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第22話「王都の噂:宮廷薬師、田舎娘に骨抜き事件」
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王都の朝は、田舎のそれとはまるで違う匂いがした。
石畳に残る夜露の上を、早馬の蹄が叩いていく。
焼き立てパンと香辛料の匂いが、屋台の並ぶ通りから立ち上る。
遠くの鐘の音が空気を震わせて、大きな街が「今日も回りますよ」と宣言していた。
その中心のひとつ、王城の一角――宮廷薬師団棟。
窓の外には整えられた薬草園。
中庭を挟んで、白い石の建物がいくつも並ぶ。
そのうちのひとつ、薬師団の休憩室は、朝から既に妙な熱気で満ちていた。
「聞いたか?」
「聞きましたとも」
「いやいや、お前の“聞いた”はいつも尾ひれが三枚くらいついてるから信用ならん」
「失礼な。今回はたった二枚しかつけてませんよ」
「つけてるんじゃねえか」
長机を囲んだ数人の薬師が、書類を片付けるふりをしながら、全然片付けていない手つきで盛大に噂話をしていた。
分厚い白衣。
胸にはそれぞれの所属班を示す刺繍。
顔つきは真面目そうなのに、口から出てくるのは完全に井戸端会議だ。
「で、例の話、本当なんですか?」
「“例の話”が最近多すぎてわからん。毒物管理の新規則の方か?」
「違いますよ、サフラン・ローウェルですよ」
「ああ、そっちか」
年配の薬師が、深いため息をついた。
「“田舎娘に骨抜き事件”」
「なんで事件名ついてるんですか」
「知りませんよ、下町じゃそう呼ばれてるそうです」
「下町の命名センスどうなってんだ……」
呆れつつも、誰も否定はしない。
「だってほら、王家特認薬師の、あの田舎娘ミント・フェンネル殿」
「“殿”をつけろ、“殿”を。お前、一応同僚だぞ」
「そのミント殿の村に、サフランが何か月も滞在してるって話ですよ。
しかも最近、王都に顔を出す頻度も減ってる。これを“骨抜き”と言わずして何と言う」
「いやまあ……否定はできんが……」
「下町じゃ、“田舎の小さな薬草店に通い詰める宮廷薬師”って、ちょっとした恋物語みたいに語られてるらしいですよ」
「勝手にラブロマンスにすんな」
「王都の噂網、怖……」
そんなやりとりの中、一人がニヤリと口角を上げた。
「しかもですよ。最近入ってきた情報によると――」
期待の視線が集まる。
みんなこういう時だけ耳がよくなる。
「“同棲寸前”らしいです」
「どこ情報だそれは」
「市場のパン屋の娘です」
「情報源の信憑性がパンの焼き加減と同じレベルなんだが」
「パン屋の情報網を侮ってはいけませんよ。あいつら、朝から晩まで客の話聞いてるんですからね。王都の噂の七割はパン屋と床屋と酒場から出てるんですよ」
「嫌な統計だなぁ……」
半分笑いながらも、残りの半分で本気になっているのが宮廷薬師団という生き物だ。
「で、“同棲寸前”って、どこまで行ってんだ?」
「毎朝一緒に朝食だそうです」
「……ああ」
妙に納得した声が、何人かから漏れた。
「あの男なら、やりそうだな」
「やりますね」
「やるな」
別の意味で頷いている者もいる。
「いや、サフランはさ。あいつなりに真剣なんだろうけどさ」
若手薬師の一人が、椅子の背にもたれながら天井を見上げた。
「宮廷薬師としての“体面”ってもんがあるだろう?」
「出た、“体面”」
「いや、でも実際問題だな。
王家直属の宮廷薬師が、“王都を出て田舎に腰を落ち着ける”ってなったらさ。
貴族たちは絶対に文句言うぞ。“あいつは宮廷の栄誉を捨てた”とか、“田舎娘に溺れて義務を忘れた”とか」
「だろうね」
「王太子殿下がどれだけ信頼してても、“周り”がうるさいのは目に見えてる」
別の薬師が鼻を鳴らした。
「別にいいじゃねぇか。あいつが田舎で薬作ったって、誰も損しねぇよ。むしろ得しかない。
“宮廷薬師”って肩書きなんか、本人がどう使うかの問題だろ」
「そう思えるのはお前が庶民出だからだよ」
