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第22話 マリア.エルザSIDE 知らない幼馴染
しおりを挟む「エルザ…これどうしようか?」
「どうするも、こうするも無いじゃない…自分達でするしかないわ」
あの日から生活は変わってしまった。
たった数日で…こうなるなんて…
◆◆ホテルから帰った日◆◆
「それじゃ、私今日からリヒトと暮らすから」
「ちょっとリタ、どう言う事なの?」
「ガイアはどうするんだよ?」
「あのさぁ…二人はガイアが好きなんだよね!」
「そうだけど」
「勿論、そうだよ」
「それならば、私はリヒトの方に行ってもいいよね? よく考えたらガイアにとって私は3番目だもん。私よりマリアやエルザが好きなのは良く知っているから。それなら、リヒトの一番になるって決めたのよ…あんなに私達を愛してくれていたんだから、1人位リヒトを愛してあげなくちゃ可哀そうじゃない!」
そう言ってリタは出て行ってしまった。
それからは…リタが居ないだけじゃなくて、リヒトもこの部屋に来なくなった。
◆◆◆
「まさか、もう朝食も作りにきてくれないの? どうしてよ」
「あのさぁマリア、今思ったけど、あのホテルで言った事を考えたら当たり前じゃ無いかな?『だけどもうこう言う事しなくて良いから』そうマリアは言ったじゃないか? こう言う事の中に家事が全部入っていたんだよ、今更だよマリア」
確かに言ったわ。
「だけど、それを言うなら貴方だって『そうだな、ガイアと付き合っているのに心苦しいから…悪い』そう言ったわ」
「言ったよ…その結果がこれだよ! ご飯も洗濯も全部無い…だけど私達、最初はリヒトを追放しようとしていたじゃんか? まさに今がその状態になった、それだけじゃないのか?」
「だけど…」
隣から、凄く楽しそうなリタとリヒトの声が聞こえてくるんだから。
「だけどじゃないよ…これがリヒトを追い出した後に待っていた生活だよ! 私達は女の子なんだから本来はお世話する側なんだから…リヒトが女子力が強いから勘違いしていただけだよ」
そうか、そうよね。
私達は女の子なんだ…
だけど…本当は違うわ。
三職だから家事なんてだれも出来ない。
心は女の子かもしれないけど行動や中身は男なんだ。
だから、生活に必要なのは『女の子』なんだわ。
「どうすりゃ良いのよ、もう…勇者パーティに入れば複数婚が認められるけど、それは男だけ、ああっもう…女にも複数婚が認められたなら…リヒトも貰ってあげるのに」
「馬鹿じゃない! そんなのガイアもリヒトも嫌がるだろう? それにマリア、両方と子作りする気かよ…」
「それは…」
リヒトは嫌いじゃない。
寧ろ好きなのよ…だけど、何かしら、そういう対象に見られない。
「私は男みたいって言われるから良く解るよ…リヒトって『嫁』なんだよ! 家事も出来ない、ただ戦う事しか出来ない私は多分『男』に近いんだよ。だからリヒトは理想なんだよ…だけどやっぱり心は『女』だから…ガイアを選んじゃうんだよ」
「そうね…」
もう収集はつかないわ。
「どうすんだこれ…リヒトは必要…なのにガイアを選んだら…家事は自分達がやらなくちゃ不味いよな」
「誰か雇えば良いのよ…」
「魔法剣士のジョブは四職の一つ下、魔王領迄ついて来れるのはリヒトしかいねーよ」
「そうね」
幾ら考えても考えは纏まらなかった。
◆◆◆
「なぁ、マリア、何故覗きなんてするんだよ?」
「私達を放って置いて、二人が何しているか気にならないの?」
「なるけど…覗きは良くないよ」
気のせいか、偶に喘ぎ声が混ざっている気がするのよね。
それも結構な時間…
「私達は三職なんだから恋愛に溺れて『最後の一線』を超えたら不味いじゃない…その確認よ」
「それで壁に態々穴をあけるかね」
「煩いわね」
何、あれ…二人して裸で…まぁ胸位、触るわね、付き合っている…
なななな何で下半身に手が伸びているの?
「ななななな…」
「どうしたっていうんだ…なななな何あれ…」
「知らないわよ、あんな破廉恥な行為、あれキスなの? お互いに唾液を飲んでいるじゃない」
「嘘、あんな凄い事…ななな私じゃ出来ないよ…」
あんなの私、知らないわよ…舌を絡めあっているけど、あれもキスなの? キスしたり胸やお尻を触らせた事はあるけど…全然違うじゃない…指入っているし。
「はぁはぁはぁ…なんなのあれ、確かに最後の一線は超えてないけど…」
「凄い、凄すぎる…」
私はリヒトを、そう言う対象として見ていなかったのに…凄くエロく見える…リタもリヒトも気持ちよさそうだわ。
「エルザ…鼻血」
「嘘...あんな事迄…あんなの知らないよ」
「知らなくて当たり前よ、ハァハァ…あんな事してる人なんていないから」
「だよな…ハァハァもう駄目だ」
「私も…」
気がつくと知らないうちに手が股間に伸びていたわ。
幼馴染のリヒトは凄く淫靡で淫乱で…凄かった。
私達は初めて『リヒト』を思い浮かべて体の火照りをさました。
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