確定推理  東狐 司(とうこつかさ)は、答えは解るが過程が解らない

石のやっさん

文字の大きさ
8 / 59
序章 過去

第6話 美津子

しおりを挟む


陽子の家に行ってみた。

いつもは気軽に押すインターフォンがなかなか押しづらい。

陽子の泣きそうな顔を見るのはどの位ぶりだろうか?

さてと…勇気を出して押そうと思ったが、中から怒鳴り声が聞こえてきた。

梅川先生の声だ。

梅川先生は普段は静かだが、怒ると女性特有の金切り声で怒鳴る。

車庫の車の横に座り、内容を聞いてみた。

「だから、私は悪くないです!」

「相手が大怪我しているんですよ?下手したら一生残る傷が顔に残るんです! 反省はしないんですか?」

「だけど、私は本当に…」

「ですが、娘が…」

「まぁ、良いです…これからどうするか? 先方と話し合って下さい」

「あの…」

断片的にしか聞き取れない。

今の状態じゃ、詳しい話は聞けないな。

俺は陽子に話を聞くのを後にして、先に美津子の方に話を聞きに行く事にした。

美津子の家は俺の家から歩いて10分位。

酒屋さんをしているから、話しがしやすい。

『お見舞い』に来た。

その名目で問題ないだろう。

近くの兔屋でアイスを2つ買って持って行くだけでどうにかなるな。


◆◆◆

「おばさん、美津子のお見舞いに来たよ」

「あら、司ちゃん、美津子なら2階にいるからねノックして入って良いから」

「ありがとう」

お礼を言ってそのまま、店の奥から2階に上がっていった。

トントントン

ドアをノックした。

「開いているよ? って司…ちょっと待って」

赤い顔しながら、何やらジタバタしていた。

「大丈夫か? これお見舞いのアイス」

「その、ありがとう!だけど司が私のお見舞いに来るなんて珍しいね…どうしたの?」

真実が知りたいから…

とは言えないな。

「いや、怪我したって聞いたからお見舞いに来たんだ、大丈夫か?結構な怪我したって聞いたけど?」

「うん、ありがとう、階段で打ちつけたから額をぱっくりやっちゃったんだけど、縫って貰ったしお医者さんが傷は残らないって言っていたから大丈夫だよ!」

「まぁ、山里整形外科のあの先生は口は悪いけど、手術は上手いらしいから、安心だね」

「うん、その代り局所麻酔で泣きそうになったら怒鳴られたよ」

「あははっ、いつもの通りだ」

「それでね、お見舞いに来てくれてありがとうな! 司が来てくれて嬉しいよ…うん」

なんで赤くなってモジモジしているんだ。

「そう?」

「うん…私は、その目好き派だから…ね」

「そうか?」

俺のこの金色の目は好きな奴と嫌いな奴に別れる。

美津子は好き派だったのか?

「うん、本当にカッコ良いよ」

「ありがとうな」

「それで、司は、その陽子の事が聞きたいんじゃないの?」

「まぁな、幼馴染だし」

「うらやま…じゃない、あれは私が悪いんだよ! まぁ大きな怪我を私がしたから大事になったけど…元は大した事無いんだ」

美津子の話だと、何時ものようにじゃれあっていたそうだ。

ただ、今回は運が悪い事に場所が階段の傍で…

何時ものように美津子がバシバシ陽子の背中を叩いていたら

『何するのよ!』と陽子が避ける為に押したら、運悪く階段から美津子が落ちた。


う~ん…確かにこれなら美津子が悪い。

「美津子のバシバシは半端じゃない位に痛いからな」

「そんなに痛いのか? あれは私のスキンシップなんだけど?」

「真面目に痛い」

マジで無自覚だから仕方ないが背中が真っ赤になって手形が紅葉みたいにつく位だ。

いつも陽子は止めてって言っていたからな。

「それじゃ、今度から止めるよ」

「そうした方が良いよ…」

「あのね…私が怪我しちゃったから、お母さんもお父さんも怒っているけど、私は自分も悪いと思っているんだ!だから陽子に謝っていたって伝えて貰えるかな?」

まぁ、怪我については子供の俺が関わる事じゃ無いよな。

多分、治療費とかの話もあるかも知れないしな。

「解った、伝えておくよ」

なんだ、こう言う事か?

もう解決しちゃったじゃないか。

























しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...