聖女を追放した国が滅びかけ、今さら戻ってこいは遅い

タマ マコト

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第10話 ノルディアの聖女になるか、それとも――

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 その話が出る予感は、なんとなくずっと前からあった。

 治療院で寝ているあいだも。
 カイルと城下町を歩いた日も。
 高台でレオンハルトの正体を聞いた夜も。

(いつかきっと、“ここにいてほしい”って言われる)

 それは怖くて、でも、どこかで少しだけ、期待していた未来でもあった。



 その日、空は淡い曇りだった。

 窓の外には、薄い雲が流れ、光がふわりと街を包み込んでいる。
 雨になるほどでもなく、晴れとも言えない、揺らぎの中間みたいな天気。

 リディアは治療院の庭に出て、小さなベンチに腰かけていた。

 庭の隅に、白い花がひっそりと咲いている。
 あの日、子どもからもらった花とよく似た色。

「だいぶ顔色良くなったな」

 背後から声がして振り向くと、カイルが木の柵にもたれていた。
 鎧は軽装で、腰には剣。いつでも動けるけれど、今は“任務中”ではない顔。

「今日の体力ゲージは?」

「黄色くらい、ですかね」

「お、やっと赤から抜けたか」

 彼は満足そうに頷く。

「なあ、リディア」

「はい?」

「……何も言われてねぇ?」

 唐突に落ちた問いに、リディアは瞬きをした。

「何もって、何についてですか?」

「いや、その……レオンさんのことだよ」

「レオンさんがどうかしました?」

「最近さ、“治療院に行く頻度高くね?”って、周りの文官たちにめっちゃいじられてんだよ。
 “陛下は今日も仕事さぼってお見舞いですか?”とか、“患者の様子を見に行くのも王の仕事なんですね”とか」

「……すごい国ですね、やっぱり」

「だからさ」

 カイルは、頭をかきながら顔をしかめた。

「たぶん近いうちに、“ちゃんとした話”が来ると思う。ノルディアにどうするつもりかとか、そういうの」

「……そう、ですか」

 胸の奥で、小さな痛みがじわりと広がる。

 覚悟していた話。
 でも、いざ「来る」と言われると、やっぱり怖い。

「別に、俺が何か聞いたわけじゃねぇぞ?」

 カイルは手を振る。

「ただ、あの人の動き方見てると、なんとなく分かる。
 “とりあえず生かす”段階は終わって、“これからどうする?”って段階に入ってる」

「うん……」

「だからさ」

 カイルは、真っ直ぐにリディアを見る。

「どんな答え出してもいいけど、“また自分のこと後回しにする答えだけはやめとけよ”」

「自分のこと後回し……?」

「前の国の話、ちょっとだけ聞いた」

 彼の声が、少し低くなる。

「全部は話さなくていいって、俺も思うけどさ。
 “国のため”“誰かのため”って言葉を使うときのお前の顔、どう見てもいい顔じゃなかったから」

「……顔に出てました?」

「がっつりな」

 カイルは苦笑した。

「だから、“ノルディアのために”って言葉を最初に使うなら、それは“ちょっと待て”って言うつもり」

 それは、軽い冗談っぽく装っているのに、芯がやけに真剣な言葉だった。

 リディアは、胸のあたりをそっと押さえる。

(ちゃんと見てくれてる人がいる)

