81 / 104
【閑話】異端審問
「良いですか皆さん、皆さんには二つの道があります」
沢山の人間が男女問わず縛られて転がされている。
共通しているのは…皆が礼拝用の服を着ている事だ。
その先には間仕切りされた二つの部屋が見えるようになっていた。
その一つは幸せの部屋。
美男美女が幸せそうにご馳走を食べ、お酒を飲みながら楽しそうに談笑している部屋。
もう一つは不幸の部屋。
三角木馬に鞭、そしてアイアンメイデンがある拷問部屋だ。
「貴方達は此処に連れて来られて10日目です…そろそろ決めて下さい。今迄かなりの方が改宗して人生を謳歌しています…邪教の女神を信じ拷問の末死ぬか? それとも尊いテラス様の元幸せに暮らすか選んで下さいな…好きな方を選んで頂いて構いませんよ、騎士の皆さん、1人ずつ放してあげてくださいな」
「まず、最初は貴方ね…好きな方をどうぞ」
「私は..私は、幸せの部屋を選びます…ううっ」
「そうね、でもイシュタスは良いんですか? あの詐欺女を信じていたんじゃないの?」
「ううっ、もう良いんです…あの女神様は私達を救ってくれなかった」
「賢明ね、それじゃこれを踏んで幸せの部屋に行きなさい」
そう言って床に放り出されたのはイシュタスの顔が刻印された板だった。
「はい」
「そうそう、良いわよ…それで良いのよ。あと女神様と呼ぶのは禁止、馬鹿女とかで充分だからね。貴方は本当に正しい選択をしたのよ…もし今、そちらを選ばなければ、お腹の子が流産するまで腹を殴った後に、貴方は生涯性奴隷として死ぬまで解放されなかったわ」
「解りました」
ふふっ顔が青くなったわね。
「それが、そこでご馳走を食べてから金貨10枚貰って解放されるのよ…最後の最後に良い選択をしたわね、旦那が居なくて困っていたんでしょう? もう貴方もその子も幸せになれるわよ」
「本当ですか?」
「本当よ…テラス様の名前で約束するわ」
「有難うございます」
「さぁ次はどなたですか?」
「俺は、ダル。クルセイダーだ。女神に選ばれた戦士…此処には同胞を救いに来た」
「ふっ、馬鹿なテラス教徒、私を誰だと思っているの? 私はアークプリーストのクアラ。観念なさい、イシュタス様から授かった、この力で浄化してあげるわ」
「同じく、アークウイザードのミンティアよ!観念なさい」
あらあら、ようやく聖属性の人間に会えましたね。
此奴らが『最大の敵』だわ。
改宗すら無理な存在…
勇者達の次に女神に愛された存在。
「態々、そちらから乗り込んでくるとはね、ですが貴方達は…まぁ良いでしょう、騎士達、此奴らを取り押さえなさい」
「ふっ、たかが騎士風情に僕が負けるとでも…行くぞホリーソード…えっ」
「何をしているのダル。見ていなさいこれが女神の代理人の使う最強の力、ゴッドネスアローっ。女神イシュタス様から届く力を光の槍にして打ち込む技。この技の前にはどんな相手でも…死ぬ…あれっ」
「むっ、ならばこれでどうですか、全て吹き飛べゴッドネスブロー…嘘風が出ない」
馬鹿じゃないだろうか?
此処はテラス教の本部。
こう言う場合に備えて理人様がテラス様に頼んで結界が張られている。
それに理人様がテラス様から受けた神託では、女神は暫くこの世界に関与できない。
それなのに女神由来の力なんて使える訳は無いわ。
「もう気が済んだかしら? さぁ騎士、こいつ等を取り押さえなさい…貴方達の未来は地獄しかありません」
「待った、改宗する…改宗する」
「私も改宗するわ」
「私も…えへへ」
馬鹿ね、貴方達は無理。
だってイシュタスそのものの力を使うんだから。
「貴方達は女神の手下その者、改宗する必要はありません…手足切断をして舌を切って、鎖につなぎます。無料開放すれば、娼婦不足の代わりにはなるでしょう」
「「「そんな」」」
大勢の人間が彼等を利用したから…あっと言う間に彼らは使い物にならなくなった。
鎖に繋がれた彼等からはうめき声を昼夜出していた。
多分喋れたなら…『助けて』…そして最後には『殺して』そういう言葉が聞こえて来ただろう。
あなたにおすすめの小説
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。