公爵家を追い出された地味令嬢、辺境のドラゴンに嫁ぎます!

タマ マコト

文字の大きさ
5 / 20

第5話 竜の契約

しおりを挟む

 夜が砦の高壁に絡みついて、風の音が低く回り続けた。
 客間の炉は穏やかに燃え、窓辺の小さな土の上には、銀花の種が眠っている。

 ローザは掌を土に重ね、指先の冷たさで自分の鼓動を確かめた。
 三日という期限。
「ここに立つ理由を見つけろ」と言った彼の声は、石の目地みたいに、静かだがほどけない。

 扉が二度だけ叩かれ、鉄の従者が無言で身を引いた。
 続いて入ってきたのはカイゼルだった。

 昼の冷たい光ではなく、炎の反射を受けた銀の瞳は、色を持たないまま明滅する。

「用件は短い」
 彼は炉の前で立ち止まった。
「契約を結ぶ。仮のものだ」

「契約……?」

「名目が必要だ。王都の噂は、いつか武器になる。噂より先に、形を置く」

 言葉の石を積むように、彼は淡々と言った。
 挑発も情も挟まない。だが、余白にだけ体温がある。

「仮の花嫁、ということ?」

「そう呼ぶことに異論はない。ただ、条件がある」

「聞かせて」

 カイゼルは指先を軽く振った。鉄の従者が滑るように近づき、小さな黒革の箱を差し出す。
 開けば、薄い金属板が一枚、鱗のように光を吸っていた。角に古語の刻印。真ん中に小さな窪み。