「うるさいな。お前だって庶民だろ」
「いやウチ一応、下級貴族だから」
「自称な」
「やかましい」
軽く笑いが巻き起こる。
そんなやり取りを聞きながら、部屋の隅でひとり静かに書類に目を通している男がいた。
宮廷薬師団長、ホップ・モルツ。
白髪混じりの髪を後ろで束ね、目の下には慢性的な疲れがうっすらとにじむ。
それでもその瞳は、まだ好奇心と責任感の火を失っていない。
「団長、聞いてます?」
「耳は塞いでいない」
ページをめくる手を止めずに答える。
「“田舎娘に骨抜き”ですよ。団長の右腕が」
「右腕扱いはやめろ。あいつが調子に乗る」
「じゃあ左腕?」
「どっちでもいい」
「じゃあ、内臓のどっか」
「心臓って言っとけ。どうせ本人の中ではそうなんだろう」
さらっと言ってから、ホップはふうと長いため息をついた。
「……まあ」
書類を閉じて、ようやく皆の方を見る。
「“あいつはああいう場所で幸せになるだろう”というのは、正直、私も思う」
休憩室の空気が、すこしだけ静まった。
「王城の石壁より、木のカウンターの方が似合う男だ。
毒と陰謀と書類の匂いより、土とハーブの匂いの方が多分、あいつの肺には優しい」
「団長が言うと説得力あるなぁ……」
「ただし」
ホップは視線を鋭くする。
「宮廷薬師は、王国の医療の中枢だ。
そこに属する者が、“どこで”“どう生きるか”は、本人だけでなく国の問題にもなる」
言葉の端々に、長年の苦労がにじんでいた。
「殿下は理解がある。王も、ある程度は。
だが、貴族たち、官僚たち、旧来の考えの連中は、“体面”を最優先にする」
「つまり、サフランが田舎で腰を落ち着けると、文句が出ると」
「出る。派手に」
ホップは肩をすくめる。
「“田舎娘ごときに”“宮廷の椅子を捨てさせた”と言われるのも目に見える。
彼女本人のせいではないのに、だ」
休憩室に、微妙な重さが落ちた。
「……あの田舎娘、ミント殿は?」
若い薬師の一人が、恐る恐る口を開く。
「団長、彼女のことは?」
「薬師としては、腹の底から尊敬している」
即答だった。
「人を見て薬を作る。
“華やかな成功”ではなく“生活できる程度の健康”を目指す。
宮廷の内側では、忘れられかけていた考え方だ」
「ですよね……」
「ただし」
ホップは、窓の外の空をちらりと見る。
「彼女がこれからも王国で生きていくのなら、“田舎娘”であることごと、受け止められる強さが必要になる」
「世知辛いっすね、団長」
「世はいつでも世知辛い。お前が生まれるずっと前からだ」
「生まれる前から説教されてる気分……」
つかの間の笑いが戻りかけた、その時。
休憩室の扉が、コンコンと控えめに叩かれた。
「失礼いたします、ホップ団長。バジル伯爵家よりお客様がお見えです」
侍従の声に、場の空気がぴっと張り詰める。
「バジル……?」
「あのバジル伯爵家?」
「また面倒な匂いがするな……」
ホップは椅子から立ち上がり、白衣の裾を整える。
「通せ」
「はい」
扉が、ゆっくりと開いた。
◇
入ってきたのは、一目で「貴族」とわかる少女だった。
ひざ下まで広がる深緑色のドレス。
細かい刺繍が施された袖口。
腰には上品なリボン。
髪は栗色の巻き髪をきっちりと編み上げ、真珠の飾りをいくつもあしらっている。
背筋はまっすぐ。
顎の角度は、他人を自然と見下ろしてしまう高さ。
完璧な“伯爵令嬢”の姿。
……の、はずだった。
が。
「きゃっ――――」
休憩室のちょっとした段差に、見事にドレスの裾を引っかけた。
ぐらり、と身体が前に傾く。
薬師たちの脳内に、「貴族令嬢・転倒」という最悪の未来図が高速でよぎる。
「リ、リリーお嬢様!」
背後にいた侍女が、慣れた手つきで彼女の腕をがしっと掴んだ。
つんのめりかけた身体が、紙一重で持ち直される。
「……っ」
本人は、顔を真っ赤にしながら、何事もなかったようにスカートを整えた。
「問題ありませんわ」
声だけは完璧な貴族口調だ。
(今、盛大につまずきかけてたけどな……)
(侍女さん絶対慣れてるよねあれ)
(ということは、日常茶飯事……?)
