追放された無能令嬢、実は転生賢者でした――王国が滅びてももう知りません

タマ マコト

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第20話 もう誰の都合でも生きない

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 目を開けた時、最初に見えたのは白い天井だった。

 見慣れない石目。薄い光を含んだ天窓。鼻先をくすぐるのは、薬草と紙と、少しだけ焦げた魔力の匂い。

 ああ、生きてるんだ、と、やけに他人事みたいに思った。

「起きたか」

 低い声がして、視線を横へ向ける。

 窓際に立っていたカイルが、こちらへ歩いてくる。相変わらず姿勢は崩れていない。けれどよく見れば、目の下には薄い影があって、外套の肩には長く着続けた跡みたいな皺が残っていた。

「……何日?」 
 喉が掠れていた。

「三日」 
「そんなに」 
「死にかけていた」 
「それは、なんとなく」 
「なんとなくで済ませるな」

 その言い方がいつも通りで、リリアは少しだけ息をついた。

 寝台の上で身体を起こそうとして、胸の奥に鈍い痛みが走る。反射的にそこを押さえる。心臓の少し深い場所。あの夜、星喰いの核が落ちた場所だ。

 カイルがその動きを見て言った。

「核は残っている」 
「……やっぱり」 
「完全には消えていない。だが、暴走はしていない」 
「それは、どういう状態なんですか」 
「エドガーの言葉を借りるなら、“封じた傷を自分の内側に持ち歩いている状態”らしい」 
「最悪な表現」 
「正確ではある」

 リリアは目を伏せる。

 胸の奥を探れば、たしかに分かる。黒い飢えそのものではない。けれど、その残滓よりもっと濃く、もっと重いものが、静かに沈んでいる。痛みはある。違和感もある。でも今は、あの時みたいに世界を喰いたがる脈動はない。

 自分の中に檻を持ったようなものだ。

「……私、化け物にはなってない?」 
「今のところは」 
「“今のところ”かあ」 
「安心させるために嘘は言わない」 
「知ってます」

 やっぱりそういう人だ。

 リリアは小さく息を吐き、天井を見上げた。

「王都は」 
「持ち直した」 
 カイルが短く答える。 
「眷属は消滅。結界塔の再編も安定した。王国は辛うじて滅亡を免れた」 
「……辛うじて、か」 
「言葉通りだ。旧体制はもう保たない」

 その言葉を聞いた瞬間、不思議なくらい静かな気持ちになった。

 王国が完全に滅びなかったことに安堵したのか。 
 それとも、もう昔みたいに“あの国の未来”を自分の居場所と重ねなくなったからなのか。 
 たぶん、その両方だった。

     ◇

 数日後、リリアは回復途中の身体のまま、王国の再編に関する公的報告の場へ立ち会った。

 王都中央広場は、かつて夜会や祭りで人々が集まる場所だった。今は崩れた石畳がところどころ補修途中で、広場を囲む建物にもまだ焼け跡が残っている。けれど、人は集まっていた。生き残った者たちが、これからこの国がどうなるのかを見届けようとしていた。

 壇上には、王家、帝国調査団、主要貴族、そして結界再編に関わった術者たちが並んでいる。

 王は以前より十も歳を取ったみたいな顔をしていた。威厳ではなく、疲労と現実に削られた顔だ。その隣で、アルベルトは真っ直ぐ前を向いている。王族の正装を着ていても、もう“未来の王”の顔ではなかった。

