87 / 104
第87話 上級国民
「帝王様、テラス教を国教と認めて良かったですな」
「全く、その通りだ。最初は胡散臭いと思っていたが、凄まじいな…我々は濡れ手に粟で莫大な利益を手にする事が出来る」
我々は、既に全部の金貨を既にテラス札に交換してある。
交換レートは 10万円=金貨1枚。
だが、直ぐにテラス教の方で 交換レートは 1万円=金貨1枚に引き下げられる。
つまり、金額はそのままだが価値が10倍になるから、資産が10倍になったようだ。
この金額があれば、俺の代だけでなく10代先まで遊んで暮らせる。
「しかし、良かったのですか帝王様、国を丸ごと譲ってしまって」
「まぁな、父上が亡くなってこの国の治世も難しい。実際にこの国を回しているのは最早、帝王や貴族ではない。テラス教なのだよ! 今ある城のお金を10倍にして億単位のお金が貰えるなら潮時だ。俺としては新参者の国と散々馬鹿にされ、金だけ大きな国から取られていた国が最後に世界の中心に近い状態になったんだ、これで良い」
「実質、帝王や貴族の位は無くなっても、上級国民という新たな地位を貰える、さらに一代限り最上級国民としての扱い、なら問題はありませぬな」
「確かに、何もしないで地位が保証されて、お金はどれ程使っても減らない位あるのだ、正直急に、王子から帝王になり、政治で困っておったのだ…政治の事はさっぱり解らん、宰相に言っても『それは王が判断する事でございます』としか言わぬ。渡りに船だな」
流石に国家予算10年分を個人資産にして良いと言われれば…もう引退しても構わぬ。
しかも最上級国民として地位の保証に月に8000万円の支給。
この方が遙かに良い。
「しかし、宰相殿が急に体調を壊し、亡くなるとは思いませんでしたな」
「まぁ、父も宰相もかなりの歳だ。いつ亡くなっても可笑しくない歳であった。今いる王子は俺以上に頭が悪い…これで良かったのだ」
「そうですな、今回の件で男爵以上の地位にある者の多くは今回の件で皆、爵位に応じた上級国民になるそうです。今後働かないで、今以上の生活が出来ますからね」
「まぁ我々は良い事尽くめだ。それに引き換え、王国や聖教国は今では餓死者まで出ているそうだ…テラス様様だ」
「王国や聖教国では食料が手に入らずに、貴族からの亡命者も沢山出ていますからな。そろそろ国としての面子も保てなくなるのではないか?」
「金貨の価値を下げ…最後には金貨の廃止、それでほとんどの国は終わるかも知れませぬ。それに対して我々は、大量のテラス札を持っている。教皇だろうが王国の王だろうが一気に資産を持たない存在に落とされる…恐ろしい話です」
「まぁ、世界有数の金持ち権力者になる切符を貰った我々は幸運だったそういう事だ」
「何もしないで贅沢して暮らせる…なんて素晴らしい世界なんでしょうか」
「その通りだ」
世界は大きく変わりつつあった。
※次回は少し視点をずらして 王国か聖教国の閑話を書こうと思っています。
あなたにおすすめの小説
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。