薬師たちの心の声が、沈黙の中で飛び交う。
そんな視線を、当の本人は気づいていないのか、気づいているけれど認めたくないのか――
どちらにせよ、表面上は一切崩さずにホップの前まで歩み出た。
「初めまして。バジル伯爵家令嬢、リリー・バジルと申します」
完璧なお辞儀。
言葉の端々に、教育の良さとプライドの高さが滲んでいる。
「宮廷薬師団長、ホップ・モルツだ」
ホップも丁寧に会釈を返す。
「本日は、どのような御用件で?」
「少々、お時間をいただきたく参りましたの」
リリーは、ちらりと周囲を見回した。
休憩室の壁。
書棚に乱雑に並んだ書類。
机の上の空になったマグカップ。
薬草の匂いが染み付いた空気。
ほんの一瞬だけ、露骨に眉が動いた。
(あ、苦手な匂いだって思ったな)
薬師たちの何人かが、その微細な動きを見逃さない。
「ここで話すには、少々内容が……」
リリーは、意味ありげに言葉を濁した。
ホップは一瞬だけ考え、頷く。
「では場所を移そう。応接室を使う」
「ありがとうございますわ」
リリーがくるりと向きを変え――また段差に足を引っかけそうになり、侍女がさっと支える。
見てはいけないと思いながら、薬師たちは全員見ていた。
扉が閉まった瞬間、休憩室は一気にざわつきに満ちる。
「今の見たか」
「見た」
「令嬢の高貴さと運動能力の反比例具合がすごかったな」
「なんか……嫌いになれないタイプかもしれん」
「おまえの“嫌いになれない”基準がよくわからん」
「でも、わかったな」
若い薬師の一人が、ニヤリと笑った。
「“誰がサフランにお見合い話持ってきたか”」
「あー……」
周囲が一斉に「あー」と頷く。
「バジル伯爵家か」
「ガチガチの貴族家だな……」
「つまり、“宮廷薬師としてふさわしい妻”を用意したつもりってことか」
その言葉に、部屋の温度が少し下がった。
「ミント殿、どうなるんですかねぇ」
「どうなるかって言われてもな……」
誰も、すぐには答えられなかった。
◇
応接室。
窓から差し込む光が、重厚な机とソファを柔らかく照らしている。
リリーは、姿勢を崩さないまま椅子に腰掛け、前に置かれたティーカップに手を伸ばした。
一口飲んで、目を細める。
「さすがは王城の紅茶ですわ。香りが違いますわね」
「それは何より」
ホップは向かいの椅子に座り、彼女をじっと見た。
完璧な見た目。
少しばかり危うい足元。
目の奥にある、硬いプライド。
「ああ、貴族だな」と、わかりやすいくらいの貴族令嬢。
「さて」
リリーはカップをそっとソーサーに戻した。
「単刀直入に申し上げますわ」
その瞳に、炎のような光が宿る。
「サフラン・ローウェル殿との――婚約の件です」
ホップは、予想通りといった顔で眉を上げる。
「やはり、その件か」
「“やはり”?」
「お前の家と、ローウェル家の動きくらいは耳に入っている」
ホップは椅子にもたれかかり、指を組んだ。
「両家が勝手に話を進めた。“宮廷薬師サフランにふさわしい妻”として、バジル家の令嬢を充てがう。
――そういう認識でいいか?」
「言い方はもう少し柔らかくしていただきたいですわね」
リリーは口を尖らせたが、否定はしない。
「ですが、概ねその通りですわ。
サフラン・ローウェル殿は、我がバジル家にとっても、王国にとっても価値ある人材。
その伴侶には、相応の家柄と教育を受けた者がふさわしい。
そう判断されて、私に話が来ましたの」
「お前自身は、どう思っている?」
「打算的には、悪くない話だと」
リリーはあっさりと言った。
「私は“家”に生まれました。
自分の人生が、自分だけのものではないことは重々承知しています。
なので、“宮廷薬師と結婚してバジル家の立場をより盤石にする”というこの話は、合理的だと思いましたわ」
「……」
「それに、サフラン殿の評判はよく耳にしておりました。