 王が宣言する。

「此度の災厄により、王国は結界運用体制の抜本的な再編を決定する」

 広場が静まる。

「星律結界の運用は、今後、王家の単独管理を認めない。帝国との共同監査、ならびに新設される独立魔導評議機関の監督下に置く」  ざわめきが起こる。

 当然だ。 
 王家の権限は、アストレイア王国にとって王国そのものだった。それをここまで公に削るのは、事実上の統治構造崩壊に近い。

「また、結界運用および接続役に関する秘匿記録の隠蔽、公的責任の放棄、辺境避難の遅延について、王家および関係貴族家には相応の責任を課す」

 その言葉は広場に重く落ちた。

 王家は結界運用の独占を失う。 
 国家再建のために、権限を大幅に縮小される。 
 もう昔みたいに、“王が決めれば国が従う”形は続かない。

 広場の後方で、人々がひそひそと囁き合う。 
 怒り、安堵、混乱、複雑な感情が渦巻いている。

 壇上の一歩前へ、アルベルトが出た。

 風が吹く。 
 彼は短く息を吸ってから、声を張った。

「第一王子アルベルト・アストレイアとして、ここに宣言する」

 その声には、以前みたいな眩しい自信はなかった。代わりに、削られたあとに残った芯みたいなものがあった。

「私は本日をもって、王位継承順位から退く」

 広場がどよめく。

 王妃候補を切り、国の象徴として立ってきた男が、自らそこから降りる。その重さを、人々はすぐには飲み込めない。

「これは王家への反逆でも、責任からの逃避でもない」 
 アルベルトは続ける。 
「結界運用の失敗、秘匿の放置、辺境被害の拡大。その一端は、私自身の判断にある」 
 言葉を切る。 
「よって私は、今後王位継承から外れ、再建実務へ身を投じる。失われた地域の復旧、避難民の再定住、結界補修補助、その全てを贖罪として担う」

 沈黙が落ちた。

 王子らしい華やかな演説ではない。 
 美しく整えられた赦しの物語でもない。 
 ただ、自分の役割を削って差し出す宣言だった。

 リリアは少し離れた位置からそれを見ていた。

 許す気はない。 
 きっとこれからも、簡単には許せない。

 でも、この人がようやく“王族の体裁”ではなく“自分の責任”で立とうとしていることだけは分かった。

 それで十分だった。

王位継承については、この場で新たな後継者は定められなかった。
災厄の傷跡が残る王国に、再び一人の王へすべての権限を集めることは危険だと判断されたからだ。

今後の統治は、王家・再編魔導評議機関・帝国監査団によって構成される再建評議会が暫定的に担うこととなる。

王はなお王であり、王国も消えはしない。
だがこの日を境に、かつて絶対だった王権は、国家を構成する数ある権限のひとつへと引き下ろされた。

それは、星喰いの災厄が終わらせたもう一つの時代でもあった。

     ◇

 ロイド・エルフェリアの告白は、その日の午後に行われた。

 侯爵家の当主としてではなく、責任当事者の一人として、公開調査会で証言台へ立つ。

 広間の空気は重かった。誰もが、彼がどこまで言うのかを見ている。言い逃れをするのか、王家へ責任を押しつけるのか、それとも最後まで曖昧に濁すのか。

 だがロイドは、静かな声で記録を読み上げた。

「エルフェリア家は代々、王国結界の接続役を血統内より選定し、王家と秘匿契約を結んでいた」  ざわめき。 
「接続役には主に長女が充てられ、幼少期より定着を進める運用がなされていた」 
 息を呑む音。 
「家はその構造を認識しつつ、外部には十分な説明を行わず、結果として娘たちを国家維持の部品として扱ってきた」

 部品。

 その一言に、場が凍る。

 ロイドはそこで初めて、ほんのわずかに目を伏せた。

「私は、それを止めなかった」 
 低い声。 
「気づけたはずだった。だが見ないことを選んだ」 
 数秒の沈黙。 
「当主として、そして父として、恥じるべき罪だ」

 その言葉は遅すぎた。 
 本当に、救いにならないほど遅かった。

 でも、それでも。

 リリアはその告白を聞きながら思った。

 父はようやく、自分の恥を家名の後ろへ隠さず引き受けたのだと。

 だからといって、今さら親子には戻れない。 
 失われたものが戻るわけでもない。

 けれど、あの日“家の名誉のためだ”と娘を切った男が、今“父として恥じる”と言った。その差だけは、確かに存在していた。

 その後、ロイドは侯爵家当主の地位を剥奪され、家は再編管理下に入った。

 広場を去る背中は、以前よりずっと小さく見えた。

     ◇

 セレナは、生き残った。

 だが、以前の彼女ではもうなかった。

 王城の一室で再会した時、リリアは少しだけ息を止めた。セレナは痩せていた。顔色はまだ白く、金髪の艶も戻りきっていない。何より、その周囲の魔力の流れが変わっていた。

 深く傷ついた魔術回路は、もう以前のような高位接続に耐えられない。 
 王妃候補として求められた“適性”は失われた。

 そしてそれ以上に、彼女の中から“姉に勝つために生きる”という軸が、痛々しいほど綺麗に折れていた。

「……お姉様」 
 セレナはベッドの上から小さく言った。
「座ってもいい?」 
「私の部屋じゃないんだけど」 
「そういうところ……」 
 少しだけ笑って、それからすぐに目を伏せる。

