7 / 20
第7話 選ばれた妹と、封じられていた災厄の名前
しおりを挟むアストレイア王城の朝は、今日もきらきらしていた。
磨かれた床。高い窓から差し込む光。香油の匂いをまとった侍女たち。笑顔を貼りつけた貴婦人たちの、上滑りするような祝福の声。
「まあ、セレナ様。本日もお美しいこと」
「殿下の隣に立たれるお姿が目に浮かびますわ」
「次の王太子妃候補として、これほど相応しい方はいらっしゃらないでしょう」
その言葉を浴びながら、セレナ・エルフェリアは鏡の前で微笑んでいた。
薄桃のドレス。丁寧に巻かれた金髪。耳元で揺れる真珠。どこからどう見ても、幸福の中心に立つ少女の姿だ。
そう。今の自分は、ようやく“選ばれた側”にいる。
王子の婚約者だった姉は追放された。
人々はもう、リリアではなく自分を見ている。
欲しかった場所が、ようやく手の届くところまで降りてきた。
そのはずだった。
「セレナ、背筋を伸ばして」
背後から母ミレイナの声が飛ぶ。
「うつむくと顔色の悪さが目立つわ」
「……そんなに悪いかしら」
「少しね。でも化粧でどうにでもなる程度よ」
扇子を閉じたミレイナは、鏡越しに娘を見た。相変わらず美しい女だった。口元に浮かぶ笑みも柔らかい。なのに、目だけはまるで冷たい算盤みたいに数字を弾いている。
「昨夜もあまり眠れなかったの?」
「少しだけ」
「だめよ。目の下に影ができているわ」
「……お母様」
セレナはそっと唇を噛んだ。
「私、本当に大丈夫かしら」
その問いは、弱音のつもりで口にしたわけじゃなかった。けれど自分で思った以上に細い声が出た。
ミレイナはすぐに表情を変えない。
「何が?」
「最近、少し……変なの。夜になると声が聞こえるの」
「声?」
「誰もいないのに。耳元で、ずっと何か囁いてるみたいで」
姉を超えろ。
選ばれろ。
足りない。
まだ足りない。
その声は、夜が深くなるほど近くなる。耳のすぐ横で囁いてくる時もあれば、頭の奥でぬるく響く時もあった。自分の考えみたいに自然に混ざってくるくせに、絶対に自分のものじゃないとわかる、気持ちの悪い声。
ミレイナは少しだけ眉を寄せた。
「疲れよ」
「でも」
「立場が変わったばかりだもの。緊張もするでしょう」
そう言って娘の肩に手を置く。その手つきは優しいのに、体温がない。
「今ここで弱るわけにはいかないのよ、セレナ」
「……」
「あなたはやっと手に入れたの。姉より上に立てる場所を」
その言葉は、甘い毒みたいに心へ落ちる。
姉より上。
その響きは、昔からセレナの胸をざらつかせる。
子供の頃、屋敷の廊下ですれ違う使用人たちは、必ずこう言った。
「やっぱりお姉様はお綺麗ね」
「長女のリリア様は落ち着いていらっしゃる」
「王子殿下の婚約者に相応しいのは、やはりあちらだわ」
直接聞こえなくても、空気でわかった。あの家ではいつだって、先に“本物”がいた。
リリア。
静かで、綺麗で、頭が良くて、どこか触れがたい姉。
セレナはずっと、その背中を見上げていた。憧れていたのかもしれない。追いつきたかったのかもしれない。けれど比べられるうちに、その感情は少しずつ濁っていった。
十歳の魔力測定の日、リリアの水晶が何も映さなかった時。 あの日初めて、自分は心の底で思ったのだ。
——勝てる。
その感覚の甘さを、今でも忘れられない。
「お母様、私……ちゃんと選ばれ続けるかしら」
「当然よ」
ミレイナは即答した。
「選ばれ続けなさい。そのために努力するの」
「でも、結界の適性試験が……」
「通るわ」
「まだ結果も出ていないのに」
「出させるのよ」
あまりに平然と言うので、セレナは少し息を呑む。
ミレイナは鏡の中の娘と目を合わせた。
「いい? 王家が欲しいのは、王妃として美しく立てる娘と、結界に多少なりとも適性のある娘よ。あなたはその両方になれる」
「……お姉様より?」
「リリアさんはもういないわ」
ぴしゃりと切り捨てる言い方だった。
「いない人のことを考えても仕方ないでしょう」
「でも」
「セレナ」
ミレイナの声が、少しだけ低くなる。
「今さら怯えないで。あなたはもう、前へ出るしかないの」
その瞬間、耳の奥で、あの声がまたした。
——そう、前へ。
——踏み越えて。
——選ばれなさい。
「っ……!」
セレナが肩を震わせると、ミレイナが顔をしかめる。
「どうしたの」
「なんでも、ない……」
言えるわけがない。
この声が怖いなんて。
勝ちたかったはずなのに、勝った場所で足元がぬかるんでいくみたいに不安だなんて。
ミレイナは一瞬だけ娘を見つめ、それでも最終的には言った。
