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帝都へ
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幾ら倒しても切りが無いほど居る。
死霊とは強くないけど《数の暴力》という意味では恐ろしい相手だと言うのが解った。
虫よけスプレーをつけて蚊の大群に襲われている様な気がした。
簡単に潰せるが、本当にキリがないな。
今の所、倒した奴は碌な持ち物を持っていなかった。
斧や鉄の剣は流石に要らない。
薬草やポーション位しか欲しい物は無かった。
折角、収納袋(特大)を教会がくれたのに今の所は出番が無い。
本当に倒しても倒してもキリがないので結界石を使い結界を貼って休むことにした。
結界袋から、暖かい食事を出して食べて、コテージを取り出してそこで寝た。
収納袋(特大)があるから、まるで小さな別荘に来ている感覚で生活が出来ている。
そのまま、睡眠をとり朝を迎えると...凄いなこれは、死霊が結界のすぐ外に数百単位で立っている。
気分は大量の蛾が貼り付いた窓を見ている気分だ。
コテージの中で顔を洗い、朝食を済まして外に出た。
結界石を手に持ち結界を切ったら、一斉に死霊が襲い掛かってくる。
ほぼ、ゾンビ映画の主人公状態だ。
聖剣シルビアンで片っ端から斬り捨てる。
距離が空いたら、聖魔法を使い追撃する。
初めてしまったら、全滅させるまで止めれない。
こいつ等には何をしても許される。
ただの八つ当たりだが、故郷やアマンダ、屋敷の者が殺された恨み(完全に関係ない)を込めて殺していく。
死霊の厄介な所は、生前の記憶を持っている事だ。
だからこそジョブも持っているのかも知れない。
大きく分けて二通り居る事がわかった。
「くく苦しいのよ殺して、お願い殺して」
「この苦しみから救ってくれぇぇぇぇぇーーっ、体中が痛いんだーーーっ」
「こんな事したく無い...早く殺してくれーーーーっ」
こんな感じに救いを求めて来る奴。
多分、まだ人の気持ちを捨てていないのだろう。
心の中で戦っているのかも知れない。
こう言う奴は尊厳と敬意をこめて斬ってやる。
中には斬られた瞬間に...
「ありがとう...」
礼を言って死んでいく奴もいる。
俺の中には《聖人》のジョブがある、だから心の中で冥福を祈ってやる。
死んでまで、人に迷惑を掛けない様に努力しいているんだ、その位はしてやろうと思う。
そうすると、光に包まれて光の球が稀に飛んで行く場合がある。
まるで前世でいう所の昇天して天に魂が昇って行く様な感じだ。
逆に、明かにもう人間で無い奴。
「ぐあぁぁぁぁっ殺してやる、皆殺しだ」
「脳味噌をくれーーーーっ、殺してやる、お前も殺して同じ様にしてやる」
完全に人を辞めている。
こんな奴に慈悲は要らない。
ただひたすら殺し続け、滅していけば良い。
思ったより大変な作業だ。
戦って負ける事は無い、只の作業の様に斬り捨て、魔法を投げていれば良い。
ただ、この作業が何時までたっても終わらない、まるでブラック企業に勤めた様に何時までたっても終わらない気がする。
何時になったら終わりが来るんだ。
殺しても、殺しても次から次へと現れてくる。
体が熱くなる、凄い勢いでジョブが集まって行くのが解る。
何が何だか解らない、ただ殺して滅していた。
どれ位の間殺し続けていたのだろうか、憎しみや恨みがどんどん消えていく。
八つ当たりから始めた、只の殺しが、俺の中のルディウスが満足し、八つ当たりした事を恥じ始めた。
憎しみの心が、悲しむ心に変わり...やがて慈悲の心や哀れみの心に変わる。
斬る事が殺す事でなく、苦しみを終わらせる事に意味が変わる。
聖剣を振るごとに聖剣は今迄以上に輝き、その苦痛を終わらせ安らかに眠らせる。
今迄がただ滅するだけだったのが、聖剣に触れる度に死霊は青く輝き、光り輝きながら消えていく。
「何が起こっているのか解らない」
そのうち、聖剣だけでなく、俺の体も光りだした。
体が熱い、まるで違う者に変わっていくみたいに思える。
死霊が襲ってくる状態から、助けを求め寄ってくる、そう変わった様に思えた。
しかも、何だか消えて行く途中に
《ありがとう》
《これで子供の元にいけます》
《これで夫の元に行けます》
《お兄ちゃんありがとう...これでお母さんに会えるよ》
色々なお礼の言葉が聞こえてくる。
可笑しいな、それと同時に俺の心の中の闇が消えて行く気がする。
最早、俺は立っているだけで良い。
何もしない状態で、勝手に死霊が近づいて...いや縋りついてきて光に包まれて消えて行く。
どの位の時間が経ったのだろうか?