 その事実が、少しだけ怖さを薄めた。

「……ありがとう、カイル」

「礼言われるほどのことじゃねーよ」

 彼は照れくさそうにそっぽを向いた。

「つーか、そういう話はレオンさんに直接ぶつける機会、すぐ来るから」

「それ、宣告ですか?」

「予告」

「もっと優しい言い方ないんですか……」

 そんなやりとりをしているところに、庭の方角から気配が近づいてきた。

 足音は静かで、けれど迷いがない。
 誰が来たのか、もう分かってしまう。

「――ここにいたか」

 穏やかな声。
 振り向けば、文官の服に少しだけ手を入れた、あの日と同じ“レオン”の姿。

 でも今、その背中には、“王”としての影がはっきりと見えた。

「レオンさん」

「カイル」

「あ、俺そろそろ見回りの時間なんで。お邪魔でした!」

 カイルは全力で空気を読み、全力で逃げた。

 ただの一度も「陛下」とは呼ばずに。

 リディアは、ぽかんと残された。

「……行きましたね」

「あいつは、こういうときだけ勘がいい」

 レオンは小さく肩をすくめた。

 風が庭を抜ける。
 薬草の匂いと、土の匂いが混じる。

「さっき、カイルと話していたことの続きをしに来た」

「えっ」

 聞かれていた。
 というより、“聞かせていた”のだろう。

 どこまで聞かれていたのか考える前に、レオンはベンチの隣を指で示した。

「隣、いいか」

「……どうぞ」

 レオンが腰を下ろす。
 隣に座ると、ほんのりとインクと紙の匂いがした。
 剣ではなく、ペンを握ってきた人の匂い。

 しばしの沈黙。
 鳥のさえずりが、遠くでかすかに聞こえる。

 その静けさを、レオンが破った。

「――君に、正式な提案をしに来た」

 リディアの喉の奥が、きゅっと鳴る。

 来た。
 予感していた言葉が、いま現実になる。

「この国の聖女として、ここにいてくれないか?」

 やわらかい声色で告げられた言葉は、不思議と重くなかった。
 でも、その意味は重い。

 “ノルディアの聖女”。

 アルシェルドで剥奪された肩書きが、別の国で、別の形で差し出されようとしている。

「……」

 口が、動かなかった。

 拒絶したい感情と、救いだと感じる部分と、責任の重さを知っている自分と。
 いろんなものがいっぺんに胸の中で渋滞して、言葉の通り道を塞ぐ。

「今すぐ答えを出せとは言わない」

 レオンはすぐにそう付け加えた。

「君がこの言葉を聞いて、何を思うか、何を思い出すか。
 それを考えれば、“即答しろ”などと言う気にはならない」

 リディアは、深く息を吸い込んだ。

 “聖女”という言葉が、胸の奥の傷をノックする。

 アルシェルドの聖堂。
 果ての見えない祈り。
 「無能」というレッテル。
「聖女の交代」。
 公開断罪。
 婚約破棄。
 追放。
 森の雨。

 全部が、フラッシュバックみたいに頭の中を駆け巡る。

「……怖いです」

 やっと、それだけ絞り出せた。

「“聖女”って言葉が、まだ」

「怖いだろうな」

 レオンは否定しなかった。

「アルシェルドは、君にとって“聖女であったこと”が、ほとんどそのまま“傷”になっている国だ」

「はい」

 声が、震える。

「“国のため”って言葉を聞くだけで、胸が苦しくなります。
 レオンさんが言うときはまだ大丈夫なんですけど……
 “聖女”と“国のため”って言葉がセットになると、どうしても、あの場所の空気を思い出してしまって」

