王宮から捨てられた元聖騎士の私、隣国の黒狼王に拾われて過保護にされまくる

タマ マコト

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第17話 「断罪の広場と叫び」

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 その日、王都の空はやけに高かった。

 雲ひとつない青。
 なのに、城下の空気は重く、湿った布みたいに広場の上に垂れ込めている。

 城門前の大広場――かつて祭りや式典で賑わっていた場所は、今や“断罪の舞台”として組み替えられていた。

 粗く組まれた木の台。
 その手前には、鎖で繋がれた鉄柵。
 兵士たちがぐるりと周囲を囲み、さらにその外側には、押し寄せる民衆の波。

 老いも若きも、男も女も。
 顔は疲れていて、服もぼろぼろな者が多いのに――目だけはぎらぎらと光っていた。

 怒りと、失望と、期待と。

「……多いな」

 レイアは、広場を見下ろせる城壁の上から、その光景を眺めていた。

 隣にはレオン。
 少し離れたところにリリスとガレス、その後ろにアルストリア騎士団のロイクたち。

「当然だろ」

 ガレスが腕を組んで鼻を鳴らす。

「自分たちの国がここまでボロボロになってた理由が、“国の偉い連中の企みでしたー”ってバレたんだ」

「見たくもなるか」

 リリスが、扇子で口元を隠しながら言う。

「“誰がどこまで間違ってて、どこまで救いようがなかったのか”」

「言い方えぐいな」

「事実よ?」

 レイアは、指先を柵にそっとかけた。

 手のひらに伝わる石の冷たさと、下から立ち上る人いきれが、変なコントラストを作っている。

(断罪か)

 胸の奥が、じわりと重くなる。

 あの日、自分が王宮から追い出されたとき――
 同じ広場の端で、変な好奇の目が自分を追っていたのを覚えている。

 今、その視線の先に立つのは、自分じゃない。

◇ ◇ ◇

 広場中央の木台へ、ゆっくりと三つの人影が引き立てられていく。

 老侯爵バルドゥール。
 アリシア。
 セルジオ。

 三者三様の顔をしていた。

 バルドゥールは、相変わらず口元だけで笑っている。
 鎖で繋がれているというのに、どこか“自分はまだ負けていない”とでも言いたげな余裕を漂わせている。

 アリシアは、化粧が浮いた顔で、周囲を睨みつけるように見回していた。
 ドレスは簡素なものに変えられているが、それでも仕立ての良さは隠せない。
 その分だけ、一般の民衆との距離がえぐく見える。

 セルジオは――

 肩が落ちていた。
 金の髪は乱れ、目の下には深い隈。
 それでも、どこかで「まだ自分は王族だ」というプライドを捨て切れていないような、妙な中途半端さが残っている。