恐らく、丸一日、いやもしかしたら2~3日位は経ったのかも知れない。
ようやく、森に居た死霊は消え去った。
次から次へと群がってきた死霊の数は結局、万単位居た可能性も高い。
体も途中で物凄く熱くなり、まるで焼けるかのような苦痛があった。
ただ、立っているだけで良かったから良い様な物の、もし魔法や聖剣を使わなければ倒せない状態なら、今頃死霊のエサだった筈だ。
そうだ、今の俺はどうなっているんだ?
万単位で敵を倒したんだ、そしてそのジョブが自分の物になったのだとしたら...まぁ重複は出来ないから、たかが知れているかも知れないが。
ルディウス(種族:天使)
LV 1
HP 35000
MP 57000
ジョブ:下級天使(運命の転生者)
スキル:闇以外の全ての能力、魔法 レベル1(但しこれは天使のレベル1なので人族計算では無い)
神の使いである天使に人族は攻撃不可。
人や魂を救おうとする時には慈悲の光が巻き起こる。
魔族と戦う時には能力補正で120倍の能力に跳ね上がる。
これは...何なんだ、元半グレの俺が《天使》可笑しすぎるだろう。
そのまま、俺はゆっくりと歩きながら帝都に向って行く。
空も飛べるが、それだと死霊を召天させる事が出来ない。
だから、俺は出来るだけゆっくりと帝都に向け歩いていく。
1人でも多くの人間を天に送る為に...
死霊とは強くないけど《数の暴力》という意味では恐ろしい相手だと言うのが解った。
虫よけスプレーをつけて蚊の大群に襲われている様な気がした。
簡単に潰せるが、本当にキリがないな。
今の所、倒した奴は碌な持ち物を持っていなかった。
斧や鉄の剣は流石に要らない。
薬草やポーション位しか欲しい物は無かった。
折角、収納袋(特大)を教会がくれたのに今の所は出番が無い。
本当に倒しても倒してもキリがないので結界石を使い結界を貼って休むことにした。
結界袋から、暖かい食事を出して食べて、コテージを取り出してそこで寝た。
収納袋(特大)があるから、まるで小さな別荘に来ている感覚で生活が出来ている。
そのまま、睡眠をとり朝を迎えると...凄いなこれは、死霊が結界のすぐ外に数百単位で立っている。
気分は大量の蛾が貼り付いた窓を見ている気分だ。
コテージの中で顔を洗い、朝食を済まして外に出た。
結界石を手に持ち結界を切ったら、一斉に死霊が襲い掛かってくる。
ほぼ、ゾンビ映画の主人公状態だ。
聖剣シルビアンで片っ端から斬り捨てる。
距離が空いたら、聖魔法を使い追撃する。
初めてしまったら、全滅させるまで止めれない。
こいつ等には何をしても許される。
ただの八つ当たりだが、故郷やアマンダ、屋敷の者が殺された恨み(完全に関係ない)を込めて殺していく。
死霊の厄介な所は、生前の記憶を持っている事だ。
だからこそジョブも持っているのかも知れない。
大きく分けて二通り居る事がわかった。
「くく苦しいのよ殺して、お願い殺して」
「この苦しみから救ってくれぇぇぇぇぇーーっ、体中が痛いんだーーーっ」
「こんな事したく無い...早く殺してくれーーーーっ」
こんな感じに救いを求めて来る奴。
多分、まだ人の気持ちを捨てていないのだろう。
心の中で戦っているのかも知れない。
こう言う奴は尊厳と敬意をこめて斬ってやる。
中には斬られた瞬間に...
