たとえば勇者パーティを追放された少年が宿屋の未亡人達に恋するような物語

石のやっさん

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第19話 変わる関係

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「おはよう…」

「おはようリヒトくん…」

朝、起きた時にいつも横にルミナスさんが居る。

それが凄く幸せに感じる…

最初、俺は早目に起きてルミナスさんを見ていたのだが…

気がつかれて

『恥ずかしいからやめて欲しいわ、悪趣味よ』

そう言われてしまった。

それからは、ルミナスさんは必ず、俺より早く起きて、俺を見つめている様になった。

俺もルミナスさんの寝顔を見たいのだが…この勝負殆ど勝てない。

「今日も負けちゃったか」

「うふふっ寝顔なんて見せてたまりますか…あれ本当に恥ずかしいんだからね…おばさんの顔を何時間も見ているなんて悪趣味よ…最初気が付いた時、顔から火を噴く位恥ずかしかったんだから」

「ルミナスさんの寝顔を見ていると本当に癒されるんだよ」

「それは聞いたわよ、何回もね…だけど駄目よ」

「ごめん」

だけど、これは一生止められない気がする。

体は15歳に若返っても、心のどこかに38歳の俺がいる。

やはり、若い子をそう言う対象には見られない。

良く聖女のフリージアを『癒し系』なんて言う奴がいるが、俺からみたらパチモンだ。

ルミナスさんみたいな大人の女性じゃなくちゃ俺は癒しなんて感じない。

「あの…ゴメンよいかな…」

「うふふっリヒトくんはこれが本当に好きなのね…仕方ないわね、はい」

俺はルミナスさんの胸の間に顔を埋めた。

ルミナスさんの心臓の音が凄く心地よくて、またウトウトしだす。

この時間が凄く愛おしい。

◆◆◆

どうやら15歳の俺は犯りまくったおかげで性欲が多少治まり、ようやく真面になったようだ。

愛おしさから今でも抱きたくはなるが、ちゃんと夜まで待てるようになり…

愛している、好きだ…そうちゃんと呟けるようになった。

今、思えば、あんな性欲の塊みたいな俺を良く受け入れてくれたよな。

ルミナスさんは、本当に母性の高い、大人の女性だよな。

「どうしたの? また私を見つめて…」

「いや…おれ此処暫くの間、随分恥ずかしい事していたと思って…なんだかゴメン」

「そうね…だけど謝る事ないわ…それだけ真剣に好きだった…そういう事でしょう? 15歳だもん、不器用なのは仕方ないわ…だけど、あそこ迄、追い詰められなければ多分、私は受け入れられなかったから…今となってはあれで良かったのよ…うふふ、勘違いしないで、どちらのリヒトくんも好きだし…今私は幸せだから」

「そう、それは良かった」

「そうね、それじゃ一緒にお風呂に入ろうか?」

「うん、髪の毛洗ってあげる」

「ありがとう…」


◆◆◆

男の子の成長って凄いわね…この間まで余裕が無くてガツガツしていたのが…今じゃ凄く優しい王子様みたいになっちゃったわ。

なんだか男の子の一番成長する瞬間を貰ったみたいで凄く嬉しい。

私の事が大好きでまるで獣のように体を求めるリヒトくんに女というか牝というか本能の愛を貰ったけど…

今度は紳士的で優しく、私を大事にしてくれる…大人の男性として愛してくれる。

いつも私を抱きしめ、愛を呟き…耳元で好きだって…前にも増して心も体も満たされちゃう。

ガツガツ求められた時に、こんなに愛して貰った事はない。

そう思っていたのよ…だけど、それ以上があるなんて思わなかったわ。

お風呂に一緒に入っているのにエッチは無し。

だけど、私の事を宝物の様に洗ってくれて、髪も洗ってくれるのよ。

勿論、私も背中を流してあげるの…

それが終わったら風魔法で髪を乾かしてくれるのよ…幸せだわ。

そしてその後は2人して朝食…

私がつくるか、リヒトくんがつくるか、はたまた外食するか、その日によって違う…

今日は、外食の日だから、一緒に朝食を食べに行くの…

テラス席に座って、たわいのない会話をして、その後は買い物したり、散歩したり…う~ん最高だわ。

陰口はもう気にならないわね。

だってこんな若くて凄い男の子とおばさんが結婚したんだもん…

当たり前だわ…そう思うと何とも思わない。

だから、普通に手を繋ぎ、腕を組んだりしてイチャイチャして歩いている。

悔しそうな視線も無視…

そんな事よりリヒトくんの喜ぶ笑顔が優先だわ。


◆◆◆

うふふっ今日も思いっきり愛して貰っちゃった。

獣みたいなリヒトくんも素敵だったけど今のリヒトくんはもっと素敵。

『好きだよ』『愛している』を凄く沢山目を見ながら言ってくれる。

現金な物でこれを言われると不安な気持ちが全部消えちゃうのよ。

そして、その後は私を宝物みたいに抱きしめて寝てくれるか、腕枕。

この時にお話ししてくれて…それが凄く嬉しい。

だけど、今日は…そんなリヒトくんに少しだけ悲しい話をしなくちゃならない…今迄逃げてきたけど…もう逃げない。

そう決めたから…

◆◆◆

「ねぇリヒトくん、もう寝ちゃった…」

「うん? まだ起きているけど…どうしたの?」

リヒトくんに抱かれて胸の中で凄く幸せ…

悲しいけど…言わなくちゃ。

「あのね…リヒトくん…あと2人お嫁さん貰わない?」

言いたく無かったけど仕方ない…私が健康だったら口が裂けても言わないわ…

「なんで?! 俺はルミナスさん1人で充分だよ…他は..要らないよ」

「うん、その気持ちは凄く嬉しいの…だけどね私は石女だから、リヒトくんの子供が産めない…だからね…産める子を迎えいれて欲しいのよ」

悲しいけど仕方ないわ。

「それなら、前に話したじゃない…別に子供は要らないよ、二人でいつまでも一緒に居られる…それだけで充分だよ」

「それは凄く嬉しいわ…普通ならそれで良いかも知れない、だけどねリヒトくんは…凄いのよ、才能に恵まれた凄い男の子だから、その才能を残さないと…本当は私が産んであげたいけど…出来ないから…そのね…私リヒトくんの子供なら他の女から生まれたとしても愛せる自信はあるわ…勇者パーティに居たから複数婚可能なんでしょう…ねっ考えてみて」


「ゴメン…今はルミナスさんしか目に映らないから...だけど、本当にそうじゃなくちゃいけないなら考えるけど…なんで2人なの…1人で良くない?」

「1人は無理よ…多分リヒトくんの子供を産んでその子にリヒトくんの気持ちが移ったら私可笑しくなるかも知れない…だから2人必要なの」

「子供が欲しいなら養子を貰っても良いし…どうしても俺の子が欲しいなら…奴隷でも最悪買って子供を産んで貰っても良いんじゃないかな…本当は良くないけど子供を産んだら解放してあげてその後暫く暮らせるお金をあげれば多分WINWINだと思う…方法は幾らでもある…だけど今はルミナスさんしか俺には見えないから…おいおい考えようよ」

「そうねごめんなさい」

ルミナスさん以外か…どうしても考えられないな。





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