「今日は王宮術師による適性検査でしょう。顔を上げなさい」
「……はい」
「ここで倒れたりしたら、全部水の泡よ」
慰めではなく、命令。
その現実的すぎる言葉が、かえってセレナを黙らせた。
自分が休めば、席が遠のく。 そう思うと、怖くて止まれない。
その頃、ヴァルディオン帝国の研究棟では、リリアが古い術式板の前に立っていた。
朝から机に積まれた資料は高く、もはや壁みたいになっている。星律結界の運用記録。古代術式の断片。アストレイア王国の地脈図。辺境から届いた結界異常の観測値。
視界に入る数字の一つひとつが、今の王国の綻びを物語っていた。
「東部だけじゃない」
リリアは紙面を睨んだまま呟く。
「西部、北方、中央補助塔……全部、揺れ方が似てる」
「運用ミスでは説明がつかないか」
向かいの席で、カイルが腕を組んだ。
ここ数日で、二人が同じ机を囲む光景は珍しくなくなっていた。もっとも、穏やかな共同研究というには空気がやや鋭い。リリアは資料を読むたびに頭を抱え、カイルはそれを一歩引いた位置から冷静に見ている。
信頼というより、利害と理性で組まれた共同作業だ。
でも今のリリアには、その方がちょうどいい。
「説明がつかない、というより……浅すぎます」
紙に指先を滑らせる。
「結界の表層だけ見てるから、みんな“出力低下”って言ってる。でもこれ、深層の揺れです」
「深層」
「ええ。外側の防御網じゃなくて、もっと下……土台の方」
エドガーが別の資料を差し出した。
「これか」
「はい」
受け取った古図は、星律結界の初期構造を断面図にしたものだった。地上の都市、防壁、結界塔、地中へ潜る魔力流路。そのさらに下に、濃い黒で塗られた円形の領域がある。
古代文字が、淡く浮く。
「……奈落基底封環」
読んだ瞬間、背筋に冷たいものが走った。
知らないはずの言葉なのに、その意味が分かる。
いや、分かってしまう。
「奈落、って……まさか」
カイルが低く問う。
「何を見た」
「これ、国土防衛用の結界じゃない」
リリアはゆっくり息を吸った。
「本質は封印装置です」
「封印」
「ええ。地中深く、王都のさらに下……奈落の底に、何かが眠ってる」
演習棟の時とは違う種類の静けさが落ちる。
研究員たちのペンが止まった。
「何か、とは?」
エドガーが問う。
その言葉に答えるより先に、頭の奥で閃光が走る。
暗い穴。
見上げても底が見えないほど深い、黒い裂け目。
その周囲を囲む巨大な術式環。
そして、自分の前世の手が、震えながら最後の一線を描いている。
——星を喰らうものを、ここに縛る。
「……星喰い」
口から零れた瞬間、自分の声なのにひどく遠く聞こえた。
「星喰い?」
カイルの眉がわずかに動く。
「古い名前です。災厄の名。地脈を、魔力を……たぶん世界の巡りそのものを喰う存在」
「伝承ではなく?」
「伝承じゃない、と思います。少なくともこの結界は、それを前提に設計されてる」
リリアは資料をめくる。
注釈。補助式。封環維持条件。
「星律結界は、“国を守る”ための見せ方をしてるだけ。ほんとは違う。国土を覆う防壁は副次機能で、主目的は下の奈落を押さえ込むこと」
「……つまり、アストレイア王国は封印の上に築かれた国か」
カイルの言葉は静かだったが、重い。
リリアは小さく頷いた。
「だから出力低下が辺境だけで済まないんです。これは運用の失敗じゃなくて、根の部分が揺れてる」
「接続核を失ったことで、封環全体が不安定化した?」
「その可能性が高いです」
自分で言いながら、胸の奥が重くなる。
つまり、自分は知らないうちに王国を支えていたどころか、封印の維持にまで関わっていたことになる。
無能令嬢。
役立たず。
家の恥。
散々そう言われていた少女が、実際には国家規模の封印装置に組み込まれていた。
あまりに悪趣味で、笑えない。
「もっと早く気づけなかったのか」
カイルの言葉に、リリアは苦く息を吐いた。
「無理ですよ。王国側の文書、表層しか残してないもの」
「意図的な秘匿か」
「たぶん。全部書いたら誰も王都の上で安心して眠れないでしょうし」
エドガーが唸る。
「星喰い……古層伝承の一部にそれらしい記述はあったが、まさか実在前提で組まれた術式が残っているとはな」
「伝承にどんな話が」
「天から落ちず、地の底から這い上がる黒い飢餓。魔力あるものを喰らい、巡りを歪める、とある」
その説明だけで、リリアの指先が冷えた。
何かを思い出しそうで、思い出したくない。
「……嫌な感じですね」
「今さらか」
カイルが言う。