「ありがとう...」
礼を言って死んでいく奴もいる。
俺の中には《聖人》のジョブがある、だから心の中で冥福を祈ってやる。
死んでまで、人に迷惑を掛けない様に努力しいているんだ、その位はしてやろうと思う。
そうすると、光に包まれて光の球が稀に飛んで行く場合がある。
まるで前世でいう所の昇天して天に魂が昇って行く様な感じだ。
逆に、明かにもう人間で無い奴。
「ぐあぁぁぁぁっ殺してやる、皆殺しだ」
「脳味噌をくれーーーーっ、殺してやる、お前も殺して同じ様にしてやる」
完全に人を辞めている。
こんな奴に慈悲は要らない。
ただひたすら殺し続け、滅していけば良い。
思ったより大変な作業だ。
戦って負ける事は無い、只の作業の様に斬り捨て、魔法を投げていれば良い。
ただ、この作業が何時までたっても終わらない、まるでブラック企業に勤めた様に何時までたっても終わらない気がする。
何時になったら終わりが来るんだ。
殺しても、殺しても次から次へと現れてくる。
体が熱くなる、凄い勢いでジョブが集まって行くのが解る。
何が何だか解らない、ただ殺して滅していた。
どれ位の間殺し続けていたのだろうか、憎しみや恨みがどんどん消えていく。
八つ当たりから始めた、只の殺しが、俺の中のルディウスが満足し、八つ当たりした事を恥じ始めた。
憎しみの心が、悲しむ心に変わり...やがて慈悲の心や哀れみの心に変わる。
斬る事が殺す事でなく、苦しみを終わらせる事に意味が変わる。
聖剣を振るごとに聖剣は今迄以上に輝き、その苦痛を終わらせ安らかに眠らせる。
今迄がただ滅するだけだったのが、聖剣に触れる度に死霊は青く輝き、光り輝きながら消えていく。
「何が起こっているのか解らない」
そのうち、聖剣だけでなく、俺の体も光りだした。
体が熱い、まるで違う者に変わっていくみたいに思える。
死霊が襲ってくる状態から、助けを求め寄ってくる、そう変わった様に思えた。
しかも、何だか消えて行く途中に
《ありがとう》
《これで子供の元にいけます》
《これで夫の元に行けます》
《お兄ちゃんありがとう...これでお母さんに会えるよ》
色々なお礼の言葉が聞こえてくる。
可笑しいな、それと同時に俺の心の中の闇が消えて行く気がする。
最早、俺は立っているだけで良い。
何もしない状態で、勝手に死霊が近づいて...いや縋りついてきて光に包まれて消えて行く。
どの位の時間が経ったのだろうか?
恐らく、丸一日、いやもしかしたら2~3日位は経ったのかも知れない。
ようやく、森に居た死霊は消え去った。
次から次へと群がってきた死霊の数は結局、万単位居た可能性も高い。
体も途中で物凄く熱くなり、まるで焼けるかのような苦痛があった。
ただ、立っているだけで良かったから良い様な物の、もし魔法や聖剣を使わなければ倒せない状態なら、今頃死霊のエサだった筈だ。
そうだ、今の俺はどうなっているんだ?
万単位で敵を倒したんだ、そしてそのジョブが自分の物になったのだとしたら...まぁ重複は出来ないから、たかが知れているかも知れないが。
ルディウス(種族:天使)
LV 1
HP 35000
MP 57000
ジョブ:下級天使(運命の転生者)
スキル:闇以外の全ての能力、魔法 レベル1(但しこれは天使のレベル1なので人族計算では無い)
神の使いである天使に人族は攻撃不可。
人や魂を救おうとする時には慈悲の光が巻き起こる。
魔族と戦う時には能力補正で120倍の能力に跳ね上がる。
これは...何なんだ、元半グレの俺が《天使》可笑しすぎるだろう。
そのまま、俺はゆっくりと歩きながら帝都に向って行く。
空も飛べるが、それだと死霊を召天させる事が出来ない。
だから、俺は出来るだけゆっくりと帝都に向け歩いていく。
1人でも多くの人間を天に送る為に...
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