 沈黙が落ちる。 
 以前なら耐えられなかった沈黙だったろう。互いに比べ、探り、刺し合う前触れみたいな時間だった。

 でも今は違う。 
 痛いほど静かだ。

「わたし」 
 セレナが指先を握る。 
「何もなくなっちゃった」 「……」 
「王子妃候補でもなくて、魔力も前みたいに使えなくて、勝ったつもりだったものも、全部」 
 声が震える。 
「空っぽ」

 リリアはすぐには答えなかった。

 安易な慰めを言えるほど、自分は優しくない。 
 “よかったわね、やっと自由ね”なんて言えば、たぶんこの子を殴っているのと同じだ。

 だから、静かに言う。

「それなら、やっと始まるのかもしれない」 
「え……」 
「お姉様に勝つためじゃない人生」

 セレナは目を見開く。

 泣きそうな顔だった。 
 でも、以前みたいにそこで可愛く見えることを計算する余裕は、もう彼女にはない。ただ本当に、どうしていいか分からない顔。

「そんなの、わからない」 
「私も最初はわからなかった」
「……」 
「でも、わからないまま始めるしかないこともある」

 リリアは立ち上がった。

 許すわけじゃない。 
 姉妹仲良くやり直すつもりもない。

 それでも、もうこの子の人生が“自分に勝つためだけ”で終わらないなら、それはたぶん、あの夜に自分が選んだ道の一部なのだろう。

「お姉様」 
 呼び止められる。 
「……ごめんなさい」

 リリアは背を向けたまま答えた。

「それで全部終わるほど簡単じゃない」 
「うん」 
「でも、生きなさい」 
 自分でも驚くほど静かな声だった。 
「今度は、自分のために」

 部屋を出たあと、胸の奥の核がわずかに疼いた。
  痛い。 
 でも、前みたいな飢えではない。

 まるで“それでも選ぶのか”と確かめるみたいな痛みだった。

 その一方で、セレナの母ミレイナは、結界接続役の秘匿に関わった責任を問われ、貴族社会から追放される形で王都を去った。
 王妃の母になるはずだった夢は、王国の崩壊とともに跡形もなく消えていた。

     ◇

 王国からの正式な謝罪と復帰要請は、整えに整えた文面で届いた。

 王家、公的評議会、再編中の結界管理機構、その連名で。

 内容は丁重だった。 
 これまでの秘匿と追放判断の誤りを認め、リリアに対する公的謝罪を行うこと。 
 王国再建と新結界体制の中核として、復帰を求めること。 
 必要なら爵位回復、名誉回復、地位保証も含めて検討すること。

 完璧なほど“遅い”文書だった。

 帝都の研究棟でその文面を読み終えたリリアは、静かに紙を畳んだ。

「どうする」 
 向かいに座るカイルが問う。

「断ります」 
「即答だな」 
「はい」

 窓の外では、ヴァルディオン帝国の冬前の空が高く澄んでいる。王都のきらびやかな空とは違う、余計な装飾のない空だ。

「謝罪を受ける気がないわけじゃありません」 
 リリアは言った。 
「でも、戻る気はない」 
「理由は」 
「戻ったら、たぶんまた、あの国の物語に組み込まれるからです」

 被害者だった令嬢が赦して戻ってきた。 
 王国は再生した。 
 過去は乗り越えられた。

 そんなふうに、美しい物語へ回収されてしまう気がした。

「私はもう、誰かの再生のための象徴になりたくない」 
 リリアははっきりと言う。 
「王国を救った賢者として祭り上げられるのも、侯爵令嬢として戻るのも、王家の罪を赦す存在にされるのも、全部嫌です」 
「そうか」 
「嫌なんです」 
「知っている」 
「なので断ります」 
「わかった」

 カイルはそれ以上、説得しようとしなかった。

 そこが、彼の好きなところなのだと、リリアは最近ようやく認められるようになった。選べと言って、選んだあとで余計な物語を被せてこない。

「その代わり」 
 リリアは続ける。 
「やることはあります」 
「古代術式研究機関、か」 
「はい」

 それは、災厄が鎮まった直後から少しずつ形にしていた計画だった。

 封印と結界と接続役。 
 こんなやり方を、もうどこにも残したくない。

 だから、古代術式を秘匿せず、現代式へ翻訳し、安全に運用できる形へ開く研究機関を作る。国家の独占ではなく、複数国の監査と共有の下で。賢者一人に依存しない仕組みへ、世界そのものを少しずつ変えていくための場。