「契印だ」

「印……ですか」

「砦の内で、お前を“侵入者”と見なさないための印。竜の術式は、人の気配を選ばない。ここは余計な約束を嫌う。印があれば扉は開き、刃は眠る」

 カイゼルは視線だけで炉の上を示した。飾り気のない鉄の皿。皿の中央に、焼けたままの粉が少し。

「印は痛む?」

「少し。だが、残るのは熱ではなく、合図だけだ」

 ローザは箱を見つめ、うなずいた。
 痛みの行き場は知っている。土に落ちると、痛みは時間に変わる。時間は芽になる。

「契約の条件を」

 促すと、カイゼルは三本の指を静かに立てた。

「第一。三日のあいだ、ここに立つ理由を探せ。理由は、王都でも、わたしでもなく、お前の言葉で言えるものに限る」

「はい」

「第二。砦と辺境の民に危害を加えない。知らずに触れて壊すなら、先に問え。知らないことは罪ではないが、問わないことは罪だ」

「……分かりました」

「第三。わたしの“力”に口を出すな。使い方、出し方、しまい方は、わたしの領分だ。お前の領分があるように」

 そこで彼はわずかに間を置き、指をおろした。

「以上だ。対価は、わたしがこの砦の“牙”をお前に向けないこと。お前の居場所の安全。その代わり、お前はわたしの居場所を探す」

「……居場所?」

「この砦が“居”であることと、わたしに“居”があることは同義じゃない」

 居場所、という言葉が、炉の火に触れて柔らかくなる。
 ローザは胸の布袋を握った。銀花の芯は小さいのに、思いのほうが重い。

「契約を結ぶなら、私は私の言葉をひとつ足します」

「聞こう」

「知らないことは、必ず問います。問うことを怠らない。……それを“第四”に」

 カイゼルの口角が、わずかに上がった。

「面倒な花嫁だ」

「よく言われます」

「よかろう。では、結ぶか、やめるか」

 彼は箱から金属板を取り上げ、炉の上にかざした。
 薄い鱗の板は、火の揺らぎで内側から光り、刻印が浮かんでは沈む。

 彼が指で板を弾くと、窪みから透明な雫が一滴だけ生まれた。
 炎の匂いに混じって、金属の甘い匂いがする。鉄でも銀でもない、古い鉱脈の匂い。

「指先を」

 ローザは右手の薬指を差し出す。
 躊躇はしたが、引きはしなかった。

 カイゼルは雫を指先に落とした。
 熱い、と言葉が出る前に、熱は皮膚の下へ潜った。焼かれる痛みではなく、印字される痛み。

 指先の脈が一度だけ強くなり、それから静まる。
 皮膚に浮かんだ微かな輪郭は、すぐに色を失い、残ったのは、触れたときだけわかる浅い凹み。

「これで、砦はお前を覚える」

「あなたは……?」

「わたしは忘れない」

 彼は短く言い、板を冷やして箱に戻した。

「これで私は、ここにいていい」

「三日間は、確かに」

「三日で足りるでしょうか」

「足りなければ、“次”の話をすればいい」

「次の話」

「次の話を持てるのは、生きている者だけだ」

 答えの形が彼らしい。
 刃の縁に立ちながら、足の裏に必要な摩擦だけを残す。

「……契約書は?」

「言葉で足りる。わたしの力は、わたしの言葉に反応する。お前も、自分の言葉で、自分を縛れ」

 ローザは姿勢を正し、息を整えた。
 声は、契約を呼び出す鍵になる。そう直感した。

「ローザ・アーデルハイトは、三日のあいだ、この砦に立つ理由を探すことを約する。砦に危害を加えず、知らないことは問う。……それから、あなたの居場所を、あなたの外にも探す」