 木台の端に、王の代理として高官が立ち、広場に向かって声を張った。

「これより!」

 高い声が、魔道具を通して広場全体に響く。

「バルドゥール侯爵、アリシア=レーヴァン、前王太子セルジオ殿下――三名の罪状と、処分内容を、ここに公示する!」

 ざわっ、と民衆が波打った。

 レイアは、無意識に息を止めてしまう。

 高官は、広げた羊皮紙を読み上げ始めた。

「バルドゥール・ダン・バルドゥール侯爵!」

 最初に名指しされた老侯爵は、少しだけ顎を上げた。

「北方の森の管理権限を預かりながら、それを利用し、禁術による魔物誘導を行い、王都および周辺地域を危機に晒した罪!」

 民衆が、一斉に怒りの声を上げる。

「やっぱり、お前のせいか!」

「俺たちの村を返せ!」

「娘を……娘を返せよ……!」

 涙混じりの叫びが、あちこちから飛ぶ。

 高官は続ける。

「さらに、その“危機”を利用し、“自らが王太子の後見人として絶対の権力を握る”ことを目論み、
 王家と国民を欺いた罪!」

「毒だな」

 リリスが、ぽつりと呟く。

「腐った政治家って、ほんと、国そのものをじわじわ蝕むのよね」

 レオンは、黙ったまま、金の瞳で木台を見つめていた。

「処分!」

 高官の声が一段と大きくなる。

「バルドゥール侯爵、“侯爵位”および“全領地・全財産”を剥奪!」

「おおおおお……!」

 民衆の間から、どよめきが起こる。

「加えて、“辺境の魔物多発地帯”への終身流刑とし、二度と王都に戻ることを許さず!」

 それは、実質的な“生存ギリギリの追放”だった。

 魔物が溢れる辺境に、財産も地位もないまま放り出される。
 今まで踏みにじってきた人々と同じ場所で、命乞いをする側になるのだ。

 バルドゥールは、一瞬目を細めたものの、すぐに口元に笑みを浮かべた。

「……辺境の実情を知るのも、悪くない経験かもしれませぬな」

 老いさらばえてもなお、自分を“特別な存在”だと信じて疑わない顔。

 しかし、その余裕は、民衆の目には滑稽に映っていた。

「笑ってやがる!」

「全部お前のせいだろうが!」

「辺境で魔物に食われちまえ!」

 怒号が飛ぶ。

◇ ◇ ◇

 次に呼ばれたのは、アリシアだった。

「アリシア=レーヴァン!」

 扇子も宝石も奪われた彼女は、震えながら顔を上げた。

「王太子妃候補としての責務を果たさず、命令違反により森の奥へ入り込み、自らを危険に晒したこと!」

 広場のあちこちから、「そんなの分かってたぞ」というため息交じりの声が聞こえた。

「さらに、それを隠蔽するため、聖騎士レイア・グレイに全責任を押し付け、
 “庶民の女聖騎士が王太子妃を傷物にした”という虚偽の物語を流布させた罪!」

 レイアは、柵を掴み直した。

 あの日、自分に向けられていた冷たい視線。
 噂話。
 ひそひそと笑う貴族の娘たち。

(全部、作り話だった)

 もちろん、自分でもわかっていた。
 でも、こうして正式に、“罪状”として読み上げられると――
 過去が、少しだけ現実から切り離される。

「処分!」

 高官の声が、アリシアの肩を叩く鞭のように響いた。

「王太子との婚約を破棄!
 王都の社交界から追放!」

 アリシアの顔から、血の気が引いていく。

「さらに、“貴族としての名誉回復”を求める権利を放棄した上で、
 郊外の修道院にて終身の奉仕活動に従事すること!」

「修道院……!?」

 アリシアが、悲鳴を上げる。

「そんな――嫌よ! どうして私が、あんなところで……!」

「静粛に!」

 兵士が、彼女の肩を押さえる。

「いやよいやよいやよ! 私が何をしたっていうの!? 悪いのは――」

「“庶民の女が聖騎士になったこと”?」

 リリスが、小さく呟く。

 レイアは目を伏せた。

(この人は、最後まで)

 自分の犯したことを、「庶民のせい」にすり替えたまま、修道院の門をくぐるのだろう。

 それでも――
 その先で、少しでも何かを理解できる日が来るのなら、と妙に祈りたくなった。

 たぶん、それは甘い期待だとわかっていても。

◇ ◇ ◇

 最後に、セルジオ。

「前王太子、セルジオ・アルストリア!」

 その呼び方が、すべてを物語っていた。

 彼は“王太子”ではない。
 もう二度と、その座に戻ることはない。

「北方の報告に耳を貸さず、老侯爵の独断を許し、国の防衛体制を崩壊させた怠慢!」

 騎士団側から、悔しそうな呻きが漏れる。

「さらに、“婚約者を傷物にした聖騎士”という虚構を受け入れ、
 己の失態を覆い隠すために、彼女を追放処分にした罪!」

「……」

 レイアは、柵を握る手に、少しだけ力を込めた。

(そこまで言ってもらえたら、もう)