「今さらです。嫌なものは嫌です」
少しだけ空気がゆるむ。
でも次の瞬間、別の資料を読んだリリアの表情が変わった。
「待って」
「何だ」
「これ……結界の深層揺れ、時間帯が偏ってる」
「どこだ」
「夜半です。特に深夜。接続役に負荷が乗る時間と一致してる」
「接続役……今の候補は」
「セレナ」
名前を口にした瞬間、胸の奥がざらついた。
妹の顔が浮かぶ。
勝ち誇った笑み。薄く濡れた瞳。姉より選ばれたと信じている顔。
嫌いだ。
でもそれで終わるほど、単純でもない。
「どうした」
カイルが問う。
「……もし王国が次の接続役を立てようとしてるなら、セレナはかなり危ない」
「適性が足りない?」
「それもあります。でも、もっと嫌です。封環が揺れた状態で接続したら、下から“何か”を拾うかもしれない」
耳元で囁く声。
選ばれろ。
超えろ。
足りない。
それはまだ推測でしかない。なのに、妙な現実味を持ってしまう。
「星喰いの影響か」
「断定はできません。でも、封じられたものって、弱ったところから漏れるでしょう」
「……あり得るな」
カイルの瞳が冷たく研がれる。
「ならこれは、アストレイアの内政問題では済まない」
「はい」
「奈落が崩れれば、帝国側にも影響が来る」
「絶対来ます。地脈って国境で綺麗に切れないので」
そこまで言って、リリアはふと黙った。
自分は今、アストレイア王国の危機を止める方向で話している。
昨日までなら、心が追いつかなかったはずだ。
あの国は自分を捨てた。家族も婚約者も、自分を人間ではなく役目でしか見なかった。だから“知りません”と切り捨てたってよかった。
それでも今、机の上の資料を前にして、そう簡単には思えなかった。
王国を救いたいのではない。
でも、奈落の底から何かが這い上がる未来は、もっと嫌だ。
カイルはそんなリリアを見て、低く言った。
「線引きは必要だ」
「……」
「君がアストレイアを助けたいかどうかと、災厄の拡大を止めるかどうかは分けて考えろ」
「わかってます」
「本当に?」
「ええ。王国のために動く気は、まだないです」
「だが」
「世界が壊れるのはもっと困る」
自分で言って、少しだけ可笑しかった。
随分と大きなことを言うようになったものだ。ほんの数日前まで、婚約破棄された令嬢として泣く余裕すらなかったのに。
でも現実がもう、個人の不幸だけで閉じる大きさじゃない。
「じゃあ、どうします?」
リリアはカイルを見た。
「皇子殿下」
「何だ」
「この件、帝国としても本格的に調べるべきです」
「言われるまでもない」
「でしょうね。なので」
「なので?」
「私もやります」
カイルの表情はほとんど動かなかったが、目だけがわずかに細くなった。
「何を」
「結界構造の再解析。奈落封環の維持条件の洗い出し。今ある記録から、崩壊までの猶予を推定します」
「自分で言うんだな」
「言わないと誰かに勝手に決められそうなので」
それは半分冗談で、半分本気だった。
カイルは少しだけ間を置いてから、机の上の資料を寄せる。
「なら俺は帝国側の観測網を動かす」
「軍も?」
「必要なら」
「……本気ですね」
「世界が壊れるのは困ると言ったのは君だけじゃない」
その返しに、リリアはほんの少しだけ唇を緩めた。
「じゃあ、共同作業ですね」
「そうなる」
「嫌ならやめてもいいですよ」
「やめる理由がない」
その言葉は、不思議なくらい心強かった。
優しいわけじゃない。
守ると言ってくれるわけでもない。
でも、隣の机に肘をついて同じ資料を睨んでくれる人がいるだけで、世界の冷たさが少し薄まることがあるのだと、リリアは初めて知った。
その頃、アストレイア王城の地下術場では、セレナが結界適性の試験を受けていた。
薄暗い広間。床に描かれた巨大な円環術式。周囲には宮廷術師たちが立ち並び、中央に立つセレナを観察している。
「魔力を流してください」
術師が冷たく告げる。
「……はい」
セレナは震えそうになる指先を隠し、術式へ手をかざした。
魔力を流す。そう意識した瞬間、床の紋様が淡く光る。けれど次の瞬間、その光の奥からぞわりとした冷たさが逆流した。
まるで、暗い井戸の底から見られているみたいな感覚。
「っ……!」
「どうしました?」
「い、いえ……」
呼吸が乱れる。
耳の奥でまた声がする。
——足りない。
——もっと流しなさい。
——姉より強く。
——姉を超えろ。
セレナはぎゅっと目をつぶった。
やめて。
黙って。
私は、私はただ選ばれたいだけなのに。
「セレナ様、集中を」
術師の声が飛ぶ。