若くして宮廷薬師。
王太子殿下の側近。
冷静で、頭の回転が速く、毒物にも強い」
「最後の一つだけ物騒だな」
「職業柄でしょう?」
肩をすくめるジェスチャーだけは妙に慣れている。
「ですから、私はこの話を前向きに捉えていましたわ。
“宮廷薬師と結婚した伯爵令嬢”という肩書きが、どれだけ有利に働くかも計算しましたし」
「正直でよろしい」
「ですが」
リリーは表情を引き締めた。
「王都には、妙な噂が流れておりますわね」
ホップは黙って促す。
「“サフラン・ローウェルは、田舎娘に骨抜きにされている”」
ぴしゃりと言い放つ。
「“王家特認薬師の田舎娘と、田舎で同棲寸前”」
「……尾ひれが二枚どころではないな」
「下町ではそう呼ばれておりますわよ。“骨抜き事件”」
「事件名ついたのか」
「ついてますわ。勝手に」
リリーは目を細める。
「私、そういう噂が大嫌いですの。
“身分違いの恋”だとか、“身の程知らずの田舎娘”だとか、“堕落した宮廷薬師”だとか。
美談にしても悪談にしても、全部、私のプライドを逆撫でしますわ」
「……つまり」
「田舎娘ごときに、負けてたまるものですか」
その一言に、ホップは苦笑した。
「……正直であることは、やはり良いことだな」
「褒めても何も出ませんわよ」
「褒めてない」
「ひどいですわね!」
ほんの少しだけ、空気が軽くなった。
リリーは、ふぅと息をついて、背筋を伸ばし直す。
「ですが、私はまだ、サフラン殿の人柄をちゃんとは知りません。
噂と、家の中で聞かされた情報だけ。
“彼にふさわしい私”しか見てこなかった自覚もありますわ」
「自覚はあるのか」
「ありますとも。自分で自分を冷静に観察する癖はありますの」
「それは薬師向きだな」
「向いてなくて結構ですわ」
即答だった。
「配合? 調合? そういうのは、しもべたちの仕事でしょう」
ホップの眉が、ぴくりと動いた。
「……しもべ」
「ええ。ハーブを刻んで混ぜているのは、いつも下の者たちです。
私は、薬の匂いで頭が痛くなりますもの」
「そうか」
ホップは、心の中で(これはミント殿と真逆だな)と呟いた。
「ですが、今回ばかりは」
リリーは拳を膝の上でぎゅっと握りしめた。
「この噂を放置するわけにはいきません。
サフラン殿の名誉のためにも、我がバジル家のためにも。
それに――」
一瞬だけ、彼女の頬がうっすらと赤くなった。
「それに、“婚約相手候補”として、負けっぱなしなのは、さすがに癪ですわ」
「つまり?」
「つまり――」
リリーは、まっすぐホップを見た。
「私は、田舎娘とやらに会いに行きます」
王都の空に、薄い雲が流れていく。
「彼にふさわしいのは誰か。
宮廷薬師としての未来を共に歩めるのは誰か。
見極めて差し上げますわ」
(ああ)
ホップは、心の中で静かにため息をついた。
(これが、バジル伯爵家の娘か)
プライドは高く、価値観は偏っていて、世界は狭い。
でも、自分の足でその狭さを壊そうとしている。
不器用で、少し危なっかしい火種。
「勝手にしろ、と言いたいところだが」
ホップは肩をすくめた。
「田舎には田舎の流儀がある。
ミント殿は、“貴族令嬢だから”という理由だけでは、何も譲らないだろう」
「上等ですわ」
リリーは、唇の端を引き上げた。
「私も、バジル伯爵家の娘ですもの。
“田舎娘ごとき”に、ただやられっぱなしで帰ってくるつもりはありませんわ」
その目は、どこまでも真っ直ぐで、どこまでも頑固だった。
――このとき、リリーはまだ知らない。
自分が“田舎娘”から教わることの方が、きっとずっと多いのだということを。
王都の噂は、今日も勝手に走り回る。
「宮廷薬師、田舎娘に骨抜き事件」
その見出しの向こうで、少しずつ、誰かの人生が変わり始めていた。
石畳に残る夜露の上を、早馬の蹄が叩いていく。
