい。では、処置を」
円盤が赤から白へ、点滅の色を変えた。
ノアの全身から、空気の温度が抜ける。
言葉が遠のく。顔が薄くなる。
私の胸の琥珀が、熱を帯びた。
――泣く? 今か? 今、泣けば、封印の回路の一部にノイズを入れられる。
けれど、私はまだ泣かなかった。
涙は最後の鍵。温存する。
代わりに、私は叫ぶでも殴るでもなく、囁く。

「“おかえり”を、言わせて。――わたしに」

たぶん、それは祈りに分類される言葉の、いちばん小さいやつ。
ノアの眉が、紙一枚ぶんだけ動いた。
剣が、わずかに、落ちた。
彼の口元が動く。
「……ただ、い……」

その瞬間、別の黒衣が横合いから投じた黒い針が、ノアの肩の接合部に吸い込まれた。
鈍い音。
針の根元に刻まれた封印符が一斉に光る。
ノアの身体が跳ね、剣が高く鳴る。
今度は本当に、刃が私に向いた。
彼の瞳に、私の顔が“線と面”に戻る。意味のない形として。
封印命令、完全発動。

「ノア!」
自分の声が裂けた。
逃げれば、彼は追う。斬ることで“守る”からだ。
立てば、斬られる。
泣けば――世界が揺れる。
選択肢の間で、私はいつかの約束を掴む。
“次に泣く時は、誰かを守るために泣け”。

私は一歩、前へ出た。
背中に街の灯り。足元に共鳴器。
踏みしめる。
街の“動き”が、私の一歩でわずかに強くなり、火素層が息を吸う。
「ノア、帰ってきて」
涙が、目の縁を越える。
世界は滲む。けれど、滲んだ世界の真ん中で、彼の輪郭だけははっきりする。
――泣く。守るために。
頬を伝う温度が琥珀に触れ、心核の記憶が灯る。
封印の回路と、哭星の雫が、どこかで交差した音がした。

刃が振り下ろされる軌道の、その途中で。
ノアの腕が、ありえない角度で止まった。
きしむ。軋む。砕ける前の橋の音。
彼の喉が低く呻き、膝が半歩沈む。
封印と人のあいだで引っ張り合う綱が、私の胸にも食い込む。

「帰れ……」
彼が言う。誰に向けてか分からない命令。
「帰れ、お前は、……俺の、“ただいま”の、相手だ」
教団の男が顔を歪め、円盤にさらに符を叩き込む。
空気が尖る。
私は涙を拭かない。拭けば、鍵が外れる。
代わりに、もう一歩近づいて、彼の額に自分の額をそっと触れさせた。
鎧の端で皮膚が冷たい。けれど、その下は熱い。
「ただいま」
「……おかえり」

言葉は届く。届くが、足りない。
黒衣の数が増える。周囲を囲む輪が狭まる。
ティグが私の足首に頭突きをし、尻尾を二つとも広げて警告のリズムを打つ。
共鳴器が人の動きで鳴り、街の灯りが私たちの影を長くする。
封印命令は、まだ彼の中で燃えている。
そして、教団の符が次の段階を呼び込む――遠隔の禁呪への接続。

「ノア、聞いて」
私は早口になる。
「命令しか知らない存在だって言った。でも、あなたはもう一つ知ってる。昨日、怒った。今日、笑った。――それは命令じゃない」
「認識……」
彼の歯が噛み合う音。「認識が、揺れる」
「揺れて。揺らして。わたしも揺れるから。二人で、揺れて、落ちない」

男が手を振り下ろす。
黒衣たちが一斉に符を起動し、白い光の筋が地面に網を描いた。
封印を深度ごと固定する、捕縛の陣。
ノアの身体が、強く引かれる。
次の刃は、避けられないかもしれない。
それでも私は、逃げない。
――ここで逃げたら、“帰る場所”が嘘になる。

「ノア!」
最後の呼び声は、泣き声で、叫びだった。
心核の奥の針が、ひと目盛り、鳴る。
導の針。
私の雫が、それに触れた気がした。

刃が、落ちる音はしなかった。
代わりに、鐘が鳴った。
――どこか遠くの塔で、時間を告げる二度の音。
封印の符が一瞬だけノイズを拾い、命令の経路が紙の端のようにめくれた。
その刹那、ノアの腕が横へ逸れ、地面に深い線を刻む。
私の髪が風で揺れ、頬の涙が一滴、剣筋に触れて、はじけた。

黒衣の男が唇を噛み、手を振る。
輪はさらに狭まり、陣は完成に近づく。
ノアはまだ戻りきらない。封印はまだ熱い。
私の足は震えている。
でも、私は知っている。――ここから先の一歩は、後戻りできない。
それでも、出す。
“守るために泣く”の、実践だ。

「ただいま」
私はもう一度、泣き笑いで言う。
「おかえり」
彼の声が、今度ははっきり、芯を持って返った。

黒衣の使者たちの陣が完成する直前、風向きが変わり、街の灯りが一斉に明るさを増した。
共鳴器が、人の心拍を拾ったのだ。
誰かが走り、誰かが祈り、誰かが笑い、誰かが泣いた。
街が――私たちの“家”が、呼吸を強くした。

封印は、まだ解けない。
教団の輪は、まだ狭い。
けれど、ノアの刃は、今は――私に向いていない。

「走れ、とは言わない」
彼が短く言う。
「立て。隣に」
「うん」

私は涙を拭かず、隣に立った。
黒衣の使者が網を引き絞る。
夜の前の朝が、ぱきりと音を立てて割れる。
世界はまだ決着しない。
だが、選んだ。
“斬らねばならない”命令に、別の言葉を足す選択を。

ただいま。
おかえり。
その二つだけが、刃の間に差し込まれた薄い楔として、確かにここにある。

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