 言い訳の余地なんて、どこにもない。

「処分!」

 高官が、最後の判決を読み上げる。

「王太子の地位を剥奪!
 王位継承権を喪失!」

 民衆から、どよめきと、安堵のようなため息が上がった。

「今後は、諸侯会議の監視下のもと、アルストリア王国の一貴族としてのみ存在を許される!」

 それは、王族としての人生の完全な終焉宣告だった。

 セルジオの膝が、わずかに崩れかける。

「……っ」

 歯を食いしばり、なんとか立ち続けている。

◇ ◇ ◇

 判決が読み上げられる間、民衆はずっとざわついていた。

「聖騎士殿を追い出したあの日から、おかしくなったんだ」

 誰かが言う。

「そうだ……あの日から、北の方角が気味悪く光るようになって……」

「レイア様がいたころは、まだ“守られてる”って感じがあったんだよ」

「追い出したのは、“上の連中”だけどな」

「でも、そのツケを払うのは、いつも俺たちだ」

 その声を、レイアは静かに聞いていた。

 胸が痛い。
 でも、それはもう“自分を責める痛み”じゃなかった。

 ただ、悔しい。
 あの日、もっと早く自分自身の価値に気づいていれば、と。

「レイア」

 低い声が、背後からした。

 振り向くと、ロイクが立っていた。

 鎧の隙間に包帯が覗いている。
 昨日の戦闘で負った傷だろう。
 それでも、背筋はまっすぐ伸びていた。

「団長」

 声をかけると、ロイクはほんの少しだけ目を伏せ――

 そのまま、深く頭を下げた。

「……すまなかった」

 石畳に額がつきそうなほどの角度だった。

 レイアの目が、わずかに見開かれる。

「ちょ、団長――!」

「止められなかった」

 ロイクは、地面に向けたまま声を絞り出した。

「あの日。
 俺は、あの場で“違う”と言えなかった」

 拳を握る音が、聞こえるくらいだった。

「王太子に逆らえば、自分も切られる。
 騎士団全体に影響が出る。
 ――そんなことを考えて、何も言えなかった」

 レイアは、黙って聞いていた。

 ロイクの声は、続く。

「今回もだ。
 バルドゥールの企みには、薄々気づいていた」

 その告白に、レイアは胸を締めつけられる。

「でも、“決定権は王太子にある”と、自分に言い訳していた。
 “自分にできる範囲で最善を尽くせばいい”と」

 ロイクは、悔しそうに歯を食いしばる。

「その結果が、このざまだ」

 壊れた城門。
 焼けた村。
 怯える民衆。

「止められなかった俺の弱さも、本来なら裁かれるべきだ」

 その言葉には、自己憐憫の色はなかった。
 ただ、純粋な悔しさと、自分の未熟さへの怒りだけ。

 レイアは、静かに息を吸った。

「……団長」

 昔の呼び方で、呼ぶ。

「私、あの日のこと、ちゃんと覚えてます」

 ロイクが、ゆっくり顔を上げる。

「大広間で――処分を言い渡されたとき」

 レイアは、少しだけ笑った。

「団長、目で謝ってました」

「……っ」

「“すまない”って、顔してた」

 本当に、そう見えた。

 拳を握りしめ、歯を食いしばって、何かを飲み込んで。
 今にも駆け寄りそうな足を、必死に止めていた。

「だから私は」

 レイアは、まっすぐロイクを見た。

「あなたを、恨んでいません」

 ロイクの瞳が、大きく見開かれる。

「私が恨んでたのは、“あの場で笑ってた人たち”だけです」

 “庶民のくせに”と笑った貴族。
 “ここまで上り詰めただけで褒めてやるよ”と言った王太子。
 泣き真似をしたアリシア。
 そして、その裏でほくそ笑んでいたバルドゥール。