ミレイナは後方で扇を握り、娘を見つめていた。その目には心配がある。あるけれど、それ以上に“ここで失敗するな”という圧の方が濃い。
セレナは震える声で「はい」と答え、再び手をかざす。
光が広がる。
その奥から、また声がした。
——そう。
——選ばれなさい。
——もっと、もっと。
その囁きは、優しい恋人の声にも、母の励ましにも似ていない。 もっと湿っていて、もっと空腹な響きだった。
セレナの頬を、一筋だけ冷たい汗が伝った。
一方、帝国の研究室では、リリアが地脈図の上に新たな補助線を引いていた。
「ここが王都、ここが奈落基底、こっちが補助塔……」
「揺れの中心は」
「王都直下。でも表面化が早いのは辺境です」
「圧が外へ逃げているのか」
「たぶん。封環の中心を押さえ切れなくなってるから」
カイルが地図に手をつく。
「なら猶予は」
「……正直、読みにくいです」
「最悪の場合で答えろ」
「もう始まってる」
その一言は、部屋の温度を少しだけ下げた。
研究員たちが黙る。
リリアは自分でも、声が冷えすぎたと思った。けれど嘘はつけない。
「崩壊って、ある日突然全部壊れるわけじゃないんです。もう今、始まってる。辺境都市の魔物災害はその最初の波です」
「次は」
「接続役の汚染、結界塔の逆流、もしくは……封環の部分破断」
自分で言っていて、寒気がした。
そこまで見えてしまうのは、前世の記憶がまた少しだけ戻っているからだろう。知識は刃だ。知らない方が楽なことも、知れば現実になる。
「皇子殿下」
「何だ」
「ここからは、本当に遊びじゃないです」
「最初からそのつもりでいる」
「なら、私も本気でやります」
「そうしろ」
短い会話だった。
でも、そのやり取りの中で、何かが変わった気がした。
監視対象と監視者。
危険因子と管理者。
そういう関係が消えたわけではない。
ただその上に、もっと別の線が引かれた。
同じ資料を見て、同じ危機を認識して、同じ方向へ手を伸ばす線。
リリアは紙の上に置いた指先を、静かに握る。
王国のためじゃない。
家族のためでもない。
婚約者だった男のためでも、妹のためでもない。
でも、奈落の底から這い上がる飢餓に、この世界を喰わせる気はない。
それが今の自分の、いちばん正直な答えだった。
4
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】悪役令嬢ですが、断罪した側が先に壊れました
あめとおと
恋愛
三日後、私は断罪される。
そう理解したうえで、悪役令嬢アリアンナは今日も王国のために働いていた。
平民出身のヒロインの「善意」、
王太子の「優しさ」、
そしてそれらが生み出す無数の歪み。
感情論で壊されていく現実を、誰にも知られず修正してきたのは――“悪役”と呼ばれる彼女だった。
やがて訪れる断罪。婚約破棄。国外追放。
それでも彼女は泣かず、縋らず、弁明もしない。
なぜなら、間違っていたつもりは一度もないから。
これは、
「断罪される側」が最後まで正しかった物語。
そして、悪役令嬢が舞台を降りた“その後”に始まる、静かで確かな人生の物語。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました
丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、
隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。
だが私は知っている。
原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、
私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。
優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。
私は転生者としての知識を武器に、
聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、
王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。
「婚約は……こちらから願い下げです」
土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。
私は新しい未来を選ぶ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる