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第94話 神の土下座
神になった俺に最早怖い物は無い。
そう思っていた俺だが…
今、俺は最大の恐怖と戦っている。
「護衛は要らない…そう言っていましたが…まさか最初から死ぬつもりだったんですの? 説明もしないなんて酷いですわ。わたくし仇を討った後に死ぬつもりでしたわ」
「本当に酷いわよ…理人が死んだら生きていけないのに…死んじゃうなんて」
「正直凄く怒っていますよ! …反省して下さい…でも理人くんが生きていて良かったよ」
三人とも凄く取り乱している。
そして、俺は…土下座をしている。
流石に涙流しながら怒られたらこれしか出来ない。
かなり心配をさせてしまったのだから、仕方が無いな。
ひとしきり怒りが収まるまで待って、説明を始めた。
「「「神になった」」」
三人とも驚いている。
神になったからと言って姿形が変わる物じゃない。
見た目はそんなに…いや何も変わらない。
実際には『神モード』があるが、服が変わる位で大きく姿は変わらない。
「神ってあの神ですの?」
「神って神様になった、そういう事で良いのね」
「神様ってなれるの?」
「テラス様、曰く、此の世界で象徴になる存在が必要らしいんだ、テラス様は神だけど天照大御神の眷属だから、此の世界に根ざして無いそうだよ…今回の異世界人誘拐事件がある程度片付いたら、此の世界には頻繁に来れないそうだ…まぁ神って言っても見習いだから、そんな気にしなくて良いよ」
「気にしないなんて出来ませんわ」
「神様って気にしないで良い訳ないでしょう?」
「そうだよ…」
とは言え、最早とんでもない存在になったのは解かる。
最早この世界で俺と戦える存在は邪神様位しかいない。
此の世界には、邪神様とテラス様、そして俺しか神は居ない。
邪神様やテラス様には敵わないが、多分俺一人でも一国相手に簡単に勝てそうな気がする。
特に今は王国も聖教国も悲惨な状況だから、簡単かも知れない。
それに今迄持っていた能力は全部吸収された。
『神は騙せない』『天に向かって唾を吐けば自分に返る』もはや何処まで出来るのか解らない。
しかも、此の世界の神だからなのか『いちいち貸し借り』を持ち出さなくても、自由に能力も奪える。
これはテラス様にもない能力だ。
その反面、能力を奪ってももう自分の物にならない…いや、それすら要らない。
恐らく能力はカンストし、スキルもジョブも作り放題なのだからそうなっているのだろう。
回復能力も聖女なんて比べ物にならない三端さんを一瞬で治せたことでも解るが、指を鳴らして念じるだけで、死人すら蘇らせそうな気がする。
テラス様は、此の世界の人間側の管理者にする為に、俺を神にした可能性が高い。
そして邪神様と仲良くなれるレールを敷いてくれた。
本当の事は解らないが…この辺りがテラス様のシナリオに近い気がする。
「確かに神にはなったけど…皆からそう思われると寂しすぎる、だからこれまでどおりが良い…そうして欲しい。 それに神なら俺だけじゃ無くて塔子のお爺さんも神だろう『北条こそが神なのだがははははっ』と」
「それは恥ずかしいから言わないで欲しいです。確かに北条家は『財閥で出来ない事は無い』と言われていてお爺様は増長していますが…関係ないじゃない。そんな事言うなら、その北条から崇められる神代家の方が怖い位よ」
神代は確かに普通じゃないけど…残念ながら俺は詳しくは知らない。
「なぁ、フルールは黒薔薇、塔子は今天皇と言われる北条家の娘、綾子だってお嬢様、皆が特別な人間だろう? だけど、特別扱いさせれたら、どうだ、楽しかったか?」
「そうですわね、確かに面白くありませんでしたわ、理人様は理人様、それで良いと思いますわ」
「私もそう思うわ…」
「私もそうですね…うん理人くんは理人くん、そうだよね」
これで、どうにか収まったかな。
「そう言えば、木崎はどうなったの?」
「そう言えばユウナとユウもお休みですし気になりますわね」
「木崎君はどうしたの?」
「ああっ木崎君ならユウナとユウと一緒にネズミ―ランドに行っているよ。7泊8日で、ホテルの多分スイートルームで夜も楽しんでいるんじゃないか」
「「ネズミーランド!」」
「ネズミーランドってなんですの?」
「フルール、ネズミーランドって言うのは、この前貴方が経験したと話していた、遊園地の何十倍も凄いのよ」
「…何十倍…あれより面白い施設がありますのね…」
「理人くん、それは凄く狡いと思います」
確かにネズミ―ランドはやり過ぎたかも知れない。
ただ『親友』という言葉が嬉しかったからな…
仕方ない…
「ある程度やる事が終わったら…ネズミーランドでも温泉でも何処にでも連れていくから、今は許して欲しい」
「「「解か(った)(りましたわ)(ったよ)」」」
さっさと終わらせないとな。
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