焼き立てパンと香辛料の匂いが、屋台の並ぶ通りから立ち上る。
遠くの鐘の音が空気を震わせて、大きな街が「今日も回りますよ」と宣言していた。
その中心のひとつ、王城の一角――宮廷薬師団棟。
窓の外には整えられた薬草園。
中庭を挟んで、白い石の建物がいくつも並ぶ。
そのうちのひとつ、薬師団の休憩室は、朝から既に妙な熱気で満ちていた。
「聞いたか?」
「聞きましたとも」
「いやいや、お前の“聞いた”はいつも尾ひれが三枚くらいついてるから信用ならん」
「失礼な。今回はたった二枚しかつけてませんよ」
「つけてるんじゃねえか」
長机を囲んだ数人の薬師が、書類を片付けるふりをしながら、全然片付けていない手つきで盛大に噂話をしていた。
分厚い白衣。
胸にはそれぞれの所属班を示す刺繍。
顔つきは真面目そうなのに、口から出てくるのは完全に井戸端会議だ。
「で、例の話、本当なんですか?」
「“例の話”が最近多すぎてわからん。毒物管理の新規則の方か?」
「違いますよ、サフラン・ローウェルですよ」
「ああ、そっちか」
年配の薬師が、深いため息をついた。
「“田舎娘に骨抜き事件”」
「なんで事件名ついてるんですか」
「知りませんよ、下町じゃそう呼ばれてるそうです」
「下町の命名センスどうなってんだ……」
呆れつつも、誰も否定はしない。
「だってほら、王家特認薬師の、あの田舎娘ミント・フェンネル殿」
「“殿”をつけろ、“殿”を。お前、一応同僚だぞ」
「そのミント殿の村に、サフランが何か月も滞在してるって話ですよ。
しかも最近、王都に顔を出す頻度も減ってる。これを“骨抜き”と言わずして何と言う」
「いやまあ……否定はできんが……」
「下町じゃ、“田舎の小さな薬草店に通い詰める宮廷薬師”って、ちょっとした恋物語みたいに語られてるらしいですよ」
「勝手にラブロマンスにすんな」
「王都の噂網、怖……」
そんなやりとりの中、一人がニヤリと口角を上げた。
「しかもですよ。最近入ってきた情報によると――」
期待の視線が集まる。
みんなこういう時だけ耳がよくなる。
「“同棲寸前”らしいです」
「どこ情報だそれは」
「市場のパン屋の娘です」
「情報源の信憑性がパンの焼き加減と同じレベルなんだが」
「パン屋の情報網を侮ってはいけませんよ。あいつら、朝から晩まで客の話聞いてるんですからね。王都の噂の七割はパン屋と床屋と酒場から出てるんですよ」
「嫌な統計だなぁ……」
半分笑いながらも、残りの半分で本気になっているのが宮廷薬師団という生き物だ。
「で、“同棲寸前”って、どこまで行ってんだ?」
「毎朝一緒に朝食だそうです」
「……ああ」
妙に納得した声が、何人かから漏れた。
「あの男なら、やりそうだな」
「やりますね」
「やるな」
別の意味で頷いている者もいる。
「いや、サフランはさ。あいつなりに真剣なんだろうけどさ」
若手薬師の一人が、椅子の背にもたれながら天井を見上げた。
「宮廷薬師としての“体面”ってもんがあるだろう?」
「出た、“体面”」
「いや、でも実際問題だな。
王家直属の宮廷薬師が、“王都を出て田舎に腰を落ち着ける”ってなったらさ。
貴族たちは絶対に文句言うぞ。“あいつは宮廷の栄誉を捨てた”とか、“田舎娘に溺れて義務を忘れた”とか」
「だろうね」
「王太子殿下がどれだけ信頼してても、“周り”がうるさいのは目に見えてる」
別の薬師が鼻を鳴らした。
「別にいいじゃねぇか。あいつが田舎で薬作ったって、誰も損しねぇよ。むしろ得しかない。
“宮廷薬師”って肩書きなんか、本人がどう使うかの問題だろ」
「そう思えるのはお前が庶民出だからだよ」
「うるさいな。お前だって庶民だろ」
「いやウチ一応、下級貴族だから」
「自称な」
「やかましい」
軽く笑いが巻き起こる。
そんなやり取りを聞きながら、部屋の隅でひとり静かに書類に目を通している男がいた。