「外にも?」

「はい。あなた自身の中にしか居がないなら、いつか疲れるから」

 カイゼルは何も言わなかった。
 沈黙は否定ではなかった。沈黙が、少しだけ温かかった。

「――契約は成立した」

 彼は低く言い、炎がひとつ強く息をした。
 炉の火がぱちりと鳴って、部屋の影の形が変わる。

 空気の密度が一瞬だけ増し、耳の奥の膜がわずかに震える。
 術式が閉じた音だと直感する。

「次だ」
 カイゼルは短く切り替えた。
「砦の“顔”を見せる」

「顔?」

「この城にいるもの、いないもの。あるもの、ないもの。何に挨拶すべきで、何に背を向けるべきか」

 彼の後を歩く。廊下は長く、角は風で丸い。
 壁の鉱脈は、彼が通るたびに、ほんの少しだけ光を返す。

 階段を降り、中庭を横切る。昼間は見えなかった線が、夜には見える。
 水路の底を走る細い銀、壁際に埋められた古い石柱。柱には擦り減った文字。

 触れれば意味を吸ってくれそうだが、彼は何も言わなかった。
 言葉が過ぎると、古いものは耳を塞ぐ。

「ここは工房」

 低いアーチを潜ると、冷気が頬をなでた。
 中は空だ。工具は壁に掛けられ、炉は落とされている。だが、空ではなかった。

 天井から吊るされた鎖が、誰も触れていないのに揺れている。
 石に刻まれた溝が、火のない明滅で呼吸している。

「誰もいないのに、働いている」

「人がいないだけだ。仕事は残る。仕事の跡は、次の仕事を呼ぶ」

 カイゼルは机の上に置かれた金属片を一つ掴み、指で軽く鳴らした。
 乾いた音。工房の気配がそれに応え、目に見えない手がわずかに整列する。

「ここは文庫」

 さらに進むと、狭い扉の向こうに高い天井。
 書物の背が規則正しく並び、紙と革の匂いが、同時に古くて新しい。

 ローザは思わず歩幅を小さくした。
 棚の間の空気はやわらかく、息をひそめたくなる。

 彼女の視線が引かれるように止まった先に、薄い冊子があった。
『古き契約と竜』――王都で見た章題。ここでは、頁が増えている。

 誰かが書き足し、誰かが削った跡。

「読んでいい?」

「読め。夜に読むな。夜は文字の輪郭を変える」

 文庫を出ると、風がまた温度を変える。
 上階へ上がり、細い回廊を渡る。砦の外壁に沿った回廊は、谷の風を真正面から受ける。

 ローザの髪が頬に張り付く。
 彼は歩幅を少し緩める。こちらの息に合わせるみたいに。

「最後」

 鉄の扉の前で、カイゼルは足を止めた。
 扉には鍵穴がない。彼は掌を扉に当て、言葉をひとつ置いた。

 聞こえない。けれど、扉が彼の声を覚えていることは分かった。
 扉は静かに開き、冷たい空気が流れ出る。

 部屋は狭く、何もない。
 床に円、壁に円、天井に円。円と円が重なって、立体の器を作る。空っぽの器。

「ここは?」

「“しまう”場所だ」

「何を」

「怒り、力、約束、忘れられないこと。その一部」

 ローザは円の中心に足を踏み入れそうになって、踏みとどまった。
 足裏が勝手に教える。ここに入るには、まだ早い。

「ここに入るのは」

「いつか必要になる。今じゃない」

 扉が閉まり、回廊の風が戻る。
 砦の上で、星が近い。谷底の霧は薄く、遠くの山の稜線が夜の色に切り抜かれている。

 ローザは欄干に手を置き、深く息を吸った。冷たいが、苦くない。
 カイゼルは隣に立ち、風を半分だけ盾で裂く。

「質問がある」

「どうぞ」

「昨夜、どうして光は賊の足元にだけ降りたの」

「賊は逃げるべきだったから」

「それだけ?」

「それ以上でも、それ以下でもない。わたしがすべての“正しさ”を知っていると思うな」

「思わない。……でも、あなたが“選べる”ことは分かった」

「選んだ結果に、理由を継ぎ足すのは人の癖だ」

「継ぎ足すの、嫌い?」

「嫌いではない。料理は継ぎ足すほど旨くなることもある」

 彼にしては珍しい比喩だった。
 ローザは小さく笑った。笑いは風に乗って薄まり、砦の石に染みた。

「では、わたしもひとつ選びます」

「何を」

「明日の朝、この砦の土で、最初の芽を探す」

「芽?」

「窓辺に土をもらいました。“石の腹”。……ありがとう」

 カイゼルは反応を見せなかった。
 見せなかったが、見せなかったことが反応だった。

「眠れ」

「あなたは?」

「眠る。眠らなければ、古い音が増える」

「古い音?」

「わたしの中の、忘れられないものの音だ」

 彼は身を翻し、回廊の影に溶けた。
 足音は最後まで静か。残ったのは風と、星と、胸の奥でかすかに鳴る契約の音。

 部屋に戻ると、炉の火はまだ生きていた。
 窓辺の土は冷たく、しかし乾いていない。

 指先で表面をなで、眠る種に囁く。

「ここに立つ理由、見つける。あなたも、ここに立って」

 床に横たわり、毛布を肩に引き寄せる。
 まぶたを閉じると、指先の浅い凹みが、契約の形を確かに残していた。

 痛みはほとんどない。合図だけがある。
 三日あれば、合図は習慣に変わる。習慣は、根になる。

 眠りに落ちる直前、砦のどこかで、低い音が一度だけ鳴った。
 怒りでも合図でもない、深呼吸の音。

 彼が“しまう”部屋の前で吐いた息かもしれない。
 彼がしまい切れなかったものの、わずかな漏れ。

 わたしの中にも似た音がある。忘れられないものの、静かな重さ。

 ――朝。

 まだ空は白くなる前、風が細くなる時間。
 ローザは窓辺に膝をついた。

 土の真ん中に、針の先ほどの亀裂。
 そこで、ほんの少しだけ色が濃い。緑でも銀でもない、ただの湿った影。

「おはよう」

 指先で土を寄せ、影の上に手をかざす。
 気のせいかもしれない。けれど、気のせいで足りた。

 芽は、前に向いている。砦もまた、前に向いている。
 彼とわたしの契約は、薄くても、確かに結ばれた。

 失うことから始まった道の先で、最初の“得る”が、土の上に息をした。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。 

さら
恋愛
 私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。  そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。  王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。  私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。  ――でも、それは間違いだった。  辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。  やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。  王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。  無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。  裏切りから始まる癒しの恋。  厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。