 あの国の“聖女”は、“大きな器”であることを求められた。
 感情を殺して、都合のいい奇跡を起こすための器。

「だから、ノルディアの聖女と言われても……同じ場所に戻ってしまうんじゃないかって、怖くて」

「同じにするつもりはない」

 レオンの声が、少しだけ強くなった。

「ノルディアに、“アルシェルド式聖女制度”をそのまま輸入する気はない」

「……アルシェルド式」

「一人を支柱にして、国全体を乗せるやり方だ」

 彼は皮肉まじりに言う。

「君のような存在を得た国がやりがちな誤りだな。
 “この人がいるから大丈夫”という甘えが、全体の足腰を弱くする」

「そう、ですね……」

 王城で聞いた声が耳に蘇る。

『聖女の加護が弱まっている証拠だ』
『聖女の交代』
『結果だけが全てだ』

 全部、あの国が“聖女一人に依存しきっていた”結果の言葉だ。

「だから、“ノルディアの聖女”という言葉を使うにしても、同じ構図にはしない。
 “王国の支柱一人”ではなく、“たくさんある支えの一つ”として、君にいてほしい」

「たくさんある支えの、一つ……」

「魔術師、騎士、治癒師、文官、農民、商人。
 ノルディアは、元々“聖女がいない国”としてやってきた」

 レオンは街のほうを顎で示す。

「だからこそ、なんとかギリギリでも持ちこたえている。
 そこに君のような存在が加われば、“少しマシになる”と、そう考えている」

 “少しマシになる”。

 その言い方が、ひどく現実的で、ひどく優しかった。

 「君がいなければこの国は終わりだ」なんて重さは、どこにもない。

「ノルディアの聖女になってほしいというのは、正直な願いだ。
 だが同時に――」

 レオンは、リディアのほうを見る。

「君が、“聖女リディア”ではなく、“ただのリディア”として、この国にいてくれることも、俺は望んでいる」

 胸の奥で、何かが小さく震えた。

「“聖女”という肩書きは、あくまで、この国にとっての名前だ。
 君が、自分をそう呼ぶ必要はない」

「……自分を?」

「君は、自分を何と呼びたい?」

 突然の問い。

 リディアは、言葉を失う。

 アルシェルドで、自分をどう呼んでいただろうか。

 “聖女”。
 王太子の婚約者。
 “国の器”。

 それが全部剥がされた今、残っているものは――

「……リディア、です」

 小さく、小さく呟く。

「“聖女”とか“陛下の婚約者”とか、そういう肩書きじゃなくて。
 誰かの何かじゃない、“リディア”として……ここにいたいです」

 それは、怖い願いだった。

 肩書きがあれば、“役に立っている”という安心を得られる。
 肩書きがなくなれば、自分の存在価値を自分で決めなければいけない。

 でも今、この場所でだけは――それを望んでみたいと思えた。

「ここに……いてもいいでしょうか」

 勇気を振り絞って、言葉にする。

「ノルディアの聖女としてではなく、“リディア”として」

 レオンは、ほんの一瞬だけ目を細めた。

 その瞳の奥に、安堵と喜びと、どこか寂しさのようなものが揺れた気がする。

 そして――

「もちろんだ」

 即答だった。

 迷いも、溜めも、条件もない。
 たった五文字で、すべてを受け止める返事。

 胸の奥で、ぱちん、と何かが弾けた。

 アルシェルドと自分を繋いでいた、細くて重い糸が、そこではっきりと音を立てて切れた気がした。

「君は、ノルディアにとって“元聖女”かもしれないが――
 それ以前に、“命を拾われて、ここに流れ着いた一人の人間”だ」

 レオンは続ける。

「この国は、そういう人間を受け入れる準備をしているつもりだ。
 君が、“ここにいたい”と思ってくれたことが、まず何より嬉しい」

「……よかった」

 涙が、にじんでくる。

 アルシェルドでは、“いて当たり前”と言われてきた。
 “いなくなったら困る”と言われ、最後は“いないほうがいい”と切り捨てられた。

 今、「いてほしい」と言われ、「いていい」と言われる国がある。

 ただ、それだけのことが、こんなにも救いになるなんて。

「じゃあ――」

 レオンは、ほんの少しだけ冗談めかす。

「“リディア”として、しばらくノルディアにいてくれるか。
 “いつか働きたいと思えたときに動き出す”という約束付きで」