「守られるだけの人、やめるんです」 
 リリアは笑った。 
「前からそのつもりだろう」 
「まあ、そうですね」 
「なら始めろ」 
「手伝ってくれるんですか」 
「機関の共同設立者にそう聞くのか」 
「……え」 
 思わず間の抜けた声が出た。

 カイルは机の上の書類を指先で叩く。 
「最初からそのつもりで認可を通している」 
「聞いてませんけど」 
「今言った」 
「ひどい」 
「効率的だ」 
「その理屈で全部押し切るの、やめてほしいです」 
「考えておく」

 考えておく、はたぶんやめない時の言い方だ。 
 でも、それでもいいと思った。

 研究機関の窓口は帝国に置く。 
 王国も含めた再編結界機構とは対等な位置で連携する。 
 接続役のような個人犠牲を前提としない新しい安全保障を作る。

 やることは山ほどある。 
 たぶん途方もなく大変だ。 
 でも、不思議と怖くなかった。

     ◇

 数か月後。

 帝都の新設研究区画はまだ工事の匂いがしていた。白い石壁は新しく、書庫にはこれから運び込まれる資料のための棚が空いている。中庭には若い研究者たちが忙しそうに行き交い、遠くの棟ではすでに初期の結界実証実験が始まっていた。

 窓辺に立ち、その光景を見ながら、リリアは胸の奥へそっと手を当てた。

 星喰いの核はまだある。

 消えていない。 
 完治もしない。

 ときどき疼く。地脈の乱れや、強い術式に触れた時、傷口みたいに鈍く熱を持つ。完全に無害とは言えない。だから定期的な観測も必要だし、自分自身もずっと気をつけなければならないだろう。

 でも、それはもう“自分が災厄になるかもしれない証”であると同時に、“飢えを抱えても選び続ける”ための傷でもあった。

 消せないものを抱えて生きる。 
 それでも、自分で決める。

 それが今のリリアだった。

「何を考えている」 
 背後からカイルの声。

「未来のことです」 
「珍しいな」 
「失礼ですね」 
「過去を噛みしめている顔にも見えた」 
「どっちもです」

 振り返ると、彼は書類の束を片手に立っている。相変わらず仕事人間みたいな顔で、でもその目だけは前より少しやわらかく見えた。

「王国からまた書簡が」 
「読みません」 
「知っている。返答は断りで通した」 
「優秀」 
「当然だ」

 リリアは笑う。

 窓の外では、新しい研究棟の旗が風に揺れていた。もうアストレイア王国の紋章ではない。ヴァルディオン帝国単独でもない。複数国共同の、まだ見慣れない新しい印。

 変わっていくのだと思う。

 ゆっくりでも。 
 簡単じゃなくても。 
 誰か一人を檻に入れるやり方ではない方へ。

 リリアは静かに目を細めた。

 かつて、追放された夜に吐き捨てるみたいに思った言葉がある。

 王国が滅びてももう知りません。

 あの頃のそれは、痛みの裏返しだった。 
 捨てられた子どもの、最後の強がりみたいな言葉だった。

 でも今は違う。

 王国がどうなろうと本当に無関心、という意味じゃない。 
 憎しみだけでもない。

 それは、もっとまっすぐで、ずっと自由な言葉に変わった。

 私はもう、誰かの都合で生きない。

 家のためだから。 
 国のためだから。 
 役目があるから。 
 必要だから。

 そういう言葉に、自分の人生を渡さない。

 守ると決めるなら自分で決める。 
 残ると決めるなら自分で決める。 
 去ると決めるなら、自分の足で去る。

 その先で誰かを救うことがあっても、それはもう“使われる”こととは違う。

 リリアは胸の奥の痛みを確かめるみたいに、そっと息を吸った。

 傷はある。 
 核もある。 
 過去も消えない。

 それでも、ここに立っているのは、自分で選んだ自分だ。

「行きましょうか」 
 リリアが言う。

「どこへ」 
「研究機関の開所式」 
「主役が遅刻する気か」 
「共同設立者も一緒なので半分ずつ責任です」 
「都合のいい時だけ分けるな」 
「まあまあ」

 そう言って先に歩き出す。

 窓の外の光は明るい。 
 世界はまだ完全じゃない。 
 でも、閉じた黒蝕孔の上に、新しい術式と新しい選択のための場所が立ち上がろうとしている。

 その始まりの中で、リリアは静かに思う。

 王国が滅びてももう知りません。

 それはもう、冷たい捨て台詞ではない。

 私はもう、誰かの都合で生きない。

 ただそれだけの、まっすぐで、強くて、美しい自由の宣言だった。
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