追放された宮廷薬師、科学の力で不毛の地を救い、聡明な第二王子に溺愛される

希羽
ファンタジー
王国の土地が「灰色枯病」に蝕まれる中、若干25歳で宮廷薬師長に就任したばかりの天才リンは、その原因が「神の祟り」ではなく「土壌疲弊」であるという科学的真実を突き止める。しかし、錬金術による安易な「奇跡」にすがりたい国王と、彼女を妬む者たちの陰謀によって、リンは国を侮辱した反逆者の濡れ衣を着せられ、最も不毛な土地「灰の地」へ追放されてしまう。 ​すべてを奪われた彼女に残されたのは、膨大な科学知識だけだった。絶望の地で、リンは化学、物理学、植物学を駆使して生存基盤を確立し、やがて同じく見捨てられた者たちと共に、豊かな共同体「聖域」をゼロから築き上げていく。 ​その様子を影から見守り、心を痛めていたのは、第二王子アルジェント。宮廷で唯一リンの価値を理解しながらも、彼女の追放を止められなかった無力な王子だった。

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

大自然を司る聖女、王宮を見捨て辺境で楽しく生きていく!

向原 行人
ファンタジー
旧題:聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。 土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。 とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。 こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。 土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど! 一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」 そう、第二王子に言われました。 そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…! でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!? ☆★☆★ 全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。 読んでいただけると嬉しいです。

パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら
ファンタジー
 勇者パーティーから「お前は役立たずだ」と追放され、冒険者ギルドからも追い出され、最後には国からすら追放されてしまった俺――カイル。  居場所を失った俺が選んだのは、「追放された者だけのギルド」を作ることだった。  仲間に加わったのは、料理しか取り柄のない少女、炎魔法が暴発する魔導士、臆病な戦士、そして落ちこぼれの薬師たち。  周囲から「無駄者」と呼ばれてきた者ばかり。だが、一人一人に光る才能があった。  追放者だけの寄せ集めが、いつの間にか巨大な力を生み出し――勇者や王国をも超える存在となっていく。  自由な農作業、にぎやかな炊き出し、仲間との笑い合い。  “無駄”と呼ばれた俺たちが築くのは、誰も追放されない新しい国と、本物のスローライフだった。  追放者たちが送る、逆転スローライフファンタジー、ここに開幕!

元悪役令嬢、偽聖女に婚約破棄され追放されたけど、前世の農業知識で辺境から成り上がって新しい国の母になりました

黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢ロゼリアは、王太子から「悪役令嬢」の汚名を着せられ、大勢の貴族の前で婚約を破棄される。だが彼女は動じない。前世の記憶を持つ彼女は、法的に完璧な「離婚届」を叩きつけ、自ら自由を選ぶ! 追放された先は、人々が希望を失った「灰色の谷」。しかし、そこは彼女にとって、前世の農業知識を活かせる最高の「研究室」だった。 土を耕し、水路を拓き、新たな作物を育てる彼女の姿に、心を閉ざしていた村人たちも、ぶっきらぼうな謎の青年カイも、次第に心を動かされていく。 やがて「辺境の女神」と呼ばれるようになった彼女の奇跡は、一つの領地を、そして傾きかけた王国全体の運命をも揺るがすことに。 これは、一人の気高き令嬢が、逆境を乗り越え、最高の仲間たちと新しい国を築き、かけがえのない愛を見つけるまでの、壮大な逆転成り上がりストーリー!

追放された聖女、今では魔王の隣でティータイムを楽しんでいます

タマ マコト
ファンタジー
聖女セリーヌは、人々に癒しを与える“神の声を聞く娘”として敬われていた。 だがある日、王太子ルシオンと新たに選ばれた“偽聖女”の陰謀によって、 「神託を偽った罪」で断罪され、すべてを奪われて追放される。 雪の降る国境を彷徨う中、彼女は傷だらけの男――“魔王カイン”と出会う。 本来なら敵であるはずの彼を、セリーヌは反射的に癒してしまう。 「……なぜ助けた?」 「あなたが苦しそうだったから。それだけです」 絶望と孤独の中、二人の奇妙な同居生活が始まる。 無愛想な魔王と、信仰を失った聖女。 紅茶の香りと沈黙の時間の中で、 “敵”ではなく“人”としての心が、ゆっくりと溶け始めていく――。

処理中です...