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僕らのイノセントゲーム 2
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-慎二の思想-
「もう真っ暗だな。」俺は気の抜けたように呟いた。あの後どのくらい球を投げたのだろう。俺は空の豪速球を目視した後数分動けずにいたのは確かだ。だが、いつまでも彼との差を感じうじうじしているのはあいにく俺の柄じゃない。結局気を取り直して球を投げた。投げて。投げて。投げて。俺はとにかく彼との差を縮めたく無我夢中で球を投げた。そのおかげで手はマメだらけだった。俺はヒリヒリする手を見つめながら家路を辿った。「ただいま。」玄関を開けるなりボソリと呟いた。すると台所から「いつまでどこにいたの!」母が、獅子が吠えるように叫んだ。俺は少しどきり、としたものの怒れる母を無視するように自分の部屋へ逃げた。俺は明かりの灯っていない暗い部屋で彼との差を考えてみることにした。
中学1年生のとき俺と空は野球を始めた。その時は俺も空も初心者で口が裂けても才能があるとは言えなかった。しかし後期になるにつれ空は着々と実力をつけていった。しかし俺は全く上達せずいっそ野球を辞めてやろうかとさえ思った。きっと俺が迷っていたときも彼は上達していっていたのだろう。そう考えてみると迷っている暇は無いようだと今頃気づいた。
俺は考えをまとめ部屋を後にしキッチンへと向かった。案の定母は怒っていたが俺の明るそうな顔を見るなり、怒るのをやめ「冷めるから早く食べなさい。」と言ってくれた。俺はご飯と味噌汁と野菜炒めを食べ終えると風呂に入りすぐ寝た。どうやら疲れていたのだろう。すぐ眠りに着くことが出来た。午前7時「ふぉあーあ」俺は気の抜けたあくびをするなり携帯を見つめた空からの着信のようだ。「こんな朝っぱらから」俺は目を覚ましつつ文面を読んだ「今日8時から第2グラウンドで試合やるから急いでこいよw」俺は時間が無いことに焦りつつも急いで支度を始めた。
-慎二の思想 [完]-
Twitterで感想お待ちしております。
@kazamiyabooks
「もう真っ暗だな。」俺は気の抜けたように呟いた。あの後どのくらい球を投げたのだろう。俺は空の豪速球を目視した後数分動けずにいたのは確かだ。だが、いつまでも彼との差を感じうじうじしているのはあいにく俺の柄じゃない。結局気を取り直して球を投げた。投げて。投げて。投げて。俺はとにかく彼との差を縮めたく無我夢中で球を投げた。そのおかげで手はマメだらけだった。俺はヒリヒリする手を見つめながら家路を辿った。「ただいま。」玄関を開けるなりボソリと呟いた。すると台所から「いつまでどこにいたの!」母が、獅子が吠えるように叫んだ。俺は少しどきり、としたものの怒れる母を無視するように自分の部屋へ逃げた。俺は明かりの灯っていない暗い部屋で彼との差を考えてみることにした。
中学1年生のとき俺と空は野球を始めた。その時は俺も空も初心者で口が裂けても才能があるとは言えなかった。しかし後期になるにつれ空は着々と実力をつけていった。しかし俺は全く上達せずいっそ野球を辞めてやろうかとさえ思った。きっと俺が迷っていたときも彼は上達していっていたのだろう。そう考えてみると迷っている暇は無いようだと今頃気づいた。
俺は考えをまとめ部屋を後にしキッチンへと向かった。案の定母は怒っていたが俺の明るそうな顔を見るなり、怒るのをやめ「冷めるから早く食べなさい。」と言ってくれた。俺はご飯と味噌汁と野菜炒めを食べ終えると風呂に入りすぐ寝た。どうやら疲れていたのだろう。すぐ眠りに着くことが出来た。午前7時「ふぉあーあ」俺は気の抜けたあくびをするなり携帯を見つめた空からの着信のようだ。「こんな朝っぱらから」俺は目を覚ましつつ文面を読んだ「今日8時から第2グラウンドで試合やるから急いでこいよw」俺は時間が無いことに焦りつつも急いで支度を始めた。
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