「はい」

 リディアは、迷いなく頷いた。

「“いつか”は、ちゃんと守ります。
 今は、もう少しだけ休んで、自分を取り戻して……
 それから、“この国に何ができるか”を、自分の足で選びたいです」

 “選ぶ”という言葉が、自然と口から出てきた。

 アルシェルドでは、“選ばされる”ことはあっても、“選ぶ”ことはほとんどなかった。

「それでいい」

 レオンの声が、夜の空気に馴染む。

「君が“リディア”としてここにいると決めた瞬間から――
 アルシェルドと君の間には、もう、元には戻れない距離ができた」

「……分かっています」

 それは、覚悟していたことだ。

 アルシェルドに戻る道は、もうほとんどない。
 奇跡的に呼び戻されたとしても、そこは“わたしの居場所”ではない。

「怖くないか?」

「怖いです」

 素直に言う。

「でも、“戻らない場所”があるなら、“進む場所”も必要だから」

 そう言って、自分の膝の上に視線を落とした。

 両手をぎゅっと握る。
 その手の中に、あの日もらった白い花の記憶が蘇る。

 泣いていた子どもが笑ったこと。
 “ありがとうの花”と手渡された小さな温度。

「あの、レオンさん」

「何だ」

「わたし、“ノルディアの聖女”って呼ばれるのに慣れるには、まだ時間がかかると思います。
 でも、“ノルディアにいるリディア”として、誰かの痛みを少しだけ軽くすることなら、今でも……少しずつ、できる気がします」

「それで十分だ」

 レオンは、優しく笑った。

「肩書きは後からついてくるものだ。
 “聖女”と呼ばれようが呼ばれまいが、“リディアのしたこと”は、この国のどこかに必ず残る」

「……はい」

 胸の中の火が、もう一段階あたたかくなる。

 それは、“国を照らす大きな炎”なんかじゃない。
 手のひらの中でようやく守れるくらいの、小さな灯。

 でもその灯りを守ることなら、今の自分にもできると思えた。



 その日、治療院に戻ったリディアは、いつもより少しだけ軽い足取りだった。

 部屋に入ると、カイルが椅子に逆さ座りして待っていた。

「で?」

「で、ってなんですか」

「顔見りゃだいたい分かるけどさ。一応聞いとく。
 話、されたろ。“ここにいるかどうか”って」

 リディアは、ふっと笑った。

「されました」

「どう答えた」

 彼の目が、意外と真剣で、心配そうだった。

「“ここにいてもいいですか。聖女としてじゃなくて、“リディア”として”って」

「おお」

 カイルの口元がゆっくりとほころぶ。

「陛下、なんて言った?」

「“もちろんだ”って」

「……へぇ」

 短い相槌なのに、そこにたくさんの感情が乗っている気がした。

「なんか、ずりぃなぁ、あの人」

「またその言い方」

「だってさ。
 “ここにいていい”って言葉、言える王様、そうそういねぇよ」

 カイルは、肩をすくめながらも嬉しそうだった。

「じゃ、決まりだな」

「何がですか?」

「“ノルディアのリディア”」

 彼は、からかうようにニヤリと笑う。

「肩書きはまだ保留でも、“ここにいるリディア”が決まったなら、それで十分だろ」

 その言葉に、胸の奥がじんわりと満たされていく。

「……はい。よろしくお願いします、“ノルディアのリディア”としてのわたしも」

「おう。ちゃんと見張っててやるからな。
 “自分を捧げすぎたら怒る係”ってことで」

「それ、けっこう重要な役割ですね?」

「だろ」

 二人の笑い声が、治療院の一室にやわらかく響いた。



 その頃、レオンハルトは自室の机で、積み上がった書類を前に深く息を吐いていた。

 窓の向こうには、さっきまでリディアと眺めていた街の灯り。

 彼はペンを走らせながら、ふと手を止め、小さく呟いた。

「――ようこそ、ノルディアへ。リディア」

 その言葉は、誰の耳にも届かない。
 けれど、確かにこの国の王の本心として、静かに夜の帳に溶けていった。

 アルシェルドとリディアの間に生まれた決定的な距離。
 それは同時に、ノルディアとリディアの間に結ばれた、新しい“近さ”の始まりでもあった。
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