「団長のことを考えるとき、“恨み”って感情が、どうしても出てこない」

 それは、ずっと心のどこかで知っていたことだった。

「だから……」

 レイアは、ぎこちなく笑う。

「“止められなかった自分も裁かれるべきだ”なんて言わないでください」

「レイア……」

「その代わり、これから一緒に――」

 柵の向こうに広がる群衆を見る。

「“マシな未来”作る側にいてください、隊長」

 ロイクの喉が、ひく、と動いた。

 目尻が、わずかに赤くなっている。

「……成長したな」

 かすれた声で、彼は言った。

「昔は、もっと真っ直ぐで、危なっかしくて……
 “自分を責める”ことしか知らなかったのに」

「今でも真っ直ぐですよ?」

「今のは、真っ直ぐじゃなくて、“ちゃんと前を見てる”ってことだ」

 ロイクは、ぐっと涙をこらえるように顔をしかめた。

「誇らしいよ」

 その一言が、レイアの胸にじんと染みた。

「団長こそ」

 レイアは、少しだけ照れくさそうに笑う。

「団長として、すごく立ってると思います」

「……そうか」

「あ、でも」

 ほんの少し悪戯心が湧いた。

「前みたいに“団長の背中、デカいなー”とか思えなくなりました」

「どういう意味だ」

「今は、レオンの背中もデカいので」

「黒狼王と比較するな」

 ロイクが思わず吹き出し、レオンが横で「勝手に比較するな」とぼそっと抗議した。
 緊張と涙の中に、ほんの少しだけ笑いが混ざる。

◇ ◇ ◇

 処分の読み上げが終わり、三人がそれぞれ別々の方向へ連れられていく準備が進んだときだった。

「待て!」

 セルジオが、突然声を上げた。

 木台の上で、彼は鎖を引きずりながら、一歩前に出る。

「レイア!」

 その名が、広場に響く。

 民衆がざわつき、視線が一斉にレイアのいる城壁の方へ向いた。

 レイアは驚きつつも、視線をセルジオに向ける。

「……殿下」

 昔と同じ呼び方が、自然と出てしまう。

 セルジオは、必死に何かを掴もうとしているような目をしていた。

「お前が……お前が戻ってきてくれれば……!」

 途切れ途切れの声。

「王位は……無理でも、
 お前がいれば、まだ……」

 言葉は支離滅裂だった。

 “自分が許される道”を、必死に探している。
 それも、自分自身の力ではなく、“かつて切り捨てた部下”の力を当てにしながら。

「レイア、俺は――」

 セルジオは言った。

「お前の力を認めている。
 あの日捨ててしまったのは……間違いだった。
 だが、今からでも――」

 そこで、言葉が止まった。

 レイアが、はっきりと首を横に振ったからだ。

「いいえ」

 静かな声。

 広場のざわめきが、一瞬だけぴたりと止まる。

 レイアは、城壁の上から、堂々とセルジオを見下ろしていた。

「私は――戻りません」

 その一言に、セルジオの顔が強張る。

「な、なぜだ……!」

 叫ぶ。

「お前は、この国を……民を守りたいと――!」

「守りたいですよ」

 レイアは、少しだけ微笑んだ。

「アルストリアの“人たち”は、今でも守りたい」

 孤児院の子どもたち。
 市場の人々。
 兵士たち。
 ロイク。
 カイル。
 名前も知らない、避難してきた母親と子ども。

「でも、“この王宮の一部”として戻る気は、ありません」

 きっぱりと言い切る。

「私の居場所は――もう、ここではありませんから」

 言いながら、レイアは少しだけ振り返る。

 そこには、レオンがいた。

 金の瞳で、静かにこちらを見ている。

 それだけで、背中が軽くなる。

「私の居場所は、ザルヴェルにあります」

 レイアの声は、よく通った。

「ザルヴェルの人として、アルストリアの人たちを助ける。
 ――それが、今の私の選んだ道です」

 セルジオの口が、ぱくぱくと何かを言おうとして、言葉にならない。

 レイアは、ほんの少しだけ目を細めた。

「殿下」

 最後に、丁寧に呼ぶ。

「私を切り捨てたのは、殿下です」

 冷たくはない。
 ただ、事実を告げるだけ。

「だから、今さら“戻ってきてくれれば”って言葉で、全部なかったことにはできません」

「……」

「私は殿下のために、剣を振るいません」

 静かな宣言。

「でも――」

 レイアは、広場を見渡した。

 民衆の顔。
 涙。
 怒り。
 かすかな希望。

「この国で生きている人たちのためなら、何度でも剣を振るいます」

 それは、かつて“国のため”と口にしていた自分とは違う言葉だった。

「王族のためじゃない。
 権力者のためでもない。
 そこに生きてる、無名の人たちのために」

 セルジオの目から、何かがぽろりと落ちた。

 それが涙なのか、それとも“プライドの欠片”なのかは、わからない。

 ただ一つ確かなのは――
 もう、その涙でレイアの心は動かない、ということだけ。

◇ ◇ ◇

 公開裁判は、やがて終わりを迎えた。

 バルドゥールは辺境へ連れられ、
 アリシアは修道院へ運ばれ、
 セルジオは諸侯の屋敷へと引き取られていくだろう。

 広場には、まだざわざわとした余韻が残っている。

「……終わった、のか?」

 ガレスが、ぼそりと言う。

「“ひとまず”、ね」

 リリスが肩をすくめた。

「腐った根っこは、まだまだ残ってるでしょうし。
 でも、“一番太いところ”を叩き折ったのは間違いない」

「アルストリア、ここから変われるかな」

 レイアは、小さく呟いた。

「変われるかどうかは、あいつら次第だ」

 レオンが答える。

「少なくとも、“自分たちが何を捨てたのか”は、今日で嫌でも理解しただろ」

 金の瞳が、レイアを一瞬だけ見た。

「宝を捨てた国がどうなるか。
 宝を拾った国がどうなるか」

「比較するなって、さっき怒られました」

「今度は俺が比較してんだよ」

 レオンが、わずかに口元を緩める。

「ザルヴェルにとって、お前はもう“切り捨てられる駒”じゃない」

 それは、何度も言ってくれていることだ。
 でも、何度でも聞きたくなる。

「ちゃんと、“手放したくない側”だ」

 レイアは、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じながら、視線を広場から空へと上げた。

 高い、青い空。

 アルストリアの空。
 ザルヴェルの空。
 どちらから見上げても、同じ星が浮かぶ空。

 でも――

(私が帰るのは)

 もう、ここじゃない。

 断罪の広場で響いた叫びは、
 一人の元聖騎士にとっての“過去との決別”であり、
 同時に、ザルヴェルという新しい居場所へと続く道を、さらにくっきりさせる叫びでもあった。

(さよなら、アルストリア)

 心の中で、静かに呟く。

(これからは、“隣国のレイア”として――あなたたちのざまぁを、ちゃんと見届けてあげる)

 ほんの少しだけ、意地の悪い笑みが、唇の端に浮かんだ。
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