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第23話 勇者の要望 前編
しおりを挟む「それで、お前リタと付き合う事にしたんだ! 良かったじゃねーか? それで他の2人どうするんだ?」
ガイア…お前…
変わり過ぎだろう…今のガイアはティアとラクリアを両方に侍らせ、手を胸に滑り込ましていた。
簡単に言うなら『乳を揉みながら』話している。
此処迄変わる奴は珍しい。
「流石に、断られたばかりだからな…さぁどうするか…」
「はぁ?!馬鹿か、お前…あのなぁリヒト、彼奴らが好きなのは俺だろう? 俺はもうあいつ等要らないから、なんならこっぴどく振ってやろうか?」
此奴、本当にガイアなのか?
他の女に現を抜かすのは解る…だが、幼馴染としての想いは無いのか?
「良いのかよ…」
確かに、ガイアが『本気で幼馴染』を愛してないのは勘づいていた。
だから、切り離しを考えたのだが…此処迄変わるか…
「よいぜ…パーティとしては必要な人材だが、あいつ等女として終わっているだろう!ヤレないのは職業だから解るが、大した顔やスタイルじゃねーのに、何もサービスしねーんだ…付き合ってみれば解かるが碌な女じゃねーよ。気もきかないし、正直一緒に居ても楽しくも何ともねぇ…もう女としては本当に要らねーんだよ…だからやるよ…マジで」
そりゃ、娼館のナンバー1からナンバー3なんだから気立ても良いだろうし…あっちの方も上手いに決まっている…
「それ本気で言っているのか? 要らないというなら本当に貰うよ」
「良いぜ…だが只じゃ駄目だ」
「それじゃ、俺はどうすれば良いんだ?」
「良いか?今現在お前は俺のおかげで1人女を手にしたんだ。そしてこれから2人女を手にする…相手は俺からしたら要らない女だけど『お前は欲しいんだよな?』なら俺にも感謝して女を用意して良いんじゃないか?」
「どうすれば良い?」
「はぁ?! そんなの、解るだろう!身請けだよ!身請け…3人全員とは言わねーからせめて2人か1人どうにかしてくれないか?」
「いや…それは不味いだろう? 勇者なんだから。次の街に行っても娼館に入り浸れるようにするから、それじゃ駄目なのか?」
まさか1発目で惚れたのか?
幾ら童貞を捨てた相手とはいえ...どうしたんだよ…
「確かにリヒトの事だから、移動しても同じようにしてくれるのかも知れないな…だが、旅から旅の移動中はどうだ? お前が3人とイチャついている間、俺は1人だ…それに俺もお前も勇者パーティ、複数婚が認められている。エルフの側室を貰っても良い筈だ」
いや、相手が普通の人間なら良いが確かエルフは人権は普通にあるが教会では『亜人』として扱っていた筈だ。
流石に不味いだろう。
「いや…勇者って女神の使者じゃないか? その…エルフはな、不味いだろう?」
「そこをどうにかして欲しいんだよ! 親友、マブダチ、兄弟…なぁ、リヒトどうにかしてくれ!」
「解ったよ…どうにか頑張ってみるけど、期待はしないでくれ!あと手元に置けるようにはするが『側室』は難しいかも知れない…まぁ頑張るよ」
「頼んだ」
しかし、すっかり別人だな。
「それじゃ、色々話をして後でまたくるよ」
「期待しているぞ!」
「ああ」
やるしか無いか。
◆◆◆
娼館の主に話をしに行った。
買うにしてもまずは幾らか聞かなくちゃならない。
エルフは奴隷にしても凄く高価だ。
どの位になるのか?
それに看板娘とも言える嬢だ絶対高価に違いない。
「身請けでございますか? そうですな…1人金貨100枚で如何でしょうか?」
金貨100枚…エルフにしては異常に安い。
そう言えば、先日も貸切る位なら『身請け』した方が…そう言われていたな。
「随分とエルフにしては安い気がしますが、理由を聞かせて貰えませんか?」
「エルフは外見には出ませんが、3人とも高齢で一番若いティアでも年齢にして250歳位です。尤もエルフは300年以上生き続けるから、寿命という意味では問題はありません。ですが、私の祖父の代からこの娼館に居ますから、ある意味家族と同じ位長い付き合いなんです。その状態ですから『信頼のある方』に身請けして欲しいと思っていたんですよ」
「そうなのですか?」
「はい、3人も勇者様を気にいったみたいで精神誠意尽くしたみたいです…それに夜の生活の方はエルフの秘薬から長年培われたテクニックで大変頑張ったそうですよ。彼女達にしても、流石に娼館でこんな長い生活を送られてはもう帰る場所も無いから、必死だったと思います」
そんな長い年月娼婦をやっていたエルフが秘薬迄使ったんじゃ、童貞の田舎者なんて簡単に篭絡されてしまうな。
「それでは、3人からは身請けには反対は無いのですか?」
「はい、それは、それは乗り気ですから問題はありません!こちらとしても大賛成です」
「それなら問題は無いですね、前向きに考えてみます」
「宜しくお願い致します」
あとは教会の説得だけか...
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