宮廷薬師団長、ホップ・モルツ。
白髪混じりの髪を後ろで束ね、目の下には慢性的な疲れがうっすらとにじむ。
それでもその瞳は、まだ好奇心と責任感の火を失っていない。
「団長、聞いてます?」
「耳は塞いでいない」
ページをめくる手を止めずに答える。
「“田舎娘に骨抜き”ですよ。団長の右腕が」
「右腕扱いはやめろ。あいつが調子に乗る」
「じゃあ左腕?」
「どっちでもいい」
「じゃあ、内臓のどっか」
「心臓って言っとけ。どうせ本人の中ではそうなんだろう」
さらっと言ってから、ホップはふうと長いため息をついた。
「……まあ」
書類を閉じて、ようやく皆の方を見る。
「“あいつはああいう場所で幸せになるだろう”というのは、正直、私も思う」
休憩室の空気が、すこしだけ静まった。
「王城の石壁より、木のカウンターの方が似合う男だ。
毒と陰謀と書類の匂いより、土とハーブの匂いの方が多分、あいつの肺には優しい」
「団長が言うと説得力あるなぁ……」
「ただし」
ホップは視線を鋭くする。
「宮廷薬師は、王国の医療の中枢だ。
そこに属する者が、“どこで”“どう生きるか”は、本人だけでなく国の問題にもなる」
言葉の端々に、長年の苦労がにじんでいた。
「殿下は理解がある。王も、ある程度は。
だが、貴族たち、官僚たち、旧来の考えの連中は、“体面”を最優先にする」
「つまり、サフランが田舎で腰を落ち着けると、文句が出ると」
「出る。派手に」
ホップは肩をすくめる。
「“田舎娘ごときに”“宮廷の椅子を捨てさせた”と言われるのも目に見える。
彼女本人のせいではないのに、だ」
休憩室に、微妙な重さが落ちた。
「……あの田舎娘、ミント殿は?」
若い薬師の一人が、恐る恐る口を開く。
「団長、彼女のことは?」
「薬師としては、腹の底から尊敬している」
即答だった。
「人を見て薬を作る。
“華やかな成功”ではなく“生活できる程度の健康”を目指す。
宮廷の内側では、忘れられかけていた考え方だ」
「ですよね……」
「ただし」
ホップは、窓の外の空をちらりと見る。
「彼女がこれからも王国で生きていくのなら、“田舎娘”であることごと、受け止められる強さが必要になる」
「世知辛いっすね、団長」
「世はいつでも世知辛い。お前が生まれるずっと前からだ」
「生まれる前から説教されてる気分……」
つかの間の笑いが戻りかけた、その時。
休憩室の扉が、コンコンと控えめに叩かれた。
「失礼いたします、ホップ団長。バジル伯爵家よりお客様がお見えです」
侍従の声に、場の空気がぴっと張り詰める。
「バジル……?」
「あのバジル伯爵家?」
「また面倒な匂いがするな……」
ホップは椅子から立ち上がり、白衣の裾を整える。
「通せ」
「はい」
扉が、ゆっくりと開いた。
◇
入ってきたのは、一目で「貴族」とわかる少女だった。
ひざ下まで広がる深緑色のドレス。
細かい刺繍が施された袖口。
腰には上品なリボン。
髪は栗色の巻き髪をきっちりと編み上げ、真珠の飾りをいくつもあしらっている。
背筋はまっすぐ。
顎の角度は、他人を自然と見下ろしてしまう高さ。
完璧な“伯爵令嬢”の姿。
……の、はずだった。
が。
「きゃっ――――」
休憩室のちょっとした段差に、見事にドレスの裾を引っかけた。
ぐらり、と身体が前に傾く。
薬師たちの脳内に、「貴族令嬢・転倒」という最悪の未来図が高速でよぎる。
「リ、リリーお嬢様!」
背後にいた侍女が、慣れた手つきで彼女の腕をがしっと掴んだ。
つんのめりかけた身体が、紙一重で持ち直される。
「……っ」
本人は、顔を真っ赤にしながら、何事もなかったようにスカートを整えた。
「問題ありませんわ」
声だけは完璧な貴族口調だ。
(今、盛大につまずきかけてたけどな……)
(侍女さん絶対慣れてるよねあれ)
(ということは、日常茶飯事……?)
薬師たちの心の声が、沈黙の中で飛び交う。
そんな視線を、当の本人は気づいていないのか、気づいているけれど認めたくないのか――
どちらにせよ、表面上は一切崩さずにホップの前まで歩み出た。
「初めまして。バジル伯爵家令嬢、リリー・バジルと申します」
完璧なお辞儀。
言葉の端々に、教育の良さとプライドの高さが滲んでいる。
「宮廷薬師団長、ホップ・モルツだ」
ホップも丁寧に会釈を返す。
「本日は、どのような御用件で?」
「少々、お時間をいただきたく参りましたの」
リリーは、ちらりと周囲を見回した。
休憩室の壁。
書棚に乱雑に並んだ書類。
机の上の空になったマグカップ。
薬草の匂いが染み付いた空気。
ほんの一瞬だけ、露骨に眉が動いた。
(あ、苦手な匂いだって思ったな)
薬師たちの何人かが、その微細な動きを見逃さない。
「ここで話すには、少々内容が……」
リリーは、意味ありげに言葉を濁した。
ホップは一瞬だけ考え、頷く。
「では場所を移そう。応接室を使う」
「ありがとうございますわ」
リリーがくるりと向きを変え――また段差に足を引っかけそうになり、侍女がさっと支える。
見てはいけないと思いながら、薬師たちは全員見ていた。
扉が閉まった瞬間、休憩室は一気にざわつきに満ちる。
「今の見たか」
「見た」
「令嬢の高貴さと運動能力の反比例具合がすごかったな」
「なんか……嫌いになれないタイプかもしれん」
「おまえの“嫌いになれない”基準がよくわからん」
「でも、わかったな」
若い薬師の一人が、ニヤリと笑った。
「“誰がサフランにお見合い話持ってきたか”」
「あー……」
周囲が一斉に「あー」と頷く。
「バジル伯爵家か」
「ガチガチの貴族家だな……」
「つまり、“宮廷薬師としてふさわしい妻”を用意したつもりってことか」
その言葉に、部屋の温度が少し下がった。
「ミント殿、どうなるんですかねぇ」
「どうなるかって言われてもな……」
誰も、すぐには答えられなかった。
◇
応接室。
窓から差し込む光が、重厚な机とソファを柔らかく照らしている。
リリーは、姿勢を崩さないまま椅子に腰掛け、前に置かれたティーカップに手を伸ばした。
一口飲んで、目を細める。
「さすがは王城の紅茶ですわ。香りが違いますわね」
「それは何より」
ホップは向かいの椅子に座り、彼女をじっと見た。
完璧な見た目。
少しばかり危うい足元。
目の奥にある、硬いプライド。
「ああ、貴族だな」と、わかりやすいくらいの貴族令嬢。
「さて」
リリーはカップをそっとソーサーに戻した。
「単刀直入に申し上げますわ」
その瞳に、炎のような光が宿る。
「サフラン・ローウェル殿との――婚約の件です」
ホップは、予想通りといった顔で眉を上げる。
「やはり、その件か」
「“やはり”?」
「お前の家と、ローウェル家の動きくらいは耳に入っている」
ホップは椅子にもたれかかり、指を組んだ。
「両家が勝手に話を進めた。“宮廷薬師サフランにふさわしい妻”として、バジル家の令嬢を充てがう。
――そういう認識でいいか?」
「言い方はもう少し柔らかくしていただきたいですわね」
リリーは口を尖らせたが、否定はしない。
「ですが、概ねその通りですわ。
サフラン・ローウェル殿は、我がバジル家にとっても、王国にとっても価値ある人材。
その伴侶には、相応の家柄と教育を受けた者がふさわしい。
そう判断されて、私に話が来ましたの」
「お前自身は、どう思っている?」
「打算的には、悪くない話だと」
リリーはあっさりと言った。
「私は“家”に生まれました。
自分の人生が、自分だけのものではないことは重々承知しています。
なので、“宮廷薬師と結婚してバジル家の立場をより盤石にする”というこの話は、合理的だと思いましたわ」
「……」
「それに、サフラン殿の評判はよく耳にしておりました。
若くして宮廷薬師。
王太子殿下の側近。
冷静で、頭の回転が速く、毒物にも強い」
「最後の一つだけ物騒だな」
「職業柄でしょう?」
肩をすくめるジェスチャーだけは妙に慣れている。
「ですから、私はこの話を前向きに捉えていましたわ。
“宮廷薬師と結婚した伯爵令嬢”という肩書きが、どれだけ有利に働くかも計算しましたし」
「正直でよろしい」
「ですが」
リリーは表情を引き締めた。
「王都には、妙な噂が流れておりますわね」
ホップは黙って促す。
「“サフラン・ローウェルは、田舎娘に骨抜きにされている”」
ぴしゃりと言い放つ。
「“王家特認薬師の田舎娘と、田舎で同棲寸前”」
「……尾ひれが二枚どころではないな」
「下町ではそう呼ばれておりますわよ。“骨抜き事件”」
「事件名ついたのか」
「ついてますわ。勝手に」
リリーは目を細める。
「私、そういう噂が大嫌いですの。
“身分違いの恋”だとか、“身の程知らずの田舎娘”だとか、“堕落した宮廷薬師”だとか。
美談にしても悪談にしても、全部、私のプライドを逆撫でしますわ」
「……つまり」
「田舎娘ごときに、負けてたまるものですか」
その一言に、ホップは苦笑した。
「……正直であることは、やはり良いことだな」
「褒めても何も出ませんわよ」
「褒めてない」
「ひどいですわね!」
ほんの少しだけ、空気が軽くなった。
リリーは、ふぅと息をついて、背筋を伸ばし直す。
「ですが、私はまだ、サフラン殿の人柄をちゃんとは知りません。
噂と、家の中で聞かされた情報だけ。
“彼にふさわしい私”しか見てこなかった自覚もありますわ」
「自覚はあるのか」
「ありますとも。自分で自分を冷静に観察する癖はありますの」
「それは薬師向きだな」
「向いてなくて結構ですわ」
即答だった。
「配合? 調合? そういうのは、しもべたちの仕事でしょう」
ホップの眉が、ぴくりと動いた。
「……しもべ」
「ええ。ハーブを刻んで混ぜているのは、いつも下の者たちです。
私は、薬の匂いで頭が痛くなりますもの」
「そうか」
ホップは、心の中で(これはミント殿と真逆だな)と呟いた。
「ですが、今回ばかりは」
リリーは拳を膝の上でぎゅっと握りしめた。
「この噂を放置するわけにはいきません。
サフラン殿の名誉のためにも、我がバジル家のためにも。
それに――」
一瞬だけ、彼女の頬がうっすらと赤くなった。
「それに、“婚約相手候補”として、負けっぱなしなのは、さすがに癪ですわ」
「つまり?」
「つまり――」
リリーは、まっすぐホップを見た。
「私は、田舎娘とやらに会いに行きます」
王都の空に、薄い雲が流れていく。
「彼にふさわしいのは誰か。
宮廷薬師としての未来を共に歩めるのは誰か。
見極めて差し上げますわ」
(ああ)
ホップは、心の中で静かにため息をついた。
(これが、バジル伯爵家の娘か)
プライドは高く、価値観は偏っていて、世界は狭い。
でも、自分の足でその狭さを壊そうとしている。
不器用で、少し危なっかしい火種。
「勝手にしろ、と言いたいところだが」
ホップは肩をすくめた。
「田舎には田舎の流儀がある。
ミント殿は、“貴族令嬢だから”という理由だけでは、何も譲らないだろう」
「上等ですわ」
リリーは、唇の端を引き上げた。
「私も、バジル伯爵家の娘ですもの。
“田舎娘ごとき”に、ただやられっぱなしで帰ってくるつもりはありませんわ」
その目は、どこまでも真っ直ぐで、どこまでも頑固だった。
――このとき、リリーはまだ知らない。
自分が“田舎娘”から教わることの方が、きっとずっと多いのだということを。
王都の噂は、今日も勝手に走り回る。
「宮廷薬師、田舎娘に骨抜き事件」
その見出しの向こうで、少しずつ、誰かの人生が変わり始めていた。
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私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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